前にも言ったことがあるかも知れないけど、鎮守府と呼ばれる場所には大体「居酒屋鳳翔」も「甘味処・間宮」もある。
うち…海神警備・岩川台営業所みたいに、外部に対して開放されたタイプの鎮守府だと、「居酒屋鳳翔」や、「甘味処・間宮」は、近隣に住む人間も利用できるようになってたりする。
だから海神警備・岩川台営業所近辺に住む人たちも、気軽に「居酒屋鳳翔」で食事やお酒を、「甘味処・間宮」でスウィーツを楽しんでる。
「甘味処・間宮」には、若いお客さん…中学生とか、高校生とかがよくやってくる。
見た目が中学生ぐらいの駆逐艦娘も、「甘味処・間宮」を溜まり場にしていたりする。
私・黒鉄清霜にとっても、「甘味処・間宮」はお気に入りのお店だ。
「甘味処・間宮」に居ると、私たち駆逐艦娘は、見た目が中学生ぐらいと言うこともあって、そこにやって来る中学生や高校生と知り合って、親しくなることもある。
市立M中学校の生徒、佐竹くんも、私の知り合いの一人だ。
その日、私と佐竹くんは「甘味処・間宮」で同席していた。
最初何を話していたのかは忘れたけど、話の途中で、佐竹くんが私に聞いてきた。
「そういやキヨチーって、英語話せるんだよな。」
「え?ああ、うん、まあね。」
意外に思われるかもしれないけど、私は英語を話せる。
…って言うか、艦娘はみんな―――ドイツ艦もフランス艦もイタリア艦も―――英語は話せる。
あの戦争の時「海軍兵学校の学科から、敵性語である英語を外そう!」と、世間に言われたことがあった。
けど、海軍兵学校の校長先生が…
「どこの世界に自国語しか話せん船乗りが居るんじゃ!英語も話せん船乗りが居るんじゃ!」
…と言うようなことを言って、英語を学科から外したりはしなかったとか。
そのせいか、帝国海軍駆逐艦・清霜を起源に持つ私も、英語は話せる。
(ウォースパイトさんとかは、英語、日本語、フランス語も話せるし、アイオワさんとかはどういうわけかアラビア語も話せたりする。)
で、私が英語を話せることを確認すると、佐竹くんはこんな話をし始めた。
この何年かの間いろいろあったけれど、最近になってまた、大勢の外国人観光客が日本を訪れるようになった。
「日本!イイね!」と言ってくれる人が殆どのようだけど、中にはこんなことを言う人も居るらしい。
…日本人のほとんどが英語を話せないのが不満。
…今という時代、英語は実質的に世界共通語なんだから、日本人も皆、英語ぐらい話せておくべき。
「一体何様のつもりなんだよ?」
「好き好んで人ン家に来といて、その家の人に偉っらそーにこんなこと要求するなんてさ。」
「キヨチーはどう思う?」
佐竹くんが私にこの話を振ってきたのは、私からの…英語を話せる人間(私は人間じゃないけど)からの意見を聞きたかったから、みたい。
自分の意見が、英語の出来ない人間のひがみとかじゃないってことを、確認したかったからみたいだった。
実のところ、英語…英会話を習得するために特に努力をしたわけでもない私が、佐竹くんに対して
「それは英語の出来ない人間のひがみだよ」
…なんて言えるわけもない。
それに、考えてみれば…
「うーん、そうだよね。」
「確かに私は、英語なら話せるから、英語で話してくれよって言われたら対応出来るけど。」
「でもここで、日本人はみんな英語も話すべきとか言う要求に応じちゃったら」
「英語が良くて、なんでフランス語はダメなんだ、ドイツ語はダメなんだ…とか言われちゃう。」
「しまいには、日本人はみんな全世界の言葉を話せなければダメってことになっちゃうよね。」
…ホントにこう思う。
「だろ?やっぱキヨチーから見ても、そう思うよな?」
佐竹くんは、私の応えに満足したみたいだった。
「語学の話か?」
私の後から、声が掛かった。
振り返ってみると、そこには…武蔵さんがいた。
武蔵さんは私の隣に座って、伊良湖さんにアールグレイ(ホット)を注文した。
私と佐竹くんの話に、興味を持ったみたいだった。
私も、武蔵さんが、佐竹くんの話に対してどんな意見を出してくれるのか、興味が湧いてきた。
それで…。
「そうなんです、さっきこの…佐竹くんと話してたんですけど…」
私は武蔵さんに、佐竹くんの話を聞かせてみた。
「外国人観光客は好き好んで日本に、英語があまり通じない国に来ているのに」
「彼らは日本人も英語で話すべきと要求するのか…ということか。」
武蔵さんは、佐竹くんの憤りを要約した。
「そう、そういうことです!」
「武蔵さんも、こういうこと言う人って厚かましいと思いませんか?」
佐竹くんは、武蔵さんにも同意を求めた…けど。
「…まあ私も、その外国人の要求は過大な要求だと思うが…」
「ところで、佐竹くんとやら…お前がそうして憤っているのは」
「英語で、外国語で話すことは、日本人にとっては大変な負担だから」
「…ということが理由になっていないか?」
武蔵さんは、こうして佐竹くんに問いかけ始めた。
「え?でも、そうでしょ?」
「英語って、ただ英単語を覚えただけじゃ話せるようにはならないでしょ?」
「英単語を覚えるだけじゃなくて、色々なルールも覚えなくちゃならない。」
「have+過去分詞…だとか、関係代名詞だとか、不定詞の副詞的用法、形容詞的用法、名詞的用法…だとか。」
「覚える単語からしてたくさんあるってのに、こんなややこしいルールまで頭に入れて話せなんて、無理ゲーも良いところでしょ?」
「お前は、英語は英単語を覚えただけでは話せるようにはならないと言うが…」
「…それは誤解だ。」
「英語は、外国語は、ただ単語を覚えるだけでも結構話せる。」
「今お前が例に挙げた…現在完了形とか、関係代名詞とか、to 不定詞とかの文法だが…」
「…実際に会話する時には、こんなものは必要ない。」
「え!ええ?…で、でも。」
「ああ、必要ないというのは言い過ぎだった。」
「だが、こういう文法というやつは、後まわしにしても良いんだ。」
「ああ伊良湖、ちょっとホワイトボードを出してくれ。」
武蔵さんは通りかかった伊良湖さんにホワイトボードを注文した。
伊良湖さんは、お店の奥からホワイトボードを持ってきた。
いつも思うんだけど、「甘味処・間宮」は飲食店のはずなのに、どうしてこんな貸し会議室みたいなサービスをしてくれるんだろう…。
武蔵さんは説明を始めた。
「英会話に限らず、会話というものは」
「誰かに話しかけることから始まる。」
「で、どうして人は誰かに話しかけるのかと言えば…」
「…その誰かに用があるから、その誰かにして欲しいことがあるからだ。」
「ならば、会話というものを、言葉というものを学ぶ最初の一歩は」
「平叙文ではなく、命令文だということになる。」
「だから…」
武蔵さんはホワイトボードに書いた。
・動詞で始まる文は命令文
・それ以外は平叙文
「この原則によって話すことが、外国語会話、言葉を学ぶ第一歩になる。」
「この原則から、会話の型というか、パターンも導き出される。」
命令文:V+O+X. ≡Vしてください、Oを、Xで/へ/から/(その他)。
平叙文:S+V+O+X.≡Sは、Vする/Vである、Oを、Xで/へ/から/(その他)。
否定表現:否定語+V ≡Vしない/Vではない
疑問文 :平叙文はそのまま疑問文でもある。(語尾を上げて発音する、等で区別する)
必要に応じて、S,V,O,Xの各項を疑問詞に置き換える。
名詞の格変化:ある名詞が主語か目的語かは、型の中で名詞が入る位置によって決まる。
だから名詞の格変化は不要。
名詞の複数形:数詞+名詞 名詞の前後に数詞が来れば、複数であることは推察出来る。
だから名詞の複数形は不要。
時制の変化 :過去の話、未来の話をしたいのなら…
…X項に過去/未来を表す単語・表現を代入すれば良い。
動詞の形を変える必要はない。
分詞など :使い方を知っているのなら使っても良い。
比較表現 :使い方を知っているのなら使っても良い。
「会話において、誰かに話しかけると言うことは」
「S,V,O,Xの各項に、知っている単語・表現を代入するということだ。」
「会話において、誰かの話を聞くと言うことは」
「聞き取れた単語・表現を、S,V,O,Xの各項に代入するということだ。」
「特に誰かに話しかけるとき」
「お前が言うような、時制だとか、分詞だとか、話法だとか、名詞の複数形や格変化とか、」
「そんな細かい文法ルールなど、最初は無視して構わない。」
「自分の知っている単語・表現を、知っている形のまま各項に代入すればいい。」
武蔵さんの説明を聞いて、佐竹くんはちょっと不満げな顔をしていた。
そんな佐竹くんを見て武蔵さんは、話を続けた。
「英語が難しいとか、泣き言を言う前に勉強しろ」
「…と、言われたように感じたか?」
「そう思わせてしまったのなら、済まない。」
「だが、今説明した方法は…」
「日本人が外国語を話す方法であるだけではない。」
「外国人が日本語を話す方法でもあるんだ。」
「もちろん、こんな大雑把な型・ルールで話す日本語は」
「どうしても大雑把でカタコトな日本語にならざるを得ない。」
「それでも…」
「私、行く、N駅へ、如何に?」
「外国人が、お前にこう言ったとしよう。」
「この外国人が、何と言いたいのかわかるか?」
武蔵さんに問われて、佐竹くんは…。
「え?」
「ええと…N駅にはどうやって行くんですか…ですか?」
「…その通りだ。」
「これほど大雑把でカタコトな…」
「…正しいとは言い難い日本語なのに、お前は意味を理解出来たな。」
「我々はこうして、大雑把でカタコトで、正しいとは言い難い日本語でも理解出来る。」
「なら外国人も、英語が通じないと文句を言う前に」
「大雑把でカタコトで、正しいとは言い難い日本語でも、日本語で話してほしいものだ。」
「私も、そう思ってはいるよ。」
佐竹くんの不満は、和らいだみたいだった。
「だから我々も…」
「je aller à N-gare comment?」
「このぐらい大雑把でカタコトな、正しいとは言い難い外国語で話してみよう。」
「…とも思っているが、な。」
武蔵さんが話を一段落させると、今度は佐竹くんが話し始めた。
「あ、でも武蔵さん。」
「よく考えたら今の時代、スマホには音声にも対応してる翻訳アプリがあるし」
「会話を翻訳するツールだってありますよ。」
「だったら、時間を取って外国語を勉強するなんて、殆どの人には無駄なんじゃないですか?」
…佐竹くん…色々言ってたけど、結局英語の勉強がイヤなだけなんじゃ…。
でも武蔵さんは…。
「…まあ、そんなアプリやツールが便利なのは私も認めるが…。」
「…機械や他人に任せず、自分で何かを話す、言葉を使うということは」
「S,V,O,Xの各項に、知っている単語・表現を代入するということだった。」
「これは何か話をする時に、使う言葉の数を絞り込むということでもある。」
「犬養閣下は、話せばわかると言っておられたそうだが。」
「実を言うと、言葉というものは、」
「使えば使うほど、言いたいこと、伝えたいことを覆い隠してしまう。」
「だから言葉を使う時は」
「使う言葉を、言葉数を絞り込まなければならない。」
「こうして言葉数を絞り込むということは、」
「自分が何を言いたいのか、伝えたいのかと言うことを確りと理解することを意味している。」
「機械や他人に任せたりせず、自分が、自分の言葉で何かを話すということは」
「自分が直面している現実を、自分自身の心を、理解すると言うことを意味している。」
「翻訳アプリやツールは確かに便利なものだが。」
「言葉を使う、そのことを機械や他人に任せていては…任せてばかりいては」
「人間は現実を、自分の心を、自分の人生を失うことになりはしないか。」
「…私はそう思ってしまうんだが…お前はどう思う?」
「………。」
思いがけず、何というかテツガク的な問いかけをされて、佐竹くんは黙りこんでしまった。
武蔵さんは、アールグレイ(ホット)を一口してから、また話し始めた。
「そう言えば…佐竹くん」
「外国人観光客が英語の通じない日本に不満を感じている、という話だが…」
「…それは動画サイトから拾ってきた話なのか?」
「え?…はい…まあ…。」
「動画サイト、か…」
「私もよく視聴している。」
「色々な人間が、色々な情報を、色々な視点から見て、考え、伝えている。」
「まあ…面白いものだな。」
「動画というものは、言葉だけでなく、映像や画像、音によっても我々に何かを伝えるわけだが。」
「映像や画像、音も、何かを伝える方法・道具という意味で、一種の言葉だと言える。」
「すると私は、動画サイトを視聴することで」
「凄まじい量の言葉に触れていることになる。」
「さっきも少し言ったが、言葉というものは」
「使えば使うほど、伝えるべきことを覆い隠してしまう。」
「私も動画サイトを視聴することで、凄まじい量の言葉に触れていることになるが」
「私は動画投稿者たちが伝えようとしていることを、本当に受け取れているのか…。」
武蔵さんの言葉は、独り言のようで…
…それでいて、佐竹くんだけじゃなく、私にも向けられているように思えた。
「ああ、変な話をしてしまったな。」
「…まあ、言葉というものは受け取るだけではなく、送り出すことも大事だということさ。」
「それも、機械や他人に任せたりせず、自分自身の口と、言葉で、な。」
「そのためには、動画やその他のメディアが言うことを、そのまま真実とするのではなく」
「今ここに居る自分自身が見聞きし、感じていることから真実を捉え、整理し、そして言葉にすることだ。」
「結局、言葉を使うということは…そういうことなのではないかな。」
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付録1
原則
・動詞で始まる文は命令文
・それ以外は平叙文
会話の型
・命令文:V+O+X. ≡Vしてください、Oを、Xで/へ/から/(その他)。
・平叙文:S+V+O+X.≡Sは、Vする/Vである、Oを、Xで/へ/から/(その他)。
否定表現:否定語+V ≡Vしない/Vではない
疑問文 :平叙文はそのまま疑問文でもある。(語尾を上げて発音する、等で区別する)
必要に応じて、S,V,O,Xの各項を疑問詞に置き換える。
名詞の格変化:ある名詞が主語か目的語かは、型の中で名詞が入る位置によって決まる。
だから名詞の格変化は不要。
名詞の複数形:数詞+名詞 名詞の前後に数詞が来れば、複数であることは推察出来る。
だから名詞の複数形は不要。
時制の変化 :過去の話、未来の話をしたいのなら…
…X項に過去/未来を表す単語・表現を代入すれば良い。
動詞の形を変える必要はない。
分詞など :使い方を知っているのなら使っても良い。
比較表現 :使い方を知っているのなら使っても良い。
会話って言うのはS,V,O,Xの各項に知ってる単語・表現を代入すること。
…っていうのが、武蔵さんが説明した外国語会話の方法・ルールだった。
このルールに沿って外国語で何か言おうと思ったら、外国語の単語をある程度覚えている必要がある。
でも、どのくらい覚えているべきなのか?どんな単語を覚えておくべきなのか?
それで途方に暮れる人も多いんじゃないかと思う。
それで、私が武蔵さんに聞いてみたら、武蔵さんは下のリストを提案してくれた。
come, stay, be, go,
take, have, hold, give,
see, hear, say,
make, use,
ask,
to, at, from, of,
time, place,
now, before, after,
here, there,
above, below, inside, outside, left, right, forward, backward,
bright, dark,
noisy, silent,
hot, cold,
long, short,
big, small,
good, bad,
all, many, one, two,
I/me. we/us, you, it, they/them, this, that,
thing, fact,
word, voice,
question,
not, yes, no,
what, who, when, where, why, how,
and, or,
hello, goodbye, thank you, sorry,
武蔵さんは、最低でもこれだけは覚えておく必要があるんじゃないかって言ってた。
ざっと数えてみると、単語の数は全部で76個ぐらい。
こうして見てみると、どの単語も、ここを見てくれている人なら、全部知っている単語だと思う。
ほとんどの日本人は、あまり英語を話せないと言われてる。
でも、ここを見てくれる人が、ここに上げられた単語を、あまり難しくないと思っているのなら、
その人には、英語を話すための、少なくとも基礎の所はちゃんと備わってると思う。
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付録 2
武蔵さんは、外国語会話、英会話に必要な必要最小限の単語リストを提案してくれた。
リストに上げられた単語・表現の数は、大体76個ぐらい。
でも、もう一度リストを見返してみると、
日常会話で使いそうな名詞の類が全然無い。
太陽とか月とか、山とか海とか、そんな単語が全然無い。
これはちょっと不便なんじゃないかな…。
武蔵さんも、それはわかってたみたいで、
別のアプローチから、もう一つ単語リストを作ってた。
akesi: reptile, amphibian
ala: no, not, nothing
alasa: hunt, gather
ale: all, everything, universe
ante: different, change
anpa: bottom, beneath
awen: stay, wait, keep
ijo: thing, object
ike: bad, negative
ilo: tool, device
insa: inside, center
uta: mouth
utala: fight, battle
unpa: sex
esun: market, shop
ona: he, she, it, they
open: open, begin
olin: love
kasi: plant
kama: come, arrive
kala: fish
kalama: sound, noise
kili: fruit, vegetable
kiwen: stone, hard object
kute: ear, listen
kulupu: group, community
kule: color
kepeken: use, with
ken: can, ability
ko: powder, semi-solid
kon: air, spirit
sama: same, sibling
sike: circle, wheel
sitelen: picture, write
sina: you, your
sijelo: body, health
sin: new, fresh
sinpin: front, wall
suno: sun, light
supa: surface, furniture
suli: big, important
suwi: sweet, candy
seli: fire, heat
selo: skin, shell
sewi: above, high
sona: knowledge, know
soweli: mammal, animal
taso: only, but
tawa: move, go, toward, to, for
tan: because, from
tu: two
telo: water, liquid
tenpo: time
toki: talk, language
tomo: house, building
nasa: strange, crazy
nasin: way, path
nanpa: number
ni: this
nimi: name, word
nena: nose, hill
noka: foot, leg
pakala: break, mistake
pana: give, send
pali: do, work
palisa: stick, rod
pan: bread, grain
pini: end, finish
pipi: bug, insect
pimeja: black, dark
pilin: feel, emotion
poka: side, next to
poki: container, box
pona: good, simple
ma: land, earth
mani: money, wealth
mama: parent, ancestor
mi: I, me
mije: man, male
musi: fun, play
mute: many, much
mun: moon
meli: woman, female
moku: food, eat
moli: die, death
monsi: back, rear
jaki: dirty, gross
jan: human
jelo: yellow
jo: have, possess
laso: green, blue
lape: sleep, rest
lawa: lead, main
lipu: document, paper
lili: small, little
linja: line, rope
luka: hand, arm
lukin: look, see
lupa: hole, door
lete: cold
len: cloth, clothing
loje: red
lon: true, exist, at, on, in
waso: bird
walo: white
wawa: energy, strong
wan: one, unit
wile: want, need
weka: away, absent
武蔵さんはトキポナっていう人工言語を基に、こんなリストを作ってた。
(このリストを作る時、人工知能を使ったとも言ってた。)
ちょっとだけ言っておくと、トキポナって言う人工言語には120~137個しか単語がない。
それでも結構色々なことが言えるし、書ける。
だから、本当に必要最小限の単語を絞り込むために、武蔵さんはトキポナを利用することにしたんだって。
ちなみに、トキポナそのものの文法とかについては、
動画サイトに最短で2分40秒ほどの解説動画があるから、そっちの方を見てほしい。
さて、こうして武蔵さんが(人工知能とかも使って)作ったリストは、
印刷すると、A4用紙で三枚ほどの分量しかない。
だからリストの英単語を、
(例によって人工知能とか、google 翻訳とかを使って)
フランス語とかに変換して、それを印刷して、クリアファイルにでも入れて持ち歩くことにすれば、
どこででも、気が向いた時に、いつでもフランス語とかの勉強が出来るようになる。
…外国語の勉強が、すごくお手軽・お気楽になる。
とはいえ、武蔵さん自身が作ったリストと、トキポナを基にしたリストを合わせても、
単語の数は300個を超えない。
やっぱり単語の数が少なすぎるんじゃないか?
リストに無い単語を使う必要が出てきたら、どうすれば良いんだ?
こんな疑問もあると思う。
で、武蔵さんはこんな疑問に、こう答えてくれてた。
1.名詞はその場にある実物を指し示す、動詞は(可能であれば)その場で実演してみせる。
例えば、自動販売機って言いたくなって、 Vending Machin っていう単語を知らなかったら、
辺りを見渡して、自動販売機を見つけて、それを指して This! This! とでも言っておく。
例えば、走るって言いたくなって、(仮に)run っていう単語を知らなかったら。
その場で「走る」っていう動作を実演してみせる。
2.開き直って日本語で言ってしまう。
例えば、日本人同士が日本語で話している時に、
「ブリリアントなステージにトゥギャザーしようぜ!」
…なんて言い方をしたとする。
ほとんど(イイカゲンな)英語でできたセリフだけど、意味は通じちゃう。
だったら、英語で話してる時にちょっとぐらい日本語が混じってても、
別に良いんじゃないかって話になる…。
でも、武蔵さんが推す方法は…
3.普段からリストにある単語で言い換える練習をする。
例えば、電車に乗ってる時、車内広告なんかを見たとする。
で、その広告に書かれてるキャッチコピーとかを、リストにある単語だけで訳してみる…。
そんな方法。
具体的に言うと…
「成功する人は、週末を無駄にしない。」
これは、私が実際に電車の中で見た広告のキャッチコピーなんだけど、これをリストにある単語だけで英訳してみるね?
本来なら、関係代名詞とかを使って…
People who get success do not waste their weekend.
…とでもするところなんだけど、
あいにくと、リストには success も waste も weekend も無い。
それに、今回は武蔵さんが提案したルールで英訳したいから、関係代名詞も使えない。
それじゃ、どうするか…?
すぐ思いついたのが、まず文を二つに分けること。
成功する人は、週末を無駄にしない。
→ある人は成功する。
その人は、週末を無駄にしない。
次に…「成功する」っていうのを、どう言い換えようか?
成功って言ったら、それは仕事で成功するってことだろうから…。
ああ、そういえば「大きな仕事をする」って言い方があったよね。
だから…
成功する≡make big work(大きな仕事を作る/為す)
それじゃ、「ある人」ってのはどう言おう?
リストには Someone とかは無いし…。
しょうがないから(通じるかどうかわからないけど)これは one で代用しよう。
だから、ある人は成功する、は…。
One makes big work.
お次は、「その人は週末を無駄にしない」の言い換え。
「その人」は This one とでも言うことにして…
…「週末を無駄にしない」をどう言い換えよう?
リストには weekend どころか week すら無いし…。
…あ、でも週末って、大体休日のことを指してるよね?
だったら、一週間の終わりって意味を持たせるのはあきらめて、これは rest で代用しよう。
あとは「無駄にしない」だけど…
…無駄にしないってことは、ちゃんと使う、良く…良い感じに使う、ってことだよね?
ああ、でもリストには well が無い…。
…ちょっと無理矢理だけど、良い感じに休みを使うってことは、良い休みを使うってことだってことで…。
This one uses good rest.
成功する人は、週末を無駄にしない。≡One makes big work. This one uses good rest.
…正直なところ、だいぶ怪しいけど、一応英訳はできた…。
武蔵さんがこの方法を推すのはなんでかって言うと…
こうしてある言葉を言い換えるっていうことは、その言葉の意味を確かめることだからなんだって。
それは、自分がその言葉の意味を本当に理解しているのかを確かめることであり、
自分が、自分の心を、自分を取り巻く世界を、本当に理解出来ているかを確かめることだから、なんだって。
言葉なんて、普段なんとなーく使ってるものだけど
…こうして見ると、言葉を使うっていうことは、何て言うか…深いんだなぁ…。