コードギアス 転生のジェネシス   作:ボートマン

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第9話

八雲がマーヤ達に協力することになった日の夜。

 

ルルーシュは自室で緑色の髪の少女”C.C.”と八雲に関して話していた。

 

「いいのか?あんな得体の知れない奴を協力者にして?」

 

「確かに奴に関しては不明なことが多いが、お前が言うな」

 

何しろこの少女はルルーシュを庇ってブリタニア軍に撃たれたはず。

 

なのに今ではこうして何事もなかったかのようにくつろいでいる。

 

どうやって助かったのかも、経歴も追われていたのかも一切不明なのだ。

 

「それにしてもそのモビル…スーツ、だったか?宇宙でも動けるとは面白い話だな」

 

「それが本当かどうか怪しいものだがな」

 

ルルーシュもマーヤと八雲の会話は携帯から聞いていた。

 

だが、八雲が話したことはルルーシュもマーヤ同様理解できなかった。

 

「だが、KMFとは異なる技術とは確かなのかもしれないな」

 

「どうしてわかるんだ?」

 

「シンジュクでの戦闘時、遠くだがモニター越しで見たあの機体はランドスピナーがなかった」

 

「それで?」

 

「おそらくあの機体は背部にあったブースターのようなもので高速で移動している。既存のKMFにはランドスピナーを標準装備されている」

 

「それだけでわかるものなのか?」

 

「俺は技術者じゃない。あくまで俺個人の推察に過ぎない」

 

「なんだ、偉そうに言っておいて結局はお前の感想か」

 

つまらなさそうにするC.C.にルルーシュは苛立ちを覚えるも抑える。

 

「黙れ魔女。どちらにせよ戦力としては申し分はない。それに最悪の場合は……」

 

「ギアスを使って従わせる……か?」

 

「あくまで最悪の場合が発生する場合だ」

 

黒い笑みを浮かべ、ルルーシュは今後の計画を練り始める。

 

 

 

 

 

「(何でこんなことになったんだろうなぁ………)」

 

八雲は両手を頭の後ろに乗せながら、内心嘆いていた。

 

数日が経ち、ミレイから誘われてこの河口湖ホテルにシャーリーとニーナを含めた4人でやってきた。

 

なぜ誘われたのかというと、荷物持ち兼ボディーガード代わりのためということだ。

 

流石に女子3人では不安でもあるため、男が1人いれば安心するだろうということらしい。

 

「全員動くな!このホテルは我々“日本解放戦線”が占拠した!」

 

だというのにまさかテロリストのホテルジャックに巻き込まれてしまうとは。

 

そして、八雲達はホテルにいた従業員や他の観光客と共にホテルの倉庫と思われる場所に移動させられる。

 

誰もがこの状況に怯えていると、リーダーと思われる日本刀を携えた男が部下を連れて人質達の前に出る。

 

「”日本解放戦線”の草壁である。我々は日本の独立解放のために立ち上がった。諸君らは軍属ではないがブリタニア人だ。我々を支配する者だ。大人しくしているならば良し。さもなくば…」

 

余計なことをすれば命はないと言外に告げると、草壁は部下を連れて倉庫から出る。

 

「(今は救助を待つしかない。下手に奴らを刺激しないようにしないと)」

 

いくらMSなんて物を持っていても、銃を突きつけられれば何もできないただの青年。

 

大人しく状況が動くのを待つしかなかった。

 

それからどれだけの時間が経ったのか。

 

外ではどうなっているのかわからないうえに、近くには銃を持つテロリストがいる状況。

 

その上、少し前に人質の1人が連れ出されてしまった。

 

連れ出された人質がどうなってしまったのか、安易に予想できる。

 

「あ、うう……イ、イレブン……」

 

そんな状況に長時間いることで恐怖に震えるニーナが絶対に言ってはいけない言葉を発してしまった。

 

「(ヤバい!)」

 

「っつ!今何といった!」

 

テロリストの一人に聞こえてしまい、蔑称で呼ばれたことで怒りの形相でニーナに銃を突きつける。

 

「イレブンだと?我々は日本人だ!」

 

「わかってるわよ、だからやめて!」

 

「訂正しろ!我々はイレブンではない!」

 

「訂正するから!」

 

ミレイやシャーリーがニーナを庇うも、2人の態度にテロリストは更に激昂する。

 

「何だその言い方は!お前たち、隣まで来い!じっくり教え込んでやる!」

 

「(覚悟を決めろ八雲。尊敬すべき歴代指導者たちよ、俺に勇気を……)」

 

覚悟を決めた八雲はニーナへ伸びようとしていた腕を掴む。

 

「やめろ。どれだけ日本人の誇りを貶めるつもりだ」

 

「何だと!」

 

「こうやって関係のない民間人に銃を突きつけて脅す。あんた達は本当にそれで日本人であることに誇りを持てるのか?」

 

「何?」

 

「こんなやり方で日本取り戻して、本当にお前たちは胸を張って他の日本人に言えるのかって聞いてるんだ。俺達は民間人を人質にとって日本を解放したんだと言えるのかよ?」

 

「そ、それは……」

 

八雲の問いかけにテロリストは言いよどむ。

 

いくら日本解放という大義のためとはいえ、民間人を人質にした作戦を誇れる軍人が何処にいるというのだ。

 

「今のあんた達がやってることは日本人は人質に手をかける野蛮人だって言ってるようなもんなんだよ!」

 

「黙れ!我々はなんと言われようと日本をブリタニアから解放しないといけないんだ!」

 

激昂したテロリストは銃口を八雲に突きつける。

 

「いいのか?ここで撃てばあんた達は俺が言ったことを認めしまうことになるんだぞ」

 

物怖じせずにテロリストを睨みつける八雲。

 

「こいつ……おい!次の人質はこいつにするぞ!」

 

テロリストの言葉に他のテロリストも同意し、八雲が命運が決まってしまった瞬間。

 

「おやめなさい!」

 

人質の中から1人の少女が声をあげて立ち上がる。

 

「何だ貴様は?」

 

「私を貴方たちのリーダーに会わせなさい」

 

「何?」

 

「私はブリタニア第3皇女。ユーフェミア・リ・ブリタニアです」

 

まさか立ち上がった少女がエリア11の副総督であり、皇族でもあるユーフェミアだということにテロリストだけではなく人質もざわめきだす。

 

「どうする?」

 

「相手は皇族でコーネリアの妹だ。交渉に使えるはずだ」

 

「中佐に会わせて指示を仰ごう」

 

テロリスト側もまさかの人物にリーダーである草壁に会わせることに決める。

 

「今すぐにその銃をおろしなさい」

 

「ふん……命拾いしたな」

 

銃口をおろし、テロリストは八雲を突き飛ばす。

 

「いつつ……」

 

「大丈夫八雲?」

 

「何とか……それよりも3人に何もなくてよかった」

 

「あの、私……」

 

発端となること言ってしまったニーナは申し訳なさそうにしている。

 

「気にしなくていいよ。こんな状況じゃね」

 

「それでもごめんなさい。私達があんな言い方したせいもあるんだし」

 

「あ……ごめん」

 

「気にしなくていいよ。それにボディーガードとしてきたんだからこれぐらいはね。まあ、殿下に助けられた俺が言ってもかっこわるいかな」

 

「そ、そんなことないよ……」

 

「ありがと……」

 

そうしているうちに突如建物が大きく揺れ出す。

 

「な、何だ?」

 

「何だこの揺れは?おい!お前達、何か知っているのか!」

 

「いくらなんでも俺達が知るわけないだろう」

 

何でこの揺れを人質が知っていると思うのだろうか。

 

「やめろ!人質に手を出すな!」

 

すると倉庫にバイザーで顔を隠し、黒一色の制服のようなものに身を包んだ赤い髪の少女が入ってきてテロリストに叫ぶ。

 

「お前たちは何者だ!」

 

テロリスト達の注意が少女に向き、銃口を突きつける。

 

「さっきの……お返しだ!」

 

注意がそれた隙を見逃さず、先程自分に銃口を突きつけたテロリストへ力強くタックルする。

 

タックルされたテロリストは頭を床に打ったのか気絶していた。

 

ほかのテロリストは赤い髪の少女の後に入ってきた黒髪の少女に撃たれて制圧されていた。

 

とりあえずやり返せたことにちょっとすっきりした八雲は少女たちを見る。

 

「私達はあなた達を助けに来たの」

 

「急いで。すぐにこのホテルか避難して」

 

それから少女たちの誘導に従い、連れ出されてたユーフェミアとも合流して用意されたゴムボートに乗せられる。

 

次々と人質達がゴムボートに乗せられる中、八雲は先程助けてくれた少女たちに近づく。

 

「何してるの貴方も早くボートに乗って」

 

「それはわかってる。けど、その前に一ついいか。君達と何処かで会ったかな?」

 

「ななな、何言ってるのよ!」

 

「そ、そうだよ!こんな時に何言ってるの!」

 

「何か聞き覚えのある声だけど………」

 

「い、いいから早くボートに乗って!」

 

「私達は貴方とは会ったことなんてないから!」

 

激しく動揺している2人に無理矢理ボートに乗せられてしまった八雲。

 

「やっぱり聞き覚えがあるんだよなぁ………」

 

首をかしげて少女たちを訝し気にみる。

 

 

 

そして、人質たちは無事に黒い制服の一団によって救助された。

 

ゴムボートに乗せられ、すぐ近くでは仕掛けていた爆薬によってホテルが崩壊している。

 

「ブリタニア人よ、動じることはない。ホテルに捕らわれていた人質は全員無事に救出した。貴方方の元へお返ししよう」

 

遊覧船に乗ったゼロがカメラへ向かって語りだす。

 

「人々よ!我らを恐れ、求めるが良い!我らの名は………“黒の騎士団”!」

 

ライトアップされたゼロの横に、黒い制服に身を包んだ男女が並び立つ。

 

「我々黒の騎士団は、武器を持たない全ての者の味方である。イレブンだろうと、ブリタニア人であろうと関係ない。日本解放戦線は、卑劣にもブリタニアの民間人を人質に取り無惨に殺害した。その無意味な行為故に我々が制裁を下した」

 

止まることなくゼロは尚も語る。

 

「クロヴィス前総督も同じだ。彼は武器を持たぬイレヴンの虐殺を命じた。このような残虐行為を見過ごすわけにはいかない、ゆえに制裁を加えたのだ。私は戦いを否定しない。しかし、強者が弱者を一方的に殺すことは断じて許さない!撃って良いのは、撃たれる覚悟のある奴だけだ!」

 

ゼロの言葉を誰もが黙って聞く。

 

「我々は、力ある者が力無きものを襲う時、再び現れるだろう。たとえその敵がどれほど大きな力を持っているとしても」

 

そして、ゼロはマントをはためかせる。 

 

「力ある者よ、我を恐れよ!力無き者よ、我を求めよ!世界は、我々黒の騎士団が裁く!」

 

そうしてゼロは語り終えると、人質が乗ったゴムボートをおいて何処かへと逃げ去る。

 

こうして八雲達はゼロ率いる組織“黒の騎士団”によってテロリストから救助された。

 

「あれがゼロか……」

 

これから自分が協力する人物を八雲はその目に焼き付けるのであった。

 

 

 

 

 

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