客人から教師へ、そして恩師へ。   作:品江四重

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“悪だくみ”

 

 アーガス・フィルチはドローレス・アンブリッジが発した新たな知らせを壁に打ち付けていた。その知らせを見に来た生徒たちは、書かれた文面を見るなり抗議の声を上げた。

 「先生を解雇だって!?」

 ロンは憤慨していた。耳から煙が出ているのではないかというほど顔を真っ赤にして、地団駄を踏んでいる。

「自分のほうがよっぽど危険じゃないか! ホグワーツに吸魂鬼を連れてきて、しかもジニーたちに向かっていったんだぞ! それを先生が守ったんだ、解雇は筋違いだ! アンブリッジの奴め!!」

「そうよ! 私たち……私たち本当に怖かったんだから!」

 ジニーがわっと泣き出した。傍でおろおろとしているアルゴも、顔色が悪い。

 「グリフィンドール1点げんてーん、先生にはちゃんと『先生』とつけましょーう」

「え? あ、先生!」

 軽快に減点を宣告されたロンは首がもげるのではないかという勢いで振り返った。頭の上にニフラーを3匹乗せた小柄な女の子は、気軽に答える。

「はぁい、先生ですよ。アンブリッジ上級次官だって立場は私達と変わらない先生なんだからね。……ま、今日の午後からは私は先生じゃなくなるらしいけど」

 そういってケラケラと笑った少女はひょいと後ろを見やった。

「ねーえ、ピーブズ?」

「おう兄弟、ここにいるぜえ?」

 空中に突如現れたそのポルターガイストはあぐらをかいた姿勢で逆さまに浮かんでいる。

 「アルバスに伝言を頼みたいんだけど」

 

 

 「あの先生が居なくなっちゃったら、僕らどうやって防衛術を勉強したらいいんだろう……」

 グリフィンドールの、ハッフルパフの、レイブンクローの、スリザリンの談話室で生徒たちは皆、途方に暮れていた。もともとはアンブリッジが防衛術の教師を兼任して派遣されてきたのだ。あの珍妙で愉快な魔女がいなくなってしまったら、防衛術の授業と自分たちの試験の結果は間違いなく酷いものになるだろう。

 

 「アンブリッジは絶対、何がなんでも、防衛術で実技をやらせないんだろうな……そしたら、そしたら僕らや7年生が受けるO.W.L.とN.E.W.T.は……ヒィィばあちゃんに殺される!!!!」

 ネビルは大袈裟とも言えない悲鳴をあげて、あっという間に青ざめた。震えながら、世話をしていた丸呑みサボテンの鉢植えを抱え込んでいる。

 すると突然、そうだ!とロンが立ち上がって言った。

 「教えてもらえないならさ! 僕らが自分たちでやろう! 幸運なことに、僕らにはいい先生がいるんだ! なあハーマイオニー?」

「……そうね、そうね! ロン、あなたとってもいいこと思いついたわ! 先生にこの上なくぴったりな人がいるじゃないの!」

 そう言って二人は一斉にハリーを見つめた。

 

 

 

 そして事件は、昼食の後に起こった。

 あの魔女と、ダンブルドアが、揃って失踪したのだ。




丸呑みサボテンは原作には影も形もないサボテンです。
「棘が甘くて身がしょっぱいんだよね!」(レガ主)

次回、ちょっと遡って。
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