愛城恋太郎のことが大大大大大好きな院田唐音 作:しろっこにー
見返して誤字とか物足りなかった部分はしれっと加筆修正しております...!
ご容赦ください。
早めには更新していきたいのですが気楽に待っていただければ幸いです
「そろそろ部屋に行こっか。荷物もあるしね」
「だめっ」
「ぇ……うん、分かった」
耳元で囁かれ後ろから回された腕が解かれそうになるのをキュッと掴む唐音。一瞬、呆気に取られた恋太郎だが彼女のお願いに緩めた腕の力を再び込める。
名残り惜しいが玄関で1日潰す訳にも行かない。それにお家デートはまだ始まったばかりだ。甘える時間はたっぷりある。でも少しだけ物足りないからちょっぴりだけ我儘を言う。
それにこれは朝から翻弄させて来た彼氏への仕返し。勘違いしちゃいけないんだからと本音と建前がごちゃ混ぜになった内心を何とか二文字で伝える。
「ふぅ……」
1分か2分か、後ろから伝わる安心感と温もりに唐音は軽く深呼吸し、身体の中で暖まった熱を吐き出す。
「2階上がろっか」
「うん」
唐音の機微を察したのか、恋太郎は呟く。
恋太郎は上がる前にキャリーケースのタイヤを拭き、先に脱いだ唐音の靴を揃えてあげる。そんな彼氏のさり気ない気遣いというか彼女ファーストの姿にまた少し身体の中に熱がこもってしまう。シンプルに言えばキュンッである。
「(こんな些細な事でも舞い上がっちゃう私も変なのかな? でも嬉しいし、何か今日の恋太郎ちょっとかっこいいし…….もう! 恋太郎の馬鹿っ!)」
まだお家デートは始まったばかりだが唐音の大好きメーターはパンクも辞さない勢いで上がり続ける。原因は隣にいる彼氏の所為だと責任転嫁し、ジトりと睨みながらも「よいしょっ」とキャリーケースを持つ恋太郎に着いていく。
「ちなみにこっちがお手洗いで、そっちが洗面所とお風呂、奥がリビングね」
彼が指さす方向を追いかける。前回来た時は緊張してたせいかあまり覚えていなかった。今日は私のお家という事もあって頭に叩き込んでおく。そして一旦落ち着こう。朝から舞い上がりすぎだ、浮つきすぎて階段で滑って怪我でもしたら目も当てられない。
悶々としながら恋太郎の部屋に着く、前回同様、整理整頓された清潔感のある部屋……と言いたい所だったが服が散乱している。
「なんかアンタにしては珍しいわね」
「あはは、唐音を迎えに行こうと思ったら着る服で迷っちゃって……片付けないでそのまま飛び出して来ちゃったんだよね」
「ふ、ふん……! そういう事なら今回は見逃してあげても良いんだからね!」
想像してなかった光景に少し呆けてしまった唐音へ恋太郎は弁明する。
彼女が来るんだからちょっとくらい片付けておけと思ったが、会いたいが為に急いだ末の結果なら情状酌量の余地があるし素直に嬉しい。今回は見逃してあげよう。
「うん、飲み物取ってきたら片付けるから。取り敢えず適当に座ってて、ジャケットもハンガーかけとくね」
「う、うん」
そう告げると恋太郎は唐音からジャケットを受け取り扉の近くにあるポールハンガーにかけ、唐音の荷物をベットの横に置き1階へと降りていく。
数十分ぶりの1人の時間が訪れる。
「…………」
静寂に包まれた空間で唐音が見下ろしているのは恋太郎の私服達。皆んなと外出した時に着ていた服もある。その内の一着に狙いを定め座り込む。静かに見つめ合う唐音と恋太郎の服。
以前に胡桃と妹と四人で縁結びの神社に行った時の服だ見覚えがある。彼氏の服でその時の思い出が甦るのは世界中のカップルが経験することだろう。唐音も例外では無い。だがそれとは別の感情も芽生える。
「(めっちゃ嗅ぎたい……)」
彼氏の匂いを嗅ぎたくなるのは世界中の彼氏を持つ彼女が経験する事だろう。唐音も該当する。
「べ、別にダラしない彼氏の代わりに服を畳んであげようと思っただけなんだからね……!」
ツンデレの女の子と言えば、本音を隠そうとするあまりダダ漏れの感情をさらけ出してしまう。例に漏れず唐音もである。
アリバイはバッチリ。完璧な論理。院田唐音に死角なし。他の服をテキパキと畳み、狙い澄ました一着を満を持して顔に埋め、息を吸う。
「ぁ……やばっ、い」
と思ってしまった時には手遅れだった。恋太郎の匂いがつま先から脳まで一気に駆け巡る。それと同時に分からせられる大大大大大好きな気持ち。自分でも呼吸が乱れているのが分かる。それでも溢れ続ける感情そのままに恋太郎のベットに突っ伏し悶える。
「(恋太郎のにおい、恋太郎の香り、大好きな人の恋太郎のにおい! 恋太郎に分からされちゃぅ……ズルいわよ恋太郎ぅ!! 恋太郎好き、大好き……恋太郎大好きーー! )」
恋太郎の彼女院田唐音、最っっっ高にハイになる。一旦落ち着こうと階段で誓った筈なのに彼氏の服一着でこの様である。
だがこれしきの事でハイテンションになっている場合では無い。ここに一晩お世話になるのだ。大好きな人の匂いに囲まれながら、何だったら当の本人も居るこの場所で......。
「(ホントにやばい、私もたないかも……)」
朝から胸がキュンしてドッキドキだ、今日は恋太郎に何個心臓を奪われるのだろう。100個くらい欲しい。トキメキに殺されてしまう。頭がおかしくなりそう。
でも匂いが好きすぎて止められない。もうちょっとだけハイなままでーー。
「唐音ー!」
「はうあぁぁぁーい!!?」
唐音のくんくんタイムは1階から聴こえる彼氏の元気な声で中断された。
背中が仰け反るほどの勢いで顔を上げ返事をする。我ながらとんでもない声が出てしまった。呼吸を整えて部屋のドアを開ける。
ひょこっと1階の方を見やると彼氏が倒れていた。
「状況が読めないっ!?」
名前を呼ばれた時の声音と現在の状況が不一致過ぎるあまり、ツッコミをかましてしまう。
「ちょっと大丈夫? 恋太郎ー!?」
「だ、大丈夫。飲み物何が良いか聞こうと思って唐音を呼んだら、凄く元気な声で返事をしてくれる彼女ってシチュエーションに出くわして感激のあまり膝から崩れ落ちただけだから......」
ただ単に彼女の言動に悶えていただけだった。お騒がせな彼氏である。
「心配して損したわ馬鹿恋太郎っ! あと飲み物は麦茶!」
「麦茶だね、ありがとう分かったよ。あと歯ブラシとかお風呂セットとかお風呂場に置いてて良いからね?」
そう告げてリビングへと戻って行った。
「んな…….!?」
まだ来たばかりの人様の家にそんな物をおいそれと置けるかと唐音は内心憤慨する。
そんな事をしたら礼儀知らずではないか……泊まるけど。まずは落ち着いてから自然な形で切り出す内容だろう。まぁ泊まるんだけど。何にせよそんなデリカシーのない言葉は彼氏から言うものではない。確かに泊まるのは分かりきっているのだけどもっ!! まぁ本人が良いと言うならとっとと置きに入ってしまおう。
「うぅ、分かった今いくわよ。まったくもう……」
唐音は抱きしめていた恋太郎の服を畳み、歯磨きセットとお風呂セットを持ち階段を降りる。
因みに唐音の歯磨きコップは楠莉から貰ったぺん太郎というキャラクターが描かれているコップである。折角くれた物だからと歯磨き用として使っているのだ。
1階に降りると恋太郎がリビングから出てくる。歯ブラシと歯磨き粉を今の内に交換すると言って洗面所へ着いてきた。
丁度いい、さっきの発言を注意しておこうと考え唐音は話を切り出す。
「恋太郎、アンタデリカシーない言い方には気をつけなさいよ?」
「え? 何か俺変な事唐音に言った?」
自覚が無かったようだ。ため息混じりに言葉を続ける。
「女の子ってのはね複雑なの、お風呂の準備とか彼氏から言うのは100人中99人が引いちゃうわよ? そういうのはもっと考えてからそれとなく言わないと駄目よっ」
「……」
「ま、まぁ? 今回はと、ととと泊まるのは決まってた事だし? ちょっと驚いたけど私は恋太郎がそう言うんだったら別に気にしないんだけどね......って何でまた崩れ落ちてるのよ!?」
照れ隠しに視線を逸らしていたらまた恋太郎が倒れ伏している。彼の横に転がっている歯ブラシと歯磨き粉が事の凄惨さを物語る......程でもないが精神的ショックを受けているのは確かだ。
「ご、ごめんよ。唐音の言う通りだデリカシーが無かった。こんな彼氏でごめん次からは絶対に気をつけるから......」
「わ、分かったなら良いわよ」
「でもありがとう、唐音がそうやって悪かった所とか言ってくれると俺も成長出来るし、俺はもっと唐音に相応しい男になりたい。これからも気になった事が有ればどんどん言ってね?」
「う、うん(ってこれ以上相応しくなられてもこっちが持たないわよ……)」
彼女に注意されたとしてもそれを真摯に受け止め改善しようと努める彼氏の鑑。あと良い匂いもする好き。と心の中で呟きつつ持ってきたセットを洗面所に置いておく。
「あ、恋太郎これ、ぺん太郎のコップ」
ふと目に止まった洗面所に置かれているコップ。楠莉が好きなペンギンの姿をしたキャラクターがデザインされている物だ。中には歯ブラシが入っている。
「楠莉先輩から貰ったんだ。折角だし歯磨き用にって…….あれ、唐音も歯磨き用に使ってたんだ? お揃いだね」
嬉しそうに声を弾ませる恋太郎。に対して唐音はーー。
「(楠莉ーー!! 楠莉先輩ーー!! アンタ私のキューピットだよっっ!!)」
降って湧いた僥倖に乙女心が爆発していた。
洗面所に並んで置かれている同じデザインのコップ。こんなのもう同棲確定演出である。ペアルックならぬペアコップ。彼氏彼女ならお揃いの物が1つはあるよね。普段はことある事にツンデレ怪獣カラゴンだのまるで壁のようだなどと、ほざき散らかす先輩にこの時ばかりは心の中で感謝した。
この状況に嬉しさと恥ずかしさが混在するニヤけ顔を悟られまいと、唐音は下唇を噛んで耐え忍び。恋太郎が用意した飲み物とお菓子を持って2階へ上がる。
「(今日の唐音ちょっとだけ素直だな……。何時もならコップがお揃いって事にツンデレが発動しても良いのに)」
ふと恋太郎の頭の中で疑問符が浮かぶ。朝方にもツンデレ発動時に先読みしていたのもあり、日々、唐音に対する理解度は深まっている。にも関わらず予想だにしていない彼女の仕草に違和感を覚える。
「(まぁ可愛いからいっか!)」
見た感じ体調が優れない訳でもなく、むしろ機嫌が良い様に見える。詮索するだけ野暮だろうと恋太郎は思考を中断し、2階へとまた足を進める。
「あれ服が綺麗に……」
部屋に入り飲み物を置いた恋太郎は散らばっていた服が綺麗に畳まれていることに気づく。
「べ、別に彼氏の服くらい畳むのなんて彼女の務めだなんて思ってないんだからね」
誤魔化す様に手に持っていたお菓子を机に置きながらぶっきらぼうに返す唐音に対して恋太郎は……。
「うおおお!! 俺は彼女に何をさせているんだああ!!!」
本日三回目の崩れ落ちをかます。
「朝から忙しいわねアンタ!?」
「一度ならず二度までも、彼女に注意されたのにも飽き足らず自分の服を畳ませるなんて、彼氏として未熟すぎるっ! 畳んでくれてありがとう、でもごめんよこんな彼氏でごめんよ」
「もうっ! 別に恋太郎に言われてやった訳じゃないし私が勝手に畳んだだけなんだから。はい禁止、膝から崩れ落ちるの禁止!」
打ちひしがれながらも、お礼も忘れない目の前の彼氏にまた乙女心が擽られ、横に座りわしゃわしゃと恋太郎の頭を撫で顔を上げさせる。
「うぅ、ほんとごめん。折角のお家デートなのに、頑張って挽回するから出来ることなら何でもするから」
「な、何でも?」
彼氏の一言に反射的に身体がはねる唐音。
「うん何でも! なにかして欲しいことある?」
「な、ならその、して欲しいことがあるんだけど」
目の前の彼氏が何でもと言っているのだ。それに日常的に何時もしてくれている彼氏彼女であれば絶対しているであろう一つの行為。叶えるのは容易であろうお願いなのだが言葉をつまらせる唐音。
そんなもじもじと頬を赤らめる唐音の意図を察したのか恋太郎は身体を彼女に近づける。
「何かな?」
「うぅ……」
して欲しい事は恋太郎自身この時点で分かりきっている。だが普段からツンツンしてしまう目の前の金髪可愛い彼女が耳まで赤く染めながら素直な言葉を紡ぎだそうとしているのだ。愛おしくて仕方ない。故に彼女から一歩踏み出すのを静かに待つ。
「ち、ちゅーしたい」
近づいていなかったら聴こえなかったであろう声が恋太郎の耳に届く。
「まだ今日1回もしてないから……。 か、勘違いしないでよね、恋太郎が何でもって言うから仕方なくなんだからねっ!」
照れくさいあまり目を合わせることも出来ない。言った瞬間に顔が熱くなるのが分かる。だが想いは伝えられた。我ながら素直に言えたじゃねえかと唐音は自画自賛する。クエスト達成である。
「分かったよ、じゃあ唐音が好きって言ってくれたらちゅーしよっかな」
「はぅぁ!?」
緊急クエスト恋太郎に『好き』と伝えろ、を受注させられた。
「何でもお願い聞くって言ったじゃない!
「でもキスって好きな人同士がする事でしょ? まずはちゃんと好き同士か確認しないとね?」
「うぐあ……!?」
言い得てキュンッ、なのだが自分の気持ちなんぞ分かりきってる癖にこの期に及んでこぉんのアホ彼氏はと内心罵倒する。
「な、なら私だって今日は恋太郎に好きってまだ言ってもらってないわよ? まず自分から言うのが筋ってもんでしょーー」
「唐音、大好きだよ」
「うぅ〜〜〜!!!?」
待望の言葉に顔から湯気が出そうになる唐音。羨ましく清々しい程の潔さ。これぞ我らが愛してやまないキングオブ彼氏の生き様である。
「唐音は? 俺のこと好きか?」
「わ、わた、しも……す、すすす」
たった二文字だ。相手に好意があると最速で伝えられる日本が生み出した至高の言葉。頭の中では散々彼に言っていたであろう言葉だ。言うんだ院田唐音ゴールは目の前だ。
「すっ! 隙だらけよっ! ガード固めないと死ぬわよー!」
だがツンデレという業を背負う彼女にとってはあまりにも難しい行為だ。
故に許容範囲が限界を迎えた彼女は恋太郎の鳩尾に拳を振り抜く。「うごあ!?」と悲鳴をあげる彼の声にハッとし、唐音の表情はみるみる青ざめる。
「あぁ……ごめん、ごめん恋太郎」
ホントに嫌になる。好きって言うだけなのに何でこうも上手くいかないのだろう彼氏を傷つけてしまった。素直になれない自分自身の不甲斐なさに涙が溢れそうになる。
「大丈夫だよ。俺も毎日鍛えてるから、これくらいじゃもう骨折も出来ないよ」
しかし、彼女の青ざめた表情とは裏腹に当の本人は涼しい顔をしている。唐音のツンデレ因子による打撃は一般人が食らえば119番も辞さない威力なのだが彼にとってはご褒美感覚なのだろう。多分。
「で、でも骨折させようと思って殴ってないのは分かってよね?」
如何せん過去に複雑骨折をさせてしまった経験がある故に語気は弱めに告げる。この世の中に彼氏を負傷させる彼女が何人居るだろうか。いたとしても何時かは愛想をつかれてしまいそうで不安になってしまう。
そんな落ち込む唐音を恋太郎がそっと抱き締める。
「唐音……」
「はわ!?」
驚く唐音の背中を軽く叩きながら恋太郎は言葉を続ける。
「前も言ったよね? 俺が大好きになったのはツンデレの唐音だって......気が強くて、でもすごく優しくて、照れ屋さんで、ちょっぴり素直じゃなくて、でもそんなとこがとっても可愛い唐音が大好きなんだって」
素直になれない性格が嫌になり、薬を飲んでツンデレな自分を消し去った時があった。その時に恋太郎が言ってくれた言葉。院田唐音というツンデレの女の子を救ってくれた私の彼氏の心からの言葉。そんな彼だから大好きな気持ちも溢れてくるし、私という存在をぶつけられる。最強最高の彼氏、それが愛城恋太郎。
「だからそんなに落ち込まないで、唐音の全てを俺は全身全霊で受け止めるよ。だって俺、唐音の彼氏だもん」
「恋太郎ぉ……」
初めて出会ったあの日から、私の心を掴んで離さない男の嘘偽りのない言葉。今もこうして圧倒的な安心感と親愛で包んでくれている。ホントに今日の恋太郎はズルい......大好き。だから今度こそ自分の口から本音を伝えたい。
「だからほら、ちゃんと相手の目を見て伝えてみよっか? 俺はもう唐音に伝えたから、今度は唐音から聞きたいな?」
「わかっ……た」
恋太郎にそう言われ唐音は彼の顔を見つめる。
がやっばいさっきの台詞の所為もあって滅茶苦茶かっこよく見えてしまう。唐音は咄嗟に視線を逸らす。
「ほら、俺も逸らさないから。ね?」
「うぅぅ……」
抱き締められてる中での見つめ合い、恋太郎の瞳に自分が映り込んでいるのが分かるほどの距離に心臓の鼓動が早くなる。
「あ、唐音の目に俺が映ってる」
「ば、馬鹿ぁ! そんな事言わなくても分かってるわよ!」
こっちはそのせいで情緒が可笑しくなりそうなのに呑気なものだ。だがお陰で少しだけ落ち着きを取り戻せた。そういう意図もあったのだろうか? 恋太郎の助け舟に乗り遅れる前にと唐音は意を決する。
「恋太郎……」
「うん……」
「だ、大好き……」
緊急クエスト恋太郎に『好き』と伝えろ達成である。
やっと言えたのは良いのだがそれと同時に湧き上がる伝えられた安心感と言ってしまった羞恥心、照れ隠しで拳を振り抜いた時とは別の涙が溢れる。
「ありがとう唐音、俺今世界で一番幸せ者だよ」
「め、面と向かって、グスッ、小っ恥ずかしいこと言うんじゃないわよ!」
よく言えましたと労う様に恋太郎の抱きしめていた力が強まる。それもあってか涙混じりの声になってしまう唐音。
「あはは、ごめんごめん。じゃあ折角言ってくれたから唐音のお願いも聞かないとね」
唐音の頭を優しく撫で、恋太郎は唐音の頬を伝う雫を拭い手を添える。
「ぅぁ……」
不意に頬から伝わる恋太郎の体温に、唐音は思わず甘い声が漏れる。
「可愛いよ」
そんな反応に愛おしそうに呟く恋太郎。
「さ、さっさとしないさいよ……」
そんな彼の腕の中で、上目遣いにそう返事をする事しか対抗手段がない照れ屋な彼女。それにすら彼は笑みを浮かべ口を開く。
「うん、俺も大好きだよ唐音」
そして彼女の唇に自身の唇を重ねた。
「ん……」
改めましてお家デートスタートである。
所々に原作とアニメのネタも入っているのでそちらと照らし合わせながら楽しんで頂ければなと思います。