この素晴らしい世界たちに魔法陣を!   作:スマラカタ

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皆様、お読みいただきありがとうございます。
今回もまた新たに新ゲストがこの回から登場いたします!
それでは、ここから本編開始です。


第十九章 この異界渡りの謎の聞き取りを!

 そんなわけで、俺たちはセナさんの案内のもと、キールダンジョンへと徒歩で向かうことにした。

 その道中、俺は歩きながら、スバルに色々事情を尋ねることにした。

 

「……で、スバル。悪いんだけど。早速色々聞きたいことがあるんだが。」

「お、おう。答えられる範囲でいいなら答えるぜ。……それで、どんなことを聞きたいんだ?」

「お、助かるよ。うーん、それじゃあ……」

 

 そういうことなら、まず聞くべきは……めぐみんたちがあらかた聞いてるかもだけど、これを本人にも聞いておくか。

 俺はそんなことを考えた後、彼にこう尋ねることにした。

 

「そんじゃあ、これを詳しく教えてくれ。お前、この世界にどうやって来れたんだ? 俺がめぐみんたちから聞いてるのは、お前が“ルグニカ王国”っていう国のある世界から来たこと。それと、お前にはエミリアとレムとか色々な仲間や知り合いたちがいること。それと、アクセルの街近郊の森で、バルターというこの世界の貴族の人に拾われたってことなんだが……」

 

 俺がそう言うと、スバルは俺の話に頷きながら言った。

 

「あぁ、合ってるぞ。えーとだな。まず、どこから話したもんかな……この世界に来れた経緯が結構妙なもんでな。」

「妙? それってどういう意味だ?」

 

 俺が怪訝な顔をしながら尋ねると、彼は苦笑いしながらこう答えた。

 

「それが言葉通りの意味なんだよ。……あれは、俺がウルガルムっていう魔獣を、レムとラムっていう双子のメイドたちと協力してなんとかできた後のことなんだがな。」

「お、おう……」

 

 その辺も色々気になる部分であるが、今はそっとしておくか。……本題はそっちでないし。

 そんな余計なことを考えていると、スバルが気にせず話を続けていた。

 

「その日は、ロズワール邸っていうお屋敷から王都ってところに向かう予定の朝のことだった。俺とエミリアがいつも通り、アーラム村っていうロズワール邸近辺のある村で、ラジオ体操を村の人とやって……そのまま帰宅して王都行きってのがセオリーのはずの日だったんだが……」

「ん? ……はず、だった?」

 

 俺が首をかしげながら尋ねると、彼は強く頷きながら言った。

 

「そう! そのはずだったんだよ! だが、その日は違ったんだ。……というのも、俺とエミリアが朝にアーラム村にラジオ体操をしに行って、無事に終わったまでは良かったんだが、そん時、ラジオ体操に見慣れない子どもがいたんだよ。」

「え、子ども?」

 

 俺はスバルの拍子抜けした答えに思わず唖然としてしまった。……てっきり、物騒な盗賊とか来たり、突然次元の穴が開いちゃったみたいなことかと思ってたが、どうやら違ったからだ。

 俺がそんな風に思っていると、スバルが俺の表情を見て、何かを察したのかすぐにこう言ってきた。

 

「そうなんだよ! ……って、カズマさん。今、『なんだ、大したことねえじゃん』って思ったろ。」

「い、いや、そんなことは……」

 

 ……うっ、図星なのバレてんな。まぁ、確かに思ったけども。

 

「まぁ、いいか。で、子ども……まぁ、その男の子なんだけどな。なんというか、そこにいるニケみてえな、いわゆるファンタジーで冒険する時にありがちな服装してたんだよ。アーラム村じゃそんな感じの服装は意外と目立つし、村の子どもたちのことを全員覚えていたはずの俺がその子については見覚えがない。……それに加えて、俺やエミリアが話しかけるまで、なんでか知らんけど、村の奴らの全員に何の違和感を持たせずに、普通にそのラジオ体操に参加しててさぁ……」

「なんだ、その妙な状況は!!」

 

 前言撤回! そりゃ怪しいわ! てか、その少年は一体何者なんだよ!

 俺がそんなことを思って叫ぶと、スバルもどこか嬉しそうな表情で返してきた。

 

「だろだろ!? で、俺やエミリアが『どこから来たの?』って聞いたらさ。その子、『えーと。……ちょっとした諸国漫遊の旅をしてて。』って言ってきたんだよ!! ……まぁ、横にいたエミリアはポカンとしてたけど。」

「いや、その子、どこの時代劇のお人だよ! 絶対怪しいだろ!」

 

 俺がその言葉に叫んでいると、横で聞いてたかすみが勢いよく話に入ってきた。

 

「あ、カズマさんもやっぱりそう思いますよね! 私もスバルさんの話を聞いていて、その男の子がなんとなく時代劇みたいノリだなと思っていたんです!」

「あ、かすみもそう思ってたんかい! ……それで? スバルはその男の子から話は聞こうとしたんだよな?」

 

 俺がスバルにそう言うと、彼はすぐに頷きながら言った。

 

「あぁ、あまりにも怪しいからな。それで、ちょっと話を聞こうとして捕まえようとしたんだが……これがすっごい身のこなしで躱されてな。それで、頑張って手を掴んで捕まえようとしたんだが……その男の子、躱しつつ森の中に逃げ込んじまってさ。」

「え、森に? なんとなくだけど、その森って子どもが入ったら案外危険だったり……」

 

 俺がそう言うと、スバルはすぐにこう返してきた。

 

「あぁ、そうなんだよ。その森、さっき言った魔獣事件が起きたばっかりでな。だから、不味いと思って。それで、エミリアと二人で追いかけてたら……いつの間にか、この世界に来てた上に、その男の子を見逃しちまってな。しかも、辺りを見渡せば、一緒にいたはずのエミリアがいつの間にかいなくてさ……」

 

 ……それ、スバルの世界の方では、結構な大事件になってんじゃね? エミリアって子の行方もスバルはわかってねえわけだし。

 俺がそんなことを考えていると、かすみが険しい表情をしながらこう言った。

 

「……それで、ここからはムスビさんに聞く前なので、私の推測になるんですけどね。多分、その、スバルさん。神隠しのようなものに遭ったんじゃないかなと。」

 

 はい? ちょ、かすみ? それってどういうこと?

 俺が横で困惑していると、スバルがどこかハッとした顔で彼女に言った。

 

「あぁ、そういや、かすみちゃん。カズマさんが戻る前にそんな話してくれてたな。詳しくは聞けてなかったけど。」

「え、そんな話してたの!? かすみ、詳しく教えてくれ。」

 

 俺がそう頼むと、かすみが頷きながら言った。

 

「はい、もちろんです。一応、推測になるので間違っている可能性はありそうですが……カズマさん、神隠しってご存知ですか?」

「え、神隠し? ……っていうと、確かあれだろ? 山とか森で突然行方不明になるってやつだったか。なんか妙に細かいルールとかなかったっけ? 詳しくは覚えてねえけど。」

 

 俺がそう言うと、彼女は強く頷いた。

 

「え、えぇ。そうです。……もっとも、私もすみれと子供の頃に見た映画で知ったものなので、神隠しの厳密なことまでは覚えてないんですけどね。でも、カズマさん。どこかで聞いたことありませんか? 神隠しでは“振り返ってはいけない”。振り返ると、異界渡りに失敗するという話を。」

 

 ……! そういうことか! 確かに、今さっき聞いた状況とか色々考えると、この仮説ならおかしくないかもしれない!

 俺はそう思った後、スバルに勢いよく尋ねた。

 

「……スバル。これも答えてくれ。お前は、その子追いかけるのに、全力疾走してたんだよな?」

「あ、あぁ。そうだぞ。……マジで全力疾走してたぞ。」

「そん時、一度でも振り返ってたりしてたか?」

 

 俺がそう尋ねると、スバルが少し思い出す素振りをした後、かなり青ざめた顔でこう言った。

 

「……そ、そういや。あん時、一度も振り返ってねぇ!! そっか、言われて気づいたけど、それテンプレじゃねえか! よくあるホラーとかでの! 帰れなくなるバージョンの!」

 

 やっぱりそうだったか! ということは、その少年。なんか神か妖怪の類なのか? ……いや、あり得そうなのが怖いな。

 俺がそんな呑気なことを考えていると、もうすぐキールダンジョンに着きそうなタイミングで、突然向かってる方からドカンと、まるでバトル漫画のような爆発音が聞こえてきた。

 突然のことに、その場にいた全員が唖然としていると、その直後。物凄い勢いで飛んできたムスビに、大慌てで何か逃げてきたであろうウィズと、大きなリュックを背負った、見たこともない黒髪短髪の少年がこちらにやってきた。

 

「か、カズマさーん!! お、お助けくださーい!!」

「ウィズにムスビ! ……と、その子は誰だ! ウィズ! またどっかの世界の子を拾ったな!?」

 

 俺がそう言うと、ニケとククリがすぐさま、その少年に駆け寄って声をかけていた。

 

「と、トマじゃねえか!!」

「トマくん! お久しぶりって、何でこの世界に!?」

「え、お前らの知り合いなの!?」

 

 俺がそう言うと、その『トマ』という少年が少しだけ嬉しそうにしつつ、どこかかなり困った様子で話しだした。

 

「お、お久しぶりです! お二人とも、会えて嬉しいです! ……と、貴方がカズマさんたちですね! はじめまして! ぼくは魔技師をしているトマ・パロットと言うんですけど……ごめんなさい! 詳しい自己紹介と事情の説明の前に、まずあの先にいるアクアさんたちの喧嘩を止めてくれませんか!?」

 

 え、はい? ちょっと待て。あの駄女神が誰かと揉めている……だと!? それは不味いな。さっさと止めねえと!

 俺がそんなことを考えた後、足早にキールダンジョンの入り口の前に行くと、トマの言う通り、アクアと陰陽師のような格好の銀髪の少女がバトル漫画のような、水と皿と拳やらが飛び交うドンパチをしていた。

 俺がその光景に唖然としていると、アンデッドを庇いながら、大鎌で駄女神どもの飛び火の魔法やらを捌き切っている赤髪の着物を着ているお姉さんがその場から動かずに話しかけてきた。

 

「ちょ、あんた! そんなところにいたら危な……いや、待った。あんた、あの女神様の保護者か何かかい!?」

「あ、はい! すいません! うちの駄女神が!」

 

 俺がそう言うと、赤髪の着物のお姉さんが凄い必死な様子でこんなことを言ってきた。

 

「そ、そうかい! あぁ、良かった! あたいは小野塚小町っていうんだけどさ! すまないけど、このお祓い棒をもって、あの二人に怒鳴ってくれないかい? あたいじゃ無理だけど、流石の保護者相手なら止まるはずだよ!」

「え、お祓い棒? なんで、そんなものを……?」

「事情は後でいくらでも説明するから!」

「わ、わかりました! ……おい、そこの駄女神ども!! いい加減に喧嘩をやめんかぁ!!」

 

 俺はちょっと不安になりつつも、小町さんからお祓い棒を投げ渡されたので受け取ると、それを片手に本気で説教に行くことにした。




皆様、最後までお読みいただきありがとうございます。
今回はいかがだったでしょうか。
はい。今回から、『魔法陣グルグル』よりトマ・パロット、『東方Project』より小野塚小町が登場いたしました。
さて、改めて。今回、普段なら三途の川の渡し守をしているはずの小町がこんな感じの登場をしたわけなのですが、どうして彼女がこの世界に来たのか。そして、あの銀髪の『少女』は一体何者なのか。さらにさらに、小町関連で、緑髪のあのお方はどうしているのかなどなど。その辺も楽しみにしてくださると嬉しいです!
では、また次の話もよろしくお願いします!
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