カバンから出てきたジニーたちは、言いようのない寒さと感じたことのない恐ろしさに襲われた。
「なにこれ……、なんだか、急に寒いわ」
「やっぱり、ジニーもそう思う?」
アルゴもあたりを見回した。空が暗く、冷たい風が吹き始めた。パメラとアストリアが、身を寄せ合っている。
「……そう来たか」
一人遅れて旅行鞄から現れた魔女は、低く唸った。その魔女が怒っているようで、どこか愉快そうな表情を浮かべたのを、ルーナは見ていた。
「とにかく、あのアンブリッジのやつがマクゴナガル先生の授業には何の文句もつけられなかったっていうことだ」
先程玄関ホールでトレローニー先生がホグワーツから追い出されそうになったのを見てきたグリフィンドール生たちの談話室では、アンブリッジへの文句大会が開催されていた。毎日毎日、全身ピンク色でホグワーツ城を歩き回り、罰則だ何だと言ってあのピンク色の自室へ誰かしらを連行するおばさんに、生徒はもちろん、教授までもが辟易していた。
「自分の思い通りにならない先生をなんとか辞職にさせたいんだろう、あのどピンクガマガエルはよ。お前のほうがホグワーツにふさわしくねーっての!!」
シェーマスが悪態をつき、それにロンが同調する。
「ハリーとパーバティにやったあの罰則は、絶対にやりすぎだ!」
まだ手の甲に残る罰則の跡を、ハリーは見やった。そうだそうだと全員が言い合う中、一人の少年が談話室へ大慌てで入ってきた。
「み、みんな! 大変だ!」
「コリン! どうしたの? 何が大変なの?」
呼吸も落ち着かぬまま、窓の外を指してコリンは叫んだ。
「アンブリッジのやつが!!」
押し合いへし合いながら、ほぼすべての生徒が窓の外を見た。空を覆い尽くす、虚ろな影に全員が釘付けとなった。二年前、このホグワーツにもやってきた、あの虚ろな影。
「吸魂鬼……!」
「なんだよ、アズカバンから連れてきたのか?」
「この数をどうやって統率するつもりだよ、あのガマガエル! というか、なんで……あれ?」
みんなが空を見上げている中、一人、地面の方へ視線を動かしたディーンがつぶやき、叫んだ。
「あれ、ジニーとアルゴたちじゃないか!?」
追放騒動が起こる少し前に談話室から出ていったジニーとアルゴ、その他に3人の生徒が、ハグリッドの小屋の方から走ってくるのが見えた。そこに吸魂鬼がスルスルと迫っていく。
「走って! もうすぐだよ、頑張ろう!」
アルゴを先頭に、5人は必死にホグワーツ城へ向かっていた。遠くに見えていたはずの吸魂鬼たちがどんどん自分たちに近づいてくる。割れるような頭の痛みと、「最悪」の感覚。だんだん意識が遠のいてきた。
その時だった。
「「「エクスペクト・パトローナム!!」」」
窓を開け、精一杯身を乗り出したハリー、フレッド、ジョージの三人が、一斉に守護霊呪文を唱えた。ハリーの白銀の牡鹿が杖から飛び出していくのにつづいて飛び出したのは、2羽のカササギだった。
5人に近づいていった吸魂鬼たちが瞬く間に弾き飛ばされていく。
「フレッド! ジョージ! 守護霊呪文が使えたのか!」
リー・ジョーダンが驚きと興奮で目を丸くしながら言うと、フレッドとジョージはいつものように答える。
「やらなきゃいけないと思っただけさ」「だって吸魂鬼だぜ?」
「「妹を守ってこその兄だろう?」」
同じ頃、大量に押し寄せた吸魂鬼たちに向かう人物がいた。
オマタセシマシタ。
2ヶ月…………!
更新が途絶えてからも見に来てくださった方がいるようで申し訳なかったです
そろそろ更新頻度が戻ると思いますので!!!!何卒!!!!
次回! 吸魂鬼VSレガ主! デュエルスタンバイ