GODEATER3>>Remember Chains. 作:志乃木千進
# Introduction >>「Hounds Unchained.」
そして、人間達がかつて信じた
其処には想像を絶する炎が燃え盛り、罪人は無限とも思える
――――ならば、今この黒く
全てを死に絶えさせる
わずか一世紀前、世界は豊かで美しく、されど緩やかな
他ならぬ
この世はそれ程に
人間は、それ程までに罪深かったのか。
見たこともない
以前は
その中でも大陸地図において北西に位置する荒野の中を、粛々と進む車列があった。
「――――そしたら、いきなり
機材トラブルで報告が遅れたなんざ、現場の俺達には何の関係もないんだっての。
だが、こういう時こそ基本に立ち返れって、相棒が言ってな。
俺なんかは、ついつい諸々頭から吹っ飛んで斬りかかっちまうタチなんだが・・・・まぁそういう時、冷静な仲間がいるってのは、ありがたいもんだ」
激しい風に巻かれ、濃厚な
3両編成で進む装輪駆動の軋みには、音の高低が入り混じり、
事実、この内部には現地で
それも、
その証拠に、密閉された荷室へ押し込められた彼らは、皆一様に大きな
「――――で、きっちりミッションは片付けて、形ばかりの追加報酬も頂いた訳なんだが。
俺達の苦労なんざ知らずに、いつもより多めに食べれて嬉しいと来たもんだ。
まぁでも、そうやってちゃんと礼を言われるってのは、悪い気分じゃないよな。
ただでさえ、俺達にはそういう言葉は貴重なんだ。
そう思ってくれる仲間は、大事にしないとな」
重く俯き、黙りこくっている誰もが、きっと思っていた。
この先、楽には死ねない。
そして生きて帰ることも出来ない。
乗り込んだこの
「は、はぁ・・・・」
「アンタにだって、そういう仲間がいるんだろ?
今回の任務、報酬だけはバッチリなんだ。
案ずるより産むが易し、ってな。
せいぜいふんだくって、待ってる奴らを喜ばせてやろうぜ」
「・・・・さっきからうるせぇんだよ、テメェっ!!!!」
ところが、そんな葬列を作る1台にて、騒ぎが起こっていた。
その内部は、何らかの装置に繋がれた
彼らには幾つかの共通点があった。
先述した、彼らが”
そして、着ている衣服は、それぞれにデザインは違えども特殊な硬質素材が多用された、上質そうな
ただし、随所がほつれたり、破れたりしているのを、別々の無事な素材を継ぎ合わせて
酷い物では、ダクトテープのようなもので留めただけの有り様までも見て取れる。
最後に、その表情。
ツギハギだらけの服を着た彼らは
――――さっきから延々と1人で喋りっぱなしな、この男を除いては。
「あん?」
その男は、自分へと向けられた怒声に
――――夜のような黒い髪が、首ほどで無造作に切り揃えられ、その動作に応じてさらりと揺らぐ。
同じ
真顔であれば、さぞ
青と黒の生地を
それに見合ったむくつけき
加えて、衣服と括るには珍しい、首元にたっぷりと巻き付けた
「なんだコイツ、みたいな顔してんなよ!?」
その男の呑気な反応に、緑の瞳の少年は尚もキレ散らかした。
気の強そうな眼差しに、ブロンドの短髪を後ろで結い、苛々と地団駄を踏むたびに揺ら揺らとさせている。
一方、ボディスーツのような洗練された上衣と、タフな生地のズボンはこげ茶色がかった暗い配色だ。
それでなくとも、
「おい、止せ、パース。
ミッションの前に無駄に絡むな」
対して、冷静に口を挟む、多少歳上な風なもう一人の青年。
横の少年とは知己らしく、着ている戦闘服や、その配色も似通っている。
黒色の短髪に、細く鋭い目つき。
顔や体には幾つもの傷跡や、それを隠したがるように例の黒いテーピングが施されている
そして、俯いたまま淡泊に話す姿は、冷静さとは違う鎮痛さが伸し掛かっているように見えた。
「止めんな、ケイ!!
こんなふざけたヤツと一緒じゃ、それこそ上手く行くわけ無いだろ!?
今度のミッションは――――」
「おいおい、ふざけてるは無いだろ?
大体、そんなガナんなってよ。
こんなにちっちゃい女の子がしょぼくれてんだ。
”義を見てせざるは勇無きなり”、ってな」
あくまでも飄々として悪びれもしない黒髪の男に、パースと呼ばれた少年はますます鼻息を荒くする。
だが、その勢いのまま食って掛かる寸前、勇敢にも声を上げた人物がいた。
「あ、あの・・・・」
紅一点ということもあってか、色々と気遣われていた小柄な少女だ。
栗色の髪をアップに纏め、同じ色の瞳の眼は大きく、可愛らしい。
身に纏うのは重厚な機能性が見て取れるタイトな戦闘服で、分厚い上着を肩に掛け、マントのように羽織っている。
その背中に、手の込んだ意匠の獣・・・・否、
とはいえ、その厳めしい格好が似合うかどうかはまた別で、そもそもの背の低さと華奢さのせいで、どうしてもこの中の誰より幼く見えた。
「――――あたし、
「ぅえっ、マジかよ」
そして、恐らくこの中の誰も予想だにしなかった衝撃の告白に、黒髪の男は心底意外そうに、少女を上から下まで眺め見た。
「お、おう・・・・その、なんだ。
こいつは、俺の思い違いだったな、悪かった」
「はっ、おまっ、有り得ねぇーっ!?
そんな露骨なことしといて、今更謝ったって
「いや、マジで悪かったって。
てっきり、チビ達よりちょい上くらいだと思ってたもんで、驚いちまってよ」
口論の続く二人の間で、
「――――ふぇーん・・・・っ・・・・もう
ヨウ・・・・ジュノ・・・・レミ姉ちゃん、もう帰りたいよぉ・・・・!!」
「あっ、あっーあーっ!!??
お前、泣かした!!!!
2回も口滑らして、泣かした!!!!
お前、同じ
思ってたっても、言うもんじゃねぇんだ
おそらく、不安で仕方がないところへ更にズケズケと言われ、レミというらしい少女の啜り泣きが、明らかにボリュームを
「・・・・今のはおまえも悪いぞ、パース」
「うっせぇぞケイ!!
だいたい、全部コイツが、こんな時に余計なことべらべら言ってるから――――」
「おいおい、固い事は言いっこなしだぜ。
えーっと、パーシヴァル、だっけ?
大事なミッションの前に喧嘩は良くねぇ!!
ちゃんと仲直りしようぜ、パースっ♪」
「てめ、気安く呼んでんじゃねぇよ!!」
「おい」
やたらに低く、野太い声が荷室に響いた。
「
黙って待つことすら
荷室内を監視しているカメラで、気付いたのだろう。
同じく天井のスピーカーから、暴力に慣れた
まだ少年、少女といって差し支えない若者達へ向けていい
だが、決して
やはり、
「あぁ、悪かったな。
そんじゃ、もうちょい静かに親睦を深めとくとするさ」
あまりに気安い返答に、その場には別の緊張感が走った。
己の非を認め、
生意気だと
そんな、悪意に塗れた理不尽すら受け入れざるを得ないほど、彼らの境遇は過酷なものなのだ。
だというのに、横暴の権化たる官吏は今、舌打ちを1つ残しただけで引き下がってしまう。
それは、彼らの
「――――ってわけで、機嫌直してくれって、レミ。
流石に、この
ぐずるのも止めて、呆然としているレミ。
表情の薄いケイすら、多少の驚きが顔に出ていた。
すると、同じく呆然としていたパーシヴァルがふと我に返り、舌打ちをして頭を振る。
「・・・・いつまでもバカやってんなよ。
これから、俺達は
このミッションを、生き延びなきゃならないんだぞ」
一転して沈痛な表情で俯くパース。
握り合わせた両手は、震えていた。
そして、その
「おう。
ついでに言うなら、任務地は
危険過ぎて、
気弱そうにしゃくりあげていたレミは、一際に怯え、大きく身体を震わせた。
そうして恐れてしまうのは、なにも彼女だけでない。
泣き出すか、苛立つか、黙り込むか。
形は違えど、この場の誰もが皆、
「――――けどな。
レミには、弟や妹がいるんだろ?
パースにケイも、こうやって肩を並べて戦う仲間が、待ってるんじゃないか?」
そして、黒髪の男は知っていた。
どのような危地が待っていようと、いざ向かい立ったなら、戦って勝ち残るしか無い。
だが、命を懸けて、一心に
だからこそ、この大事な
「帰れる場所があるんだろ?
いざとなったら、ケツまくって逃げりゃいい。
生きて帰って、ゆっくり休め。
俺達は、ただ乱暴に使い潰される道具なんかじゃねぇんだ」
「・・・・あたし、帰りたい・・・・っ。
死にたくなんてない・・・・皆と、一緒にいたい・・・・っ!!」
膝の上の両手にぎゅっと力を込め、レミは声を絞り出していた。
今までの、ただの
俯いていたパーシヴァルは眼を丸くし、黒髪の男は満足気に頷く。
「おう、それで十分だ。
ま、あんま心配すんな。
このミッションくらいなら、俺がなんとかしてやっからよ」
「――――お前に何が出来るんだ?
ただのAGEが、一人で大口を叩くじゃないか」
ところが、その時。
話の外に身を置いていたケイが、強い語気を発し、黒髪の男を睨みつけていた。
「敵は、”対抗適応型アラガミ”。
俺達と同じ、過酷な
その戦闘力は、原種に輪をかけて強力になっている。
多少腕が立つくらいで、ヘラヘラと無責任な
「なっ、おい、ケイ!?」
「お前もだ、パース。
これは誰がロストしてもおかしくない、過酷な任務だ。
ただの
無駄に希望を煽る言動に、苛立ったのかも知れない。
確かに、ただでさえ活性化した
任務の難度と危険性も、決して楽観視など出来ないものであるのは事実だ。
シビアさを失わない思考、されど同時に仲間を思いやり、秘めた激情を顕にする。
黒髪の男は、ケイのそんな闘志に頼もしさと同時、懐かしさも感じていた。
「――――あんま理屈っぽく構えてると、いざって時に気持ちがついてこないぜ、ケイ。
それに、俺は安請け合いをしたつもりもねぇ。
言ったからには、俺が
その後ろをお前達が守ってくれれば、今までのとそう変わらずに仕留められるさ」
「その
「なんだ、俺のことを知らねぇってか?
実はこう見えて、今は
黒髪の男は、どこまでも
確かに、修羅場を前にも異様な落ち着きよう。
そして、飼い主である”グレイプニル”の官吏を相手にも余裕を持って立ち回る様は、ケイ達の知るAGEとはかけ離れていた。
「あ・・・・はい。
その、じゃあまず、お名前から・・・・」
「お、おお・・・・そっからか」
「お前・・・・せめて
「あ、す、すいませんっ。
あたし、緊張しててつい・・・・」
そんなとぼけたやり取りに、黒髪の男は愉快そうに笑う。
この任務に居合わせた、
刻々と近付く戦いの時。
そして、それを幾度なく制し、切り抜けてきた自信を滲ませる、
さながら、狩りを前に
「俺は、ジェット・ペニーウォートだ。
このメンツで一発、派手にカマしてやろうぜ」
果たして、その名を聞いた3人は、少なくない驚きに揃って目を見開いていた。
――――彼の名は、
近頃、他ならぬ
”クリサンセマムの鬼神”との異名までもを取る、凄腕の
>> To be Continued ――――
・Tips 1
「ジェット・ペニーウォート」
年齢 22
ボイスタイプ #06
神機タイプ
バイティングエッジ 「レシェフ双刃型 壱」
スナイパー 「無骸」
バックラー 「鳥装 陽」
バーストアーツ
GROUND 「カオティックドライブ」 薙刃形態時地上△攻撃が進化。攻撃範囲、威力を強化した突進連撃。
STEP 「双刃衝破」 ステップ△攻撃が進化。二刀を力強く叩きつけ、衝撃波を発生させる。
JUMP
衣装
上衣 「ダークセンチネル〔袖違〕」
下衣 「レイニーウィンター〔略装〕」
かつてミナト・”ペニーウォート”に所属していたAGE部隊、”ハウンドスクワッド”のリーダー。
コールサインはハウンド1。
黒髪黒眼の
劣悪な環境に置かれようとも陽気に振る舞う余裕とタフネスで、仲間達の中心人物となり、また大きな精神的支柱ともなっている。
更にはその戦闘力においても一目を置かれており、得意とするのは天性の瞬発力を用いた高速戦闘。
トレードマークである漆黒の
その不撓不屈の戦いぶりにより、自他共にハウンドスクワッドの最大戦力であると認められている。
一方で、その細かいことに拘らない性格故に、頭脳労働は苦手。
年下の子や、女性には心配をかけないよう振る舞いたいのだが、どうにも空回りしがちなのが長年の悩みのタネである。