【改変】元人間の天彗龍、透き通る世界へ行く。 作:カブトムシの相棒
サンブレイクをした方々ならお分かりかとお思いですが、実は”バルファルク”って誰とも【縄張り争い】をしないんですよね。変わりに〈アマツマガツチ〉に襲撃ブチかます狂気を魅せるんですよね。何であの嵐の中普通に飛んで普通に喧嘩売ってるんですかね??イカレ過ぎや……。
あと『傀異克服バルファルク』マジで強すぎません?シャガルはソロでいけたんすけど……バルファルクだけ勝てない。かてにゃいにょ……スラアクで決めてェ。
欲を言えば色んなモンスターとの縄張り争いを見てみたかったのですが、誰とも争わず、誰彼構わずド突き回す超ヤベー奴って立ち位置なの好きなんすよね。意外と美味しいポジション。
では、本編です。
■……バルファルクside。
「────キュルルルル……」
えっと……こんにちは、バルファルクです。
イヤすんごい自己紹介。しかも誰に言っているのか、まぁソレは些細な話で……その、俺は今飛んでいる。
気配を感じ取って、でもよくよく感じ取ったら、距離がかなり離れていたんだ。
ざっと10㎞は越えていた。何だかもう面倒くさくなって、飛行して近付いたんだ。
飛行して、そのまま姿を顕わせば、その光景のリアクションでその者の本音が見える。
だから俺は敢えて豪快に姿を現す事に決めたんだ。
────そしたら、何と人だった。しかも………
「えっと、私はこのキヴォトスで先生をしている者だ。先程も言ったが、私に敵意は無い。宜しくね」
「
────キヴォトスの主人公…”先生”だったのだ。
心の片隅で望んでいた事が、実現した。
しかも異常に落ち着いて、俺の真意を察して、話しかけてくれる。
俺は救われた、そんな気がする。
ゲームをしていて、思ってはいた……この人は、やっぱ凄いんだ。
「キュゥゥゥゥ……キィィ」
「えっと……理解してくれたのかい?」
「キュルルル、キィキィ!」
「わっと……ふは、意外と懐っこいんだなぁお前は……」
俺は敵意は無いと、そう判断してほしくって、先生の身体に頬を寄せる。
先生は一瞬驚くも、直ぐに察してくれて、俺の頬や頭を撫でてくれる。
あぁ、救われる……俺は、一人じゃ無いんだ。
「キィィィ……コルルルル」
「(声が少し切ない……見た目に反して寂しがり屋なのか。っ……可愛いな)」
先生が撫でてくれる。
俺は……やっと、気が落ちつけた様な気がする。
そうして先生と会ってから数分間、俺は先生に撫でられた。
その感触は……俺の遠い記憶、頭を撫でられた懐かしい思い出を寄越した。
もう10年以上やられた事のない。先生の撫で方は、ガシガシと力強くて、同時に優しく感じた。
▽
「────それにしても、本当に大きいね君」
「キィィィ、クルルルルル」
「え?えっと……触ってくれって言っているのか?」
「キュィィ!コルルル!!」
その後、先生とバルファルクは普通に会話をしていた。
渓流の川、その付近の芝に座りながらふたりで並んでだ。
そんな中、バルファルクが先生に身体に触ってくれと云う。
意図を汲み取った先生が、ありがとうと云いながらバルファルクの身体に触れる。
「おぉ~……凄い硬いな。さっき顔に触れた時から思っていたけど、本当にカチカチだ……三つの鋭利な爪を持ち、甲殻は青風の銀色。太く強靭な肉体で、槍の様な形状の翼………しかし何処か華奢な体格で、刺々しい構造をしている……凄いな、こんな生物がこの世に居る何て、驚きを隠せないよ」
先生は生物学を多少嗜んでいるモノの、バルファルクの様な生命体は見た事も聞いた事も無い。
だがそれは当然だった。彼は別世界の存在なのだから。
「アロナ、この子に関するデータはある?」
『いっ、いえ……全体図をスキャンしても、その生物に関する情報は何も得られませんでした。目撃情報も何もかも報告はされておりません……100%、未確認の生命体です』
「そうか……(妙だな、この巨体で今まで観測されなかったって事か?否、ありえない。こんな人懐っこい子が、今まで誰にも観測されずに過ごして来たとはどうも考えにくい)」
先生は考察を続ける。
体長は30mは近い、翼も特徴的で、体色も光沢な青銀色。
様々な要因が生物として逸脱している。
────まさか、この子も己と同じ【キヴォトス外】の……?
先生は一度息を整える。まだ決めつけるのには早すぎる。
一度情報を整理する必要がある。先生は問いかける。
「ごめん、ちょっと質問いいかな?」
「キュッ!」
「ありがとう、えっと……先ず、君はどうして私の言葉、基『人間の言語』を理解出来るんだい?」
「キュィィ、コルルル、キィィィ!」
「……成程。元々、人の言葉は理解出来るのか。知能は人と同格以上かもしれないな」
────どうして?なんで理解出来る?って聞くのは野暮だな。そうなんだと納得する他ないようだ。この子の為にも…。
先生はそう心の中で想う。意思疎通が出来る巨大な生物、どうして人と同じ言葉を理解し、対応できるのか、その意味を理解したいが深追いはしない。そういうものだったと納得したのだ。
先生は何とかバルファルクの言いたい事を読み取り、その事実を理解する。
『(先生、どうしてこの生物の言葉が!?私ですら解析不可能なのに…っ!)』
アロナが驚愕を覚える。自分でさえ、バルファルクが何を言っているのか理解不能なのに、どうして先生は理解してそうな雰囲気なのか?
アロナがそう考えると同時、先生が次の質問をする。
「次なんだけど、正直に話してほしい────君、昨日の昼間、このキヴォトス各地の天空を飛び回ってた子だったり?」
「キュッ……キィィィィ」
「やはりそうか……」
そう、先生はバルファルクと会って、身に触れた時から思っていた事があった。
それは……昨日の〈赤い彗星の目撃情報〉の事だった。
それが判明した。バルファルクは少し気まずそうに、頷いた。
「実は先日、君の目撃情報が多数報告されてね。しかも”君と同じ色合いの小隕石”が各地に降り落ちていたって話もあった。その正体が、まさか生きた生物の仕業だったとはね。かなり驚いたよ」
「キッ……キィ、クゥゥゥゥ…?」
「ん?あぁいや!大丈夫だよ。奇跡的に誰にも被害は出ていない。建物や国道は傷付いちゃったらしいけど、誰かを怪我させた何て事はないから安心して」
「キュッ!キィィィィ…!」
先生の発言にバルファルクは酷く狼狽した。
すっかり忘れていたのだ、バルファルクは長時間飛べば甲殻が剥がれ落ち、そのまま勢いをつけて地面に落下していく生態があると。
一瞬、その隕石で誰かが傷を負ったのではと、バルファルクは心配になるが、先生による安否報告でホッと心が落ち着いた。
「それにしても……その翼、翼膜が無いね?」
「キュゥゥ?」
先生が立ち上がり、バルファルクの翼に興味を映す。
それは誰が見ても興味を持つ代物だ。
翼膜が無い翼……まるで槍の様な形状をしていて、非常に独特だ。
「昨日の赤い彗星の正体が君なら、翼で飛んでいる筈だ。でも君には翼特有の『翼膜』が見当たらない……一体どうやって飛んでいたんだい?」
そうだ、先生はソレが一番気になっていた。
この龍には何故か翼膜が存在しないのだ。
それは、本来なら有り得ない事実。飛鳥から羽を毟り取ったのに普通に飛んでいる様なモノだ。
しかし、この龍は昨日各地を飛び回っていたのも事実……しかし、なら一体どうやって飛行を?
先生がそう問いかけると、バルファルクは”パァ~!”といった表情を浮かべて、発語する。
「キィィィ!コルルルッッ!!」
「え?下がれって言っているのか……?」
「キュゥゥゥ!クルルルッ!キィキィ!」
グイッグイッと、バルファルクが頭で先生を後ろへと押し除ける。
告げる口の開き、瞳の表情、そしてこの行動……バルファルクは先生に何かを見せたいのは、バルファルクの言葉の意味を少し理解して来た先生には、かなり分かり易い行動だった。
「……うん、分かった。君が私に魅せたいものを、是非とも見せてくれ」
「キュッ!」
軽快な声を上げ、テトテトと先生から離れるバルファルク。
先生は不思議な気分だった。
どうして、こうも分かるのか。
どうして、この子の言葉が、言いたい事が理解出来るのか。
別に、バルファルクの言語が分かる訳ではない。
犬や猫の言葉が分かるか?否、先生は犬猫のみならず動物の言葉は全く以て理解出来ない。
出来ないのだ……でも、不思議と、バルファルクの言いたい事は、脳では理解出来ずとも……『心』で、『魂』で理解出来ている。そんな摩訶不思議な感覚に、先生は妙な感覚に成る。
「キッキィィ!…キィ?」
「ッ!あぁ、ごめん。ボーっとしてた。私は大丈夫だよ」
「キュゥゥ?キィキィ!」
少し思案してしまった。
バルファルクは既に広場にてスタンバイしていた。どうやら、己は心配を掛けてしまったのだと直ぐに自覚した。
先生は直ぐに大丈夫だと告げる。
バルファルクもそれに対し、了解!と元気よく翼で返事を行う。
「(器用だな~……にしても、ちょっと離れて一体何を?無いとは思うけど、まさか………)」
「コルルルル……────キィィィィィィィッッ!!!!」
「ッッ!!!?」
”ゴォォォォォ……ッ!”
一体、どやって飛ぶのか……先生は、実は
しかしそれは至極非現実的で、余りにも生物とはかけ離れた方法だ。
ありえない。そう決めつけていた。
────しかし、それは認識のズレを意味する。
「おいおいおいッ………まさか、本気でッ!?」
「キィィィィッッッ!!!」
槍翼の先端部分から、赤い炎の様な、または赫い雷の様な物質をバルファルクは一気に噴出する。
ゴォォォ…と、航空戦闘機の駆動音と遜色ない音を響かせ、天を見上げるバルファルク。
そして────先生は、アロナは刮目する。
”────ドヒュンッッッ!!!”
「────キィィィィィィィッッ!!!」
昨日見た、赤い彗星。
────力強く、そして日々進化する【大自然】の源を。
風圧を起こしながら天上に向かうバルファルク。
その姿はまるで戦闘機。規格外の力を、見せた。
『────あっ……えぇ……すごい』
アロナは絶句していた。正に言葉に出来ない。
その光景は凄まじいモノで、驚愕を禁じ得ない程の衝撃だった。
「────あぁ、凄いね……それしか言えないよ、ホント」
アロナと同調する様に、先生もそう告げる。
アロナと対照的なのは、その表情だろう。
アロナは余りの衝撃で、若干の恐怖を覚えている。
しかし先生は『少年』の様な瞳をして輝かせている。
バルファルクの完成されたビジュアル、見た目から想像できない高い声質、そして……飛行方法。
余りにも、男心を擽ってしまうカッコよさだった。
”ドシン……ッ!”
数十秒真上を飛行していると、バルファルクが降りて来る。
「キュィィィィ!クルルルルル!」
「おっ……おかえり」
「キュィ!キュゥゥゥ!」
「うん。いやホント、その……ごめん、上手く言葉に出来なくって。本当にっ……凄すぎて感動しちゃった」
「キュッ!キィキィ!」
努めて冷静さを欠かないよう頑張ってはいる先生。だが、それ以上に先生は【欲】に駆り立てられていた。
────背中に乗って飛んでみたい。
そんな、男なら誰でも心に疼くモノが。
だが、あのスピードで飛行など、人間が乗れば耐えられない。
「キィ?キィィィ」
「あ……いや、何でもない。飛ぶところ見せてくれてありがとう!いやはや、本当に凄まじいのを見たよ」
「……キュィ?」
「え」
すると、バルファルクが後ろを向けて伏せの姿勢に成る。
そしてそのまま首を後ろに向け、先生に一言。
「キィィィ!」
「……もしかして、乗せてくれるのか?」
「キュッ!」
先生の問いに、頷くバルファルク。
バルファルクは先生の意図を瞬時に理解した。その瞳を見て、先生がどうしたいのかを察したのだ。
同じ男だから分かる。己だってそう思う。
ならば、己を見つけてくれた恩人に、精一杯の恩返しを。
「(そうか……この子に悟られてしまったのか。何だか大人として、申し訳ない気持ちに成る)」
「キュィィ?キィキィ!クルルル!」
「ん?遠慮せず?……君は本当に優しい子だね。うん、じゃあ失礼するよ」
様々な感情が先生の心を渦にさせるが、バルファルクは気にするなと一蹴。
先生は”ふふっ”と笑い、一礼してバルファルクの背中に乗る。
「おぉぉ…!凄いな、背中とか色んな場所に鋭利な…鱗?いや甲殻か。硬いのに確りと肉々しい感触があってちゃんと生命ある存在なんだな……少し赤みのナニかが走って?これは……先ほどの赤い雷の物質か。面白いなぁ…っ!」
「キィィ…キュリリリ?」
「ん?あ、ごめんね!なんでもないよ……えっと、うん、飛ばなくって大丈夫だよ。私は乗せてくれただけで本当に嬉しいからね」
「キィィ!キィキィ!」
バルファルクの問いに、先生は背中を撫でながら応える。
先生の独り言はバルファルクは確りと聞いていた。
その事にバルファルクは普通に『すげぇ……憶測だけでこの身体の性質を理解しようとしてる』…と、そう思ってしまう。
すると、バルファルクは周辺をタッタッタッ…と走り出す。
「キィィ!キュルルルル!」
「おわっ!と……ははっ!やっぱ速いなー!」
「キュッ!キィィッッ!!」
「おー結構行くね!速度上昇!って感じかな?翼を用いずともここまで速いんだな!とことんカッコいい龍だね、君は!」
バルファルクをこれでもかと褒められる。
元来、彼は褒めば伸びる子であった。
しかし兄と云う一番上と云う立場だったが故、求められる質が違った。
言うなれば……出来て当然、見本として生きてきたのだ。
それ故か────バルファルクは見つけてくれた大人に無償の誉め言葉を頂いた事が、どうしようもなく嬉しかった。
つまり……調子に乗ってしまう!
「キュィィィッッ!!キィィキィィ!コルルルルルルッ!!」
「おっ!?おぉ!?ちょっ……ちょっと、速いかな…!?」
「キュゥゥゥゥゥ!!キィィィ!」
「お、おーい!?ちょっと緩めっ……ちょ、何処行くn……おわぁぁぁああぁぁ!?!?」
樹木を薙ぎ倒しながら、そのまま前進するバルファルク。
褒められたことにより、自己肯定感がブチ上がった最凶のモンスターは止まる事を知らない。
27mの特大サイズ、若き才能、その力は槍翼を使わずともただ走るだけで只の木をぶっ壊していく。
先生は必死に背中の甲殻にしがみついて、絶叫を上げる。
只々、今は……生き残ろうと願って。
■とある場所。
「────ナンデ?」
何かが、そう呟く。
透き通る高い声質で、そう呟く。
誰も居ない場所、生命が存在しない不可思議なその場所で、ナニかが呟く。
「────あの子、どうして
ソレは、不可思議そうに、何かを見据えて、そう告げる。
「────
視認した、別のナニかを噛み殺さん眼光で、そう告げる。
その視線は、まるで面倒を見る様な、将又、最悪なモノを見たかのような意思が感じられた。
「────理由は追々、探しましょう。先ずは私も、現地にお邪魔しなきゃね」
そのナニカは、悠然と立ち上がって。
その動作までも、空間を歪ませ、生存する者に明確な死を連想させる。
「────それにしても……ふふっ、面白い子も居るのね。それも……1人と1頭」
ソレは妖艶に微笑み、視認した何者かをロックオンする。
「────
ソレは、余りにも偉大で、余りにも……絶大で。
もしこの世に【神】が存在するのなれば、それは彼女の事を指すのではないだろうか。
「────辺りの有象無象と比べて脆弱の極み、でも何処か、侮れない不思議な男……そして、この世界でも私達と同じ
恍惚する頬。白い素体に、ソレは非常に分かり易く。
「────魅入っちゃった。私の”モノ”しようかしら」
ソレが見つめるのは……『先生』と『バルファルク』
ふたりは狙われた。狙われてしまった。とんでもない存在に。
────【■ての■の■】……運命の創まりに。
次回
黒服、興奮。
☆モンスターの数は全部で(バルファルクを入れて)”6頭”おります。
是非、どんなモンスターが来るのか予想して頂ければと思います。
バルファルクを入れて古龍が3頭、牙竜種が1頭、飛竜種が1頭になります。
そして────もう1頭の古龍である■■■■■■■が存在します。
有名どころと、おーそこを攻めるかぁ渋いなぁ~のモンスター達です。
最後の【■ての■の■】は数に含まれておりませんので、ご注意を。
誤字報告、感想、お待ちしております!