GODEATER3>>Remember Chains. 作:志乃木千進
ハウンドスクワッドとクリサンセマム、ダスティミラーの三者会議を終えた、執務室にて。
アインは既に”ゲルギヤシステム”の調整作業に向かい、イルダも船内の案内の為に同道して行った。
「ミッションの準備と申請は、俺がやっておく。
お前は休んどけ」
「ああ、頼むな」
いくらも経たず
それを見送ったユウゴは、情報端末に眼を落とし、正式に任務として発行された
>> ポイントα安全保持の要請
作戦の
ダスティミラー
その間、我々は近隣の脅威を
確認アラガミ
ヌァザ
ヴァジュラ
ハバキリ
「――――やれやれ、お前さん方と来たら、大概な怖い物知らずだな」
その横合いから、ふと声がかかる。
会議の間は、イルダの補佐としての振る舞いに徹していたリカルドだった。
そして今は彼もまた、受け入れる補給物資の
「
普通なら顔面蒼白になるような内容なんだが、誰も彼も落ち着いたもんだ」
「普通の奴らなら、そうだろうな。
だが、
「そんなハードスケジュールじゃあ、ついて
さっきの航路選定も、敢えてリスクには目をつぶって、メリットの多い方を選んでるだろう」
「そんな
現状、なんら替えが効かないからこそ、高い価値で
何より、どんな無茶だろうと覆しちまう”クリサンセマムの
・・・・まぁ、本人はよりによっての
思わず、ユウゴの
いつからか、界隈にてまことしやかに囁かれ出した、ジェット・ペニーウォートに纏わる逸話。
”クリサンセマムの鬼神”という英雄的な
おそらくは、それらの要素が
「――――俺達の実力は、適切に評価されだしている。
少なくとも今は、これまで皆に助けてもらった
その実感が在る。
回ってくる依頼を見ていると、そう思うよ」
「お前さんがたが、そういう
・・・・しかし、だ。
おじさんとしては、そういう時にこそ無茶と無謀は、無理にでも遠ざけるべき、と思うんだよ。
今回だって、
結局、あえてリスクを背負い込んだ選択に、リカルドは
そこに関しては、同じく実戦の過酷さを知るユウゴとて、思うところが無いではなかった。
「・・・・だとしても俺は、ジェットの判断を信じるさ。
アイツの実力と戦術眼は、誰よりも冴えてる。
守るもんの為に踏ん張るところ・・・・それを見失う奴じゃないんだ」
「それはきっと、この船の全員が信じているさ。
・・・・ただ、な――――」
リカルドは、思わずといった風に執務室のデスクへと視線を
「――――優秀で高潔な人というのは、どうにも
その所為で、
悪いことじゃァ決してない、が・・・・そうして誰かに頼るのが下手なまま、ってのは、どうにも・・・・心配なものなのさ」
皮肉げな調子のリカルドに、ユウゴは今度こそ答えに
確かに、今のジェットは、この”クリサンセマム”全体の
一方で、それほどの重圧があればこそ
その生き様を
痛む
・・・・
・・・
・・
・
その頃、執務室を出たジェットは、フィムとクレアに出迎えられていた。
「おとさ~ん!!
ごはんにする?
おふろにする?
それとも~・・・・きんトレ?」
「フィ、フィムったら!?
もうっ、そんな言葉どこで覚えて・・・・って、きっとエイミーね」
「ははっ、何だ二人揃って待ってたのか?」
とてとてと走り寄ってきたフィムへ目線を合わせたジェットは、しかし開口一番に
「悪いな、フィム。
すぐに次のミッションに行かなきゃならねぇんだ。
お前はちゃんと、お風呂とご飯を済ませて、良い子で寝とけな」
「ふぇ~・・・・!?」
期待に満ちた眼から
微笑ましくも、どうにも申し訳なくもなる仕草を見守るジェットは、次いで
彼女もまた、心配そうに表情を曇らせ、ジェットを見詰めていた。
「さっき、灰域から帰ったばかりなのに、大変だね・・・・。
きっと、ルルの援護に行くのよね?
私も、いつでも行けるから」
「・・・・いや、同行はジークだけでいい。
クレアもリカルドも、
「えっ?
待って、私なら別にっ――――」
「じゃぁ、フィムもいく!!
おとさんと、いっしょ!!」
通常、アラガミ討伐任務は”4名”での参加が奨励されている。
先にジェットが参加した”特別な場合”を除き、希少な
ところが、あえてそれを下回ろうと言う判断に、クレアは目を見開く。
そして残る
「いいや、此処はおとさんに任しときな」
「えぇ~っ・・・・!?
でも・・・・・でも~・・・・」
単なる子供らしい
それでもジェットは、ついて来たがるフィムの頭を撫で、押し留めようとする。
「今日の活躍、見てただろ?
あれに比べりゃ、今度のなんざなんてことねぇ。
だから、フィムにはまた別の、重大なミッションを頼むとする」
「じゅーだいな、ミッションっ・・・・?」
「おう。
さっさと終わらせて、皆で帰って来るからよ。
フィムはちゃんと早く寝て、明日の朝の飯と風呂、用意しといてくれ。
な?」
大好きなおとさんからそうして
しかしその一方で、尚ももの言いたげな様子のクレアが、身を乗り出した。
「ねぇ、ジェット・・・・っ」
「お前もだぜ、クレア。
ここんところ戦闘続きだし、
アラガミ退治くらいは、俺達に任しとけ」
「――――・・・・それを言うなら、リーダーだからっていつも
ジェットが強いのは分かってるけど、それはきちんと、万全の状態でいられればこそでしょう?
グレイプニルの要請だからって、それで焦って失敗したら、元も子もないんだよっ?」
「そんな心配すんな、俺なら・・・・」
間違えようなく真剣に訴えているクレアに、ジェットはふと、不用意さを
ブリッジでの時のような、はぐらかすような
「・・・・今は、俺らにとっての
とうとう
だが、本当にヤバいところを間違えないよう考える、ってのは、
だから、今度も俺なりにしっかり考えて、今ならまだ出来る、と踏んだんだ」
「・・・・っ」
クレアは、
ジェットが決して退かないのは、本人の性格に加えて、ペニーウォートで共に育った仲間達の
何を言っても、何が待ち受けていようとも、平気だと言い張り
そして、事実としてジェットの力は、そんな重圧にも
この船どころか、クレアの今まで目にしてきた中でも、最強の
そんな彼へと差し挟める
「――――向こうで待ってるルルも、迎えに行ってやらねぇとだしな。
フィムのことは、頼むぜ」
「・・・・うん。
行ってらっしゃい」
「じゃあ、あのね!!
おとさんがかえってきたら、フィムもいっしょにおふろはいる~!!」
どこまでも無邪気に笑うフィム。
見た目通り、と言うにはどうにも甘えん坊な仕草で懐かれて、ジェットは珍しく困った顔を見せた。
「あー、流石に
後で、”おかさん”と一緒に入っときな」
「なっ!!??」
ところが、唐突に振り返りながら放ったその言葉に、クレアは思わず顔を赤らめ、大袈裟に驚いてしまう。
「い、いきなりなんだよ?」
「そ、それはっ、こっちの台詞!?
私を”お母さん”だなんて・・・・そんな、急に・・・・っ!?」
「フィムにとっちゃ、この船の
「えっ・・・・。
あっ、そ・・・・それ、は・・・・」
「なんだか盛り上がっているわね、三人共?」
慌てふためくクレアと対象的に、フィムもジェットも、あっけらかんとして笑うのみ。
すると、そんなやりとりの横合いからイルダが現れ、声をかけながら歩んで来る。
「それにしても、少し無遠慮な言い草だわ、ジェット。
今ではもう、フィムの方がきちんと、一人ひとりを見ているんじゃないかしら」
「へ?」
フィムは、はいっ、と大きく胸を張って頷いた。
「あのね、クレアはやさしくって、やわらかくて、ぽかぽかするの!!
イルダはおっきくて、でもなんだかすごくホッとして、かっこいいんだよ!!」
「へぇー、なんだ、そうだったか!!
そんなに色々分かるようになって、偉いなフィムっ」
「まったく・・・・アインさんは、もう作業に入ったわ。
貴方もそろそろ備えないといけないのではなくて?」
「っと、俺が寝坊したなんてなったら格好がつかないな。
んじゃぁフィム。
クレアと一緒に、明日の用意は任せたぞ」
「はーいっ!!」
結局、ジェットはそうして言いたい放題にして、踵を返して行ってしまう。
そして、なんでもなく言われた
なんだか
「・・・・クレア?」
「ねぇ、フィム?
”おとさん”と”おかさん”は、特別な言葉なの。
だから、そう呼ぶのも、呼ばれるのも、”特別”なのよ。
そうでしょう?」
「うん、とくべつっ!!」
「・・・・イルダさん」
「――――彼にも、困ったものね。
誰よりも強く仲間を、家族を守ろうとしている。
そんな
穏やかに語り掛けるイルダから、クレアは咄嗟に目を逸らしてしまう。
数多くの出来事を
「ああいうタイプってね、きちんと目を見て言葉にしないと、本当に気付かないままよ?」
「・・・・そういうのじゃない、です。
・・・・ただ、私は・・・・」
弁明めいて口を開けど、そこへと
・・・・
・・・
・・
・
――――3時間後。
まだ真夜中の内に出発したジェットとジークは、今回の任務地点である、放棄された
「しかし、近頃は寝起きのたびに
・・・・って、うぉっ!?
てめっ、ジーク!!
もうちょっと丁寧に運転しろよ!!」
「ようやく宣伝効果に収益が追いついてきた証だとか、ユウゴはニヤついてたぜ。
っ、へへぇ!!
ま、この俺サマのハンドル捌きに任せとけってよ!!」
「おいっ・・・・お
果たして、そんな見事なドライビングの
単に
任務地点である市街中心部から少し離れた
其処で、既に
しなやかな体つきと、長い黒髪を持った美女だった。
「・・・・来たのか、ジェット」
――――振り返らせた切れ長な目つきは鋭く、更には右眼に掛かるように大きな
表情も薄く、ともすれば
抜群のスタイルを持つ細身に映える、赤色の印象的な薄手のトップスに、スキニーパンツ。
されど、その右肩には痛々しい包帯のように黒のテーピングで巻き付けてあり、長い手足には堅固な防具を装着して、戦士としての風格を漂わす。
一方で、艶のある黒髪の毛先には
「おーい、俺もいるんだぜー、”ルル”」
「分かっているさ。
ただ、珍しくそちらが、機嫌悪そうにしているからな」
見た目通りに落ち着いた口振りで、何やら
「ああ・・・・これからは運転を任せる相手はよく考えねぇと、ってな。
・・・・まぁ、んなことよりミッションの用意だ。
アラガミや
だが、これの効果は時間を置くことで
そして、今回のように
神機使いには相応の負担を強いてしまうものの、
「――――とはいえ、もうけっこう長いこと
無理はすんな。
俺達だけでもやれるミッションだからな」
「はぁ!?
流石に二人だけじゃしんどいだろ!!
・・・・でも、まぁ、ルルが出ずっぱりになるのもなんだしな」
と、提案してみた男2人の視線に、ルルは
「バカを言うな。
それこそ、長いこと待っていた意味がない」
言いながら、ルルは神機用キャリーケースから、自身の
赤を基調とした揃いの二刀、バイティグエッジ。
射程と威力に優れたスナイパーと、軽量で取り回しに優れるバックラー。
偶然にも、彼女の得意とする構成はジェットと全く同じだった。
「・・・・あまり、見くびってくれるな。
この程度で音を上げるほど、バランのAGEはヤワではない」
彼女の正しい名前は、”ルル・バラン”。
ジェット達のかつて所属していたミナト・ペニーウォートに
そして、どこか聞き覚えのある
「そうだったな。
んじゃ、とっとと終わらせて帰るとするか」
<――――こちら、エイミー・クリサンセマム。
皆さん、無事に合流できたみたいですね。
・・・・ナビゲーション情報のリンク、確立。
周囲の環境情報、問題なしです>
装備を整え、ジェット達は進入ポイントに到着する。
開始予定時刻までは、ほんの
夜明けが近付き、白み始めてきた空の下に、放棄された
文明の
大小様々なあらゆる建造物を、溶けたバターのように抉り取るそれらの
「街ってのはどこも似たような景色だよなぁ。
「ぼちぼち、そうも言ってられなくなるかもな。
向こうの空を見てみろ。
夜とは違う、
<これより先の
アジャストに努めているんですが、このままではオペレーションどころか、
「・・・・・・・・・・」
会話には参加せず、物静かに
普段からあまり口数の多い方ではない彼女だったが、しかしこの時のジェットは其処へ、ふとした
「そういや、ルル。
前に、船に挨拶に来たバランの
そう話しかけつつ、ジェットはふと、さっきのルルの言葉を思い返していた。
ルルが、何らかの必要に応じてでなく、自分からバランのことを口に出すのは、少し珍しかったからだ。
「・・・・ああ。
あのキャラバンの船長も、護衛の
「今時、”久々に会う”ってのもなかなか珍しいよな。
別々の組織の、しかもAGE同士でもう一度会うなんて、そうあることじゃねぇ」
かも知れないな、と答えるルルの表情は、やはりどうにも浮かない感じに見えた。
「
バランにいた頃と、何も・・・・」
「・・・・その顔じゃ、会えてもそう嬉しい相手じゃ無さそうだな」
「ん・・・・」
曖昧に返事をするルルは、次いで
「って、なんだよ?
もしかして、俺らと会えたのは嬉しかったってか、ルル?」
「・・・・そう、だな。
実はさっき、ジェットとジークが来てくれて、少し安心したんだ。
以前は、こんな事は思わなかった。
一人で戦うのが、当たり前だったからな」
「ぬわっ・・・・なんだよ、茶化した俺が悪い感じじゃんか・・・・」
「――――なら、今は仲間と戦うのが当たり前、ってことかもな。
「・・・・バランは、古巣だが・・・・私にとってはただ、次のミッションまでを過ごす場所でしかなかった。
でも、今・・・・クリサンセマムの中での”時間”は、とても大事で・・・・このまま守りたいと思っている」
すると、ルルは一輪の野花のような小さな笑みを口端に浮かべる。
恐らく、今の日々に
「やろう、ジェット。
今、このミッションも、これから先も、一つたりとも失敗するわけにはいかない」
言葉少ななだけに、いざ口に出したその決意は固く、そして確かだ。
そんなルルの性格を知るジェットとジークなら、信頼して背を預けるには十分だった。
<フィムちゃんとクレアさん、明日は美味しいブランチを作るって、張り切ってましたよ。
強敵との遭遇が予想されますが、皆さんなら大丈夫!!
ミッション、開始してください!!>
「おう。
んじゃぁ行くぜ、皆っ!!」
ジェットの
朝陽を受けてはためく漆黒の
「――――今回の作戦の
この時間、”ヌァザ”は縄張りの巡回のため、この一帯を離れる。
その間に他の二体を討伐し、最後に奴を迎え撃つ」
市街を疾走する3人のAGE。
作戦地点に入って直ぐ、大きな噴水が
重厚な
刺々しい黒い体毛が生え、
まさしく
”獣神・ヴァジュラ”は、確認された多様なアラガミの中でも
「こっちは、俺に任しときな!!
ジークは首のマフラーを踊らせ、ジェットに勝るとも劣らぬ
物音に振り返るヴァジュラの
およそ銃の距離ではない密着状態で、
銃口からはマズルフラッシュが起こり、そして
そうして、猛虎の目を存分に引いた後、更にジークはその鼻先へスタングレネードを投げ込み、混乱を生じさせる。
<じ、ジークさん!?
うちの
アラガミ、怯みました!!>
「っはは!!
んじゃ、そっちは任せたぞ、ジーク!!」
更に連続でスタングレネードが弾けるのを
それが、作戦の
大型アラガミと分類されるヴァジュラは
とかく
2人は細い間道を抜け、更に
先程の広場と隣り合う区画には、遠目にも分かるほど大きい
高台の上に
其処に、ジェット達のターゲットは堂々、佇んでいた。
「目標発見。
さぁて、戦闘開始だな」
――――それこそが、女性を
古の
その色合いと、上体の鎧と兜の
一方、下半身は重厚に肥大しており、その正体とはどのような荒れ地も走破する機動性を持つ”ホバーブースター”。
そして今、その機甲の身体が音を立てて稼働し、無遠慮に現れた
「同じ
”腕試し”にはちょうど良いな」
不敵に呟くルルに、ジェットもまた、小さく鼻を鳴らして応える。
彼女の言葉の通り、今回の任務は着実に上り詰めるべき
そして同時に、ジェットに託された、”新たなる力”を
<――――ハウンド1.ハウンド3、目標アラガミと戦闘開始。
ハウンド2、尚も単独でヴァジュラと交戦中・・・・くれぐれも、無理はしないでくださいね>
「始まったか」
任務地点後方で控えるクリサンセマムのブリッジでは、クルー達が一同に介して作戦を見守っていた。
そこへ姿を現れたアインは、本来ならば部外者にあたるものの、今回の”腕試し”の中核を担う人物として、敢えてこの場へ足を踏み入れたのだった。
「アインさん」
「わっ・・・・」
傍にいたクレアの呟きに振り返るや、咄嗟にその陰に隠れてしまうフィム。
そんな様子を一瞥し、アインは再度モニターに視線を戻す。
すると、ややあって再び後方のエレベーターが可動し、開いた扉からはイルダとリカルド、そしてなんとも慌てた様子の少年が飛び出してきた。
「ちょっとっ待ってくださいって、アインさんっ!!」
――――彼の名は、キース・ペニーウォート。
ハウンドスクワッドのメンバーであり、ジークの
しかしながら、前線で活躍している
印象的な水色のウインドブレーカーに、動きやすいズボンに厳ついブーツ。
腰回りに様々な作業工具を突っ込んだ
そんな見た目の通り、彼の才と情熱は、兄と同じ
実際、早熟と言ってなお
そして、普段は自分の職場である機関エリアに
「珍しいな、お前がこっちまで上がってくるのは」
「当ったり前だよ!!!!
異なるミナト同士の、研究と努力の結晶!!
”
一世一代の瞬間なんだからさ!!!!」
「・・・・うごかないと・・・・だいじょーぶ?」
「・・・・あぇ」
「・・・・もう、キースったら。
ね、大丈夫だよ、フィム」
大好きな”おとさん”の為に頑張って起きてきたというのに、すっかり肩を落としてしまうフィム。
クレアやユウゴが
「でも、ね。
おとさんの”じんき”・・・・なんだか、う~、ってなってて・・・・こわい、よ」
フィムは、
実際、それは
「確かに・・・・ゲルギヤシステムとは、簡単に言えば、”神機を怒らせる”代物だ。
だがもちろん、使用者に危険が及ばないよう、厳重に管理されている」
「・・・・でも・・・・あの、そんなことをして、ジェットの身体に
「
その為に、俺とアインさん達で、ずっとずっと研究と調整をして来たんだ!!
これって、本当にすごい発想なんだよ!!
この激しい
此処には、瞬間的に
単に外付けのプラグインユニットでは終わらせず、神機の基幹部である”アーティフィシャルCNS”とマッチングさせることで、
ダスティミラー・・・・いや、アインさん謹製の連動、並列、万能な演算システムを、先輩の神機特性に合わせて入念にキャリブレーションしてあるし、それによって神機の稼働効率自体だって、従来より遥かに――――」
よほどそのシステムに興奮しているのか、
もはや夢中な彼だったが、反対にフィムは段々と表情が曇り、身体までも小さく、小さく縮こまっていってしまう。
「おとさんのじんきも・・・・おこったら、こわくなるの?」
とうとうフィムは、より一層にクレアへしがみついて声を震わせる。
そんな小さな姿に、クレアだけでなくイルダも、優しい手つきで撫で擦った。
「
そして
本来、その奥底に封じられている激しい
アインさんは、そう仰っていましたね?」
「・・・・とはいえ、現役の人間としては正直、想像のつかない話ですよ。
怒ったアラガミ・・・・あんなに恐ろしいものを
モニターの向こうで暴れ回る巨大な怪物達へ、リカルドもまた
その時、エイミーがメインモニターにも表示されている重要なパラメータを、鋭く読み上げる。
<ハウンド1、
「・・・・神機に眠る
その基幹理論自体は、既に完成されている。
だが、結論から言えば、もはや暴走に等しい神機の
「そんな・・・・じゃあ、ジェットは・・・・」
「――――だからこそ。
最も初歩的な要素である、”神機との
詰まる所、
神機使いの誰もが行う”最初の戦い”であり、単純ながら
だが、ジェット・ペニーウォートが持つほどの”資質”ならば間違いなく、その
「――――
通信機にも乗らないほど小さく、ジェットが呟いた、途端。
その前方で構えるハバキリの、突きつけた
黒い
そして、
瞬間、凝縮された雷撃が
「遅いな」
ルルが、ハバキリへ
しかし次の瞬間、
「おぃしょぉ!!」
ハバキリは振り返りもせず、電撃の剣の
一方で、今の
強大なアラガミを相手に、自身を強化しつつ戦う、という神機使いの”セオリー”を
<――――ハウンド1、
その
戦闘の中、敢えて
>> ・制御ユニット 攻撃力+30%
直後、両腕の剣を振り回して突進するハバキリに対し、ジェットは大きく後退。
そしてそのまま、背後に背負っていた建物を蹴飛ばし、重力をまるで無視した速さで、その
「そら、こっちだ!!」
規格外の身体能力で
およそ
オラクルエネルギーを強引に叩き込み、そしてジェットは再び接近戦へ切り替える。
その背中越しに、再び同じ
的確に弱点を撃ち抜く射撃術を見せたルルは、素早く狙いを変え、ジェットへ
「今だ、行け!!」
――
光を纏って加速するジェットは、輝くバーストアーツを叩きつけ、また距離を取る。
2方向からの
だが、尚も
大きく
機甲の身体と、電光の剣を振るうアラガミ。
その
(その位置なら、次はさっきの飛び道具。
もしくは――――}
その途端、ハバキリは
目にも止まらぬ斬撃と同時、空間に稲妻が
だが、
即ち、飛翔と同時に構えた
――
螺旋を描いて降下し、薙ぎ払い。
其処へ、更に赤色の
「砕けっ!!」
靭やかに繰り出す二刀の
”結合崩壊”の
その瞬間、踵を返して突っ込むルルの身体に、
「呼吸を合わせるっ」
薙刃形態を掲げるルルには
そしてそれは、彼の
”エンゲージ”と呼ばれるこの
そして同時に、言葉や感情で他者と
ジェットとルルは互いの光を分かち合い、
「おらぁっ!!!!」
ジェットは再び空中から突進し、ハバキリの機動力を支えるホバーブースターへ猛攻をかける。
ルルも軽やかに舞い上がり、先程散々に撃ち込んだハバキリの頭部を、
<アラガミ、オラクル反応低下しています!!>
「後がつかえてるからな。
押し通すぜ!!」
ハバキリが、結合崩壊から体勢を整えるや否や、2人のAGEは再度、
手負いの敵は尚も怯まず、次の狙いをルルへと向け、飛びかかる。
脚部の
しかしルルはその狙いを見切り、絶妙なタイミングで大きく飛び
そして、的《まと》を外したハバキリの着地際へ、ジェットはダイブで突っ込み、捕喰攻撃。
「頼んだぜ!!」
そのまま空中でルルに照準を向け、発射。
ジェットからの
その脚部を低く薙ぎ払うや、頑強なホバーブースターの
「このまま仕留める!!」
気迫を
ジェットはその横合いから
これほどの距離なら、もはや狙いも何もない。
「散れっ!!」
ルルが身を
そして、ジェットが最後の1発を撃ち込んだ瞬間、ハバキリの頭部が完全に
身体を駆け巡っていた
「――――目標沈黙、ってな。
さて、次だ、ジーク!!」
<っと、なんだよ!?
こっちはこっちで大変なんだって!!>
「そりゃ楽しみだな。
今、そっち行ってやるよ!!」
<は、早い・・・・!!
灰域種の反応はまだ戻ってきていませんっ。
チャンスですよ!!>
「――――せぇーの!!」
ただ一人でヴァジュラを相手取るジーク。
彼の振り上げたブーストハンマーの先端が変形し、その名の由来たる大出力ブースターから
その加速力を借りたジークは、ヴァジュラが目前に発生させた5つの
「フィニィーッシュ!!!!」
ブーストハンマーの
そして続けざま、そこへ
「ジーク、無事かっ?」
「見りゃ分かんだろ、ルル!!
そっちは終わったんだな!?」
「おう!!
さぁて、此処《こっ》からだぜ!!」
合流した3人は、
だがそれと同時、まるでヴァジュラの巨体へ
天を仰いで野太い大音声《だいおんじょう》を上げ、背のマントは電光を帯び、荒ぶる
即ち、怒りによる活性化を引き起こした、此処からが本番。
その身を
まして威力を増した電撃に直接当たれば、ただ一撃で致命的なダメージを受けかねない。
「来るか・・・・」
「・・・・ああ、どうやら
唐突なジェットの
<ハウンド1、
「
”例のやつ”、此処でやるぜ!!」
ジェットがそう声を張り上げた、瞬間。
ルルとジーク、そして通信の向こうのエイミーも、戦闘の
<――――了解っ!!
そしてその空気は、遠く離れたクリサンセマムのブリッジをも震わせていた。
「おとさん、がんばれぇ~っ!!」
仲間達の見守る中、モニター映像の向こうで駆け出すジェット。
その援護のため、素早く散開するジークとルル。
「キース、俺達で”PKSC”の観測を行うぞ」
「はいっす!!」
現場での動きに
そしてエイミーは、ジェットの要請に応じ、この
<各制御ユニット、動作開始!!
アーティフィシャルCNS、システムリンク!!
”ペンタサーキット”、最終セーフティ解除っ!!
「・・・・いよいよ、ね。
お願い・・・・後悔は、させないで・・・・!!」
「お前ならやり遂げる・・・・だよな・・・・っ!?」
「・・・・ジェット・・・・っ――――」
そして、
ジェットの
聞く者の
AGEとして、もはや
その深奥に
「――――
ジェットが、鬼気迫る一喝を放った、刹那。
遠くを漂う灰域も
そして、街並みを踏みしだく”荒ぶる神”も、悲鳴を上げて
「
今までとは比較にならない
<ハウンド1、
神機、開放出力・・・・184%!!??>
「ああ、分かるぜ!!
今が攻め時だってなぁっ!!!!」
嵐のように
こうして、
しかし同時に、もし
絶大な
見上げるような高度の頂点で、
だが、瞬く間に降り落ちてくる
本来なら一瞬しか発揮できない
――カオティックドライブ――
着地するヴァジュラへ、青いオラクル纏う
その破壊力に押され、暴れ回るヴァジュラの側面に
肉薄する恐るべき脅威へ、ヴァジュラは振り返って前足を叩きつける。
だが、その
――
凄まじい回転降下で斬り刻み、着地と同時に
自身の数倍はあるヴァジュラを
「
ハウンドスクワッド隊長の号令に、ルルとジークが続く。
「命中、させるっ!!」
ルルの射撃が、弱所を的確に射抜く。
「ブーストッ!!」
ジークの鉄槌が火を吹き、ヴァジュラの頭蓋を打ち叩く。
瞬間、頭部と前足が同時に
「そのまま、寝てろ・・・・っ!!」
ジェットは薙刃を構え、流星のように吶喊する。
「――――
「これが・・・・ゲルギヤシステムの適合の結果、なのか」
それを前に
「ふぅーっ・・・・!!」
その激しい昂揚を呼気と共に
されど、そこにはいつもの陽気さは無く、強大な”アラガミ”と
その
常に先陣を切り、また最大の戦果を発揮し続ける、
>> To be Continued....
・Tips 4
「
ミナト・ダスティミラーの主であるアインが独自に開発する
これに
そして、それと同調する4重の複合制御回路、|”Pentagonal Kernel Suppression Circuit”の、三つ
オラクル細胞本来の
しかしながら、神機とその使い手には多大な負担を
何よりも、極めて優秀な
現状、最低でも
あまりに厳しい使用条件ゆえに、