「才能開花!若人の未来の行き先は?」
https://syosetu.org/novel/374798/8.html
の続編となります。
以下、作者様の予告風イラストになります。
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「「ブンブーン!!ポゥッ!!」」
「パーリーピーポー音頭だフォオオッ!!!」
彼の名は猛原禽次郎。見た目は高校生、中身はじじいのパーリーピーポーだ。
今日はとある友達と、再会を祝したパーリーをするらしい。
「たしか待ち合わせは…」
「禽次郎っ!」
「…!」
「いっちゃん!久しぶりだなぁ!!」
合流した彼らは近くの良い感じの喫茶店に入ることとした。
禽次郎は、喫茶店でのお茶も茶飲み認識でいるが、樹は多分その認識ない…と思う。
「うわぁ!美味そう!!」
「ということで…?」
「「いっただきまーす!!」」
ゴジュウジャーとしての1年の象徴だった指輪争奪戦は終わり、厄災の影も感じなくなった。
ある意味禽次郎たちは、平和というパーリーなタイムを謳歌していたのだ。
「僕たちが出会って、ちょうど一年。あれからどうだ?」
「自分で言うのもなんだけど、禽次郎と出会ってから考えが変わったんだ。才能や運の有無はあるかもだけど、自分お頑張り次第では、未来は変えられる…。良い方に動かせる。」
「立派になったなぁ…。僕としては、孫が1人増えた感覚で成長したいっちゃんの姿に涙が止まらないんだ」
(またよくわかんないこと言ってる…)
「あ、そうだ禽次郎、見てよ。」
「なんだこれ??」
「ス、スク○ッチ…インターンシップ??」
「あぁ。第一志望だったスク○ッチのインターン行くんだ! 就職の条件に必要って言われてる資格、難しかったけどなんとか頑張って取ってね。まぁ、まだインターンに行くだけだけど」
「インターン…今はそんなものがあるのか…。ん?てことは、いっちゃんの目標に、一歩近づいた…??」
「「フォオオオオオオオオオッッ!!!!!」」
「最っ高じゃないか!!頑張ったんだなぁ!いっちゃん!!」
「ちょっとちょっと。本番はこれからだよ? 禽次郎も高校卒業してもし就職するってなったら教えて。その時は協力すっから!」
「あぁ、安心してくれ!僕は留年するから、就活はまだ少し先って感じっこだ!」
(あっれーーーー??? 留年??? 留学じゃなくて留年??? 禽次郎って人格者だし、そういうとこしっかりしてんかと思ってたんですけど??)
「…??そんなことより、いっちゃん…。スマホ持ってるその手についてる…。」
「あ、これ?」
「…!まさか!!」
「そう!キラメイジャーのセンタイリング。テガソード曰く、また指輪争奪戦やるみたい。禽次郎もやるんでしょ?」
「あぁ…実は今回は不参加で…。」
「え?留年するから??」
お互い長い話になるだろうと悟り、喫茶店にもどことなく申し訳なくなってきたらしく、
喫茶店近くの公園で、禽次郎は指輪争奪戦のことを全て話した。
「なるほど、真のパリピを探すために、一旦指輪を頼るのをやめたんだ。」
「うん。実は前回の争奪戦、かなり終盤まで残ることができたんだが…。いざ戦うってなった時に、迷ってしまってなぁ。僕はあくまで、真のパーリーピーポーになること。でも相手は家族の命が関わっていてな。僕自身の願いに、疑問が出ちゃったんだ。」
「そんなことがあったんだ…。で、真のパーリーピーポーにはなる方法はわかったの??」
「いや、まだまだじゃ。僕の思うに、真のパーリーピーポーとは、周りをも笑顔にするような人。指輪でその力を手に入れるのも良いが、とりあえず今はそんな人間になれるにはどうすれば良いか、自分で頑張ろうと思ってな。いっちゃんも頑張ってるんだ。僕だって、いけるところまでやってみたいんだ!」
「高校生とは思えないほど、真面目だねぇ。」
(俺の未来にも煌めきがあることを教えてくれた禽次郎は十分その素質があると思うんだけど…留年するって情報を聞くと、信じられないなぁ)
「まぁ何はともあれ、今回は自分の争奪戦がない分、いっちゃんの争奪戦を全力で応援するからなっ!!フォォォオオォォォッ!!!」
禽次郎は、樹が元気そうで心底安心していた。
彼は樹との指輪争奪戦に勝利したことが、少し気がかりだったのだ。
あの時、初めて自分で未来を切り開こうと、暗闇から立ち上がった樹から…そのきっかけの指輪を、彼から奪って良いのか…。
一河角乃と戦う時も、樹との争奪戦がチラついてしまい、禽次郎は最初逃げ出してしまったのを覚えてる人もいるだろう。
でも、樹の反応を見る限り、前を向けているようだ。
この調子で、周りに笑顔を広げられる真のパリピになれると良いなぁ。
そう禽次郎は安堵していた。
その時だった───
「「きゃああああーーーーー!!!」」
人々の悲鳴だ。耳が痛くなるほどの悲鳴が恐怖を乗せてきた。
「…!!まさか…!!」
「禽次郎、あ、あれは…??ノーワン??」
「じゃない…!!」
そこに立っていたのは、樹と同じくらいの青年だった。
どうやら人々は、あの青年が怖くて逃げてるよう。
すると…
「響也…先輩…???」
「きょ、響也さーーーーんっ!!」
「ちょ、いっちゃん!!」
無我夢中で駆け出して行く樹。彼が“響也“と呼ぶその男からは、ただならぬオーラが見える。
「いっちゃん!!危ない!!」
そう間一髪声をかけ、樹が足を止めると同時に、“響也”のオーラが解き放たれた。
暗く禍々しい、重たい感覚…!
「禽次郎!!響也さんがっ!!真っ黒な…!!!」
「ちがう…!僕のパリピ友達に、くまたんってのがいるんだけど……彼が言うにあいつは…厄災だ…!!」
「厄…災…??」
「レクス様消え…、同士だったパラドクス敗れし今…私がこの世界を…堕とすっ!! この私…クラディス残党…虚無のバニタスが…!!」
「虚無の…バニタス??」
「人類よ…焦らずとも貴様らの価値は無となる。そして人類の価値がなくなりし時、虚無の世界で…我々クラディスは、復興を遂げる! 新生クラディスとしてっ!!!」
「クラディス…確か、吠っちたちと最後の争奪戦をしてる時に、そんなことを話していた気が…。」
「…!!まずい、禽次郎はみんなの避難をよろしく!」
「エンゲージッ!!」
「はああああああっ!!!!」
「やめろーーーっ!!!目を覚ませ!!!」
キラメイジャーにエンゲージした樹は、全速力で厄災に懐に入り、響也を取り戻そうと必死で攻撃を続ける。しかし…
「無駄である、人間。厄災を追い詰めた、金色の手がソードの選ばれし戦士…ゴジュウジャーですらないお前が…!!」
「ゴ、ゴジュウジャー…??」
禽次郎は聞き逃さなかった。しかしそれも束の間…
「貴様のような特殊な価値のない人間が、厄災に敵うと思ったか!!」
厄災のオーラが一気に解放され、樹を苦しめる。
「うわーーーーっ!!!!」
「…!!いっちゃん!!」
倒れる樹。キラメイジャーの変身も解けてしまっていた。
急いで駆け寄る禽次郎。現場にはただならぬ緊迫感が張り詰めている。
禽次郎にとってこの感覚は、久しぶりの感覚なはずなのに、一気に戦闘の空気に飲まれる。
「ほう…。今の一撃、耐えるとはな。」
「ではこれならどうだ…!!?」
バニタスは長い棒状の武器を、ライフルのように構える。
するとその銃口から、禍々しい色をしたエネルギーが充填されて行く様子が2人にはまじまじと見えた。
「こ、このままじゃ…!」
「禽次郎、逃げろ!」
「終わりだ。厄災に逆らったことを、後悔すると良い。」
エネルギーが弾丸として解き放たれる…!!しかし、
「…!!」
突如、氷の壁が発生し、銃弾から2人は守られた。
「まさか…くまたん…??いや、そんなこと言ってる場合じゃない!逃げよう!いっちゃん!!」
氷の壁が散る頃には、すでに2人はバニタスの目の前からいなくなっていた。
「……逃げたか。まぁ良い。これでやつらも、己の無力さ・虚無感を味わっただろう。邪魔をするだけ無駄なのだ。」
こう言い残し、現場からは誰もいなくなってしまった…。
「熊手…また現れたクマ?」
「あぁ、あの時…俺様がレクスと決着をつけた時、やつは確かこう言った…。『厄災はなくなりはしない、また理不尽に降り注ぐ…』と。レクスの仲間がまだいるとは思っていたが、まさか新生クラディスを立ち上げようとするほど、力を持ったやつがいたとはな…。」
「た、助けに行くクマ??」
「神として、じいさんやみんなを助けることはできる。けど…。」
「けど…??」
「必死で前を向く…生きた人間が厄災と戦うことに、意味があるんだ。人間が戦う意志をなくして…やつの言うように虚無の世界になれば、それはやつらの思惑通りなんだ。」
「熊手…。」
「え?じゃあさっき厄災にのっとられていたのは、いっちゃんのお友達って感じっこ??」
「お友達なんて関係じゃないよ…。あいつは淀宮響也さん。俺が高校の時、サッカー部だった頃の先輩。あの人は俺と正反対で、才能に満ち溢れた、トッププレイヤーだった。」
樹は、響也の人物像を禽次郎に事細かく伝える。
まるで、当時の嫌味が再び吹き上がったように…。
「響也さんは、僕の1つ上の先輩。高校一年生の僕がサッカー部に入部する頃には。高校二年生ですでに全国大会へ導く最強の選手だった。要領がよくあらゆる才能に満ち溢れた彼は、勉強もサッカーも人間関係も、全てが思う通り。誰もが響也さんに憧れた。そう、サッカー部以外の誰もが、ね。」
「サッカー部以外の??」
「うん。響也さんは確かに強い、でもその才能に敵う相手がいないと悟った彼は、同じサッカー部員を先輩後輩関係なく見下すようになったんだ。」
そう呟き、樹はその頃の記憶に思いを馳せる。
「あ“ーーーーーっ疲れた。おい、マネージャー!水っ!!!」
「は、はい…!!」
「先輩!今日のシュート、まるでなってないっすわ笑 あれじゃ俺の完璧なパスがいきないでしょお!?」
「わ、悪かったよ…。」
「あ、1年!さっき俺パスしろって指示したよね??なんで勝手に点決めてんの??」
「で、でもあれは、響也さん相手チームに囲まれそうだったので…。」
「そう…響也さん、もう強くて目つけられてるから…。」
「関係ねぇよ。1年のくせによく俺に物言いできんね?」
「淀宮!自分の才能に溺れすぎだ!もう少し周りをだな…。」
「監督ぅ、そんなこと言っていいんすか??後半で点決めたのも、相手チームのシュートを察してコートに回れたのも、今日の練習試合勝てたのも誰のおかげっすか??」
「そ、そりゃ…、みんなで一丸となって戦ったからだ。」
「はっ…いいんすよ?この部活抜けて、別のサッカーチームに所属しても?」
「あ、あのな…!!」
「止めれないっすよね。あーあ、疲れた、時間の無駄すぎ。おいベンチ組!!俺のタオルと水筒洗って、ボール磨いとけーーっ。あ、監督ー。明日の全体練休むんで」
「───サッカー部に関係する者は、彼の横暴さを知っていた。でも正直、努力しなくても無敵な彼の才能を認めざるを得なかった。彼のおかげで試合に勝てるのも事実。サッカー部の成果は順調に上がっていた。」
心の底から悔しそうに樹は語る。
「サッカー部以外では横暴さを見せないので、基本的に女子にはモテモテ。男子からも大人気。授業中寝てても学年トップを取れるので、先生も特に文句を言えなかった。暴力を振るってくることもないので、大事にすることもできず。ただただ…俺たちは響也さん…いや、あの響也について行くしかなかった。」
「そんなことがあったんだな…。きっと、いっちゃんの才能ある人を妬んでいたあの時の心は、彼も1つの要因だったんだろう。でも、そんな彼がなぜ厄災に…?? 厄災は、人の弱った心に取り憑くと聞いたことがあるが…。」
「わからない…。あんな敵なしの響也に、弱い部分なんてないはずなのに…。」
悩める若人…しかし、2人に悩む時間はくれなかった。
厄災は再び、人々を襲い始める。
「「きゃーーーーーっ!!!!」」
「…!!まさか、また厄災が!」
「行ってくるよ、禽次郎。あの響也だって、一応先輩なんだ。」
「僕も行こう、いっちゃんは僕の仲間だ。いっちゃんがしっかりと笑顔になるとこを見届けないと、パーリーピーポーとしての名が廃る!」
悲鳴あがった方向へ、禽次郎と樹は走る。ひたすら走る。
その先には予想通り、響也が暗いオーラを放ち、人々を混乱に陥れていた。
「ひ、ひどい…!!」
「みんな、あっちへ逃げるんだ!!」
「響也さん…。あんたって人は…!!」
「おやおやぁ。誰かと思えば、晩年ベンチで、お茶汲み係だった漆村じゃんか。名前を覚えていたこと、感謝して欲しいわ。」
「あんたはあらゆる才能に恵まれていたはずだ…。どうして厄災の力なんかに手を染めたんだ!!」
「才能…ねぇ…。お前のような人間には、到底理解できないよ。厄災の力で、俺はもう一度、あらゆるナンバーワンへ返り咲くんだ。」
「厄災で…ナンバーワンに…??」
「お前に…わかるか?俺の気持ちが。俺には才能があった。でも上には上がいたんだ。俺の輝かしい才能は、一瞬で価値を失ったんだ…!!」
一瞬で、響也の頭の中には苦い思い出が蘇る。
志望校の難関大学に合格し、サークルに所属した響也…
しかし、才能に恵まれていた彼にとって、そのレベルの高い環境は、想像を超えたものだった。
「なぁ、聞いてくれよぉ。俺高校の頃サッカー部のエースでさぁ!練習なんてしなくたって、ちょちょっと全国大会」
「あー、お前も?」
「え…??」
「俺、小さい頃からサッカー好きで特に練習しなくてもJリーグクラブの主戦力なれた」
「今あそこでスマホゲーしてるやつも、すげーよな。」
「高校の時、大会で活躍してたら、そのプレイが凄すぎてスカウトされたんだって。」
「は…??」
「あっちの寝てるやつは中学の時にサッカー関係で留学行ってたらしいぜ?」
「うそ…だろ…??」
「そういやお前、この前の試験どうだった??」
「え、いや…67点…。」
「ギリギリで草。まぁむずかったら言ってよ。普通に教えるし。」
「───俺の才能は、俺の全てだったんだ…!! 俺がキラキラ輝くための全てだったんだ!!それが一気に無へと変わったんだ!! この気持ち…、凡人のお前なんかにわかってたまるか!!」
禽次郎は、かつて百夜陸王と具島玲との会話を思い出していた。
この人々が持つ弱った心…閉塞感に、厄災は入り込んでくるんだと。
禽次郎も少し同情しかけていた。
彼の言う「パーリーピーポー」…。その意味がわからない彼の願いは意味があるのか。
彼の願いに価値があるのかを悩んでいた時期もあったからだ。
「響也さん…いや、響也!俺は凡人さ。俺はずっと自分を無価値だと思っていたんだ。才能ある人間がこの世界で輝ける、そんな世界だと思っていた…!」
「そうさ…!俺とお前とじゃ、世界が違うんだ!!!」
「いや…?そうでもない…! あんたは、自分が特別じゃなきゃ価値がないと思っている、そう囚われている…! でも結局、自分の才能が敵わないと知って、絶望して、煌めきを感じれなくて…!! 周りの才能に嫉妬して……俺とお前は…おんなじなんだよ!!!!」
「違う…」
「「違う違うちがうちがうちがぁう!!!!」」
声を荒げる響也。そこには樹に対する圧倒的な先輩の威厳は感じられず、ただただ自分を否定してくる相手に駄々をこねる子どものような姿があった。
「響也…あんたは努力したことがないから怖いんだ。努力しても勝てないかもしれない、いちばんになれないかもしれない、」
「なに…??」
「いっちゃん…。」
「俺は、高校の頃あんたが嫌いだった。サッカーも勉強もできて…何でもうまくいくあんたが…!!俺は努力してもレギュラーになれなかった…!努力しても第一志望に落ちた…!勝てないことなんて!!山ほどあったんだ!!!」
「だけど…!!」と、樹は言葉の続きを紡ぐ。
「あんたのおかげで…才能に頼らない、努力の大切さを知れたよ…! あんたの才能を妬む時期も…今の俺の糧になってる…! 無価値じゃなかったよ…!!」
「バカが…!!今更俺が努力したこところで、何も…!! これ以上、何も手に入らない!! あんな真の才能を持ったやつらには敵わないんだ!!!」
「じゃあ何?世界一じゃないと生きる価値がないのか?? ナンバーワンじゃなきゃ無価値なのか??」
「そ、それは…!!」
「ふっ…。響也さん。あんたは……自分の価値を、才能に預けすぎなんだ。才能があるから、勝てるから、ナンバーワンだから価値がある……この世界は、きっとそれだけじゃない。」
「ナンバーワンを目指して努力する…それだけでも十分価値があると思うけど? ナンバーワンになることに意味があるんじゃなくて……ナンバーワンになるための過程に意味があるんだよ…!! な、禽次郎!!」
「いっちゃん…!!」
樹の言葉で一気に指輪争奪戦が蘇る禽次郎。
彼もナンバーワンにはなれなかった。自分の願いに価値があるのか悩んだ。
でも、その過程が、そこまでの努力が、最終的に彼をキラキラした未来に導いた。
胸を張って、全力で角乃にも負けることができたことを…思い出した。
「僕にまでフォローをいれてくれるとは、彼も真のパーリーピーポーだな…。だからあんたも今から始めれば良い。自分で…自分の価値を磨くために。早いとか遅いとか…関係ない。」
「こんな…。こんな凡人な後輩に…諭されるとはな…!!」
響也の身体が光り輝く。
それはまるで、ダイヤの原石が、はじめて宝石としての輝きを手にれたかのように…。
そして、そんな眩しい光からは、逃げ出す影が…。
「くっ…!!自分の存在に、また価値を見出しただと!? ありえない…!!人間如きが…!!」
「う、漆村…!」
「響也さん、離れててください。そして…よく見ていてください。
これが、あんたが輝いてない、平々凡々だと思っていた、後輩の姿だ!!」
「エンゲージ!!」
《キラメイジャー!!》
「いっちゃん…!!今、最っ高にキラキラ輝いてるなぁ!! フォオオオオオオオッ!!!!」
「その元気があるなら、少し力を貸して欲しいな。禽次郎。」
「でも今、僕には指輪が…。大丈夫…!」
「ひらめきーーーーんぐっ!!!!!」
「おぉ!!この前の!!」
相変わらずなんで意味わからん言葉叫んだのかも、樹はわかってない。
でも、とにかく自分が思った方向へ動いてみた。
「できた!!」
樹が取り出したのは、なんと金色のテガソードとゴジュウイーグルの指輪だった。
「ま、まさか…いっちゃん!!」
「俺のイメージだし、変身できるのは今回っきりだろうけど…。また一緒に戦おう!禽次郎!!」
「「フォオオオオオオオオオオッッ!!!!!」」
「これこそ、真のパーリータイムだな!いっちゃん!!エンゲージ!!」
《いざ掴め!ナンバーワーーーーーーンッッ!!》
「自分で磨く自分の人生…」
「そうして見つけた人生の煌めき!」
「キラメイレッド! 漆村樹!」
「あんたのことも…放ってはおけない!」
《No.1 Battle!! Ready...? Go!!!!》
「いくよ!禽次郎!」
「あぁ!」
1度共に戦ったコンビ…樹と禽次郎の相性は抜群。
2人の刃が、バニタスに斬りかかる。
バニタスも彼らに負けじと抵抗するが…
「なぜだ…なぜ…なぜこれほど力が溢れている…!?無価値な人間ごときに…!!」
「厄災のお前には…俺たちの気持ちなんてわからないさ!」
樹の前を向いた澄んだ目、覇気のある声、
そして未知なる厄災に立ち向かう勇気…
出会った当初から大きく成長した…いや、樹なりの煌めきを放つ姿に禽次郎は戦いながらも感銘を受けていた。
「ふっふっふっ…愚かな人間だ…!私にはわかる…お前の戦いも…無価値だ…こやつのことが気に食わなかったなら、無価値に成り下がったまま放っておけば良いものを…! 矛盾しているんだよ、人間!」
「何でだろうな…でも…禽次郎が俺を救ってくれた時と同じように、たとえ誰でも無視しない、助けようとする気持ちが、俺たちを強くするんだ!覚えておけ!!無価値な人間なんていない!!」
「キラフルゴーアロー!!」
「キラフルチェンジ!!」
《眩しすぎるぜぇぇぇっっ!!!》
「わしは今日…何回感動させられるんだ…!!よーしっ!僕もっ!!」
《イーグルシューター!50!!》
樹・禽次郎はそれぞれの弓を、バニタスは自前のライフルを構える…
かつてない緊張感が張り詰めて…
「これで終わりだ…人間…!」
「「シューティングWスタービリオン!」」
樹と禽次郎の弓矢がバニタスの身を貫く!!
「む、無価値な存在の人間に…この私が…!!」
断末魔をあげる間もなく、爆散するバニタス。
樹と禽次郎、苦難を乗り越えてきた彼らが掴み取った勝利だ。
「漆村…。す、すげぇ…。」
「あいつ…キラキラ輝いてる…。」
「やったね!禽次郎!!」
「パーリータイムだったなぁ!いっちゃん!!」
「「いえーーーい!!」」
2人のハイタッチが響く。
その音はまるで、響也の心に絡まっていた、プライドという鎖を切ったような音だった。
「はっはっはっは…。」
「…!」
「まさか、まだ倒れてない!?」
「厄災は…滅びない…!!この程度の攻撃で、バニタスは死なず!!覚えておけ、人間!私はずっと見ている…!お前たちの心に隙間が…無が生まれた時、我々はいつでも入り込む…!!覚悟しておけ…!!」
そういって、バニタスは樹たちの前から姿を消した。
「厄災は滅びない…か…。」
「大丈夫だよ、禽次郎。」
「え??」
半年後…
樹と禽次郎は、また喫茶店にいた。茶飲み会…の認識は、少なくとも樹にはない。
「禽次郎…誰??これ。」
禽次郎の見せる携帯の写真に、困惑しまくる樹。
「この人たちは、僕の茶飲み友達だ。2人はラブラブでな。今でも熱々のカップルで、見ていて微笑ましい。」
(どうしよう、どこから突っ込めば良いんだろう…。)
「それにしても、就活準備は順調で何よりだ。いっちゃんの報告、毎回孫の報告を聞いてるようで楽しみなんだ。」
「うーん、もう突っ込まないよ??」
「…?そんなことより、聞いた限りでは、響也くんも就活準備、進んできたんだろ?あの時、響也くんをしっかり説得できたようで、よかったな。」
「あぁ、あの時ね…。」
そう、それは厄災が姿を消した後…
「厄災は滅びない…か…。」
「大丈夫だよ、禽次郎。」
「え??」
「俺たちは厄災と戦い続けなきゃいけないってことでしょ?逆に考えれば、努力を続けている限り…努力ができる自分に、価値を見出せているうちは、厄災に支配されることなんてない……ってことじゃん!!そうですよね!!響也さん!!」
「……お、俺は…。」
「───あの後、早速就活の相談してきて、ね。」
「いいじゃないか。プライドも消えて。未来のために、がむしゃらに頑張る若人…僕は好きだぞ。いっちゃん…君なら絶対にキラキラした未来をつかみ取れる…これからも応援してるぞっ★」
「禽次郎…!!」
2人の間に流れるあたたかい雰囲気…
その空気感は、2人の世代を超えた友情を象徴していた。
このまま和やかな茶飲みタイムが続く………
「んじゃ、禽次郎。勉強しよっか。」
「え、えぇ…??」
樹のはっきりしとした一言。
今回樹が禽次郎をお茶の誘ったのは留年してしまった禽次郎に勉強を教えるためであった。
「禽次郎、努力することで、自分の価値を磨けるんだよー?ここは一発、がんばろ! まずは数学!」
「りゅ、留年や…単位もやる気も…飛び去りぬ…。」
禽次郎と樹の友情の物語は、まだまだ続く…
…多分。