ユニバース戦士補ジュウ計画   作:壱肆陸

57 / 57
本日は、はじめさん(ぴすたさん)の作品です。

「聞いて驚け!好きと叫ぶこと」
https://syosetu.org/novel/374798/18.html
の続編となります。


さらに荒れるぜ!英雄となること

 暗くジメジメとした森の中……人はおろか動物すらも寄り付かないような場所で、あろうことか火花が散っていた。

 

「ちっ! えらいタフなやつやなぁ……!」

「貴様モナ……ソロソロソノ欲望、貰ウゾ!!」

 

 銀の手甲を振るう赤い戦士と黒色の怪物は、森の中で互いに一歩も譲らぬ攻防を繰り広げていたが……怪物が禍々しいオーラを拳に纏って赤い戦士を殴り飛ばす。

 

「ぐあぁぁぁぁぁ!?」

 

 その衝撃に耐えきれなかったか、戦士は元の人間の姿へと戻ってしまう。

 

「いったたた……ブランク長いし……さすがに1人じゃ厳しいみたいやなぁ。あと頼んだで、ゴジュウジャー……」

 

 男が気を失うと同時にまた怪物も。

 

「クッ……力ヲ使イ過ギタカ……ヤムヲ得ン、交代ダ……」

 

 オーラを固めて紫の鎧のようなものを纏った怪物は気絶した男を抱えて歩き出す。

 

「やーったやった! これもSNSにあげちゃおっかなぁー!」

 

 陽気な鼻歌を歌いながら、怪物は闇の中へと消える……。

 

 

 

 

「うーんちょっと細いな……やっぱこっちかなぁ」

 

 人の多い土曜日。楽器屋でドラムスティックを見漁っていた時のことだった。突然小さな光がこちらへ向かってくる。

 

「はっ!? なになになに!?」

 

 光は俺の目の前で止まると、その姿を現す。

 

「……またかよ? なんで俺のとこに……」

 

 そう、それはちょうど1年ほど前に拾った、俺が夢を追い始めるきっかけとなったあの指輪。信頼できる人に託した後、この世界を守る戦隊の手に渡ったと聞いていたが。再びやってきたということは、また何かが始まる……ということなのかもしれない。俺に指輪が戻ったならあの人の元にも来ているはずだ。俺にとっての恩人へこのことを報告する旨のメールを打ち、店を出る。

 

 スティック探しは中断し、指輪を嵌めてあの場所へ行ってみることにした。最初にまるでSFのような体験をした、あの公園。木などの自然こそまだ生え途中といった感じだが、概ね元通りになっている。あれから1年経ったのか……となんだか懐かしい気持ちに浸っていると、まるでその感情を表すような音色が聞こえてきた。

 

 ギターの演奏、しかも中々上手い。弾いていたのはハンサムな男の人。俺より少し年上だろうか? 

 

「あの……上手ですね、ギター!」

 

 ドラマーを目指す俺にとって、ギターが弾けることは声をかける理由としては十分すぎる。

 

「ありがとうございます。今はこんなとこで弾いてますけど、いつかバンド界No.1のギタリストに……」

 

 その時ぎょっとした。立てた人差し指に嵌められていた指輪……金色で、派手すぎるデザイン。せっかくいい人に出会えたのに……よりによって指輪の戦士かよ。どうやらほぼ同時に彼も俺が指輪を嵌めてることに気づいたらしい。……しかし。

 

「あの……お名前を聞いてもいいですか?」

「えっ? あぁ……俺は荒池ユウダイって言います」

「堤なつめです。ユウダイさんもギターを?」

「いや俺はドラムを叩くのが好きで」

「かっこいいですよね、ドラム叩けるの憧れます!」

 

 彼は指輪の戦士と知りつつ、普通にバンドの話をしてくれた。もしかしたら俺と同じように、指輪で願いを叶えることに執着が無いのかもしれない。

 

 趣味が近いと話にも困らない。俺たちはご飯を食べながら腰を据えて話そう、と公園を出て歩き出す。休日だからかすれ違うのははしゃぐ子供連れや「お腹空いたなー!」などと楽しそうにおしゃべりする若者……いや俺も若者なのだが……色んな人がいる。青春だなぁなんて思いながら堤さんとバンドの話をしていると……

 

「ちょっとちょっと!」

 

 今すれ違った高校生くらいの男の子に声をかけられる。

 

「自然すぎてスルーしてしまったが君! 指輪の戦士かっ!」

 

 チェックの服にネクタイ。少々古めかしいファッションだ。最近はこういうのも流行ってるのか……? と心の中でツッコむが、今はそれどころじゃない。

 

「指輪を知ってるってことは……もしかして君も?」

「そう! 僕の名前は猛原禽次郎、No.1のパーリーピーポーを目指しとる! よろしくな!!」

「はぁ……?」

「おっ君の指輪、キョウリュウジャーじゃないか! 君が最初の持ち主だったんだなぁ。その指輪はパーリーな気分を高めてくれて、儂……じゃない、僕も何度も助けられた!」

 

 饒舌に喋る高校生に俺も堤さんも圧倒されていると……

 

「ちょっと禽じぃ! なーに指輪持ちと仲良くなろうとしてんの!?」

 

 傍の弁当屋からバイトらしき女性が声をかけてくる。

 

「いいじゃないか、儂の願いは順調に進んでおるし、角ぽよの妹さんも目覚めたし! 儂らが戦う理由はないじゃないか」

 

「まだリハビリ中だけどね……まぁたしかに」

「ところで角ぽよ、まだそこでバイトしてたのか?」

「しょうがないじゃない! 指輪争奪戦が始まっても探偵の仕事は増えないの! 休憩無くてご飯食べれないし……ってごめんなさいね、うちの禽じぃが!」

「あっいえいえ……」

「あの、その指輪ってゴジュウジャーのですよね?」

 

 気まずそうにしていた堤さんが口を開く。

 

「そうよ」

「じゃあ……ゴジュウジャーのレッドって今……」

 

 と言いかけた時。少し遠くから甲高い悲鳴が響く。

 

「きゃぁぁぁぁぁぁ!?」

「なんじゃ!?」

 

 その方向から紫色の怪物が……スキップしながらやってくる。

 

「ふっふふーん♪ 良い写真撮れちゃった! これも投稿してっと……」

 

 よく見るとスマホをいじっている。

 

「おいそこの! ながらスキップとはけしからん!!」

「いやそこじゃないですよね!?」

「こいつ、ノーワン……じゃなさそうね」

「ノーワン? 何それ? アタシは【承認欲求】の戦鬼、ヨクプレー! 人間の承認欲求を集めるのがお仕事なの!」

 

【戦鬼】という言葉を聞いた途端、背筋がヒヤッとする。こいつはヤバい、と何故か直感した。

 

「SNSって人間が簡単に承認欲求を満たせるツールで便利ねぇー! あっまたバズってる投稿だ、またいっぱい返信してあげよーっ」

「いっぱい返信? ……あぁぁぁぁ!? まさかあのゾンビみたいに湧いてくる意味わかんない返信……あんたの仕業だったのね!?」

「えぇぇ? バズってるから返信がたくさん付いてるんじゃないのか!?」

「違う! あれは同じような奴が中身の無い返信してるだけ。あれ普通の返信が見づらくて迷惑なの、やめなさいよ!!」

「し、知らなかった……よそ様に迷惑をかけるのは許せん!」

 

「「エンゲージッ!!」」

 

 2人はキレながら指輪を外し、現れた金色の手甲に嵌める。

 

『クラップ ユア ハンズッ!』

 

 慣れたように軽快かつリズミカルな動きで手を叩くと、彼らはまばゆい光に包まれる。

 

『ゴジュウイーグル!!』

『ゴジュウユニコーン!!』

 

 緑と黒の戦士へと変身した彼らは怪物へ一直線に駆け出す。互いの隙を補うように交互に手甲で斬りつける。すごいコンビネーションだ。

 

「ぐぐぐ……やるじゃんアンタら……それなら!」

 

 怪物が手を掲げると、地面からさらに別の怪物が湧き出てくる。緑の髪に変な模様……気色悪いな。怪物たちは周囲の人を追いかけ始める。

 

「そいつらは俺が! エンゲージ!」

『センタイリングッ!』

 

 堤さんも銀の手甲に同じように指輪を嵌め、手を叩く。

 

『キングオージャー!!』

 

 マントを伸ばして複数の怪物を縛り、動きを止めながら華麗に斬り倒していく。……本当にギタリストなのか? なんてツッコんでる場合じゃない。俺も指輪を外し……そこで手が止まった。前は教授の提案に乗る形でタイマンのNo.1バトルをした。教授相手なのもあり、どこかで死なないと思っていたし当然殺す気もなかった……でも今は違う。ここで変身するということはすなわち、命を賭けて戦うことを意味する。おまけに1年ぶりと来た。俺がヒーローとして戦えるだろうか……。迷いで頭がぐちゃぐちゃになりだしたその時。

 

「うぇぇぇぇぇん!!」

 

 泣き声が聞こえる、小さい子供だ。見れば怪物の内の1匹が子供に狙いを定めていた。その光景を目に入った瞬間……覚悟は決まった。怪物が振り下ろした武器を間一髪銀の手甲で受け止め弾き返す。

 

「っとあぶねぇ! 君、大丈夫? 怪我は?」

 

 子供は泣きじゃくりながらも首を横に振る。

 

「よし、あっちに隠れてて。ここはお兄ちゃんに任せろ!」

 

 自分にできる精一杯の笑顔で子供の背中を押し、怪物と対峙する。

 

「久々にひと暴れだ……エンゲージッ!!」

 

『センタイリングッ!』

 

 心地よいメロディーに身を任せ、手を力強く叩く。

 

『キョウリュウジャー!!』

 

「うおぉぉりゃぁぁぁ!!」

 

 飛びかかりながら思いっきりパンチを打ちこみ1匹を吹っ飛ばすと続けざまに

 

「アームドオン!」

 

 牙の如き武器で次々と怪物を噛み砕く。

 

「すごいな……俺も負けてられない!」

 

『キングオージャーフィニッシュ!!』

 

 触発されたように堤さんが赤い刃で数匹の怪物を一気に両断し、爆発四散する。

 

「ガブティラ岩烈パンチ!!」

 

 俺も最後の1匹を吹っ飛ばし、たくさん出てきたのは全て片付けた。

 

「サンキューだ2人とも! 儂らも決めるぞ角ぽよ!」

「そうね! これで終わり!」

「えっちょ、ちょいまちちょいまち!?」

『フィニッシュフィンガー! イーグル!!』

『フィニッシュフィンガー! ユニコーン!!』

 

 緑と黒の刃が同時に怪物を貫き、大きな爆発が起こる。

 

「ぎゃあぁぁぁぁぁ!!!」

「「よし!」」

 

 怪我人はいなさそうだ。安堵して指輪を外そうとした……その時。

 

「まだです!」

 

 堤さんが叫ぶ。ギョッとして爆炎の方を見ると、たしかに影が揺らめいている。

 

「チッ……思ッタヨリ早イナ……」

 

 そう呟くと怪物は禍々しいオーラを纏いだす。

 

 その出所は……俺たちだ。

 

「感ジルゾ、強イ食欲……ヤハリ人間ハ質ノ高イ餌ヲ生ム……!」

 

 何を言っているんだ? と考えた直後。怪物は集めたオーラで辺りに衝撃波を放ち、俺たち4人を物凄い勢いで吹き飛ばす。

 

「ガ八ッ……!? いってぇ……」

 

 俺と堤さんは変身が勝手に解け、ゴジュウジャーの2人も解除こそしていないものの立てなさそうだ。怪物はいつの間にか紫から真っ黒へと変わり果てていた。

 

「我ガ名ハ【欲望】の戦鬼……ヨクボロス。モウ片方ノ意識二任セテ傷ヲ癒スツモリダッタガ……想定ヨリ早ク交代シテシマッタ。次会ウ時、オ前ラノ命ハナイ……」

 

 そう言い残すと怪物は霧のように消え、俺の意識も……途絶えた。

 

 

 目が覚めるとベッドの上だ。ここがどこか辺りを見渡していると部屋のドアが開く。

 

「起きたか」

 

 黄色のラインが入った服に眼鏡……この人は。

 

「久しぶりだな……指輪の戦士」

 

 あの時の店員……! ボコボコにされた記憶が蘇り、つい身構えるが。

 

「いっ……!? てててて……」

「動かない方がいい。傷が開くぞ」

 

 そういって切られたリンゴが乗った皿を枕元に置く。

 

「ここは……?」

「テガソードの里、君と初めて会ったあの店だ。禽次郎さんの部屋を借りて手当させてもらった。後で礼を言っておけ」

「手当……ありがとうございます」

「私は暴神竜儀。君は?」

「……荒池ユウダイです」

「荒池、願いは見つかったか?」

「……はい、思い出しました」

 

 彼は答えた俺の目を見つめ……小さく頷くと

 

「そうか」

 

 とだけ言い出て行った。思えばあの人との出会いと戦いも俺の考えが変わるきっかけの一部ではある。今も去り際、ほんの少しだけ……笑っていた気がする。案外悪い人ではないのかもしれないな。

 

 リンゴをいただいた後、部屋を出て階段を下りていくとさっきのメンバーが揃っていた。皆絆創膏が付いてたり包帯を巻いていたりするものの、とりあえず大丈夫そうだ。

 

「おぉ! もう動いていいのか?」

「うん。禽次郎……君? 部屋使ってしまってごめんね」

「全然構わんよ。竜てゃから名前を聞いたが、【ダイダイ】って呼んでいいか!?」

「えっ……あぁいいけど……」

 

 めちゃくちゃ距離が近い。俺の方が年上……だよな? 

 

「ごめんねユウダイ君、禽じぃこう見えて80近いおじいちゃんなの」

「へーそうなんすね……はぁっ!?」

「あぁ角ぽよ! 言わなくてもいいのに……」

「急に元に戻ってしまった時びっくりするでしょう。はい、ゆで卵です」

 

 竜儀さんからタッパーに入ったゆで卵を渡されると、禽次郎君……いや禽次郎さんは美味しそうに食べだした。

 

「自己紹介してなかったよね、私一河角乃。ハイクラス探偵やってるの、よろしくね♪」

「よろしくお願いします! ……あれでもさっきアルバイt」

「しーっ! それは内緒にしといて!」

 

 どうやら痛いとこを突かれたのかプイッと元々座っていた椅子に戻ってしまった。続けざまに、既に手当を終えたらしい堤さんにも声をかけられる。

 

「ユウダイさんも無事でよかったです」

「堤さんこそ。俺よりたくさんの怪物を相手にしてたのに……」

「【硬化(ソリッド)】のおかげですよ」

 

 そんな話をしていると突然勢いよく店の扉が開く。

 

「やぁ皆お待たせ!! 百夜陸王の帰還だよ!」

「おわぁびっくりした!?」

 

 百夜……陸王? 聞いたことがある……そうだ教室で女子がキャーキャー盛り上がっていた。たしか最近流行りのアイドル……何でこんなとこに? 

 

「遅かったな百夜」

「これでもテガソード飛ばしてきたんだよ? ツアーのリハ中だったのに……」

「ちょっと待て。百夜貴様、まさかテガソード様をタクシーのように利用したのか?」

「あっ……ごめんごめん☆車より断然速いし……」

「もっとテガソード様へ敬意を払え……!」

「暴神竜儀、私は構わない」

「テガソード様!? ……貴方がそう仰るのであれば……」

 

 ……? めっちゃサラッといるし受け入れちゃったけど、この金ぴかロボもいつの間に店にいたんだ? 

 

「ところで君たちは?」

 

 陸王さんに聞かれ、困惑しながらも答える。

 

「荒池ユウダイです」

「堤なつめです。その指輪をしてるってことは……」

「そう。自己紹介の必要もないと思うけど、僕は言わずと知れた百夜陸王。実はゴジュウジャーでもあるんだ」

 

 人差し指に嵌めている青い指輪を見せてくれる。

 

「彼らもそれぞれキョウリュウジャーとキングオージャーの指輪で契約した指輪の戦士だ」

 

 と、金ぴかロボが補足してくれる。

 

「ふーん……キングオージャーってことは、君が吠君の言ってた【ダチ】か。よろしくね」

「遠野さんもやっぱりここに!?」

「普段はね。でも少し前に常夏ちゃんのとこに行ったっきり帰ってないみたい」

「争奪戦の最初は常夏と! って息巻いてたもんなぁ吠っち」

「前みたいに鬼ごっことか、おままごとして遊んでるんじゃないかい?」

「いないものは仕方がない。ここにいる者で作戦会議を始めるぞ。禽次郎さん、角乃、敵はどんな奴なんだ?」

「最初は儂と同じパーリーな奴かと思ったんだが……」

「倒したと思ったら姿が変わって……一撃でやられた。悔しいけどめちゃくちゃ強かった」

「では詳細はわからない、ということか……荒池と堤は?」

「同じく手も足も出ませんでした……」

「でも、あいつ自分で【欲望の戦鬼・ヨクボロス】と名乗ってました。戦鬼っていったい?」

 

 俺は聞くだけで背筋が凍った、不思議な単語を尋ねてみた。全員首をかしげるが、金ぴかロボが答える。

 

「あちらの世界でキョウリュウジャーと戦った存在、というのは知っている。これについては、彼の方が詳しいだろう」

 

 そう言って金ぴかロボが手をかざすと、空間が捻れる。……空間が捻れる!? どういうこと!? 

 

「あー……あー……聞こえていますか?」

 

 開いた穴の向こうから声が聞こえる。

 

「その声……もしかしてオリガレッドか!?」

「そうです! 堤さん、それにゴジュウジャーの皆さん、お久しぶりです。世界の異変を察知し、テガソードさんに繋いでいただきました」

 

 世界の……異変……? 事は思ったより壮大なスケールなのか……。

 

「時間が無いので端的に説明します! これまで数多の世界はスーパー戦隊の皆さんの尽力により救われてきました。しかしそれは同時に何かが消えることも意味します。宇宙帝国や宇宙幕府の崩壊、創造主や宇蟲王、そして厄災の消滅……これら宇宙にとっての巨大すぎる変化により、時空が歪みだしているんです。キョウリュウジャーの世界には存在しない戦鬼がそちらに現れたのもその影響でしょう」

 

 大半がよくわからない話にポカンとしており、かく言う俺も理解不能なのでついつい貧乏ゆすり……いやエアドラムをしてしまうが、唯一真面目に聞いていた堤さんが呟く。

 

「一体どうすれば……?」

「本当に【欲望の戦鬼】なのであれば、おそらく人間の欲望をそのまま力に変えられるということです」

「【欲望】を力に……吠とは相性が悪そうね、いなくてよかったわ」

「具体的な対抗策は僕にも思いつきません……こちらの世界にも異変が起き始めており、先輩の方々と対処しているのでそちらへは行けません。しかしあなた方指輪の戦士たちの力を合わせればきっと……なっ!?」

 

 言い終わる前に穴の向こうから爆発音が轟く。

 

「大丈夫か!?」

「また敵が現れました。僕は行きます。皆さんもご武運を!」

 

 そう言い残すと穴は閉じた。

 

「どうやらこちらの世界だけで何とかするしかないらしいですね」

「俺、往歳教授に連絡してみます。あの人なら手伝ってくれるはずです」

「ダイダイ、往歳教授のとこの学生だったのか! それはありがたい!」

 

 スマホのメールアプリを開き……そこで気づいた、そういえば教授からの返信が来ていない。いつも戦隊関連の話題ならすぐにくそ長い文を返すのに……まぁ研究に没頭して気づいてないのだろう。仕方ないので電話をかけようとしたその時。

 

「……! 悲鳴が聞こえる、あっちの方だ!」

「えっ? いや何も……」

「テガソード様のお力で百夜の聴力は私たちとは比べ物にならんのだ。行くぞ」

 全員が駆け出し、俺も着いて行く。

 

「ユウダイ君、その傷で大丈夫か?」

 

 堤さんに心配されてしまうが、そんなこと言ってる場合じゃない。

 

「覚悟決めました。俺もヒーローとして、戦います!」

 

 

 

 陸王さんの案内を頼りに山へ辿り着いた。ハイキングに来ていた一般人を逃がしながら奥へと進むと……見つけた、あの真っ黒な怪物。

 

「いた! 皆、あいつだ! めちゃくちゃ強いから注意するんだぞ!」

「ここは……こないだファイヤキャンドルと戦ったとこじゃない……」

「来タカ、戦隊ドモ……我ノ切リ札デ葬ッテヤロウ」

 

 ヨクボロスが腕を振るうと、テガソードのように空間に穴が開く。そこから見えたのは……俺のよく知ってる人だ。

 

「はっ……!? 往……歳……教授……?」

 

 穴から見える往歳教授は既にボロボロだった。しかもヨクボロスはそんな教授に何かしようと手をかざす。その瞬間俺は指輪を嵌めていた。

 

「てめぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

 

『キョウリュウジャー!!』

 

 走りながら変身し、ヨクボロスへ一直線に向かう。こいつだけは……許さない……っ! 

 

「待ってユウダイ君!!」

 

 追いかけようとする堤たちの前に無数の怪物……ゾーリ魔が湧きだす。

 

「邪魔するな! エンゲージ!!」

 

『ゴジュウレオン!!』『ティラノ!!』『イーグル!!』『ユニコーン!!』

 

『キングオージャー!!』

 

 全員が攻撃を躱しながら手を叩き、変身する。

 タックルで教授とヨクボロスの距離を離し、怒りをぶつけるように手甲で何度も殴りつける……が、硬い。硬すぎる。よろけるどころか傷1つつかない。

 

「貧弱ナ……失セロ!」

 パンチを腹に思いっきり受け、吹っ飛ばされる。

「ガハァッ!? ……ウッ……グッ……【英魂(スピリット)】!!」

 

 こいつに対抗するなら、以前教授との戦いで使えた……指輪の能力を使うしかない。その名を叫び再び走り出す。放った全力の蹴りは……全く効いていない。いや、能力が発動していない。

 

「はっ? 何で!?」

 

 足を掴まれ、片手で投げ飛ばされる。何とか受け身を取ったが……数時間前に受けた傷も相まって激痛が走る。

 

「くっそ……何でだよ!!」

 

 迫りくるヨクボロスが腕を大きく振りかぶる。

 

「マズハオ前カラ……死ネ」

「ユウダイ君!?」

 

 堤さんが叫ぶも怪物たちに抑え込まれ、動けない。

 

「こんなとこで死ぬのか……何もできずに……!」

 

 死を覚悟し目をつぶった……その刹那。頭に声が響く。

 

「期待して見守ってたが……そんなもんかドラマー!」

「……え?」

 

 目を開けるとヨクボロスは地面に転がっており、代わりに目の前には派手なマントを羽織った男が立っていた。

 

「俺様が直々に教えてやる。神になる前だったら、高い授業料がついてたぜ?」

「熊手!?」「熊手!」「熊たん!?」「熊手!?」

 

 不敵に笑う男は指輪を外し、現れた白き拳に嵌める。

 

「エンゲージッ!」

 

 アップをするように首を回し……その拳を叩くと。

 

『ゴジュウポーラー!!』

 

 氷に包まれた後それは砕かれ、現れるは白き戦士……日の光が当たる姿はまるで神。

 

「ちょいと久々に、世直しだっ! 行くぞベアックマ!」

「任せるクマ~!」

 

 右拳からは凍てつくようなパンチ、左手からは急所を的確に撃ち抜くレーザー。立ち上がりかけた相手へ次々と攻撃を打ちこみ、反撃の隙を与えない。

 

「クッ……グッ……貴様……何者ダ……!?」

「世界を救った神様だ。……おいドラマー!」

 

 さっきからなぜそう呼ばれているのかわからないが、おそらく俺のことだ。あれと戦いながら話しかけてくるってまじかよ? 

 

「お前、【ブレイブ】が何かは知ってるか!?」

「えっ……はい……決して折れず諦めず、立ち向かう心……」

 

 かつて教授に言われた【ブレイブ】の概念を思い出す。

 

「そうだ! それはな……怒りに身を任せても手に入らない! 大事に思うものを、自分の手で守るための力だからな!!」

 

 そうか、たしかに……一度目はプロドラマーになるという夢のため、二度目は子供の命を守るため、そういう正しい心にこの指輪は応えてくれていた。俺が振るう力は怒りじゃなく……! 

 

「……ありがとうございます!」

「気づいたか、なかなかヒーローの素質があるかもな。じゃあ後は任せるぜ」

 

 俺は熊手と呼ばれたその男と入れ替わるように前へ踏み出す。

 

「貴様……何度デモ捻リ潰シテヤル……!」

 

 そこへゾーリ魔を倒してきた堤さんとゴジュウジャーの面々も合流する。

 

「吹っ切れたみたいですね……皆さん、ユウダイ君に合わせましょう!」

 

 堤さんの声に一同が頷き、胸からそれぞれ武器を取り出す。

 

「ありがとうございます! 今度こそ……【英魂(スピリット)】!!」

 

 湧き上がるブレイブが、まずは水色のオーラとして纏わる。

 

「C'mon!!」

「オノレ……!」

 挑発に乗り正面から来た拳を受け止め、圧倒的なパワーで押し返す。後ろによろけたヨクボロスの腰を竜儀さんが掴み……! 

 

「ティィィ……ラァッ!!」

 

 背中側へ思いっきり投げ飛ばす。

 

「グアァァッ!?」

 

 前にこの人とタイマンした時はめちゃくちゃ怖かったが、味方になるとこんなに頼もしいとは。

 

「同時に行くぞ、荒池」

「はい! スピリットハンマァーッ!!」

 

『ティラノハンマークラッシュ!!』

 

 2つのハンマーがヨクボロスを叩きのめす……が、まだ倒れない。タフな奴だ。しかし殴り返す構えを取った時、ドリルで地面から角乃さんが飛び出し牽制する。

 

「さっさと倒すわよ、ユウダイ君!」

 

 息を合わせ、俺は灰色のオーラを宿す。

 

「鉄砕拳・激烈突破!!」

 

『ユニコーンドリルアタック!!』

 

 2つの激しい攻撃が激突し、ヨクボロスは大きく後ずさる。

 

「グゥ……ッ! ヤルナ……ダガ我ハ既二欲望ヲタラフク食ッタ。ソノ程度デハ……ナッ!?」

 

 喋ってる最中なのにその足元を狙う青い銃弾。

 

「よそ見なんてしてないで、僕に夢中にさせてあげるよ。行くよユウダイ君!」

「さすがアイドル……ですね!」

 

 紫のオーラを纏い、剣と銃を組み合わせてキャノンを作る。ポンプアクションでエネルギーを集めて……ぶっ放す! 

 

『バモラ!』

 

「獣電ブレイブフィニッシュ!!」

 

『レオンガトリングバースト!!』

 

 俺の放つ紫の恐竜の頭と陸王さんが放つ無数の青い銃弾が海のような波状攻撃となって押し寄せる。

 

「ッッッッッ!!」

 

 さすがに不利と見たか距離を取るが……。

 

「逃がさんぞ!」

 

 上空から禽次郎さんが正確にヨクボロスを射抜く。

 

「次カラ次ヘト……!?」

 

 俺もオーラを金色へと変え、背中から生えた翼で空高くへ。

 

「招来!」

 

 雷鳴が轟き現れた長い刀に、6と書かれた電池を3本装填する。

 

「パーリーに行こうダイダイ!」

「心得たっ! 雷電……残光!!」

 

『イーグルアローシュート!!』

 

【ZANDARTHUNDER】という文字のような雷撃と巨大な緑の矢が命中する。

 

「ぱーふぇくとでござる……ござるって何?」

 

 相変わらずこの力を使うと語尾がおかしくなってしまう。

 

「ユウダイ君、決めるよ!」

 

 合流した堤さんが盾のような武器と剣の柄を繋げ、薙刀にする。

 

「はい!!」

 

 俺も着地と同時に白銀のオーラを纏うと同時に指を鳴らし、剣を構える。刀身が閃光の如く輝き……三角形の太刀筋を描く。

 

「トリニティストレイザー!!」

 

『オージャフィニッシュ!!』

『オージャスラッシュ!!』

 

 銀と赤の刃がヨクボロスを斬り裂き、派手な爆発を起こす! 

 

「ガアアァァァァァ!?」

「よっしゃぁ!! ……いっててて……」

 

 右手がめちゃくちゃ痛い……今の技の反動だろう。もうヘトヘト……なのに。

 

「ウゥゥ……許サヌ……!」

「えぇ!? まだ生きてんの!? しつこい!」

「我ハ負ケヌ……コイツガイル限リ……!」

 

 再び空間を開き、穴から往歳教授と教授がいつも読む古文書を無理やり引っ張り出して手をかざす。すると……教授が目を開く。

 

「はっ……戦隊……もっと……戦隊のことを……」

 

 目は深い紫に染まり、一心不乱に古文書を読み漁り出した。洗脳されてる……? みるみるうちに黒い何かが溢れ、怪物がそれを食らう。

 

「まさか……教授の知識欲を……!?」

「コノ人間ノ欲望ハ凄マジイ……コレサエアレバ我ハ無敵!!」

 

 傷が治ったうえにその真っ黒なエネルギーを口の中へ集める。

 

「危ねぇ!!」

 

 ヨクボロスが放った極太の光線が俺らへ向かって一直線に襲い、間一髪で氷の壁を作った熊手さんが防ぐが……。

 

「「「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?」」」

 

 直撃は免れたものの、爆発の余波で全員の変身が解ける。

 

「クッ……俺様としたことが……!」

「こ、このままじゃ……」

 

 ヨクボロスはもう2発目のエネルギーを溜めている。無限の知識欲を持つ往歳教授とそれを無限に食らう戦鬼……最悪の組み合わせだ。これだけ人数がいても……ダメなのかよ!! 

 

 皆敗北を悟った時、奴の光線が放……たれはしなかった。撃つ直線に溜めるのを中断されたのだ、飛んできた黒色の剣によって。

 

「今度ハ何ダ……!?」

 

 飛んできた方を見たその時、とてつもない遠吠えが響き渡る!! 

 

「アオォォォォ──────────ーン!!」

 

 俺と堤さん、それとヨクボロスは得体の知れない叫び声に思わず耳を塞ぐが、他の5人は何故か笑っている。

 

「お前ら! 待たせたみてぇだな!」

 

 歩いてきた男は赤と黒の服に銀の鎖。顔が見えると堤さんも驚く。

 

「遠野……さん……!」

「やっと来たか、遠野」

「わりぃ竜儀、常夏と色々遊んでたら、結局何日か入り浸っちまった」

「本当に遊んでたの!? まぁ吠君らしいか……」

「でも指輪付けて帰ってきた、ってことは指輪争奪戦には勝ったんだな吠っち?」

「……あ」

「嘘!? あんたまさか争奪戦忘れて、遊ぶだけ遊んで帰ってきたの!? 信じらんない……」

「あー……ほら、また今度会う約束したしよ! てか状況よくわかんねーし、何でさらっと堤もいるんだよ!?」

「お久しぶりです。遠野さん、随分変わったみたいですね」

「はっ……。そっちは勝手に指輪託して争奪戦抜けやがってよ。会えると思って楽しみにしてたのに……」

「……? 何か言いました?」

「何もねぇ。次こそ決着つけんぞ! あとお前は?」

 

 俺にも声がかかる。初対面だが何となくわかる、おそらくこの人が……ゴジュウジャーのレッド。

 

「初めまして、荒池ユウダイって言います! 今はキョウリュウジャーです」

「なるほどな、じゃお前も総当たり戦の相手か」

「おい2代目。争奪戦も大事だが、あいつを倒すのが先だぞ」

「そうっぽいな。神様が苦戦するなら、気合入れるか」

「大事な人を忘れてないかい、吠ぅ~?」

 

 投げられ、怪物にぶつかった後地面に刺さっていた黒色の剣が話しかけてくる。あーもうなんなんだこの戦隊。

 

「忘れてた。クオン、てめぇも手伝え」

「【お兄ちゃん】って呼んでくれたら全力で手伝ってあげるんだけどなぁ?」

「あそこで操られてんの往歳だろ、前にお前が撃って洗脳した」

「……」

「手伝えよ?」

「……わかったよ吠。でもあいつの力の源はその教授みたいだ。トドメを刺してあげるか、洗脳を解かなきゃ」

 

 なんて物騒なことを言う剣なんだ。でもたしかに往歳教授を助けなきゃヨクボロスは倒せない。

 

「要は往歳の気を引けばいいんだろ、簡単じゃねぇか」

「えっ、何か作戦が!?」

「【名乗り】だよ【名乗り】!」

 

 またもや俺と堤さんはポカンとなるが、ゴジュウジャーの面々は頷く。

 

「たしかに」

「やむを得んな」

「こないだみたいにかっこよく決めるぞ皆!」

「それしかないわね」

「よくわからんが、俺様も乗ってやろう!」

「えっと……俺もよくわからないんですけど……」

「貴様ラ……イツマデウダウダ喋ッテイルノダ……!!」

「もうちょっと待ってろ、とりあえず変身だ。行くぞお前ら!」

 

 全員が横並びになり、指輪を外す。

 

「「「「「「「「エンゲージッッ!!」」」」」」」」

 

『クラップ ユア ハンズッ!』

『センタイリングッ!』

 

 指輪を嵌め、流れ出すメロディーに乗ってそれぞれが手を叩く。眩い光を放ち……皆が戦士の姿へと変わる。

 

『ゴジュウウルフ!!』『レオン!!』『ティラノ!!』『イーグル!!』『ユニコーン!!』『ポーラー!!』

 

『キョウリュウジャー!!』

『キングオージャー!!』

 

「よし堤、荒池。まずはお前らからだ」

「えっなんで俺から!? 堤さんお願いします!」

「いや俺名乗ったことなんてないんだけど……」

「思いついたこと叫べばいいんだよ。勝手に応援団が盛り上げるからよ」

 

 たしかに去年往歳教授と戦った時、どこからともなく応援団が現れた気がする……。

 

「わかりました……それじゃあ!」

 

≪いざ掴めっ! ナンバァァワ──ーァァンッッ!!!!≫

≪ゴー! ゴー! ユニバース!!≫

 

「思い出したブレイブで今度こそ、恩人助けて悪も倒す! キョウリュウレッド、荒池ユウダイ! 止められるもんなら止めてみろ!」

「願いはこの手で叶える。そしてこの手で一木一草守り抜く! クワガタオージャー、堤なつめ! どこまでだって走り続ける!」

 

「……ユウ……ダイ……?」

 

 それまで古文書に夢中だった教授が、ほんの少しだけ反応した。

 

「やるじゃねぇか! じゃ俺たちも……!」

 

≪ゴー! ゴー! ゴジュウジャー!!≫

 

「どんな危機が来ようとも、救ってやるさ何度でも! 世直しゴッドネス、ゴジュウポーラー! これが熊手真白の……生き方だ」

 

「大事な妹が待ってるから、こんなところで負けられない! ハイクラス&ラグジュアリー、ゴジュウユニコーン! 一河角乃の名にかけて!」

 

「今日は珍しく8人で、ド派手なパーリーにしようじゃないか! チャララっと行こうよ、ゴジュウイーグル! ブレイブな猛原禽次郎、見せてやろう!」

 

「テガソード様のご加護と共に、負けることなど決して無い! 怪力伝道師、ゴジュウティラノ! この暴神竜儀が成敗する」

 

「僕の子猫ちゃんたちには、傷1つ付けさせはしない! 皆のアイドル、ゴジュウレオン! 百夜陸王のスペシャルステージだよ!」

 

「俺のダチに手出すなら、殴り噛みつきぶっ飛ばす! はぐれ一匹、ゴジュウウルフ! 遠野吠を……舐めんじゃねぇぞ!」

 

「「「「「「ナンバーワン戦隊! ゴジュウジャー!!!」」」」」」

 

「名乗り……戦……隊……ゴジュウジャー……!!」

 

 往歳教授の目が輝きを取り戻し、ヨクボロスへ流れていたエネルギーが途切れる。

 

「ナ、ナンダト……!?」

「これぞスーパー戦隊の名乗りやぁ!!」

 

 怪物を押しのけてこちらへ駆け寄る教授。まさか洗脳をオタク魂で振り切るとは……。

 

「久々やなぁゴジュウジャー! しばらく見んうちに名乗りも上手なって……あいたたた……」

 

「もうボロボロじゃないですか、教授は休んでてください!」

「なんやユウダイ……お前もすっかりスーパー戦隊の一員になったな……ほんなら今回はお前らに任せるわ」

「はい、任されました。……ところで吠さん」

「あ? 何だよ?」

 

 湧き上がるツッコミをどうにも抑えきれず、伝えてみる。

 

「さっき【はぐれ一匹】って言ってましたけど、言動が全然【はぐれ一匹】ではないですよね?」

「は!? 何言ってんだよ!?」

「たしかに、吠っちは儂らと戦いたくて争奪戦をやり直したんだもんな!」

「もう【はぐれ6匹】でいいんじゃないかな?」

「神を匹で数えるとは良い度胸だな!」

「そもそも私吠と違ってはぐれ者じゃないんだけど!?」

「おい変な話始めんなよ!」

「お前たち、そんなこと言い合ってる場合か?」

 

 ゴジュウジャーの面々がわいわいし始める。何だかんだ言ってはいるが、俺には何となくわかる。このマスクの下はきっと皆笑っている。

 

「イイ加減ニシロ貴様ラァ!!」

 

 さすがに待ち時間が長すぎて限界に達したか、今まで以上に大量の怪物を湧かせる。

 

「雑魚は俺様たちが引き受ける、2代目とギタリスト、それにドラマーはあの戦鬼をぶっ飛ばしてこい」

「え、ギタリストって俺のことですか?」

「わかります堤さん、この人さっきから変な呼び方するんです」

「わかった、そっちは任せるぜ。お前は俺らの……獲物だ!!」

 

『ウルフデカリバー50!』

 

 胸から取り出した赤い剣と地面から抜いた喋る剣の二刀流で斬りかかる。その荒々しいファイトスタイルはまさに獣。しかもヨクボロスの反撃は黒い剣が確実に受け止めている。

 

「吠ぅ……もう少し防御にも気を配ったらどうだい?」

「クオンが全部捌いてくれるじゃねぇか」

「……僕を頼ってるのかい、それなら悪い気はしないなぁ」

 

 やっぱ剣と会話してるのはちょっと不気味だけど……。

 

「俺たちも行きましょう!」

「あぁ!」

 

 俺と堤さんも加勢に入り、手甲でとにかく連撃を撃ちこむ。

 

「グググ……ッコウナレバ貴様ノ欲望ヲ……!」

 

 ヨクボロスは突っ込んできた吠さんに手をかざして欲望を奪い始める……が。

 

「ハッハッハッ……ウッ!? ナ、ナンダ……ナゼ!?」

 

 溢れる黒いエネルギーを受け止めきれなかったか、怪物がバテて膝をつく。

 

「だから俺を舐めんな、つったろ。今俺はフランクフルト食いてぇし、まだ碧との変顔対決の決着つけてねぇ。常夏とも遊び足りねぇし、堤とか紅葉さんとか関さん……それにファイヤキャンドル、もっと色んな奴と戦いてぇ。バイトしてぇし節約してぇし……あぁ久しぶりに餅もつきてぇな。とにかく! 俺の欲望は底無しだからな、てめぇに食い切れやしねぇよ!」

 

 戦いつつ横目で他の皆さんの様子も見るが、熊手さんの掛け声で全員の必殺技を放っている。

 

「攻撃を合わせろ!」

『フィニッシュフィンガー! レオン!!』『ティラノ!!』『イーグル!!』『ユニコーン!!』

 

『フィニッシュナックル!!』

 

 大勢の怪物も爆発四散した。あとはこっちだけ……! 

 

「ガハァッ!?」

 

 斬り飛ばされ転がり、なおも立ち上がろうとするその足を赤きマントが縛り硬化する。

 

「今だユウダイ君!」

 

 吠さんの斬撃によって生まれたワープゲートから飛び出し、取り出した赤い剣で3回ポンプアクション。真っ赤なオーラを纏いながら死角から叩き込む渾身の一撃……! 

 

「俺はもう……止まんねぇ!」

 

『キング! バモラ! ムーチョ!』

 

『ウルフデカリバーフィニッシュ!!』

 

 2人の挟撃がヨクボロスを思いっきり斬り裂き、さすがの奴も大きく吹き飛ぶ。

 

「お前ら、仕上げだ。来いオルカブースター!」

 

 吠さんの手元に今度は魚のような銃がやって来る。そしてその銃口を……俺と堤さんに向ける。

 

『オルカブースト!!』

 

「「おわぁっ!?」」

 

 突然身体からとてつもないパワーが漲る。熱いっ……けどこれを力に変えれば! 

 

「俺たちも行くぞテガソード! エンゲージッ!」

 

 吠さんも青い剣を手に取り、その力を振るう。

 

 俺たちが覚悟を決めた時、激しく輝きを帯び……! 

 

『OH・マツリンチョ! カーニバル!』

 

『You are, I am, We are the, We are the KING! KING-OHGER! キングクワガタオージャー!!』

 

『最強! 頂点! ユニバース! テガソード・No.1!!』

 

 俺は恐竜の鎧を纏い、堤さんは王を思わせる黄金の姿へと変わり、そして吠さんは青と金の神秘なる戦士となる。

 

「俺たちの全力をぶち込むぞ」

「はい!!」

「あぁ!!」

 

 吠さんがトリガーを長押し、堤さんが槍に刺さった王冠を回す。俺も合わせて手元に現れた2本の電池のボタンを押す。

 

「直列!! ビクトリーブレイブイン! マキシマムブレイブイン!」

 

 恐竜型の銃に電池を装填していく。

 

『アミーゴ! ミンナアツマリンチョ!』

『アミーゴ! メチャメチャアツマリィ~ンチョ!』

 

英魂(スピリット)】によって生まれたオーラたちが戦士の形を成し、連なって肩を支える。11人の強き竜の者+俺……12人分のブレイブを込めて……! 

 

「十二獣電! ビクトリーマキシマムフィニッシュ!!!」

 

『キングオージャーフィニッシュ!!』

『オーバーロードオールハンズ!!』

 

 3人の怒涛の必殺技が撃ち込まれ……

 

「アリエナイ……我ガ……負ケルナド……グアアァァァァァ!?!?」

 

 さすがのヨクボロスの肉体でも耐えきれず、大きな爆発が起きる。

 

「はぁ……はぁ……やったか……?」

「ユウダイ君、あんまそういう台詞は言わない方が……なっ!?」

 

 堤さんにたしなめられたその時、爆発跡から真っ黒なエネルギーが溢れる。それは怪物の姿になると、さらに巨大化していく。

 

「グガァァァォォォッ!!」

「えぇぇぇぇ!? なんだよあれ!?」

 

 雑魚処理を終えたゴジュウジャーの面々が合流する。

 

「どうやら自分の【生きたい】という欲望で復活したらしいな……めちゃくちゃな奴だ」

 

 熊手さんが分析するが……

 

「それって実質不死身では!?」

「いや、もう自我も無いみてぇだ、次ぶっ飛ばせば勝てるだろ。来いテガソード!」

 

『アウェイキング!』

 

「リングイン! 人神一体!」

 

『掴め! 切り裂け! レッド! 掴め! 切り裂け! レッド! テガソードレッド!!』

 

 吠さんは迷わずロボに飛び乗り、巨大なヨクボロスと対峙する。

 

「一体どうすれば……」

「お前たちもロボに乗るんや!」

 

 岩陰に隠れて休んでいた教授も俺たちの元へやって来る。

 

「ほんまは大獣神で蹴散らしたいとこやけど……さすがにこの体力じゃ厳しいかもしれへん。なぁゴジュウポーラー、今のお前さんならできるんとちゃうか?」

「往歳って言ったか、どこまで俺様達のことに詳しいんだか……まぁいい、その指輪を貸せ」

 

 熊手さんは教授からジュウレンジャーの指輪を受け取ると、それに力を込める。みるみるうちに縁は金から水色へと変わり……

 

「スーパー復元(リゲイン)ッ!!」

 

 指輪が輝くと、どこからともなく2体の巨大ロボが降り立つ。

 

『キョウリュウジン!』

『KING−OHGER!』

 

「ドラマー、ギタリスト。あれに乗って、お前たちがやれ。俺様は……少々力を使い過ぎたらしい」

 

 さっきからだいぶめちゃくちゃな力を行使しているからか、さすがの神様もバテたようだ。

 

「あとは任せてください。行きましょう堤さん!」

 

 ロボに飛び乗ると変身が解け、かわりに操縦席へと辿り着く。

 今度こそあいつを倒すため、3体のロボで迎え撃つ! 

 

「グルルルル……ッ!」

「獣みたいになりやがって……行くぜ!」

 

 レバーを思いっきり押し込み、ヨクボロスへ突っ込む。拳は青い盾で防ぎ、ピンクのドリルで隙を突く。俺が正面から抑えてれば……! 

 

「そこだっ!」

 

 トンボの如き羽根で飛び上がった堤さんのロボ……キングオージャーが斬りかかる。

 

「遠野さん!」

 

 体勢が崩れたとこに……

 

「これでも食らっとけ!」

 

 吠さんが駆るテガソードが強烈な斬撃を浴びせる。3vs1ならさすがに……と気が緩んだその一瞬。

 

「ガアアアァァァァッ!!」

 

 さっきの極太ビームをもろに食らってしまう。

 

「「「うわぁぁぁぁぁ!?」」」

 

 全員が地面に倒れ、土煙が舞う。

 

「くそ……俺が時間稼ぐ。お前らは体勢立て直せ!」

 

『アライジング!』

 

「リングイン! 超越人神一体!」

 

『リョウテガソード、降臨!』

 

 青いパーツを纏って吠さんのロボがヨクボロスと殴り合う。だが最初の一撃こそクリーンヒットしたものの徐々に押され始めている。1人では厳しいだろう。

 

「くそ……動けぇ!」

 

 レバーを押したり引いたりするがロボは動きそうにない。ただ見てるだけなんて……絶対嫌だ。このブレイブは二度と絶やさないと誓った! 

 

「諦めるもんかぁぁぁ!」

 

 叫びが指輪と呼応して弾けた光によってテガソードの里で見たような空間の捻れが現れ、俺を飲み込む……。

 

「……え? ここどこ!?」

 

 目を開くとそこは何もない真っ白な空間。だが堤さんも同時に来ていたようだ。

 

「あっ堤さん! これは一体……?」

「俺にもわからない。諦めちゃいけない、って思ったらいつの間にか」

 

 どうやら理由は俺と同じようだ。2人して困惑していると、後ろから高らかな笑い声が聞こえた。

 

「なぁ──ーっはっはっは! 俺様たちの力を受け継いだらしいが……貴様らの本気はそんなものか!」

 

 振り返るとまたもや空間が捻れ、今度は赤いマントを羽織った男が出てきて挑発してくる。今日は不思議なことが多すぎる。

 

「え、えーっと……あなたは?」

「貴様らとは違う世界を支配する王だ。今様々な世界で危機が起こっているが……貴様らも苦戦しているようだな!」

 

 さらに別の歪みからまた見知らぬ男が出てくる。赤と黄色のジャケット……だが腰に付けている銃には見覚えがあった。

 

「おいおい、そのテンションで接したら2人とも困っちまうだろ。よぉ、お前がそっちの世界の【強き竜の者】か。たしかにすげぇブレイブを感じるぜ!」

 

 この人たちはもしや……? 

 

「こっちのピンチは一旦切り抜けたから、オリガレッドに頼まれて様子を見に来たんだ。あいにく直接手伝いには行けねぇが……獣電竜たちが力を貸してくれる。いいよなガブティラ?」

 

 今度は巨大な捻れから機械仕掛けの恐竜や虫が現れる。

 

「クワゴン、この人たちも手伝ってあげて!」

 

 王様らしき人がさっきとは全く異なるテンションで語り掛ける。たぶんこっちが素だな。

 

「あっ……シュゴッドたちがいればどんな巨悪も倒せる! 捻り潰してやれ!」

 

 いやそのムーブ無理があるって。

 

「この言葉を叫べば皆が来てくれる」

 

 俺と堤さんは言われた言葉をきちんと胸に刻む。その直後捻れの向こうから。

 

「ちょっとキング! まだ傷の手当て終わってないでしょ!!」

「おいタコメンチ! 壊れた街の後始末残ってんぞ!!」

「げ、もう見つかっちまったか」

「あちゃー……それじゃ僕たち、あぁいや、俺様達は戻る」

「そっちは任せたぜ!」

 

 ありがとうを伝える間もなく、2人とも慌てて捻れを通っていく。

 

 俺たちは白い空間に取り残されるが……やることは決まっている。

 

「じゃあ……俺たちも行きましょうか」

「そうだね。必ず勝とう、ユウダイ君!」

 

 頷き、同時に教えられた言葉を叫ぶ! 

 

「超カミツキ合体!」

 

「降臨せよ、ゴッドキングオージャー!」

 

『ギガント、ギガント! ギガントキョウリュウジン!』

『シュゴット、大集合! GOD・GOD・GOD・GOD! GOD KING−OHGER!』

 

 白い空間から戻るとコクピットはさっきとは変わり、円形のステージのような台に立っていた。

 

 2人とも通信が繋がるが、堤さんの方もロボットアームを着るようなコクピットへと変わっていた。

 

「お前らなんだそのロボ!? ……まぁいいか、やれんだな!」

「はい! 行けます!」

 

「おおぉぉぉ!? あれは古文書に記載があったキョウリュウジンとキングオージャーの最終形態やないか!! まさか実物を拝めるとはなぁ!!」

 

「僕たちも負けてられないね」

「熊たん、教授を頼んだぞ」

「今こそテガソード様と共に!」

「今度こそ終わらせるわよ!」

 

『五神一体! リョウテガソードファイブカラー!』

 

 青、黄、緑、黒の武器も加わりさらに強化されたテガソードと合わせ3体の巨神がここに顕現する。

 

「グオォォォォ……!」

 

 ヨクボロスが正面から殴りかかるが……このロボのパワーは凄まじい。ビクともしないぞ。

 

「お返しだぁ!!」

「ガアァッ!?」

 

 手に持つ緑と銀の巨大な武器で薙ぎ払い、派手に吹っ飛ばす。

 

 負けじと再び光線を撃ってくるが。

 

「もう効かない!」

 

 今度は堤さんのロボが全身からビームを放ち、押し返す。相殺したところで! 

 

「お前ら合わせろ!」

 

 吠さんたち5人の息がぴったり重なって強烈な打撃と銃撃を浴びせる。

 

「グゥ……ッ!?」

「皆さん決めましょう!」

 

『聞いて驚けぇ! ギガントアツマリンチョ・デ・ガブリンチョ!!』

 

「超獣電オールギガントエクスプロージョン!!!」

 

「「「「「五獣者・ソードエンド!!」」」」」

 

『テガソード・グランドクロスアセッション!!』

 

 Gを描いた斬撃と巨大な剣による一閃、そして獣電竜たちの連携で集まり放たれたビームがヨクボロスをついに……

 

「グアアアアアアアァァァァァ!?!?!?」

 

 爆発とともに今度こそ、散っていく。

 

「よっしゃぁぁぁぁぁ!!! ……あーさすがに……っ」

 

 おそらく人生最大の声で勝利を叫び……そこで限界に達し、ロボの中でパタッと気を失ってしまった。

 

 

 

 戦いの後。ゴジュウジャー6人はテガソードの里へと戻っていた。

 

「やっと帰ってこれたぁ……これで一件落着ね!」

「さすがの儂でもヘトヘトじゃ……」

「連戦で無茶しすぎだよ、禽次郎くん」

「熊手、荒池や往歳たちは無事か?」

「あぁ、余力で家に帰しておいたぜ。獣電竜やシュゴットたちも元の世界に帰ったらしい」

 扉が開き、そこへ派手な格好の2人がやって来る。

 

「あっ!? 見つけたぞ遠野吠っ! 最近全然いねぇから探したぞ!」

「げっファイヤキャンドル!? また喧嘩しに来たのか?」

「り、り、陸王様!? リハーサルに行ってたんじゃ……ってボロボロじゃないですか!? すぐ手当します!!」

「いやそんな慌てなくてもいいよ。ふふっ、ありがとう」

「他の奴らはボロボロみてぇだが、お前はまだ戦えんだろ?」

「あぁ、ちょうどさっき準備運動が終わったとこだ。やってやるぜ!」

「僕も連れて行ってよ吠ぅ~?」

「「クオン、てめぇは引っ込んでろ!」」

「まったく。いつまでも騒がしい連中だ……」

「とか言いながら、竜てゃも楽しんどるだろ? そうだ! 無事に帰ってきたことだし、皆でパーリーしようじゃないか!」

「いいわね禽じぃ! パーッとやりましょ!」

「悪くねぇアイデアだ。お坊ちゃん、ハイボールのハチミツ割りで頼む」

「お前、酒にもハチミツを入れるのか……」

 

 酒の話が始まると店から飛び出しかけたファイヤキャンドルがピタッと止まる。

 

「……おいお前ら、楽しむのはいいがブーケ嬢と酒を飲むのだけはやめた方g」

「ファイヤキャンドルさん? 何かおっしゃいました?」

 

 陸王の手当をしながら鋭い視線が刺さる。

 

「いや! なんでもねぇ! お前ら……頑張れよ……!」

「あっおい引っ張んなよ!?」

 

 逃げるように吠を引っ張って店を出て行く……。

 

 

 

 

 その数週間後。

 ノックして教授の部屋の扉を開ける。そこにはすっかり元気そうな往歳教授が資料とにらめっこしていた。

 

「おいユウダイ、今週の土曜空いとるか?」

「あーすみません! そこは用事があって無理ですね」

「ほーん……」

 

 そこで初めて教授は資料から顔を上げた。

 

「な、なんですかその顔……」

「いや? 今までなら暇しとったはずなのに、どんな予定ができたんかと思ってなぁ」

「からかわないでくださいよ。堤さんと本格的にバンドを始めようかって話になってて、土曜に会うんです」

「堤……キングオージャーの指輪の持ち主か。やっぱりお前らは共鳴するんやな!」

「来週なら大丈夫ですよ」

「おっ、そうか。実は調べてほしい案件があってな。俺はちょいと忙しいし、お前も随分戦隊らしくなったから任せたいんや」

「えー……ついに俺1人でですか?」

「いや、指輪の戦士探しはかなーり厄介で大変やからな、助っ人も呼んどる。指輪持ちの、なんと女子大生やで!」

「だからからかわないでくださいってば!」

 

 ケラケラ笑いながらその人の連絡先を渡してくる。

 

「細かいことはまた伝える。それまでに仲良くなっとけよ」

 

 相変わらずの無茶ぶりだが、ワクワクするのもまた事実だから悔しい。

 

「ところでお前、そろそろ軽音行く時間ちゃうんか?」

「あっやべっ!? 失礼します!!」

 

 勢いよく扉を開け、俺は再び夢に向かって、走り出した。




キョウリュウレッド
指輪/センタイリング キョウリュウジャー
契約者/荒池 ユウダイ
職業/大学生
願い/プロドラマーになること

「英魂(スピリット)」の能力を使い、強き竜の者たちの魂の一部をその身に宿すことができる。再び指輪を手にし、今度は自らの夢以上に誰かの夢を守るため、その力を振るう。ギタリストである堤なつめと共鳴し、大学卒業後「King of Kings」というバンドを結成。メジャーデビューを果たし、戦いを通じた縁でとあるスーパーアイドルと共演することにもなる。


クワガタオージャー
指輪/センタイリング キングオージャー
契約者/堤 なつめ
職業/ギタリスト
願い/バンド界ナンバーワン

「硬化(ソリッド)」の能力で、左肩のオーサマントを甲虫のように固くして戦闘することができる。偶然か、はたまた指輪同士が生んだ必然か、キョウリュウジャーの指輪を持つユウダイと出会う。吠とも再会し、今度こそ総当たり戦で戦うこととなるが……しばらく先の話になるだろう。ちなみに翌日礼を言おうとテガソードの里に訪れたところ、ピンク髪の派手な女性を除く全員(喧嘩を終えて帰ってきた吠とろうそくのような男含む)が酔い潰れており、何故かテガソードと介抱するはめになったとか。



【あとがき】
 ここまで読んでくださりありがとうございます。ユニバース戦士補ジュウ計画 キョウリュウジャー編とその番外編を書かせていただきました、はじめちゃんと申します。
 小説を書いて人に見せるという経験は初めてで、拙い部分が多々あったかと思われますが、スーパー戦隊への愛を込めて書きました。
 実はゴジュウジャー放送開始と同時期にハウジングセンターとかでやってるヒーローショーのアルバイトをしていまして、一瞬だけゴジュウレオンの中の人をしていました。諸事情で辞めてしまったのですが、演じるためにトッキュウジャー以来久々にリアルタイムで追ったり、戦隊展に行くきっかけになったり、ゴジュウジャーには様々な思い入れがありました。
 そんなゴジュウジャーが最終回を迎え、寂しさを覚えていた中でこの補ジュウ計画と目が合いました。たしか即決で参加を決めた気がします笑
 本編では恐竜繋がりで竜儀だけ登場させたのに対し、続編ではゴジュウジャー全員を出したために登場人物を口調で書き分けるのも難しく、もしかしたら「誰?」となるセリフもあったかもしれません……困惑させていたら申し訳ないです。
 しかし強くなった吠の描写や強化形態・最強ロボの並び立ちといった妄想、あえて名前は出しませんでしたが皆様のよく知るブレイブな彼と邪悪な彼のゲスト出演、あと何よりユウダイ君のヒーローとしての成長を描きたく、がむしゃらに書いていたらいつの間にか本編を超える2万文字になっていました。あれおかしいな……。
 また続編の敵として新たな戦鬼も登場しました。これは最終回後にノーワンが敵になるとは考えにくく、キョウリュウジャーに登場する戦鬼から引っ張ってきたからです。キョウリュウジャーでは喜怒哀楽に加えて恨みや獰猛さといった割と幅広い感情の概念から生まれていたので、さらに大きな括りで「欲望の戦鬼」としました。ただしいわば世界のバグから生まれた存在なので別にデーボスが復活したとかではないです(都合の良い解釈)。ヨクプレーとは二重人格……いや二重鬼格の関係になります。
 思いつくと同時に往歳教授のオタクさとめっちゃ相性が良いことに気づき、教授には監禁されてもらいましたすみません。
 普通に教授が強すぎてゴジュウジャーと混ぜたらユウダイ君なしで勝っちゃいそうだなと思ったので今回は他の方の作品と比べても割と大人しくしていただきました……ジュウレンジャーを履修したらきちんと教授の戦闘も描写したいなと思っています。
 ついでに関係ないのですがゴッドキングオージャーにブライダン組やユニバース戦士合わせて20人を乗せて「人神融合・王鎧無双」をさせるのも思いつき、さすがにキャラが渋滞するのでボツにしたのですが誰か代わりにやってください(!?)
 そして最後はとある別の番外編に繋がっていたりします……うちのユウダイ君が頑張っているかと思いますので、ぜひそちらも読んでみてください! 
(この後いくつか仮面ライダーシリーズのネタバレを出します、怖い人はここで読むのを中断していただけると幸いです……)
 あとこの続編を書く中でひしひしと感じたのは、物語を生み出す難しさです。「何を当たり前のことを」と思われるかもしれませんが、例えば吠の膨大な欲望を吸いきれずヨクボロスがダウンする流れは『仮面ライダーW』第48話のユートピアドーパント戦を意識してしまいましたし、熊手がスーパー復元使用後バテているのは『仮面ライダーギーツ』にて最初から創世の力を自由に使いこなせたわけではなかった浮世英寿の感じから着想を得ています。なんだったらそもそも堤なつめが登場したのは本編投稿後「ユウダイと堤は相性良さそう」という感想をいただいたのが理由ですし、こう思うと私の作品は無数のパクリが重なってできているのだなと……いやもちろん人のアイデアは誰かのアイデアから生まれたものであることの方が多いですし、パクリが悪いわけではないのですが、奇想天外な設定やストーリーで楽しませ続けてくれたゴジュウジャーの制作陣はすごかったのだなと……改めて感じました。
 あとがきなのに長々と書いてしまいすみません、最後に。この作品が生まれたのは主催者である壱肆陸さんはもちろん、読んで感想をくださった皆様やスーパー戦隊を作り、支え、愛した方々がいたからです。本当にありがとうございました! 皆様と共にいつまでも、荒れるぜー止めてみなっ!!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

ゲマトリア兼デカグラマトン所属、エンターと申します。以後お見知りおきを(作者:エンター・■■■■)(原作:ブルーアーカイブ)

▼目が覚めたらエンターになっていた。▼デカグラマトンに作られたらしい▼ならばどうする?▼ロールプレイするしかないっしょ!!!!▼そんなお話。▼ ▼guruukuluさんが三次創作を作ってくれました!!▼https://syosetu.org/novel/413444▼『Bonjour、ブルーアーカイブ』▼感謝ぁ⋯⋯!圧倒的感謝ぁ⋯⋯!


総合評価:5808/評価:8.87/連載:77話/更新日時:2026年08月08日(土) 06:00 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>