魔女と挑む聖杯戦争   作:ミクモ

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前回のお話でトネリコが教会にカラスを飛ばした理由が分かる回になっております。

この物語を書いていて、改めてfateを見返したりそれぞれの呼び方だったり新たな発見があって色々面白いです!

今回は少なめですが、どうぞ!

追記 二重になっている所がありご指摘頂きました。教えて頂いた方々、ありがとうございます!


第4節 冬木教会

第4節 ~ 冬木教会 ~

 

将希がトネリコに促されて冬木市を見渡せる高台から帰宅する頃、アトラム・ガリアスタの魔術工房のある家の屋根に朱槍を持つ1騎のサーヴァントがいた。

カラスが飛び去った方向を追跡してきたのは良いものの、サーヴァントどころかマスターもいない。

彼は、はぁー...とため息を溢して呟く。

 

「ったーくよ、やっぱ、いねーじゃねぇか。

こりゃあ、予想されてたな、、、

だからあの時、止めとけって言ったんだよ」

 

周囲を見回すが気配すら感じる事ができない。

依頼主、もとい自身のマスターに報告をする。

 

『残念だったな、言峰。案の定いねぇぞ。

奴さん、慎重に慎重を重ねてやがる』

 

『なるほど、返事を出したがいなかったか。

なに、構わんよ。

目的はそれだけでは無いからな。

ここで奴を始末するのは変わらない。

もとより、この連絡が無くとも近いうちに始末する手筈だったからな』

 

『あーそうかい。

なら、男だけ始末したら帰るぞ。いいな?』

 

『うむ、あとは任せたぞ。ランサー』

 

ここで彼らの念話は終わった。

夜風がランサーの髪をなびかせる。

 

「さあて、ちゃっちゃと終わらせて帰りますかね」

 

そう言うとランサーは家の屋根から飛び降り、魔術工房がある家の中へと入っていった。

 

_______________________

 

 

魔術工房の中で拘束を解こうと四苦八苦している男がいた。

頭を強く打って気絶した後、目覚めると手足を拘束されていた。

何が起こったのかは後でいい。

今は、ここから脱出する事だけをアトラムは考えていた。

 

「くそっ、外れない!」

 

見た目はただの布だが、どんなに頑張ってもほどけない。

手足が拘束されては切るものも使えず、イライラしていた。

 

ガチャリッ、と音がする。

一瞬、時が止まったかのような感覚と共に心臓の鼓動が早くなる。

そこには全身が青の装いで肩に防具を着けた男が立っていた。

サーヴァントだ。

 

「あんたが、ここの家の主かい?」

 

そう問われて、ドキッとしつつも俺を拘束した者ではないと判断して応える。

うまくこの状況を出し抜けば、ここから脱出できると考えて。

 

「違う、囚われてるんだ!

この拘束を解いてくれ!」

 

アトラムは一芝居うつことにした。

サーヴァントと言えど、所詮元は人間。

嘘を見抜く能力等無いと思って。

目の前の男は、

 

「ほーん。そうかい。

おたくかと思ってたんだがね。」

 

そう言って拘束されていた布を右手に出現させた槍でほどいた。

アトラムはあっさり解放されたことに少し驚くと同時に、これがランサーのサーヴァントかと思った。

 

のも束の間、ヒュンと音がする。

なんだと思った瞬間グサッと、胸にその槍が刺さっていた。

 

「エッ...?」

ゴホッと血を吐く。

急激な痛みを身体が脳に訴えた。

 

「アッ、うあアぁ!」

 

どうして?なんて言うことも考える間もなくのたうち回る。

痛い、イタイ!

最早それしか出てこない。

 

「オマエさん、嘘は良くないねぇ...

ランサーのサーヴァントだからって魔術に疎いと思ったか?

この魔術工房見りゃ、分かっちまうんだな~、これが。

悪いが死んでもらうぜ。

うちのマスターからの命令でな」

 

そう言って引き抜かれた槍。

止めどなく血が流れる。

アトラムは最早声を出す事もできず、血を失いすぎて痙攣していた。

 

「まあ、無関係の人間巻き込む奴には相応の最後って事かね。

しっかし、面倒な命令もあったもんだ。

拘束を解いてから殺せとはね」

 

男はそう言って、抜いた槍を下に振り血を飛ばして部屋を出る。

途中、入った別の部屋で割れた小瓶があった。

ランサーは興味本意で屈んで、割れたガラスを摘まむ。

その破片にはピンク色の液体が付着していた。

 

「バカだねぇ、遅かれ早かれ女から刺されてただろうよ」

 

何処からかサイレンの音が近付いてくる。

言峰が言ってた、教会の手の者だろう。

ランサーはその場を後にした。

 

警察がアトラム・ガリアスタの魔術工房に着いた時には、既にアトラムはこと切れており、子供を誘拐した犯人が自首の連絡をした後に自殺したと言う事で片付けられた。

子供たちも無事に保護されており、事件は収束する。

 

_______________________

 

 

場所は冬木教会、灯りがほとんど無く教会の中は月明かりが差し込んでいた。

神父の格好をした男の名は言峰綺礼。

ランサーからの報告を受け、教会の中を歩きだす。

 

「何処の者か知りたかったが、相手が上手だったか。

思い通りにはいかないものだ」

 

彼は教会の監督役と言う中立の立場であり、本来はマスターになってはいけない。

が、そもそも聖杯戦争で監督役と言うのも最初は存在していなかった。

後付けで付け加えられた役職であり、一定のルールを設けてはいるものの絶対的なものではない。

 

カラスから連絡を受け取った後、想定外の出来事に多少面食らった綺礼だったが、状況把握の為にランサーを仕向けた。

おそらくキャスターの可能性が高いが何処の陣営か、マスターが誰なのかを知るために追跡のルーン魔術を使わせずに追跡させたが空振りに終わる。

まだアトラム・ガリアスタを始末できただけ、良しとしよう。

無関係の人間巻き込むのは極力避けるよう通知したが、警告を受け取らず好き放題してくれた。

こちらの隠蔽工作やその他諸々する側としては、たまったものではない。

 

「さて、今後どうなるか。

連絡を寄越してきたマスターが誰なのか探らねばな。

凛にも召喚を急かさねばならん。

明日にでも電話するとしよう」

 

そう言って、言峰綺礼は教会の地下へと歩いていった。

 

 




まだ終わらぬ初日、今後の展開含めて長くなりそう?な気がします。
誤字脱字に気付き次第、修正しておりますがご容赦ください!
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