みんな大変だよねって話
別にグロくはないです。

辛くなったら書きます。

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これは、フィクションです。


生きるの辛いし、死ぬのも怖い

 この世の中ってやつは、クソだ。

 

 真面目なやつが損をして、卑怯なやつが得をする。

 

 大多数の真面目なやつが、協力し合って保っているものを、卑怯なやつがそんなものは知らないとばかりに、上澄だけを奪ってく。

 

 大多数の馬鹿なやつが、真面目なやつがどれだけの労力をかけたものかも知らずに、それをぶっ壊して笑ってる。

 

 そんなやつらにやられた真面目なやつが、自分より下の真面目なやつを探して、壊れてく。

 

 そんなせいで、荒れた世の中を卑怯なやつらが、真面目なやつらのせいにする。

 

 だから、真面目なやつらが、卑怯なやつらに変わってく。

 

 そして、真面目なやつが、卑怯なやつになりきれなかったとき、それは生きてもいないし、死んでもいない。

 

 俺も、そんな間に挟まってしまった一人だ。

 

 他人に優しくする余裕なんて、ありはしないのに、見捨てるべきだとわかっているのに、見捨てられず共に堕ちていく。

 

 他人せいにすれば、楽になると分かって、他人のせいするけど、どこかで自分の能力不足を自覚してる凡人。

 

 それが今の俺だ。

 

・・・ーーー・・・

 

「おいっ!津島ぁ!ちょっとこい!!」

 

 俺を呼ぶ部長の声が、オフィスのフロア中に響き渡る。

 

「はい」

 

「お前、これなめてんのか!あぁ!?」

 

 机にある資料を叩きながら、詰め寄られる。

 

「すみません・・・」

 

「すみませんじゃねぇんだよ!!こっち来いお前!!」

 

 使用してない会議室に連れて来られる。

 

「なんでこんな計画が出てくるんだよ!俺のことなめてるだろ」

 

「いえ、そんなことありません」

 

「なめてるんだよ。目ぇ見たら分かる」

 

 本当になにも思ってない。

 

「お前、この計画日程でやれんのか」

 

「はい、現場の方と他の部署の方と話し合って決めました」

 

 いろんな人に要望を聞きまくってどうにかお願いして調整した日程だ。

 

「俺は、いけると思えないけどな」

 

「どの辺りがですか」

 

 本当に分からないから教えてほしい。

 

「とりあえず、やってみれば。俺は助けないけど」

 

 マジで意味がわからん。

 

「分かりました」

 

「おい、この計画、誰と立てた?」

 

「広瀬さんとチーム長の山本さんです」

 

 それを聞くと部長が会議室から出ていく。

 俺のせいで2人も怒られるんだろうか。

 

 とりあえず、席に戻って仕事の続きをする。

 

「津島、ちょっとだけ時間大丈夫か?」

 

 疲れた顔した広瀬さんに話しかけられる。

 

「分かりました。これ保存するんで待ってください」

 

 パソコンを閉じて、広瀬さんと打ち合わせスペースに移動する。

 

「部長になんて言われた」

 

「この計画はなめてるって言われました」

 

「俺も言われた。どうゆう教育してんだって」

 

 広瀬さんは、直属の先輩で俺に仕事を教えてくれた人だ。

 

 だから、今回の計画も手伝ってもらって提出した。

 

「あの人が前に言ってた注意を気にして作ったのに、今度は全然違うことで注意されちまったよ」

 

「なんて言ってたんですか?」

 

 俺には教えてくれなかったからな。

 

「『この日程でいくのに、俺が動かなきゃダメなんだから俺に根回ししろ』だってさ」

 

「え。そのためにこの計画書を提出したんじゃ・・・」

 

「承認するだけの状態にしてから持ってこいってことだ」

 

 部長の時間に取ってもらって説明してたら、申し訳ないし、苦手だから打ち合わせしたくない。まあ、後者がでかいのは否定しない。

 

「しかも、この計画書、社長の稟議まだ通ってないから、実際に出来るかどうかも分からんらしい」

 

「マジですか」

 

 もうだめだ。やる気が一気になくなった。

 

「一服するか」

 

「はい・・・」

 

 俺は社会人になってから、タバコを吸い始めた。かっこいいとかそんな理由じゃない。

 

 自殺してしまった人達の喫煙率がめちゃくちゃ低いというのを何かで見たからだ。

 

 それを先輩にも説明したら、先輩もタバコを吸い始めた。

 

「ふぅー、なぁ、知ってるか?」

 

「知らないです」

 

 即答で返す。

 

「・・・この喫煙所なくなるらしいぞ」

 

「終わったわ。なんでですか」

 

「社員の健康のためだって」

 

 余計なお世話とはこのことだ。

 

 たばこ休憩だって、この狭い喫煙ボックスでちゃんと休憩時間にとってんのに、喫煙者の肩身が狭くなってんのは、どうゆうことなんだ。

 

「あと部長もそうだけど、役職もってるの喫煙者少ないからなぁ。案が通りやすかったんだろ」

 

「ああ、そうゆう・・・」

 

 なんで上の世代なのに、吸ってないんだよ。

 

「そろそろ戻るか」

 

「さっきのやつどうすればいいですか?」

 

「俺が修正して、出しとくよ」

 

「ありがとうございます。申し訳ないです」

 

 そう言って、仕事に戻った。

 

 そして、次の日も、その次の日も、広瀬さんは出社してこなかった。

 

・・・ーーー・・・

 

「おい、津島」

 

「はい」

 

 部長のデスクに向かう。

 

「前に出した計画書、あれどうなってる」

 

「・・・すみません、広瀬さんが修正するってそのままです」

 

  迷ったが、どうしようもないので、ありのままを話す。

 

「っち、じゃあ、そのままでいいから5部刷って持ってこい。社長たちに説明する」

 

「分かりました」

 

「ちゃんと、分かりやすくできてんだろうな」

 

 あんたに提出しただろ。

 

「・・・すみません、まとめたつもりです」

 

「もういいから、早く持ってこい」

 

 指示通りに持っていって、打ち途中になってた仕事に戻ろうとするが、広瀬さんのデスクを見てしまう。

 

 違う先輩の話によると、部長に潰されて会社に来なくなった人は他にもいるらしい。

 

 大抵は、会社を辞めてしまうか、会社に復帰しても別の部署に飛ばされて、出世はできないと言われた。

 

 お世話になった広瀬さんとは、もう一緒に仕事できないかもしれない。

 

 そして、世話になりたくない部長とは、これからも一緒に仕事をやっていく。

 

 俺は、1ヶ月後に会社を辞めた。




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