龍閃の軌跡   作:通りすがりの熾天龍

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記念すべき第10話!
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皆様、本当にありがとうございます!
これからも、『龍閃の軌跡』をよろしくお願いします!

それでは、旧校舎探索編です、どうぞ!


旧校舎探索 ver.April

ジョルジュへの報告を終え、キルシェで早めの昼食。

その後、再び学院に戻り、向かう先は学院長室。

 

「失礼します、学院長。1年Ⅶ組、リィン・シュバルツァーです」

「おお、待っておったぞ」

 

ノックをして入ると学院長が迎えてくれた。

 

「トワ君から聞いておるよ。君らが引き受けてくれたとな」

「俺ら、というか俺が引き受けたって感じなんですが・・・」

「そうか。まぁ、まずは話を聞いてもらいたい」

「了解です」

 

曰く、今週の月曜辺りから妙なことが旧校舎で起こっている。

魔獣の種類が変わっていたり、どこからか声が聞こえてきたり。

入学式の日、ガーゴイルが10体居たこともやはり異常だったが、ここ1週間で今までに起こったことがないような“異常”な出来事が幾つも起こっているとのこと。

 

「そういった“異常”の確認をしてくればいいということですか?」

「うむ。とりあえず地下を一巡りして先週との違いを確認してきてもらいたい」

「了解です」

「とりあえず、これはⅦ組全員への依頼として扱ってもらいたい。一人で行くばかりではなく、他のメンバーにも声を掛けておくといいじゃろう」

「わかりました。ですが今日のところはまず一人で行ってみようと思います」

「そうか・・・では、これを渡しておこう」

 

学院長が渡してきたのは、旧校舎の鍵。

 

「これはいくつかあるスペアの一つじゃ。暫くの間、君に預かってもらいたい」

「了解です。確かに、お預かりしました」

「うむ。それでは、旧校舎の調査の方は頼むぞ」

「はい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

旧校舎に向かう。

鍵を使って扉を開け、いざ旧校舎へ足を踏み入れようとした時、

 

「ちょっと待って!」

 

声を掛けられた。

声と気配でわかってはいたが振り向くとそこにはアリサ。

一緒にラウラ、エリオット、ガイウスの姿もある。

 

「どうしたんだ? 皆揃って」

 

なぜ4人が揃ってここに居るのかわからず、訊く。

4人の話を纏めるとこうだ。

偶々4人が合流し、これからキルシェに食べに行こうかと相談していたところ、俺が真剣な顔で旧校舎に向かうのをガイウスが見たとのこと。

とりあえず、4人に学院長からの依頼の件を話す。

 

「そうだったか・・・」

「で、これから入ろうとしていたところだ」

「ふむ、ならば私たちも一緒に行っても構わないだろうか?」

 

予感はしてた。してたんだけど・・・。

 

「昼飯は? まだ食べてないって言ってたろ」

「「「「あ」」」」

 

仕方ないので携帯食料を4人に渡す。

干し芋にドライアプリコット。

あとニコラス先輩から貰ったチーズの内の半分。

ついでに無限に水が出るボトルから飲料水を。

ちなみにこのボトル、アーティファクトである。

名称は《手中に収めし泉》。

第一位との殴り合いの末に勝ち取ったのはこれじゃない奴だからな。

 

「んじゃ、行くか」

 

俺の言葉に皆が頷き、俺達5人は旧校舎へと足を踏み入れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガーゴイルが居る部屋に入る。

だが、なぜかガーゴイルは居なくなっていた。

それだけではない別の違和感も感じられる。

 

「部屋が・・・小さくなっている!?」

「それに、あれ・・・あんなところに扉なんてなかったはずよね!?」

「しかもそのすぐ傍のあれ・・・あれって戦術オーブメントの回復装置!?」

 

ラウラ、アリサ、エリオットがそれぞれ驚愕の言葉を放つ。

・・・いきなりとんでもないことになったな。

 

「学院長もこんなこと言ってなかったぞ」

 

もし既にこうなっていたのなら学院長にも報告が行っている筈。

その場合、学院長は間違いなく俺に伝えたはずだ。

そうなっていないってことは・・・。

 

「つまり、これを見たのは俺達が最初ということか・・・」

 

俺の推測と全く同じことをガイウスが言った。

 

「とりあえず、行くしかないだろう」

 

そして俺達は階段を下り、前回は無かった扉を開いた。

 

 

 

 

 

 

そこに広がるのは、全く見知らぬ光景。

完全に地下の構造が変化している。

そして学院長から聞いていた通り、魔獣の気配は全く異なる。

俺達の近くには、完全に停止状態となっている装置。

 

「リィン・・・どうするの・・・?」

「とにかく、行けるところまででも行ってみよう」

 

エリオットの言葉に答え、そして俺達は先へ進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全く違う構造と化したダンジョンを進む。

途中、ナメクジ形の魔獣にアリサが悲鳴を上げたり、ラウラがポムを愛でようとしたり、他にもいろいろあったが・・・まあ、些細なことだろう。

しかし、何かが妙に引っかかる。

 

「ふむ、遺跡の構造が変われば魔獣の強さも変わるようだな」

「そうね。全体的に強くなっている気がするわ」

 

それか!

ガイウスとアリサの会話で気が付いた。

俺からすればちょっと強くなろうが大して変わらないからわからなかった。

しかし、それはそれでおかしい。

 

「学院長の話では魔獣の種類こそ変わりはすれ、強さは変わってないはずだ」

「だとすれば、ここの構造が変わったときに魔獣の強さが変わったということか」

 

俺の言葉にラウラが推測する。

まぁ、俺の考えも彼女と同じなんだが。

 

「あ、終点みたいだよ」

 

エリオットの言葉に前を見る。

そこは小部屋のようになっていて、入口近くにあったものと同じ装置(こちらも完全に停止している)と遺跡などで偶にある特殊なオーブメント回復装置が置かれている。

その奥には、扉が。

遺跡にも良くある終点への自動ドアだ。

だとすれば、この先は()()が居るだろう。

そいつを倒すと何かが起こるのはどの遺跡でもほぼ同じだ。

今回の場合、少なくとも停止状態の装置が稼動を始めるだろう。

 

「どうする? 戻るか進むか。あの扉の先には魔物が居るはずだ」

「え、あれって扉!? 壁かと思った・・・」

 

・・・おい。

部屋から伸びる短い通路の先にあって不思議な模様があるあれがただの壁なわけないだろう。

エリオットよ、こういうことはよく見ないと駄目だぞ?

 

「で、どうする? 俺一人で行ってもいいが」

「いや、私は行こう。ここまで来ておいて、そなた一人を置いて引き返すなど武人の名折れ!」

「俺も行こう。大丈夫だ、俺達には風と女神の加護がある」

「ぼ、僕も行くよ。皆に比べればまだまだだけど、精一杯頑張るから!」

「私も行くわ。ここまで来たのに、引き返すなんて逃げることと同じよ!」

 

よし、いいだろう。

 

「皆、行くぞ!」

「うむ!」

「ああ!」

「うん!」

「ええ!」

 

俺達は、扉の先へと足を踏み入れた。

 

 

 

 

 

 

俺達全員が入ると、後ろの扉が閉まり、硬く閉ざされる。

そして、先ほどよりいくらか大きな部屋の、その中央に魔物が現れた。

全長は3メート・・・じゃなくて3アージュほど。

・・・いや、2倍に巨大化した。

奴が仰け反るように腹を突き出す。

そこから、巨大化前の同一種の魔物が這い出てくる。

巨大化した奴を合わせると、5体。

3アージュサイズだった4体もまた、巨大化し6アージュに。

更に後ろからズルリという音が聞こえ、振り向くとこれまた同じ奴(6アージュ)が出現した魔法陣の中に生まれた渦の中から這い出てきていた。

 

「リィン。後ろの1体は我々4人に任せてもらえないだろうか?」

 

ラウラがそう提案してくる。

 

「いいぜ。ついでに10分以内に倒せたらいいもの見せてやるよ」

「「それって一体・・・?」」

 

ハモったアリサとエリオットに微笑を返し、5体の魔物へ向き直る。

確か奴らの名称は・・・《ミノスデーモン》だったか?

さて、最初の10分程は軽くあしらう程度にするかな。

 

「確かそいつは暗闇のブレスを使うはずだ。視界を塞がれないように気をつけろ」

「「「「わかった!」」」」

 

んじゃ、バトルスタート!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4人は7分で1体を倒した。

上手いな。戦術リンクもなかなか使いこなしていたようだ。

戦術リンクってシンクロモードに似ているよな。

お互いの動きが見えなくても感じるというあの状態。

シンクロモードの開発者はヨシュア&エステル。

そして命名は俺。

 

「リィン、無事か!」

 

ガイウスが心配からか尋ねてくる。

 

「なに、この程度余裕だ」

 

さて、10分以内に倒したことだし、あれを見せてやろうかね。

襲い来るミノスデーモン共を魔導術による衝撃波で吹き飛ばす。

 

「んじゃ、見せてやるよ。龍の力と対を成す俺のもう一つの力だ」

 

いざ、神気合一!

 

「うおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉ――――――」

 

俺の体を黒い雷のような気が包む。

見る人が見れば、そいつはこう言うだろう。

――――“陰の気”と。

 

「おおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉ!!』

 

俺の髪が白く、眼が赤く染まる。そして声も低くなる。

まだ完全制御には至らないためガチバトルではまず使わない力。

ミノスデーモン共は俺が発する覇気に若干だが怯えている。

 

『これが―――――“鬼の力”だ!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それを見ていた4人は皆驚愕した。

リィンが纏う気は黒い雷の如く、髪の色が変わることも普通ならありえない。

最も、リィンを後ろから見ている4人は目の色も変わっていることは見えていない。

そして、誰もが、魔物共も気づいた。

唯でさえ強すぎるリィンが、更に強くなっていることを。

 

『一撃で決めてやるよ』

 

低くなった声で、リィンはそう告げ、刀を納める。

そして、偶然か横一直線に並んだ魔物5体に視線を向ける。

直後、リィンは魔物が並ぶ直線状にの先に移動していた。

 

『八葉、新奥義、《天翔龍閃(アマカケルリュウノヒラメキ)》!』

 

直後、魔物は5体纏めて真っ二つになった。

そして、リィンが黒雷状の気を収め、髪と目の色が元に戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

魔物を倒したが完全停止状態だった装置が稼動を始めた以外は何も無し。

装置の正体は転送装置だった。

旧校舎を出て学院長に報告するために本校舎へ。

 

「そういえばリィン。なぜ鬼の力とやらをレグラムでは見せてくれなかったのだ?」

「あの時は今ほど使いこなせてなかったんだよ」

 

道中、ラウラとそんな会話もありながら、学院長室へ。

旧校舎を出た辺りで、黒猫が見てるのに気づいたが、気には留めない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふむ・・・それは予想外の出来事じゃな」

 

事の次第を説明すると、深刻そうな声で学院長が言う。

 

「地下の構造が丸ごと変わるなんてね。そこまでとんでもないものだとは思わなかったわ」

 

同席したサラ教官もそう呟く。

とりあえず、一つ聞いてみたいことが。

 

「あの建物って、どれくらい昔にできたものなんですか?」

「・・・いつ、誰が造ったのかはわしにも全くわからん。だが、この学院の設立前には既にあったのは確かじゃ。おそらく、暗黒時代か、それ以前のものじゃろう」

 

エリオットに先に言われてしまったが、学院長の言葉を聞く。

しかし、今までの遺跡とは何処かが違う。

例えば、最奥の魔物を倒したのに何も無かったこととか。

入口までの転送装置が存在していることとか。

俺がそんなことを考えている内に、サラ教官と学院長の間で話が纏まっていく。

 

「シュバルツァー君たちの報告から考えて、今後は旧校舎へは立ち入らないようにすべきじゃな」

「ええ、そうですね」

「なら、鍵は返したほうがいいですか?」

 

暫く預かることになっていたとはいえ、立ち入り禁止になるなら返却すべきだろう。

 

「いや、その鍵は君が持っていてくれ。強力な魔物を相手に、軽くあしらえるほどの実力を持つ君なら、わしらも安心して鍵を預けることができる」

「了解しました。責任を持って、預からせて頂きます」

「うむ。君には今後も、旧校舎の調査を頼みたい。気が向いた時で構わない。調査して、何か変化があったらわしかサラ教官に報告してくれ」

「はい」

 

その時誰かを連れて行くかどうかは俺次第、だろうな。

 

「5人とも、本当にご苦労じゃった。よく調べてきてくれたな」

「「「「「ありがとうございます」」」」」

「それでは、今日のところはもう解散してよい。これ以上時間を取らせるわけにもいかんからな」

「「「「「はい」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

調査の報酬として、俺達はクォーツを一つずつ貰った。

俺からすれば持ってても意味ないというか。

それを察したであろう学院長から、分解してしまっても構わない、とのお言葉。

ありがたくセピスに分解させていただきまーす。

というわけで会長に報告一日の報告をしにレッツゴー!

なぜか皆もついて来た。

 

「失礼します」

「あ、リィン君」

 

生徒会室に入ると会長が席に着いたまま出迎えてくれた。

その隣にはジョルジュとクロウも。

 

「よ、リィン。一日お疲れだったな」

「お疲れ様、リィン君。僕も助かったよ」

 

3人は書類を片付けているようだ。

生徒会長が予想外にちっこいからか、皆が俺の後ろで驚愕してる。

 

「ジョルジュ君から聞いたよ。話の良く合う後輩ってリィン君のことだったんだね」

「俺も会長やクロウ先輩とジョルジュやアンジェが親友だったとは知りませんでしたよ」

「あはは、まぁ私達が親友ってことは4人で一緒に居ないとわからないからねぇ」

 

と、そこでクロウ先輩が何かに気づいたように声を上げる。

 

「ちょっと待て、リィン。お前ジョルジュのこと呼び捨てにしたか? それにアンジェってまさかゼリカの徒名か? 何でそうなってんだ!?」

「え? 本人に許可貰いましたよ」

「マジか。お前らそんなに気が合ったのか? っていうか何でゼリカまで!?」

「説明めんどいんで後でジョルジュに聞いて下さい」

 

ザ・丸投げ。

クロウ先輩は少し考えた後、言葉を発する。

 

「ジョルジュやゼリカにタメ語なら俺にもタメ語でいい。っていうかそうしてくれ」

「あ、だったら私も! 4人のなかで私一人にだけ敬語って言うのも何か変だし」

「OK。んじゃ、遠慮なくそうさせてもらうわ。クロウ、トワ」

「「「「「「切り替え早っ!?」」」」」」

 

二人だけじゃなく後ろの皆も一緒に驚愕した。

ジョルジュは苦笑している。

 

「まぁ、いいか。とりあえずリィン君。今日は生徒会の仕事を手伝ってくれてありがとう。それから、後ろに居る皆も手伝ってくれたんだよね。ありがとう」

「「「「どういたしまして、会長」」」」

「力になれたんならそれ以上のことはないさ」

「えへへ、本当に助かっちゃったよ」

 

俺達の言葉に限界ギリギリなんかじゃない本当の笑顔を浮かべるトワ。

うん、昨日の笑顔と比べると本当にやってよかったと思う。

 

「旧校舎の調査もあったし皆疲れたでしょう? 今日は早めに帰ってゆっくり休んでね」

「俺達はもう暫くここに居る。何かあったらいつでも依頼してくれていいぞ」

 

トワとクロウがそう言うが、まだまだ書類が残っているようだ。

もう夕方だというのに・・・。

よし、ここは・・・。

 

「まだまだ忙しそうだし、俺も手伝うよ」

「え、えっと・・・いいのかなぁ? リィン君も疲れているでしょ?」

「大丈夫だって。まだまだ余裕はあるから」

「・・・ありがとう。リィン君って優しいね」

 

その途端、なぜか約2名の視線に棘が混じった。

・・・なぜだ。

視線を向けられる俺以外は気付いていないようだが。

 

「それじゃあ、お願いしようかな?」

「「会長! 私達もやります!」」

「ふぇ!?」

 

アリサとラウラが凄い剣幕で迫る。

トワもびっくりしちゃってるよ。

 

「なぁ、エリオットとガイウスはどうする?」

「う、うん。僕も手伝うよ。会長も凄く忙しそうだし」

「俺も手伝おう。す、少しでも力になれればいい」

 

俺の質問に二人が答える。

若干二人も声が震えてるのは仕方ないだろう、多分。

 

 

 

 

午後8時頃に仕事が終わった後、トワがお茶をご馳走してくれようとしたが、約2名が突如殺気を発したことにより、涙目でそれを取りやめた。

トワが涙目ということで俺とクロウは昨日の悪夢を思い出してしまい、恐怖した。

だが、戻ってきたアルト先輩たち生徒会役員も入ってくるなり恐怖で女子役員数名が腰を抜かしてしまうという大事件に。

俺とクロウは安心すべきか恐怖すべきかわからなくなってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なぜだろう、今日一日の業務でなんてことはない書類処理が一番疲れた気がする。

自炊する気も起きないためキルシェへ。

エリオットやガイウスとは別れたがなぜかアリサとラウラはついて来た。

しかも二人の間で火花を散らしながら。

解せぬ。超解せぬ。非常に解せぬ。どうしてこうなったんだチクショー!

そんなことを考えながらキルシェに入ると、何やら店主のフレッドさんが困り顔。

話を聞いてみると、重要な調味料の在庫が切れてしまったとのこと。

その調味料は、パッションリーフ。

大陸南部の香辛料で、少々手に入りにくい代物だ。

だが・・・。

 

「乾燥させたものなら持ってますよ」

「本当か!?」

「ええ」

 

いつもの四次元バッグからタッパ(俺の発明品の一つ)を取り出す。

蓋を開けるとパッションリーフの束が。

俺も偶に使うため、こうして保存してあるのだ。

 

「これだけあれば2週間は持つでしょう。全部どうぞ」

「全部!? 君も使うんじゃないのかい・・・?」

「いえ、問題ありません。それに、代金も頂きませんよ」

「そうか。ほ、本当にいいのか?」

「はい」

「わかった。本当にありがとうな。恩に着るぜ」

 

助けてもらったということで料金をサービスしてくれるといってくれたが、俺の分だけは定額で払うことにし、アリサとラウラの分に大きくサービスしてもらった。

二人も少しだけだが機嫌を直してくれたようで一安心。

とりあえず、3人で食事をして、二人の機嫌を取って。

けっこう時間がかかってしまったな。

明日と明後日の放課後に別々に買い物に付き合うことを約束して、何とか機嫌を直してもらった。

じゃんけんで順番を決め、明日がアリサ、明後日がラウラになった。

さて、楽しんでもらえるといいがね。

そんなこんなで寮に戻って時計を見ると時刻は夜9時半。

・・・・・・ラジオスイッチオン。

何も聞こえない。

アーベントタイムは聞き逃してしまったようだ。

ええい、くそ!




原作ゲームとは違ってラウラとアリサが追加。
探索途中は省きました、すみません。

というわけで鬼の力初披露。
リィンがこの力を使うのは基本殲滅戦。
何故なら未だ完全制御に至っていないから。

トワ会長に嫉妬する二人。
大人げない? それは置いといてよ。
トワ会長をリィン寄りにするかクロウ寄りにするかで悩んでいます。
彼女がリィン寄りになった場合、クロウのヒロインは・・・ヴィータ?

次回投稿は来週土曜。
現在ケルディック編二日目を執筆中です。
それでは、また次回!

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