第五航空機動艦隊、はいふり世界に展開する。   作:天崎零総帥

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第二章(原作開始)
第18話【事変発生】


1年後 横須賀鎮守府

 

海軍への編入から1年経ち、あれから何事もなく変わらない日々を過ごしつつ、その間にも艦隊の再編成や各地への配備が進み平和な日を過ごしていた。

 

横須賀鎮守府 総司令官執務室

 

「再配備した艦隊の訓練も順調だな。」

瑞鶴

「ですね。」

 

聯合艦隊は艦隊を一度解散させ新たに再編成し、横須賀に「海軍総司令部」を設置し「呉」「横須賀」「舞鶴」「佐世保」「大湊」「那覇」「高雄」の7カ所に鎮守府を開設した。並びに2月には新鋭潜水艦伊600型の1番艦[伊600]が竣工し第9艦隊(練習艦隊)に編入され完熟訓練が行われていた。

 

「そう言えば、そろそろ新学期の季節か。」

瑞鶴

「ですね。それがなにか?」

「いや、真霜さんに[海軍代表として横須賀海洋女子学園の入学式に参列してくれませんか?]って言われててね。」

瑞鶴

「参列されるのですか?」

「まぁな、米内大臣からも強制参列命令という名の手紙が来たからな。」

瑞鶴

「的確に退路を断ちに来てますね。」

「まぁな。しかも、とんだオマケまで付いてきてる。」

瑞鶴

「オマケ?ですか?」

「まぁ見てみろ。」

 

そう言い零は瑞鶴に手紙を差し出す。

 

瑞鶴

「!!…これって…」

 

手紙を読むと、瑞鶴はその内容に驚く。

 

「当日は第8艦隊を使う予定だ。私が不在の間の指揮は、多聞丸に任せるつもりだ。」

瑞鶴

「分かりました。」

 

その日は何事もなく業務を終えた。

 

そして遂に入学式当日を迎えた。

 

 

─────────

 

入学式 当日  横須賀海洋女子学園 本校舎

 

入学式と言うのもあってか、正門前は新入生とその家族がごった返していた。そして数刻経つと、大きな講堂で入学式が始まり。

 

司会

『続きまして、日本海軍海軍中将。天崎零様より、ご祝辞を賜りたいと存じます。天崎様、よろしくお願い申し上げます。』

「はい。」

 

来賓席から壇上に上がると、マイクの位置を微調整し敬礼をして原稿を読み始める。

 

『皆さん、本日はご入学おめでとうございます。本日より皆さん新1年生は実際の艦艇に乗り込み、操艦し実習をするわけでありますが、海洋は自然であり何が起こるか全くわかりません。常にある程度の緊張感を持って、尚且つ如何なる行動においても決して手を抜かないようにして実習に当たるように心掛けていただきたい。以上です。』

司会

「ありがとうございます。」

 

拍手の中、退壇して席に戻るとその後は問題なく話が進み、式も終わると新入生は配属された教育艦へと乗り移って行った。

 

士官妖精

「終わりましたね。」

「ああ、我々も行こう。」

士官妖精

「各艦、出港準備は出来ております。」

「分かった。」

 

式場を後にした零は、横須賀軍港へ直行し第8艦隊*1 旗艦「隼鷹」へと乗り込むと、艦隊を新西ノ島へと出航させた。

 

──────────

 

「隼鷹」艦橋

 

隼鷹

「司令官、もうすぐ横須賀海洋女子学園からの先道艦との合流地点だ。」

「うむ。見張り所、艦影は確認できるか?」

見張り妖精

『まだ確認できません。』

「分かった。航海長、艦隊進路このまま、原速維持。」

航海長妖精

「ヨーソロー、進路このまま、機関原速。」

 

しばらくすると、前方に艦影を確認し接近すると赤いストライプの入った陽炎型駆逐艦を視認した。

 

士官妖精

「確認しました。横須賀海洋女子学園所属の航洋艦「はれかぜ」です。

通信妖精

「長官、[はれかぜ]から無線です。[これより新西ノ島まで先導する]との事です。」

「返信、[先導感謝する]以上。」

士官妖精

「はっ。」

 

「はれかぜ」の先導の下、新西ノ島へと艦隊は進む。

 

─────────

 

「はれかぜ」艦橋

 

岬明乃(艦長)

「へ~、あれが航空母艦だっけ?」

宗谷真白(副長)

「そうですね。確か第八艦隊所属の…何だっけ…」

納沙幸子(記録員)

「第八艦隊所属の隼鷹型改装航空母艦の[隼鷹]と[飛鷹]ですね。」

知床鈴(航海長)

「知らない船が2隻…」

西崎芽衣(水雷長)

「にしても、かげろう型に魚雷が積んでないのがなぁ…」

立石志摩(砲術長)

「主砲も単装砲3基だけ。」

真白

「いいから!今は艦隊の先導に集中しろ!」

真白以外の艦橋メンバー

「「「「「は~い」」」」」

 

道中「はれかぜ」の機関の不具合で到着が2時間遅れるハプニングがあったが、無事に新西ノ島近海へと進出した。

 

─────

───

 

新西ノ島近海

 

「はれかぜ」艦橋

 

真白

「やっと着いた。」

幸子

「集合時間から2時間遅れです。」

真白

「入学早々に遅刻するなんて… 不幸だわ…」

 

真白は肩を落とし落ち込む。

 

幸子

「まぁまぁ、遅刻の連絡もしましたし。ただでさえ故障しやすい新型高圧タービンの事は教官たちも知っていると思いますからそこまで叱られることはないと思いますよ…多分。」

真白

「はぁ…」

 

再び大きいため息をつく。

 

真白

「それはそうと!艦長は何処に居るんだ!?」

明乃

「呼んだ?」

 

直後に猫の「五十六」を抱えた明乃がやって来た。

 

真白

「遅刻しそうな時に、何処に行っていたんですか!?」

明乃

「甲板で五十六に餌をあげてたの、それに遅刻の連絡は送ってるから大丈夫だよ。」

 

その直後―

 

 

ヒュルルル――

 

 

ズガァァァン!!!

 

「「「「「ウワァァ!!」」」」」

 

「はれかぜ」の右舷前方に何処からか撃ち出された砲弾が着弾し高い水柱を上げた。

 

 

第八艦隊side

 

「通信手!さっきの発砲に関して[さるしま]から連絡は来てるか!」

通信妖精

『なにも来てはおりません!』

「今すぐ連絡を入れるんだ!無線でも発光でも手旗でも構わん!嫌な予感がする…」

見張り妖精

「再び[はれかぜ]に至近弾!」

通信妖精

『こちら通信室![さるしま]からの応答なし!』

士官妖精

「発光、手旗信号、双方共に返答なし!」

「このままでは死人が出る。海軍総司令部へ緊急伝「教育艦[さるしま]、[はれかぜ]へ複数の実弾発砲。[さるしま]とは連絡途絶、これを非常事態と断定し、生徒の命を保護すべく反撃する」以上!」

通信妖精

『はっ!』

 

その間にも「はれかぜ」の周囲には無数の砲弾が飛来し、狙いが近づいていた。

 

「[萩風][舞風][秋雲][晴風]に打電「[はれかぜ]を援護せよ。」以上」

通信妖精

『了解!』

通信妖精

『海軍総司令部より入電「緊急非常事態宣言、反撃を許可するも犠牲者は最低限に止めよ」です。』

「現時刻をもって、非常事態宣言に伴い、全艦の実弾使用を許可する。航海日誌に記入。」

士官妖精

「はっ!」

 

士官妖精が航海日誌へ記入する。その間にも各艦では実弾頭の砲弾や魚雷が装填され始めていた。

 

見張り妖精

「[はれかぜ]転舵!取り舵90!」

「同航戦…魚雷を発射するつもりだな。」

隼鷹

「司令!どうする!?」

 

舵輪を握った隼鷹が尋ねる。

 

「我が艦隊も続く。取り舵90!」

隼鷹

「了解!取り舵90!」

 

第八艦隊も舵を切り「はれかぜ」の左舷後方を同航する。

 

「[鈴谷][熊野]援護に入れ。」

 

「鈴谷」「熊野」の両艦は船速を上げ、4隻の駆逐艦の更に左舷側に同航し主砲を右舷側へと向ける。

 

──────

鈴谷

「熊野、統制射撃用意!当たらなくても良い、敵艦を混乱させるだけで良い!」

熊野

『統制射撃用意良し!』

 

「鈴谷」「熊野」は主砲を向け射撃態勢に入った。

 

鈴谷、熊野

「『撃てぇ!!』」

 

ドドドドドォ!!!

 

「鈴谷」「熊野」の2隻から放たれた計12発の砲弾は「さるしま」の周囲に着弾した

 

─────

 

「はれかぜ」艦橋

 

野間

『着弾!初弾狭唆!』

明乃

「すごい…」

真白

「初弾から狭唆を出すなんて、並大抵の事じゃできませんよ…!」

幸子

「海軍の最上型は50口径の20.3センチ連装砲を主砲として前部に3基集中搭載しています。」

野間

『着弾!再び狭唆!』

 

「鈴谷」「熊野」の砲撃は再び狭唆した。

 

幸子

「発射速度は毎分5発、12秒に1発射撃可能で、砲弾の四式重徹甲榴弾は従来の徹甲弾の重量を更に重くしたSHS(スーパー・ヘビー・シェル)を使用していて砲弾重量は約150㎏、炸薬量は5kgに達しています。」

 

この間にも砲撃が続き「さるしま」の周囲に高い水柱が上がる。当然ながら「さるしま」の砲撃対象も「はれかぜ」から「鈴谷」「熊野」の方へと移る。

 

─────

 

鈴谷

「駆逐戦隊に突撃させろ!」

通信妖精

「はっ!」

 

通信妖精が発光信号で合図を送ると、4隻の駆逐艦が増速し「はれかぜ」の前に出る。

 

萩風

「右舷魚雷発射管、1番管発射用意!」

水雷長

「魚雷発射用意よし!」

萩風

「発射!」

 

右舷から1本の短魚雷が発射される。発射された短魚雷は航跡を引かず推進し

 

――バシャァァン!

 

「さるしま」の左舷中央に命中した。

 

―――――――――

 

水雷長妖精

「魚雷命中!」

見張り妖精

『[さるしま]左舷へ傾斜中、並びに減速しています。このまま停船すると思われます。』

萩風

「旗艦に連絡、本艦と[舞風]は救助、[秋雲][晴風]は[はれかぜ]の保護を。」

士官妖精

「了解。」

萩風

「[舞風]に救助と並行して白兵戦の準備をするように下命、ただし非殺傷である事を徹底するように。」

士官妖精

「了解。」

 

「萩風」「舞風」の2隻は浸水して大傾斜を起こしている「さるしま」に横付けすると、武装した妖精達を戦闘に「さるしま」に飛び移っていく。

 

萩風

「さぁ〜て、私も斬り込むわよ!副長、後を頼むわ!」

副長妖精

「えっ!?ちょっとm「突撃ぃ!」」

 

萩風は自身の腰に掛けていた刀を抜くと指揮を副艦長に丸投げすると返事を聞かずに艦橋から飛び出して行った

 

副長妖精

「えぇ…(^^;;」

 

その後、この「萩風」の副長妖精の指揮の下で救助作業が行われ全乗員の救助が完了するも「さるしま」浸水甚大で手の施しようがなく左舷側からゆっくりと転覆し海中に没した。

 

 

なお駆逐艦「萩風」の副長妖精は最初、艦長の萩風が不在であるため艦長の舞風が居るであろう駆逐艦「舞風」に指示を求むも、何と舞風自身が陸戦隊を率いて「さるしま」一番槍で突撃していたため、逆に「舞風」から指示を求められ、「萩風」の副長妖精は四苦八苦しながらも何とか指揮を行った影の苦労人である()

*1
第8艦隊(予備艦隊)

  航空母艦:隼鷹 飛鷹

 航空巡洋艦:鈴谷 熊野

   駆逐艦:萩風 舞風 秋雲 晴風

       朝潮 大潮 満潮 荒潮 朝雲

       山雲 夏雲 峯雲 霞 霰

 防空駆逐艦:滝雲 白小雲 慶雲 密雲

 戦闘給糧艦:早鞆

   給兵艦:豊埼

   給油艦:塩瀬




次回、第19話【海軍緊急出動命令】
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