女性達は前世と同じ美意識なのに男性のみ、数多のニキビが浮かぶ脂ぎった顔に、肉に埋もれた細い目、上を向いた不格好な鼻。
それらの特徴が、この世界の美形の価値基準となっており反対に、スッと通る鼻、キメ細かい肌、薄い唇と言う特徴を持つ男性達がブサイク扱いされている
そんな中でメイリーは「レーリック」と言う、この世界だとブサイク扱いされているが前世の美意識だと美形の男性に出会い、恋仲になっていき真実の愛で結ばれた2人は口付けを交わす
そしたら……、
私、メイリーは転生者。
この剣と魔法の世界での美形の基準は、前世とは全く異なっていた。
脂ぎった顔にニキビが数十個、肉に埋もれた細い目、上を向いた不格好な鼻。
それらの特徴が、この世界の美形の価値基準となっていた。
スッと通る鼻、キメ細かい肌、薄い唇。
前世の美意識を持つ私には、それらの特徴がとっても魅力的なんだけど、周りからはブサイク扱いされている。
そしてそれは、男性のみで……。
私達女性は、前世と同じ美的感覚なのに、男性の美意識はまるで逆転していると言う不思議な世界。
しかもこの世界では、ブサイクに人権が無いにも等しく、(この世界だと)ブサイクな男性達が差別されていた。
そんな中で、私はこの世界だと美女扱いされているらしく、数多の男性から声をかけられたり、羨望のまなざしで見られることも少なくない。
私も前世は、とてつもないブサイクと言う訳じゃなかったけど、お世辞にも美形とも言えない顔立ちだったし。
だから、転生したこの世界で、昔から可愛らしいと言われた時は嬉しかったし、成長したら美女と褒めたたえてくれたのも嬉しかった。
そして……、出会ったのが『レーリック』と言う男性。
レーリックはこの世界だとブサイク扱いされていて、昔から周りにそう疎まれていた。
前世の私にしてみれば、超絶美形だと言うのに……。
私がレーリックと出会っておよそ数年。
最初は、『物見遊山で来たんだろう』とか言ってきたり、『君が好きなのは僕のこの顔だろ』とも指摘してきたりもしてきて、正直良い出会い方では無かったし、それでも私は彼と仲良くなりたくて、たわいない話をしてみたり、彼の趣味を共にしてみたり、彼の好きな食べ物をプレゼントしてみたりと、今では警戒心MAXだった時がウソのように、今だと彼と私は心を通わせるような仲にまでなっていった。
いつしかレーリックと過ごす内に、周りからは私達を『美女と野獣』と比喩するようになった。
「こんなにブサイク扱いされている僕を、差別することなく受け入れてくれるなんて、まさしく君は女神のように美しい。もちろん、その外見だけじゃなくて、その心もね。」
「ありがとう、レーリック。私はただ、あなたと言う1人の男性を好きになっただけよ。」
「それだけでも僕は充分幸せだよ、メイリー。」
私は彼と見つめ合い、口付けを交わす。
そしたら……、
ボンッ!
「えっ!?」
いきなりの出来事に、私は思わず驚いてしまう。
レーリックが、白い煙に包まれた……?
「ああ……、やっと呪いが解けたんだ……。」
呪い……?
レーリックの口から意外な言葉が出て来て、そして白い煙が治まったと思ったら……、
「なっ……!?」
目の前にいたのは、今までのレーリック、ではなく……、
脂ぎった顔にニキビが数十個、肉に埋もれた細い目、上を向いた不格好な鼻。
そう、レーリックはこの世界だと美形扱いされている男性達と同じ特徴の顔立ちになっていたのだ……。
「ありがとう、メイリー。君の真実の愛の力で呪いは解け、僕は元の美しい姿に戻れることが出来たよ。」
そう言って、彼はひざまずき、私の手に口付けてきた……。