⑨アタイ、です。
それだけ分かれば十分です
それでは!
教室の扉を開けると物凄い冷気が纏わりついてきた。
「さっむ!?」
なんで教室が寒いんだ。
寒さには強いけど思いも寄らないことだったから凍えそうになった。
「あたいったら最強ね!」
と言う高い声が教室の奥から聞こえた。それと同時か少し遅れて慧音は隣にきて立ち止まった。
「なんだこの寒さは!?「アタイッタラサイキョウネ!」そういうことか...」
そう言って教室に入っていった。それにつられて自分も入る。その寒さにも慣れて周りを見ると、予想通りだが生徒が凍えていた。数人そうでない生徒もいるみたいだ。その奥に全身青っぽい服を着た女の子が後姿で立っていた。全体は慧音に隠れて見る事が出来ない。
この子かな?
そう思ったとき、慧音がその子の後ろで足を止めた。
「やっぱりあたいっtガシッえ?」
女の子は前を向いていて気づかなかったようで、突然慧音に肩を摑まれて驚いていた。慧音は何をするんだろうか?
何故かその女の子は顔まで青ざめた。その瞬間慧音の頭が動きその女の子の頭に頭突きをした。教室にゴンッという鈍い音が響く。
えぇ!?頭突き!?体罰?!
教師として疑われる行動に驚き、説明を求むべく慧音の所に駆けていく。
「何やってるんだ!?頭突きって!」
後ろで女の子が「チルノちゃん!大丈夫!?」と肩を揺すっているのが見える。チルノっていうのか。その後に慧音はどうした?と言いたげに首を傾けた。
「いやいやいや!生徒に手を出したら駄目じゃないのか?!」
「ああ。まぁ、そうなんだが...なにせこいつは馬鹿でな」
「いや、いくら馬鹿だからって...?」
そう言って頭をおさえて半泣き状態の女の子を見てみると、背中に何かがついていた。しゃがんで触ってみると、どうやら氷のようだ。それにしてもなんでついて、いや、浮いてるんだ?
「どうした?」
と、慧音が背中ごしに言ったから、率直に思ったことを聞いてみる。
「この子って人間?」
そう言うと、慧音はそう言うことかと手を打った。
「いや、妖精という種族でな。人間ではない」
「これが妖精?」
外界でよく言う妖精や自分の考えていた物とは似ても似つかない。
「妖精と言う物はほとんどが知能が低いからな。悪く言うと学ばないんだ」
「そうなんだ」
そんなことはいいとして、まだ痛いのか、もはや泣いているチルノちゃんとやらの痛みを治すべく駆け寄る。どれだけ強いんだ、あの頭突き。と、軽い恐怖を感じつつチルノちゃんに触れる。何故か冷たいが気にしない。この程度の寒さは修行で経験済みだからね。そのままチルノちゃんの痛覚を癒す。
すると後ろから驚いた慧音の声がする。
「ななな、何やってるんだ?!凍傷になるぞ?!」
「え?この位何ともないよ?」
「へ?そうなのか?」
「う、うん」
そう言うと慧音はチルノちゃんに軽く触れたが直ぐに手を引き戻した。
「本当に大丈夫なのか?」
「大丈夫だけど?」
「そうか...無理はするなよ?」
「う、うん」
さっきからどうしたんだろうか?このチルノって子はそんなに危ないのかな?
そんなことを考えている内にチルノちゃんの目尻に溜まっていた涙の粒が引いていった。
どうやら治ったようだ。
そして周りを見回すとみんながキョトンとしていた。それを代表するかのように慧音が言った。
「式、何をしたんだ?」
「治癒だけど?」
「治癒?...成程、それが式の能力なのか」
「いや、まぁ。違うけど」
すると、後ろで「チルノちゃんよかったね!」
と聞こえた。さっきの子だろう。自分も向き直り、目線を合わせて言う。
「えっと、チルノちゃんかな?大丈夫?」
するとチルノちゃんも自分を見て、1つ遅れてキョトンとしてしまった。
「チルノちゃんお礼言わないと!」
と、隣にいた子が言った。
するとチルノちゃんはしどろもどろしながらいった。
「あ、ありがとう?」
「どういたしまして」
すると、終わりを察したかのように慧音が言う。
「なら授業だな。みんな、自分の場所に座ってくれ」
みんなが座布団?に座るが、自分だけ黒板前に呼ばれる。
そうか、挨拶がまだだった。
すると自分が予想道理のこと慧音が言った。
「今日授業を見学しにきた七条式だ。仲良くしてやってくれ」
「慧音がもう言っちゃったけど、七条式です。宜しくお願いします」
向こうで転校して来た時のことを思い出し、少し恥ずかしく思う。生徒らから拍手が送られ緊張してしまう前に速く座りたいと思い、慧音を横目に見る。慧音は空いている座布団を探していた。
「チルノの横が空いてるな。そこに座ってくれ」
「わ、わかった」
朝の一件があったからだろうか。チルノちゃんの真横の席になった。そして座ったところで授業が始まる。
「宜しくね」
「よろしく!っとそれよりしきって強いの?」
強い?それがどうしたんだろう?
返さない訳にもいかないので自分は聞いた通りに応答する。
「強い?かはわからないけどある程度なら戦えるよ?」
まさか戦うなんてことはないよね。
ところがその予想は大きく裏切られた。
「ならこの最強のあたいが弾幕ごっこで勝負してあげるわ!」
声が大きい。そう思った直後、何か白い棒が高速に直進しチルノちゃんの額辺りに当たり、弾けた。
チョークだ。慧音を見ると見ると何事もなかったかのように淡々と授業を進めている。
「いっ---ッ」
チルノちゃんが可哀想に見えたので治してあげる。黒板の方からため息が聞こえたのは気のせいだろうか。
「ありがとう!」
「まだチョークの粉がついてるよ」
そう言って青い髪についてしまった白い粉を払い落とす。
「よし、これでいいよ」
そう言うとチルノちゃんは真顔になってしまった。なぜだ。
そういえば弾幕ごっこかあ。よく分からないけど自分のせいでこうなったんだしやってあげようかな。
「そういえば弾幕ごっこだったっけ?いいよ、やろう」
するとチルノちゃんの顔が笑顔に変わり微かに安心する。
『チルノちゃん。終わってからにしようよぉ』
チルノちゃんの横から声がする。慧音の頭突きの時と同じ声だ。
『けいねせんせいの頭突きはいやだしね。だいちゃん、分かったじゅぎょーのあとにする』
二人が小声で話していて自分は少し恥ずかしく思った。
そして5分ほど授業を聞いていて思ったことがある。
どうやら慧音はあまり授業が得意じゃないようだ。論理を淡々と話続けて生徒があまり理解できていない。慧音は賢いだろうに勿体無い。
などと思っていると、慧音がみんなに瓦版を配り始めた。その内容を見てみるとそれは小学1年生ほどのものだった。
自分もやる必要があるのかと思いつつも即効終わらせる。暇になったのでチルノちゃんの瓦版を覗いてみる。
『チルノちゃん、これ...?』
『これ?まあ、あたいは天才だからしかたないわね』
『え、いやこれ...』
なんだろう、120円のりんごと100円のみかんを50円のはこにいれた。あわせていくらだ。
答えが[なまがえる]とはなんだろう。
『チルノちゃん?これはね、数字で答える物だよ?このなまがえるは何かな?』
『え?なまがえるじゃないの?』
『これはね、かえるって言うのを聞いてるんじゃなくてね、お金について聞いてるんだよ』
『そうなの?!』
『う、うん』
どうやら分かってくれたみたいだ。よかったよかった。
もう一度見ると合ってはいないもののちゃんと数字になっている。
答えは間違ってることを学んだほうがいいかな?
そう思い自分は前を向くと、慧音がとても驚いた表情でこちらを見ていた。
どうしたのかな、と目を凝視すると、我に返ったようで、授業を再開した。
「この問題は、120円のりんごと、100円のみかんを先に合わせて考える。100+100=200と残っている20を足すと220になる。 そこにあと箱の分の50円を足すと270円になる。これが答えだ」
やっぱりこの教え方だとわかる子にはわかるけど、ほとんどの子が分からないな。
理論を言っていて多分間違えている子は分かっていないだろうと思い、改めてチルノちゃんの答えを見る。220だ。答えを一応いったのだが、惜しい。
そしてチルノちゃんを見ると、やっぱり何のことか分かっていないようで、答えと黒板を何度も見ている。
『チルノちゃん惜しい。あと箱の分が足せていなかったね。この220にあと何が足りないと思う?』
そう言うと、チルノちゃんは腕を組んで考え初めた。
『5...0?』
『正解。この220に50を足すと、あの前に書いてある答えになるよ』
『なんだ!簡単じゃない!あたいったら天才ね!』
理解したようで安心する。するとまた慧音がこっちを凝視していた。
少し離れているが、かるく目線の先にで手を振ってみる。
「おーい慧音?」
すると慧音はハッ我に返って言った。
「それでは、1時限目を終了する。休憩してくれ」
慧音がそういうとみんなは立ち上がって友達の所に行ったり、寝転んだりし始めた。そして、自分も立ち上がろうとすると、準備室で慧音が来い来いと手招きをしているのが見えた。
とりあえず行ってみる。
何を話すのかと思っていたら、慧音が口を開いた。
「式、さっきチルノを教えていたか?」
「そうだけど...それがどうかしたの?」
「ちゃんと理解出来ていたか?」
「出来てたよ。答えもなかなか惜しかったし」
そこまで言うと、慧音は、腕を組んで考え初めた。どうしたんだろうか、思ったつかの間。慧音が恐る恐る言った。
「式...には教える力があるんだな。その力を発揮してみようと思わないか?」
「?、それはどういう?」
「つまりここで働かないか、と言うことだ。寺子屋の人手も足りないし、チルノにも教えられるとなったら、これ以上の人材はない。給料も見合った数を出そう。どうだ?働かないか?」
いきなり過ぎるので、迷ってしまうが、いい働き口も知らないし、知ってる人もいないだろう。
「と言うか逆に自分でいいのか?」
「さっきも言った通り私が知る限り式が一番向いている。どうだ?お願いできないか...?」
と、少々上目使いで言ってきた。別にそれにつられたわけではないが、ここまでお願いされて断るのも気が引ける。正直自分も働きたいとは思っていたしいいのかなぁ...
自分も腕を組んで考えていると、申し訳なさそうに慧音が行った。
「だめならいいんだ、無理を言ってすまない」
そう言って次の授業の準備をし始めようとしたので、決意する。
「わかった。そのお願いありがたく受けさせて貰うよ」
そう言うと慧音は振り返った。先程の顔とは違い、顔を笑顔に変えていた。
「本当か!?」
「うん、自分もしてみたいと思ってたから」
「そうか!ならよろしく頼む!」
どうやら書類とかはないようで、会話だけで終わった。元引きこもり無職の欄に教師と言う職業が埋められた。これでもうヒキニートとは言わせない!誰も言ってないけど!
「でもまあ、準備もあるから来週からでいい。今日もこのまま授業を受けてくれ」
「了解」
そして教室に戻りその後の授業を受けた。
寺子屋での授業を終え、帰る準備をしていると、あの子たちに呼び止められる。
「しき!今から弾幕ごっこしに行くからね!」
「え?今?」
正直お腹が減っている。余り動きたくない。働きたくないでござる。
「あたりまえじゃない!」
そういって手を引かれる。
「わ、分かった。ついていくから引っ張らなくていいよ」
「なら早く!」
そう言って飛んでいったチルノちゃんを追いかける。腹が減っては戦はできぬー。なんていっても無駄だろうなと思いつつ付いていく。
そうして飛んでいると眼下に大きな湖が見えた。なかなかきれいだ。下に降りて行くチルノちゃんが見えたので自分も降りる。
『ピチューン』
下で得体の知れない音が聞こえた。チルノちゃんが降りたほうだ。
それを心配に思い大急ぎで降りて行く。
無事でいてくれ!
そう願い地面に足を付け、周りを見回そうとしたとき、
「あ、式」
と声がした。霊夢の声だ。声のしたほうに顔を向けると、予想どうり霊夢がたっていた。
「こんなところで何してるの?」
それはこっちのセリフだ。
いかがでしたか?
本当はもっと進めたかった!本当はもういh(ネタバレ)
ですから次回はやっとあの遊びの幕開けですね!
誤字やアドバイス等よろしくお願いします。
塾いきたくない!それでは!