でも受験生ってry(言い訳
謝罪の気持ちでいっぱいです。
それでは本編へ...
賑やかな過ぎる宴会にも終わりが訪れる。
あの後に少し騒がしくなった博麗神社も、今ではすっかり静まり返っている。
それも過ぎた今、騒音とも呼べるあの音が少し恋しくなる。
あの宴会からほとんど一日が過ぎ、霊夢もある程度気分が落ち着いてきたようだ。式も始めてお酒を飲んだことで多少ハイになっていたところもあったが、日が明けたことで気は静まった。
が、今日の式はとても気分が悪かった。
「あー...頭痛いなあ...」
何故なら、二日酔いになったからだ。式は改めてお酒は怖いと感じた。ちゃぶ台をはさんで反対側にいる霊夢は昨日自分の倍以上は飲んでいるはずなのにぴんぴんしていて、優雅にお茶をすすっている。
これが酒飲みの力か...!
と、お酒を大量に飲んでも二日酔いになっていない霊夢を、頑張ればいつでも吐ける式は少し妬んだ。
「二日酔いなんて式もまだまだね。まあそれでもお酒の美味しさを知れて良かったじゃない?」
それは否定しない。たしかにお酒は美味しかった。しかし、知らなかったとは言え二日酔いになり、多少飲んだことを後悔している。それでもまた飲みたいと思うのはお酒の力だろうか。
「それはそうだね。でも霊夢はちょっと飲みすぎだと思うよ?」
「私はいいのよ。平気だし」
「そういうものかな...?なんにせよ体は壊さないようにね。アルコール中毒にでもなったら元も子もないからね」
霊夢はこっちを向いてきょとんとした。そうか、アルコール中毒なんて名前は幻想郷にはないんだった。
と、思った式だがその考えは大きく違っていた。
「式って親みたいなこと言うのね」
「え?!あ、そうかな?」
考えていたことと言われたことが違ったのと、霊夢が言ったことに外には出さなかったが内心恥ずかしさを覚えた。それを紛らわせるたもあってかあの宴会のことを思いだすことにした。
小皿ほどの大きさの赤漆の綺麗な杯に残っていたお酒を我を忘れて飲み干した後、既にふらふらな魔理沙からまたお酒を手渡された。その美味しさに魅せられた式は飲もうか飲むまいか机に陶器の酒瓶を置いてを考えていると、どうしてかアリスが自分に寄ってきた。
「どうしたのよ。...それ飲まないのかしら?ここはお酒の席よ。飲まなきゃ話にならないわ」
アリスはそう言いながら式にお酒を押し付けて魔理沙達のところへ行ってしまった。お酒だけ渡して来た魔理沙はとは違いアリスの言ったことは、式が考えていたことに対する答えでもあった。
式は迷うことなくお酒を杯に注ぎ豪快ともいえるような勢いでお酒を乾きかけていた喉に流し込んだ。
「おいしい...」
式は改めてそう実感した。
それほど時間をかけることなく酒瓶を空にした後、少し暇と感じた式は軽く周りを見回した。すると、もはや忘れかけていた物が目に入った。
「おいおい、ちゃんと飲んでるかい?!宴会なんだから飲まなきゃ損だからねえ!」
「うええ...うぷっ...(ガク」
大きな角の生えた女性の腕に抱えられているひと、そう『犬走 椛』だ。再びゆっくりと上げられたその顔は、今にも死にそうという表情をしていた。約一時間くらい前のあの時よりすっかりげっそりとしてしまった椛は、宴の騒音のせいもあってかまったく聞き取れない声で「誰か」と口を動かしながら周りをゆっくりと見回し始め、そして目が合った。数秒間そのまま二人は静止したが、何か強烈なHELPを感じ耐え切れず式は目を逸らした。再びチラッと視線だけそちらに向けると、椛は鬼のような女性の腕の中でうなだれてしまっていた。
「はぁ...」
式は重そうに床に手を着いて立ち上がり、渋々椛の救出することを決心した。
「お酒、飲みますか?」
今思うと以前に比べて初対面の対応も出来るようになったと思う。
そんなことに喜びを感じながら式はちょうど角の生えた女性の持つ大きすぎる杯が空になったところで声を掛けた。いきなりのことで驚いたのか、その女性は目を丸くしてこっちを向いた。すると酒瓶を持った自分を見て理解したのか直ぐに先程の威勢を取り戻したかのように大きな声を出した。
「ああ!気が利くねえ?初めて見る顔だね、あんたは誰だい?」
注がれるお酒を杯で受けながら言った。
「七条式って言います」
「式か!気に入った!私は星熊勇儀って言うんだ。見た通り鬼なんだけど襲ったりはしないから安心しなよ」
「勇儀さんですか」
お互いの名前を知り満足したところで、この原因である者のほうに視線を向けた。うな垂れていた椛はとっくの前から開放されていたがどうやらそれに気づいていないようで、いまだにうな垂れたまま動かずにいた。
『椛ー。起きろー』
勇儀さんに聞こえないよう小声で呼びかけると、声は届いたようで白い耳がぴくっと動いた。
椛はゆっくりと体を持ち上げると、周りを見回した。そして式が視界に入ったところで目を留め、勇儀さんと式を何度か見た後、「あ」と声を漏らしそそくさと四速歩行で遠くに行ってしまった。
達成感を得た式は勇儀さんに「それでは、自分はこれで」といい立ち去ろうとしたそのとき、
「何言ってるんだい!?まだまだ飲むよ!」
と肩を組まれ、捕まってしまった。焦りを感じた式はあの時と同じように見回すと、もはや運命と言うべきかまた
もや椛と目が合った。式は声も上げられず腕を伸ばしたがその思いも儚く椛は視線をそらした。
あの時の椛の気持ちが分かった気がする。
何とかお酒を飲まされる前に勇儀さんの魔の手から逃れた。その後式は自分のペースでお酒を飲み始めたが、多少なりとも酔いが回ってきた頃、ある騒ぎが起きた。
声が遮られるような音が耳を占領する中、廊下の方から足音がした。それはただの足音だ。もちろん誰も気に止めることは無い。しかし、こんな大きな音の中でそれが聞こえるということがおかしいということに誰も気づいていなかった。突然襖が目にも止まらぬ速さで(唐突で反応できなかったのもあるかもしれない)空中を横切った。その襖は運よく誰にも当たることなく壁に直撃し、そこをへこませた。
一瞬にして全員が静まり返り、常人には耳が痛くなるほどの音差を生んだ。一同が唖然とし襖のあった場所に顔を向けた。するとそこに立っていたのは悪魔の妹 フランドールだった
「お姉さま!どうしてあたしを呼んでくれなかったの!」
その勢いや、頬を限界にまで膨らませているその姿から怒っていること見て取れる。
その視線はその姉、レミリアを見ていた。レミリアはみんなが唖然としている中一人現状を把握したようでふふっと笑みを浮かべた。
「あら来たかったのね?幸せそーーに寝てたからてっきり行きたくない物かと思ってたわ?」
「それはお姉さまが教えてくれなかったから!」
「そうそう、キッチンの奥に咲夜が作った出来立てに近いアップルパイがあるわよ?今ならまだ冷めてないと思うわ。それを食べたら早く寝るのよ?子供が起きていい時間じゃないのよ?」
それを聞いた咲夜さんは苦笑を浮かべた。しかしその表情にはどこか嬉しさも感じられる。
そんな子ども扱いを受けたフランはムキーッ!と地団駄を踏んだ。レミリアそれを見て笑っているがその目尻には小粒の涙が光っていた。今思うとこの二人がこんな風に話せるようになることは紅魔間の人達からしたら大きな願いだったんだろうな。
そんなことを考えながら二人の微笑ましく言い合いを楽しんだ。
「もうお姉さまなんて知らない!」
そのような微笑ましい会話が二・三回続いた後、そろそろ潮時と踏んだ式は立ち上がりフランの肩を持った。
「まあまあ、フランもせっかく来たことだし、宴会を楽しもうよ!」
楽しめてない奴が言うのもなんだと思うが、そんなことはまあ良いだろう。フランは不貞腐れながらも渋々座布団上に腰を下ろした。
するとフランはレミリアと目が合った途端、あからさまに、ふんっとそっぽを向いてしまった。レミリアはそんなフランを優しげな笑顔で眺めていた。
そんなことはさておき、式はあるものに興味を持った。レミリアの飲むお酒だ。
レミリアの持つグラスの中にある飲み物は真っ赤とまではいかないものの他にはない赤い色をしていた。
「レミリア。それって何を飲んでるの?」
「これ?これはブラッディメアリーよ。正真正銘の血が入ったお酒よ!」
「血!?」
レミリアは優雅に一口喉に滑らせてからそう豪語した。驚いた式はさておき、レミリアの傍らに礼儀正しく座っていた咲夜さんが困ったような表情をした後、小さく「お嬢様」と呼び、レミリアにこそこそと何かを告げ始めた。
『血まみれのメアリーと言う言葉も説明に使われますがこれには血は入っていません...トマトジュースのお酒です...』
咲夜さんがレミリアから離れるとレミリアは「え」と声を漏らし、少しの間放心してしまった。
数秒経って
「と、というの冗談よ。驚いたかしら?」
と言った。
なんだ冗談か、騙された。それにしても咲夜さんは何を言っていたんだろう。
気になりつつ咲夜さん達のほうを見る。するとさっきまでそっぽを向いていたフランがいきなりレミリアの持つブラッディ・メアリーなるものを奪い取ると、一気に飲み干した。
「私子供じゃないわ!お酒も飲めるもん!」
レミリアはびっくりしたようで一瞬固まってしまったがまた笑みを取り戻した。
「そのお酒は度数が高いのよ?【子供】のフランに耐えられるかしら?」
フランの方に目をやると、ついさっき飲んだにもかかわらず、もうふらついていた。
「うるさいうるさい!」
フランはレミリアに飛びついた。周りからは「いいぞ!」とか、「負けるな!」と乗り気な声が沸きあがる。
また二人の喧嘩が始まるようだ...
思い出してみると、予想以上に鮮明に思い浮かべることができた。たった一日前のことだが、懐かしく感じてしまうのはお酒のせいだろうか。
霊夢との会話も無く、静かに霊夢の淹れた季節に合わない温かいお茶をすすっていると、外と内側を仕切っている襖の向こうから何やら足音が聞こえてきた。
その音は直ぐに近くなり、そして止まった。と同時に襖が開け放たれた。
「おーい!式はいるか?お、いたいた。ちょっと付いてきて欲しいんだぜ」
それは魔理沙だった。魔理沙は式の返事も待たずに式を引っ張り上げた。
「え、何」
「実は何故だか知らないんだけどアリスが式のことを呼んでいるんだぜ」
「アリスさんが?」
「アリスさん?どうしてさん付けしてるんだ?」
「いやまぁ、泥酔しているところを神社まで運んでくれたらしいから」
そう、あのあと式はいつの間にかお酒のせいで寝てしまっていたらしい。それをどうしてか知り合ったばかりのアリスさんは博麗神社まで運んで運んでくれたらしい。
「ああ、そんなのもあったな。そんなことはさて置き、行くぞ。式」
魔理沙はそう言うと、箒に跨り直ぐに飛び立った。式もそれに釣られるように博麗神社を後にした。
いつの間にか新しくお茶を淹れに行っていた霊夢は一人取り残されていた。
「あれ、式は」
「それで、どうしてアリスさんは自分を呼んでいるの?」
「それが聞いたけど教えてくれなかったんだぜ」
「ふうん」
道を知らないため魔理沙の後を追うように飛んでいるが、一向に付く気配は無い。博麗神社からそうとう遠いのか、そもそもアリスさんの家は何処にあるんだろう。
聞こうか迷った末、聞いてみることにした。
「アリスさんの家って何処にあるの?」
「魔法の森って言うところに住んでいるんだ。ちなみに私もそこに住んでいるんだよなー。魔法使いになるならうってつけだぜ?」
「へ、へえ~」
そんなことを言われても、魔法使いになる気などまったく無い式にとってはあまり必要の無い情報だった。
魔法の森かあ、と想像を膨らませながら付いていっていると魔理沙が声を上げた。
「見えてきたぞ。あれが魔法の森だぜ」
そう言われ視線をそっちに向けると何か奇妙な物が目に入った。
こっち側と魔法の森との境界を作るかの様に空気中に黄色い物がいたるところに浮いていた。
「あれ、何?」
「ん?ああ、あれは魔法の森のキノコの胞子だな。特に気にする必要ないな」
「キノコの胞子があんなに!?」
「まあ魔法の森だからな」
「そういうものかな」
「そういうもんだぜ」
そんな会話の後、何事もなく魔法の森に入る。が、そこで式はある違和感を感じ取った。
空気中に漂っていた胞子は式の体を覆い、やがて式の体内へと侵入した。それは体を徐々に侵食し飲み込んだ。
「そうそう、ここじゃ普通の人間は体調を崩したりするんだが、まあ式なら大丈夫だな。なあ、式」
式の思う違和感は徐々に大きい物となっていた。それは違和感だけにとどまらずからだ体にも異様な物を感じ始めた。
「だいたい強い奴はここに入っても平気だからな」
その時点で式はもう魔理沙の言葉を聞き取ることは困難となっていた。目が眩み、少し止まってしまう。
「霊夢に聞いたぜ?私と張り合えるぐらいに強くなったんだろ?....て聞いてるのか式。...式?おいどうした!」
咳をすると、口からは血が溢れ、手を赤く染めた。目は限界にまで充血し、挙句の果てに血の涙まで流れ出始めた。
声を出すこともかなわず魔理沙に視線を向けると、手を此方に伸ばし物凄い勢いでこちらに向かっているのが見えた。
体からは力が抜け、そして意識も遠くなった。
「式!!!」
大声の何倍はあろう魔理沙の声を耳が何とか捉えたところで、式の意識は途絶えた。
再び目が覚めた。
まったく見覚えの無い天井、壁、置物、そしてベッド。軽い頭痛を感じながら体を起こすと、そこには見覚えのある人が座っていた。
アリスさんだ。
「気がついたのね。安心したわ」
状況をいまいち理解できずアリスさんの方を見つめていると、アリスさんは軽く頭を下げた。
「ごめんなさい。あなたにこんな病気があるって知らなくて、あなたを危険な目に合わせてしまったわね...」
「あ、いえ。自分もこんなことになるなんて知らなかったから、謝らなくていいですよ」
「そういってもらえるとありがたいわね」
不意に扉が開いた。そこに立っていたのは、重そうな鍋を持った魔理沙だった。
「式!無事だったんだな!?心配したぜ?!」
「魔理沙、...ごめん」
...どうやら魔理沙がここ、アリスさんの家まで運んでくれたらしい。あれから何時間も経っていないらしく、1~2時間後に目覚めたようで、まだ日はくれていなかった。
湿度が高いせいか汗を流しながら式は話を聞いていた。
「これから週一で薬を渡すからここに来て」
「おいおい、永琳に薬を出して貰った方が良いんじゃないのか?」
「今日は何も出来なかったから、薬を渡すついでにしたいのよ」
「うーん、でも危ないんじゃないか?」
アリスと魔理沙の口論は終わる気配を見せず、長く続いていた。
式は喧嘩にならないように、と話に加わった。
「あの、自分はそれでいいよ?」
「危ないとは思うんだけどなあ。式がそう言うなら...」
「ありがとう...申し訳ないわ」
以外に早く口論は終わりを迎えた。そうして話は終わったようで二人は帰った。
あの鍋の中はキノコ鍋だったようで食べると、体がかゆくなった。どうやら式は【キノコアレルギー】だったようだ。
二人が帰ったあと、アリスは式の血をを見ながら言った。
「ぜんぜん足りない」
いかがでしたか。
今回は6000文字を過ぎてしまい焦りに焦りました。
そのせいで最後の方がgdgdな可能性があります。申し訳ない。
それでは