『三好左京大夫になりましたが先が見えないので朽木と手を結びたい』   作:零戦

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お久しぶりです。
電波受信したので投下します。


その後の話(2)

 

 

 

 

 

 

『居城築城に至る道』

 

 

 

 

 

 

「居城? 飯盛山城では駄目か?」

「はっ、朽木殿が安土に居城をしたのであれば殿も天下統一の為の城は必要と思われます」

 

 そう言うのは松永久秀である。時は天正3年1月の正月の頃である。この前年、三好重存は朽木基綱と共同で長島の一向一揆を鎮めた。それまでは織田信長による第一次長島侵攻があったが史実と同じく氏家卜全が討死したり敗北していた。その後は織田が三好・朽木・北畠連合軍に敗北した事で長島の一向衆は本願寺の指令を無視して増長を開始、長島周辺を占領し始めるのである。

 退去命令を無視した長島一向衆に対し重存と基綱は討伐を開始、これが第二次長島侵攻となり一向衆に打撃を与えるも決定的打撃とはならず撤退。昨年天正2年に再度15万の兵力で長島に侵攻(第三次長島侵攻)し長島を包囲すると朽木の大筒で砲撃し堪らず出てきたところを改良型火縄銃で銃撃、顕忍や下間頼旦等を射殺し更には火攻めにし約3万が焼け死んだのである。

 これにより漸く長島の一向一揆は鎮圧したが三河の一向一揆は更に増長するのである。

 

「飯盛山城は確かに名城ではありますが政を行う場所にはなりますまい」

「堅固な城にはしたけどな」

 

 飯盛山城は重存の手直しにより飯盛山の麓から防衛線を構築し堀を三重にしたりと色々と手を加えていたが政を行う場所としては些か不便なのだろう。(それでも高野街道とか交通の便は良い)

 

「それで久秀、何処か場所はあるのか?」

「はっ、昨年本願寺が退去した石山にございまする」

「ほぅ、石山にか?(大坂城フラグキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!)」

 

 重存は表情がバレないようにしながらも興奮は隠していた。本願寺は昨年の天正2年に山科へ移動した。しかも場所は山科だが寺は二つも用意されていた。

 

「全てを収容するのに少しばかりの銭が足りなかったのでやむを得ず二つの寺を用意した」

 

 重存は申し訳ないという表情で顕如にそう言うが裏では(二つに分けてそのまま分裂してしまえ)という思惑があったりする。その思惑は後々に成功し本願寺は東西本願寺に分裂するのである。

 が、今はそれを語るわけではない。顕如も山科本願寺の戦い以来から本願寺に帰れるのだから文句はなかったのである。

 

「普請には某の他にも与右衛門に参加させます。どうやら与右衛門も築城に興味があるようです」

「ほぅ、与右衛門がね」

 

 重存の母衣衆に藤堂高虎が500石で仕えている。無論、これは信九郎に探して貰って朽木より早くに確保したからである。

 

「分かった。築城に関しては久秀に任せるが、図案とかは俺も見たい」

「承知しました」

 

 重存の言葉に久秀は笑みを浮かべる。なお、その後の普請に重存も度々口を挟んだりする。堀は三重から五重にしろ、万が一の落城における脱出時の地下通路の建設、糧食の備蓄倉庫の拡充、弾薬等の保管倉庫の拡充、籠城時の汚物処理の水路等々であったがそれでも久秀からすれば成る程と頷く具申であり久秀もそれを取り入れる程である。

 後に完成した大坂城を見に来た基綱からは「大坂夏の陣を勝ちたいのか?」と爆笑してしまう程の城の完成度であった。その基綱も安土城を色々と浪漫を求めてしまう程の築城をするわけである。(久秀も協力している)

 

 

 

 

 

『四国から九州へ至る道』

 

 

 

 

「念願かは分からないが……四国も三好家として統一は出来たな」

 

 天正4年3月、飯盛山城にて重存は四国からの報告を聞いていた。三好家は元より同盟国の朽木家も快進撃を続けていた。前年の天正3年には三河国設楽原にて発生した『長篠の戦い』にて甲斐・駿河から進出してきた武田信頼(史実における武田勝頼)の軍勢約1万4000と三好・朽木連合軍2万5000が激突し武田軍は三好・朽木連合軍の大筒や鉄砲に撃ち負け敗北するのである。

 この戦いで武田軍は史実以上の敗北となり朽木家にいる真田家以外の武将はほぼ討死にするという有り様であり甲斐に逃げ帰る事が出来たのは僅か1000人にも満たない数であった。

 武田に大打撃を与えた事で朽木軍は西駿河へ侵攻を開始、殆ど兵がいない西駿河はあっという間に朽木に占領されるのであった。これにより朽木基綱は元より朽木家内では「暫くは落ち着いた内政が出来る」と喜んだりするが西駿河の実情を見て膝から崩れる事になるのは少し先の話であった。

 それはさておき、武田を朽木と合同で撃ち破った三好家は畿内の足場を固めつつ四国統一に乗り出す。

 

「四国を統一すればその先に同盟国薩摩がある九州がある。九州の薩摩は助けねばならない」

 

 重存はそう主張し三好家も四国統一に乗り出すのである。この頃の四国は阿波と讃岐の二国は三好家が保有し伊予は毛利の影響が深い河野氏、西園寺氏、宇都宮氏等が争い、土佐は土佐一条氏とやや戦況に有利な長宗我部氏が争っていた。重存は先に土佐を片付けるつもりで三好康長を総大将に安宅冬康、三好政康等の武将と3万5000の軍勢で土佐に侵攻を開始したのである。

 ちなみに脅威的に考えたら毛利であり大友はそこまではない。というのも三好家は元亀元年に薩摩の島津氏を支援という形の同盟(軍事等)を締結していた。当初は島津も三好家を当てにはしていなかったが、重存が朽木経由で入手したセーカー砲とカルバリン砲を島津に譲渡した事で島津は薩摩の統一が少しばかり早くなったりし元亀3年(1572年)の『木崎原の戦い』には両砲を隠し玉で使用、総大将の伊東祐安は砲弾に頭を吹っ飛ばされる程である。

 伊東氏は結局、天正3年に日向から豊後の大友宗麟を頼って亡命するのである。

 

「しかし、四国を統一したとしても毛利の動向が気になりますな」

 

 そう言うのは三好家の軍師方を担う小寺官兵衛である。官兵衛は小寺政職を説得して小寺家は三好家に恭順しており播磨は今のところ平穏であったが史実と同じく裏切りかは不明である。

 

「丹波と丹後、但馬を攻略したのが効いているかもな。山陽と山陰から軍が来るかもしれないという不安も生み出している」

「そのようですな」

 

 三好家は足場を固める目的で丹波に丹後、但馬を攻略している。特に丹波は三好実休が討死した場所でもあるので三好家の力の入れようは凄かった。実休を裏切り討ち取った波多野と赤井はそれぞれ居城に籠城したが自ら出陣した重存は大筒での砲撃と忍びを使い井戸に毒を放り込んだりして飢死させる手段を取り、両家は万策尽きて降伏、波多野と赤井は首を討たれ実休の仇討ちに成功するのである。なお、但馬は山名四天王を調略していた事もあり山名氏が直ぐに降伏するのであった。

 

「四国には康長と冬康の叔父上、政康を送り込んでるからなぁ。山陰は友通に長頼、山陽は久秀と村重を送るか」

「御意」

「四人に伝えてくれ。無理に攻める必要は無い、本命は四国の攻略であり四人は気長に茶会でもしながら毛利と対陣してもらいたいとな」

「御意。そのように伝えます」

 

 なお、重存の言葉を聞いた久秀と村重はノリノリで茶会を連日に渡り開き、播磨の国人衆らの心を開かせるのである。(播磨国人衆の裏切りフラグが消失)

 これにより山陽と山陰で毛利と対陣する事で四国攻略は順調に進む事となり土佐は同年9月、伊予は天正5年1月に三好家に攻略され土佐の長宗我部氏、伊予の河野氏、宇都宮氏は滅ぼされるのであり、土佐一条氏と西園寺氏は先に降伏した事で血筋は生き長らえるのである。

 また、四国を攻略した事で九州への道は開いたのであった。

 

 

 

 

 

『立花が大名に至る道』

 

 

 

「道雪殿、また来られたようですぞ」

 

 天正9年(1581年)5月の筑前国立花山城、そこには元大友家の重臣である戸次道雪がいた。傍らには共に筑前国を治めている高橋鎮種(後の高橋紹運)がいた。今日はたまたま茶会をしていたのだ。

 

「これで三度目ですな。どうされますか?」

「……………」

 

 鎮種の言葉に道雪ははてさてどうするかと悩みながらもお茶を飲む。

 

「三度目も断りましたら諸葛亮孔明の三顧の礼以上に匹敵しますな」

 

 猶子の戸次鎮連も苦笑していた。

 

「……一先ずは会おう」

「御意。連れて来ましょう」

 

 鎮連はそう言ってる部屋を出て、程なくして鎮連とその後ろに続くように二人の者が部屋に入ってきた。

 

「また……来られましたな」

「はい。道雪殿がうんと頷くまでは来ますよ」

 

 そう言ってケラケラと笑うのは——三好重存であった。そして重存の後ろには松永久秀も同行していたのである。

 

「まずは茶でも如何ですかな?」

「はい、馳走になります」

「平蜘蛛釜ではありませんが九十九髪茄子を持ってきました故……」

「ほぅ、九十九髪茄子とは……」

 

 茶器の話から茶会になるのであった。幾分か茶を嗜み会話も弾んできたところで口を開いたのは高橋鎮種であった。

 

「それで二人が来たのは今回も道雪殿の事ですか?」

「……その通りです。道雪殿には豊後の大名になってもらいたい」

「……………………」

 

 重存と久秀が来たのはそれだった。三好家の九州進出は天正7年からだった。四国を攻略した三好家は伊予から豊後に上陸したのである。無論、大友宗麟も迎撃するつもりだった、しかし大友側は前年の天正6年に発生した耳川の戦いで佐伯宗天・田北鎮周、角隈石宗等の主だった武将らが討死或いは溺死するという悲劇が起きてしまうのである。

 大友側はそれに立ち直る回復途中であったがそこへ三好家の豊後侵攻である。当初は迎撃だったが三好家から発せられた檄文は九州中にばら撒かれた。

 

『大友家は捕らえた民を奴隷としてバテレンに売り払い、その代わりに大筒や火薬を仕入れているのは鬼畜の所行であり到底許す事の出来ないものである』

 

 朝廷は大友家を朝敵とまではしなかったものの、帝は「我が国の民をあろう事か外の国の者に売り払い等理解する事が出来ない。大変に不愉快極まりない事である」とわざわざ関白の近衛前久(二条晴良は義秋を支援していたので関白はなっていない)を呼び出して大友家の事を尋問する程であった。

 三好家は島津と龍造寺、阿蘇氏の甲斐親直(甲斐宗運)等を味方に付け、九州はほぼ反大友一色に染まったのである。それでも宗麟は外交で取り持たせようとしたが三好家の調略により高橋鎮種、戸次道雪は動かない事を是とした。

 忠義ガンギマリの高橋鎮種と戸次道雪を動かせなかったのはやはり奴隷売買であった。彼等も売買は知ってはいたが帝の件も大友家には入っていたので家中もてんやわんやである。この件で二人は動かない事とし、三好家と接触し宗麟と義統の世代交代を確実に実施させ宗麟の首を差し出す事で合意したのだ。

 両家が動かないのなら他の家臣達も両家に倣い、豊後は天正8年には三好家に占領されてしまうのである。

 宗麟は捕らわれ、博多、堺、京にて見せしめとして引廻しとなり三条河原にて斬首となったのである。自害する事とすら許されなかったのである。

 そんな事も有りながらも大友家は豊後の日田と玖珠の所有を認められながらも大名としての所持は持たされる筈だった。

 

「豊後には義統様がおられます。主君を差し置いて大名等になりとうはありません」

「……それは前回までは通用出来ました……」

『??』

 

 久秀の言葉に道雪らは首を傾げる。苦々しく口を開いたのは重存だった。

 

「……義統の周囲に宣教師が複数いるとの事だ」

「ッ!?」

「馬鹿な!? 宣教師は豊後から追放された筈では!!」

「そう、状況を鑑みて豊後から追放され博多に逗留は許された……が、義統の屋敷に逗留している事も確認された」

「殿は……殿は何をなさるつもりか……」

 

 重存の言葉に道雪は思わずそう呟く。道雪は元より重存も義統の意図が読めなかったのだ。ただ、義統は独立する気満々だったので宣教師から情報を仕入れていたという事であった。

 だがそれを知らない道雪らも遂に決断するしかなかった。

 

「……分かりました。大名の件は引き受けましょう」

「真か?」

「はい。されど、三つ程条件があります」

「フム……承ろう」

「はい、一つ、我が娘を重存殿の側室にして頂きたい。一つ、鎮種の息子統虎を養嗣子として迎え入れたい。三つ、統虎の嫁に三好家から姫を迎え入れたい。これをお認めて下されば大名にになりましょう」

「………養嗣子の件は分かるが……何故娘を俺の側室に?」

「……血は残しておきたい……としましょう」

 

 重存の言葉に道雪は含み笑いをするが重存は一種の嫌がらせに思えた。最後の抵抗かもしれぬが道雪がわざわざそれを行う理由も無かったのでその線は捨てる重存である。

 その後、義統は謀叛の儀有りとされ薩摩の桜島に作られた屋敷に幽閉されるのである。そして空いた豊後の大名に道雪が据えられ、養嗣子として戸次統虎が誕生するのである。なお、統虎の嫁は重存の次女となるのである。

 

「……嫁が増えるのもなぁ……」

 

 新たに増える嫁(側室)に重存は溜め息を吐く。重存に嫁いでくるのは立花誾千代であり重存も色々と知っているのである。なお、正室の雪姫は新しい姫にワクワクしつつ側室の虎姫は武芸も出来ると聞いたので槍の演練に力を入れているのである。同じく側室の北条夫人こと映は気にせずに重存の政務の手伝いをするのである。

 

「……ま、気にしても仕方ないか」

 

 そう思う事にした重存であった。

 

 

 

 

 

 




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