東方時空録   作:中津之麻

21 / 25
今回も少し投稿が遅れました。これからはもっと頑張りたいですが受験生になりますからね。どうなることでしょう。

これ以上遅れたら...うわあぁぁ

そんなことは措いておいて、今回は異変終わりのその次の日の話です。

それでは


紅魔郷end~ said
異変終わりは痛いです


紅魔異変が幕を閉じたその翌日...

 

 

 

「もういいわよ。今度はこんなにならないようになさい。お金はまた請求するから帰っていいわよ。この辺りに人間はいないから多少迷うかも知れないけどあなたなら多分大丈夫ね」

 

 

「ありがとうございます...」

 

 

医者である八意 永琳の手当てを受けた式はそうお礼を言い服を調えてとぼとぼとその和風な部屋から出て行った。手当てを受けた式の体にはいたるところに容赦なく包帯が巻きつけてあり、それは同時に式の心情を表しているようだった。包帯に締め付けられる不快感を胸に抱きつつ余り力の入らない足を前に出し続ける。力が入らないと言っても数回に一回は筋肉痛による痛みが走る。

 

 

「ああーもー痛いなあ。こんなになるなら異変なんて解決しなかったらよかったよ」

 

 

もちろんそんなことをは微塵も思っていなかった。

いや、少しは思ったかな

初めて体験した異変解決は辛いこともなかなか多かったが、フラン達のことを考えるといい経験をしたと大いに思う。異変一つ一つに今回のような思いが詰まっていると考えると、自然に次も行きたいと思えてくる。

それでもこんな愚痴をこぼさないと異変による精神的ダメージを抑えることが出来ない。

 

 

「それにしてもここ何処だろ?さっき永遠停を出てまっすぐ来たから...永遠亭ももう見えないし。竹しかないし霧で何も見えないなあ」

 

 

一度足を止めて周りを見回してみるが霧と竹だけで、目印になるような物は何もない。試しに進んでみるが、ほとんど同じような景色しかないため進めているのか不安になってくる。溜め息をつきながら歩いていると霧のせいでよく見えなかったが何かが動いたのが見えた。

 

 

「誰かいるんですかー?あのー良かったら道案内をっー」

 

 

突然足が浮いた。と言うか少しずつ体が落ちていっている。何がなんだか分からないが、持ち前の瞬発力でその穴のふちを右手で掴む。と、その瞬間重力によって重みが増した体を支えようとしている手に、筋肉痛と言う悪魔が腕の筋肉を蝕んだ。

 

 

「いっーー!」

 

 

痛さの余り思わず声が漏れてしまう。つい離してしまいそうになったがその支えに左手も追加し、何とか耐える。

このままだと痛い!腕がげる!

そう思った式は痛みから逃れる為、落ちて大丈夫なのかと下を見てみたが、相当深いのか真っ暗で何も見えない。

まだ健康でいたい式は足を折りたくない、とそのままぶら下がった。すると不意に上からザッザッと土を踏む音が耳に入る

助人が来たか!助けを呼ぼう!と思った式は声を張って上の人に聞こえるように声を出した。

 

 

「誰かいませんかー!出来れば助けて欲しいんですけど!」

 

 

すると土を踏む音は止まった。

気づいてくれたのかな?!出来ればと言うかお願い助けて!

伸びきった腕が苦痛の余りぷるぷると震えてきた。式の声が記憶から薄れるかそれぐらい経ったころ、今度は小さな声が聞こえてきた。

 

 

「お、落ちた?まさか適当に掘ったのに引っかかるとはね。時間をかけて掘った甲斐があるってもんうさね」

 

 

それは女の子の声だった。そんなことよりそれを聞いた式は腕の痛みを忘れて数秒静止してしまった。

こ、こいつがやったのか!

わなわなと怒りが湧いてきたが、それさえも痛みに消されてしまう。

そんなことより上がらないと!

腕に力を入れようとしてみるが、案の定痛いだけだった。となると、この上にいる女の子に助けを求めないといけないということになる。決死にもいたる思いで、再度女の子に助けを求める。もちろんさっきの言葉は聞こえない振りをして。

 

 

「誰もいないんですかー?助けてくださーい。タースーケーテー」

 

 

完璧なはずだ!お願い助けて!もう腕がもげそうだから!

そろそろ涙が出てきそうになってきたが、なんとか堪える。すると式の声は届いたのか、足音がこちらに近づいてきた。その足音が限界まで近づいてきて止まった時、頭の上から露骨に、チッ、と舌打ちする音が聞こえた。

思わずイラッと来てしまったが、ここは冷静になろうと気を落ち着かせる。

 

 

「そこに誰かいるの?ちょっと助けてくれない?」

 

 

「大丈夫うさか?んー、見たところそんなに深くなさそうだから降りたら良いうさね。(せっかく掘った落とし穴が勿体無いうさからね」

 

 

信じて良いものか...

言った本人はどんな顔をしているのかと思い、顔を上げて声のした方に視線を向ける。すると、そこにいたのは頭にウサギの耳を生やしている黒髪の女の子だった。八意先生いわく人間はこの辺にいないそうなので一瞬、

妖怪か!と驚いたが

攻撃してこないから敵意は無いのかな?いやでも今落とされてるし...うーん、まあこんなに小さな女の子(の妖怪)だし大丈夫かな?

と言う解釈に至り、一度冷静になる。もうたいていのことは驚かない。それはそうと式の見た女の子の表情はいかにも落ちろと形容しているようだった。目は口ほどにものを言うとかいうやつかな?それでも女の子が助けてくれるような素振りはまったく無いので、仕方なく降りることにする。ぱっと手を離すと、重力によって体は下へ下へと落ちていった。女の子の言ったとおり穴はそんなに深くは無かったようで直ぐに底が見えた。

 

 

「うささささ!」

 

 

上にいた女の子はそう笑った。それを聞いてしまったと思った時にはもう遅かった。着地した足は、自然に力んでしまい、筋肉痛のせいで痛みが走る。それを軽減させようと力を抜くと地面がぬかるんでいたのか踏ん張っていた足はあっけなく滑った。その推進力は重い頭のせいで体を軸にした遠心力となり足は前、頭は後ろと言う形で回った。要するにこけた。その勢いのまま足と頭を強打するというコンボダメージを受けた式は、死にかけの虫のごとくぴくぴくと体を震わせた。その現状を知らない女の子は軽い口調で式に言った。

 

 

「あんたそこから出れるのかい?出れないなら縄を下ろしてあげるうさよ?ただでとは行かないけど、まあ飛べるなら話は別なんだけどねえ?」

 

 

そ、その手があったか!!

式は自分に何で気づかなかったと叱ったが、それも仕方なかったか、と直ぐに気を落ち着かせる。もう既に涙が目尻から溢れてしまっている。だが、そうと分かればと、式は涙を拭い、直ぐに飛び立った。そして女の子の目の前に立ち、その小さな肩に手を置いた。

 

 

「さあ、やり返される準備はいいかい????」

 

 

さっきまでの苦痛やいら立ちを思い出すと、たとえ少女の姿(の妖怪)でも少しは返さないと気が済まない、と言う思いになる。もちろん相手が妖怪だからです。けして人間にはしませんよ?式的には笑顔で言ったつもりだったが、『妖怪』の女の子はひぃっと声を上げてしまった。

あれえ?おかしいなあ?

そのまま『妖怪』の女の子が恐怖じみた顔でこちらを見ているので、自分で作った穴に落とされる準備が出来るまで待ってあげていると、女の子は我を取り戻したように言葉を発した。

 

 

「ちょっ、ちょっと待つうさ!飛べるなんて聞いてないうさ!」

 

 

「うん、そんなこと一言も言ってないしね」

 

 

そう言いながら落とし穴に向かって兎妖怪の背に回りこんで押し込もうとしたが、兎妖怪は式の予想を上回る力で踏ん張り、持ち堪えながら言い訳をし始めた。

 

 

「わ、わたしゃあんたを落とすために穴を掘ったんじゃないうさ!あんたが勝手に落とし穴にはまっただけなんだよ。言いがかりも甚だしいさ!」

 

 

 

ぎゃ、逆ギレじゃないか

式は明らかに自分が不利な状況と分かっているはずのこの兎妖怪が自分が正しいと言わんばかりに堂々とそれを口にしたので、一瞬たじろいでしまった。

すると兎妖怪はそのタイミングを見逃さず、押されていたその場から移動し式の背後へと回り込んだ。

式はしまった、と思い、押された時の為に足に力をいれると、そんな思いとは裏腹に兎妖怪がため息を付きながら言った。

 

 

「するのは好きだけどされるのは嫌いうさ。やり返されるのも面倒だしわたしゃここまでにしておくうさ。そんなに怒っているならひとつ、いいことを教えてあげるうさ」

 

 

式はそれがあまりにいきなり過ぎてぽかんとしてしまった。しかし兎妖怪はそんなことには気付かず、言葉を繋げた。

 

 

「この真っ直ぐに進めばこの竹林から抜け出せるうさよ」

 

 

そう言うと兎妖怪は、さっさとその場から逃げてしまい、式が取り残されてしまった。式はとりあえず、さっきの言葉をもう一度頭の中で再生し、考えた。

 

 

「となると、お詫びってことかな...?なら嘘はついてないかな。...まあそれが本当ならいいけど」

 

 

式はもう疲れたと、考えることを止め、兎妖怪が指示した方向に向かって歩きだした。そして歩き続けていると、だんだんと霧が晴れていき、竹林の外が見えてきた。良かったと安堵し、いつの間にか夕暮れになり深みのあるオレンジ色に染まってしまった空を眺めた。

仕方ない、出れたし今日のことは許してあげよう。

 

式は竹林を後にし、家である博麗神社に向かって歩きだした。

 

 

 

 

 

途中面倒になり、飛んで神社に向かった。そして神社が目に見える位にまで近づいて来ると、いつもは殆ど人気(ひとけ)のない博麗神社が何やらがやがやと賑わっていた。

何あれ?

そう思った式は、スピードを上げて神社の脇の森に見つからないように降りた。

 

 

「えぇ!此処で宴会をするんじゃないのか?!」

 

 

その声の主は魔理沙だった。その方に顔を向けると、魔理沙が話していたのはまあ案の定霊夢だったが、いつもならゆっくりしている霊夢がてきぱきと作業をしていた。

 

 

「そうそう、いい忘れてたのよね。今日の宴会は守矢神社でやることになったから、あんたも早く準備したほうがいいわよ?」

 

 

宴会?守矢神社?

寺子屋に行く以外にほとんど博麗神社に籠っていた式にとっては、霊夢の発言の意味を全く理解出来なかった。

あれ?守矢神社?何処かで聞いたことあるような...?

そんなことを考えているのもつかの間、霊夢が何かをいい始めた。

 

 

「あんた達そろそろ行くわよー。ちゃんとお酒持っていきなさいよ!さあ行った行った」

 

 

その発言が終わると、そこらで何かをしていた人?達が荷物を抱えて何処かに飛んでいってしまった。霊夢と魔理沙はまだ何か話していて残っているので人が減ったこの機にと、式は鳥居と神社の真ん中辺りに出た。

 

 

「あ、式じゃない。遅かったわね」

 

 

別に悪いことをした訳ではないが、今まで隠れていた所為もあってか急に声を話しかけられてびくっと固まってしまった。

 

 

「おお、式!遅かったな!帰ってきた所で申し訳ないが、これから守矢神社で宴会があるんだぜ!遅れるんじゃないぜ?」

 

 

魔理沙はそう言ったすぐ後にさっきの人達が行ったのと同じ方向に飛んでいった。

そして式と霊夢が残された。式はいったん落ち着き、荷物をまとめてながらこっちを見ている霊夢に、ただいま、と言った。

 

 

「お帰り、言いたいところだけど、さっき魔理沙が言った通りこれから宴会だからもう行くわよ」

 

 

そう言うと、霊夢ははいっとまとめた荷物を式に突きつけた。式が反射的にそれを受け取ると腕が少し筋肉痛で痛くなったが、霊夢はそんなことは知らず、何も言わずに飛んだ。

 

 

「ほら、早く行くわよ!」

 

 

その言葉に追い立てられ、式も浮くとと霊夢は魔理沙たちが向かった方に飛び始めた。式はそれに並ぶようにして一緒に飛行していると、突然霊夢が話始めた。

 

 

「昨日は疑って悪かったわね」

 

 

一瞬何のことか分からなかったが、昨日のことを思い出してみると、思い当たる節はあった。

 

 

「いや、気にしなくていいよ。正直何のことか分からなかったんだよね。それに途中から全く話聞いてなかったから。うん、とりあえず謝る必要はないよ」

 

 

「...それでも一応謝らない、気が済まないのよ。...ごめんね」

 

 

謝らなくていい、そう言おうとしたが、霊夢の謝りを無価には出来ないと思いここは紳士に受け止める事にした。

 

 

「それで、昨日のあれはどういう意味だったの?ちょっとよく理解出来てなくて...」

 

 

「まず言っておくわ。普通生き物は一体に1つの力を宿しているのよ。人間なら霊力、妖怪なら妖力って感じにね」

 

 

「ちょ、ちょっと待って?妖力って何?」

 

 

そう言うと霊夢は急に止まり、目を見開いていた。遅れて式も止まり、霊夢に向き直る。

 

 

「え、まさか知らなかったの??」

 

 

「う、うん?」

 

 

何のことやらさっぱりです。心の中でそんなこと事を思っていると、霊夢がため息を付きながら言った。

 

 

「妖力って言うのは、さっき言ったけど妖怪が持っている力のことよ。レミリア達も妖力だったでしょ」

 

 

思い返すと、確かに自分の力とは違う物があった。成程と感心していると、霊夢はすぐに説明を続けた。

 

 

「分かったわね?なら続けるわよ。それとあと魔理沙みたいな魔法使いなら魔力って言うのあるのよ。それなのにあの時の式には二つの力があった。...霊力と妖力がね」

 

 

「え?それってどういうことなの?」

 

 

「うーん...説明しにくいわね。まあとりあえず普通じゃないってことよ」

 

 

あ、そう言うこと。

 

 

「まあその後魔理沙から詳しく聞いたわ。その目は何か有りそうだけど、今は妖力も感じられないし、あんたは正真正銘の式ね」

 

 

そう言われて、自分の目が片方赤色になっている事を思い出す。いくら考えてもその答えは出ないが、大した障害もないから放っておこう。少し目を瞑って、改めて前を見ると何やら博麗神社の二倍はあろう大きさの建物が見えて来た。

 

 

「付いたわね。あれが守矢神社よ」

 

 

「あれが...」

 

 

 

その守矢神社はたくさんの人達で賑わっていた。




いかがでしたか?楽しんでいただければ幸いですよはい。

なんだかんだで投稿終わりには気が抜けて書かねば!と思うのに3日から4日かかります。ばかですすみません。

次回は宴会ですね。と言うか本当は今回で宴会も書く気だったのですが、上手くいかない物ですね。

それでは
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。