ようこそ超能力者のいる教室へ   作:オールF

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体育祭のためCクラス(櫛田クラス)との話し合いへ向かう一之瀬達。
活躍のせいからか、不幸にも金髪の南雲雅に目をつけられてしまう。クラスメイトをかばいすべての責任を負った一之瀬に対し、傲慢なる者、生徒会副会長南雲が言い渡した交渉の条件とは……。

南雲がめちゃくちゃなこと言ってる気がしてもっとロジカルな男だったよな……って思って原作見返したら思ってたよりそうでもなかった。
違和感があれば教えてください。


Ψ悪の提案!?南雲雅の交渉

 南雲雅。

 入学時は1年Bクラスからスタートし、僕たち新入生が入学した時には2年Aクラスになっていた。

 生徒会副会長であり、元々はサッカー部だったらしく、柴田と面識があるのはその影響だろう。

 堀北学会長からは実力を認められている一方、実力至上主義のスタイルを危惧されている。

 同学年からもAクラスに上がる前に自他クラス共に退学者を出しているためか心象はよくないものの方が多かったか、実力は南雲が抜きん出ているためか彼に逆らう人間は多くない。

 生徒会に属している2年Bクラスの生徒は下克上を狙ってはいるが、心の奥底ではある生徒が本気にでもならなければ無理と思っているようだ。

 

「おや、君も見物か? 新入生」

 

 そのある生徒というが南雲副会長と一之瀬さんのあとを追っていた僕と同じく、彼らのあとを尾行していた鬼龍院楓花。

 2年Bクラス、つまりは元々は1年Aクラスの生徒だった人だ。

 衆目があるため、透明化せずに気配を消して追っていたのだが、まさか気付かれるとはな。

 

「ふふ、桐山の話が退屈だったから帰ろうと思っていたんだが、南雲と1年の有名人が連れ添って出ていくのが見えたんだ」

 

 桐山というのが南雲副会長と同じく生徒会にいる役員だ。

 それにしても僕らの学年は学年で面倒だが、南雲副会長が統制しているらしい2年生も大概面倒くさそうだな。

 

「あの女子は誰だ? 君の恋人か?」

 

 なわけないだろ。

 というか有名人と言う割には知らないのかよ。

 からかって言っているのは分かっているためサッと首を振る。

 

「そうか。で、誰だ? 君の知り合いではあるんだろう? 名前までは知らなくてな」

 

 Bクラスのリーダーで、南雲副会長から 生徒会に入らないかと誘いを受けたが断ったことを話すと「なるほど」と鬼龍院さんは頷いた。

 

「要するに南雲がフラれたわけか」

 

 面白そうに鬼龍院さんは笑う。

 彼女自身、その実力から南雲副会長に目をつけられていたらしいが、彼女にその気はなく、勝負を挑まれても相手にしなかったようだ。

 桐山からはそのせいでBクラスに降格したと思われているようだが、僕でも鬼龍院さんと同じようなことをしたと思う。

 

「それで? やぶ蛇になるかもしれない君の名前は?」

 

 名前を聞かれたら咄嗟に江戸川コナンやらジョセフ・ジョースターやらノイズのようなものが走ったが、ここはパッと思い浮かんだ麻生と適当に答えておく。

 太郎の方じゃなくて周一の方な。

 声も気配なども覚えたため、避けていればおそらく二度と会うことは無いだろうから偽名でも問題ない。

 体育館裏で足を止めた南雲副会長と一之瀬さんの会話を見守るべく僕は口を噤んだ。

 

「一之瀬、次の生徒会選挙、会長になるのは誰だと思う?」

「(立候補は桐山先輩もすると思うけど、実力と人気から言って)南雲先輩だと思います」

「ああ、そうだ。堀北生徒会長の跡を継いで俺が生徒会長になる」

 

 自信満々に言う南雲副会長は「そこでお前に一つ提案をしたい」と続けた。

 

「(また私の過去を話せって話かな。でも決めつけるのは良くないよね)……聞くだけなら」

「お前が俺の作る生徒会に加わってくれるなら、お前のクラスをAクラスに引き上げる手助けをしてやる。試験、ポイント面でも協力は惜しまない」

「どうして南雲先輩がそんなことを……?」

 

 当然の疑問だ。

 表面的に見れば南雲副会長に一之瀬さん及び1年Bクラスにそこまで肩入れするメリットはない。

 

「もちろん、お前の実力を買っているからさ。俺の協力がなくともお前がいれば1年Bクラスは2年に上がるまでにAクラスになっているだろうが、早いに超したことはないだろ?」

「私のことを過大評価しすぎじゃないですか? 前も言いましたけど、私は先輩が思っているような実力はありません」

「謙遜は美徳だが、時としてそれは傲慢になるぞ? お前がそう言って何人の生徒が頷くと思う?」

 

 確かに今の一之瀬さんは同学年の生徒たちから注目を集めている。

 一之瀬さんに注目が集まったのは、船上試験でどこよりも早く優待者の法則を見抜いて龍園クラスを出し抜き、それは無人島試験で葛城と龍園クラスのリーダーを当てて逆にリーダーを当てられることを回避し、つまり夏休みの特別試験でBクラスが大勝したせい……全部僕のせいだな。

 葛城や龍園、堀北さんや櫛田さんに平田といった各クラスのリーダーたちも全て一之瀬さんの仕業だと思っている。

 僕のことを知る堀北生徒会長はそうは思っておらず、綾小路も全てが全て一之瀬さん単独の力ではないとは思っているみたいだがまだ僕が優待者の法則を見抜いたりしたとは思っていない。

 ただ、僕が目立ちたくないという身勝手のせいで一之瀬さんに迷惑がかかっているのは事実だ。

 

「それでも私はまだ生徒会に入れる実力がないと思っています。だからこの前、お断りをさせてもらったんです」

(中々に強情だな。実力値は十分のはずだ。だが頑なに生徒会入りを拒むのは、そんなに語りたくない過去があるからか?)

 

 自分が嫌われていたり避けられているとかそういう発想にはならないのかあいつは? 

 

「実力か、なら一つ提案をさせてくれ」

 

 さっきもしてたからそれで2つ目だな。

 

「今回の体育祭、お前のクラスが学年総合順位で1位になれば、お前に何の条件もなく生徒会に入る権利をやる。これはあくまで権利だ。入るかどうかはお前の自由意思になる」

 

 総合順位1位か。

 坂柳さんが欠けているとは全体的なスペックはBより上の葛城クラス、連帯感はまだ乏しいものの須藤や堀北さん、櫛田さんといった運動能力に優れた個人が多くいる綾小路クラスがいる中で1位を取るのは簡単な話ではない。

 龍園クラスは恐怖支配の影響もあり連帯感はなく、元がCクラスだったため能力にもバラツキがある。

 ただ勝利のために何をしてくるか分からないという不安要素はあれど、それも僕がいればどうにでもなってしまうから余程のことがなければ問題ないだろう。

 

「ただし、1位になれなければ俺にお前の過去を話してもらい、俺が会長になった時の指名権を使ってお前を副会長にする」

 

 ……何を言っているんだあいつは? 

 一之瀬さんはもう生徒会に入る気はないというのに、体育祭の順位次第で生徒会に入る権利か強制的に入らせるというのは些か強引過ぎないか? 

 あまりにも傲慢すぎる物言いに驚いたのは僕だけでなかったらしく、隣で見ていた鬼龍院さんも同じだった。

 

「相当、一之瀬というのに入れ込んでいるようだな」

 

 少し引きながら呟いている鬼龍院さんの様子からも、南雲副会長の一之瀬さんに対する執着の強さが窺える。

 さて、一之瀬さんはどう返すのかと見ていると彼女は毅然とした態度で答えを返した。

 

「その提案はお受けできません」

「……何故だ?」

「私にメリットがないからです。それに私が2位以下になったらリスクがあるのに、私が1位になった時に南雲先輩が何のリスクも負わないのは公平性に欠けると思います」

 

 よく言ったと僕は内心で称賛を送った。

 あいつが生徒会長になってからどのような学校にしていくつもりか知らないが、そんな物言いをしているヤツが上に立つと考えると辟易する。

 

「その通りだな。お前の言うようにお前が1位になった時に俺が何も対価を払わないというのは不公平だったな」

 

 1位にならないと思って舐めているのかと思いきや、あいつなりに真面目に考えているらしい。

 

「なら、こういうのはどうだ? お前のクラスが学年総合順位1位になった際には、俺のもっているプライベートポイントの3分の2、大体2000万ポイントの譲渡、加えてお前のクラスに何らかの助力が必要になった時俺は無償で手を貸す」

 

 南雲副会長のプライベートポイントは現時点で6000万を少し超える程度。

 恐らくは学年中から自身にポイントを集めたのだろう。

 ただ学年を掌握しているにしてはそれくらいなのかという気もするので、他に信用できる仲間に預けているということも考えられる。

 

 

(今回の体育祭で1位になるメリットは白組敗退時のマイナスポイントが減る程度。けど、南雲先輩との勝負に勝てばクラスポイントは増えなくても、万が一退学者が出た時に救済できるポイントが手に入る)

 

「麻生、お前はどう思う? 南雲の出した条件を」

 

 麻生? ああ、僕のことか。

 そういえば思いっきり偽名を使ったんだったな。

 どう思うかなんて聞かれても僕は蚊帳の外だからな。

 一之瀬さんが南雲副会長に目をつけられているのが容姿の一点ならば、彼女が彼の提案を受け入れても僕に手助けをする義務はない。

 だが、南雲副会長が一之瀬さんを欲しているのは容姿以外にも理由がある。

 それは1年生でトップクラスの実力を持つ彼女を傍におけるという自己顕示欲のようなものだ。

 女性をアクセサリーのようにしようという神経は僕には分からないが、同年代や学年で一番実力を持っている異性と共にいることで自分自身の箔をつけるというものなのだろう。

 

「麻生、聞いているのか?」

 

 ああ、聞いてる聞いてる。

 メリットはあるし、デメリットは話をして生徒会に入るだけと表面的にはメリットしかない提案なので受けていいと思う。

 ただその過去の話をするというデメリットそのものが彼女にとっては拷問のようなものだ。

 なんのデメリットもなく、メリットを得られるということは今までもこれからもないとは分かっていても、今回の話を受けるかどうかの選択権は一之瀬さんに委ねられている。

 

「……随分と語るんだな。失礼かもしれんが意外だ」

 

 人は見た目で判断してはいけないと小学校の頃に親から教えてもらわなかったのか? 

 

「いや、私は幼稚園の頃に教えてもらったさ。しかし、なるほど(たまたまいたから声をかけたが、面白い後輩に出会えたかもしれないな)」

 

 良かったな。

 しかし残念ながら、僕にとってはちっとも良くないため、今後僕には鬼龍院さんと関わる気はないから、これっきりになると思うがな。

 そうとは露知らずご機嫌な鬼龍院先輩を尻目に新たな条件を提示された一之瀬さんの反応を見る。

 

「やっぱりお断りします」

「……俺はかなり譲歩してやったと思うが、なぜだ?」

「さっきも言いましたけど私には実力不足で、それを補うために体育祭で1位になることが私の実力の証明にはならないと思ったからです」

「お前が率いる1年Bクラスが優勝するのはお前の実力の一旦だろう?」

 

 南雲副会長に問いかけられて一之瀬は「それは違います」と首を横に振る。

 

「仮に1年Bクラスが1位になったとしたら、それは私の実力じゃなくてBクラスみんなの力です。私は確かにリーダーをやっていますが、それはみんなの力を私の力だと言い張るためではありません。いくら好条件を出されても、今の私には生徒会に入る意思はありません」

 

 強い意志を持って発言した彼女の主張は間違っていないだろう。

 しかし、南雲副会長からすればここで引くという選択肢はない。

 どうやっても一之瀬さんを自分の陣営に取り込んでおきたいらしく、「どうしてもか?」と再三確認を取る。

 いくら自分が譲歩しても受けられないということに対して怒りが湧いている。

 それでも一之瀬さんは頑として首を縦に振ることはなかった。

 

「……なら話は変わってくるが、お前は本当にそれでいいんだな?」

「はい。私は、今のBクラスのみんなと一緒にAクラスで卒業する。今考えているのはそれだけです」

「そのための力をお前に授けてやる、と言っているのにか?」

「はい。私はBクラスのみんなの力を信じています。だからお気持ちは嬉しいですけど、南雲先輩の力を借りる気はありません」

 

 頭を下げて謝罪する一之瀬さんの肩に南雲副会長の右手が伸びる。

 

「ならいい。しつこく迫って悪かったな。ただ、それだけ俺がお前を評価して欲していたということは分かってくれ」

「……はい、ありがとうございます」

「話は終わりだな。付き合わせて悪かったな」

 

 顔を上げ、南雲副会長の労いに感謝するために再び頭を下げた一之瀬さんに南雲副会長は何も言うことはなく去っていく。

 その後ろ姿を呆然と見送る一之瀬さんの表情には困惑しかなく、南雲副会長が何を考えているのか分かっていないようだった。

 

(もういい。手に入らないのなら潰すまでだ。あいつが愛おしいと思っているBクラスごとな。学年が違うからって何も出来ないわけじゃない。知ってるんだぜ? 1年にも俺に似た実力至上主義者がいることはな)

 

 既に逆恨みモードに入っている南雲副会長を見やる。

 

(幸い、1年のAクラスとDクラスが俺と同じ赤組だからな。好戦的な坂柳と龍園に声をかけるとするか)

 

 生徒会副会長と学年を支配しているためか他学年の情報にもある程度精通しているらしい。

 しかし南雲副会長本人が出張ってくるわけじゃないあたり、自分の手は汚さずにという感じか。

 

(少なくとも俺が卒業するまでは絶対に一之瀬がいるクラスがAクラスには上がれないようにしてやる。早いうちに俺に謝罪し、秘密を打ち明け、心と身体を差し出すなら許してやってもいいが……あいつにはさっさと分からせてやらないとな。真の実力者ってやつを)

 

 これからBクラスに起こるであろう災難にやれやれと肩をすくめていると同じ学年ゆえに、彼の手は知っているのであろう鬼龍院さんは僕の方に手を置いた。

 流行ってるのこれ? 

 

「せいぜい気をつけるんだな。あれは小物だが、さらに小物を従えるプロだ。油断はするなよ」

 

 鬼龍院さんはそう言って手を離すと、「ではまたいつか会おう、麻生」と言って去っていく。

 僕も一之瀬さんが戻る前に先に神崎たちのところに行っておくかと歩き始めた。

 今回の体育祭、どうやらボーッと終わるのを待つというのは無理そうだな。

 




周りが見えなくて意味の分からない提案をしちゃうことあるよね。
ない?あるって言ってんだろ!!
まあ南雲自身無茶な提案と思いつつも俺様の提案に乗ってこないおなごはいなかった……と結構強気に言っている節はある

斉木が偽名を使ったのは、鬼龍院が直感で南雲とは別の意味でめんどくさそうと判断したからです。
元々はクラスメイト、神崎か浜口にしようと思いましたが、万が一を考えてクラスメイトとは関係のない名前を使っています。

一之瀬は覚醒してませんが、誰かのようになりたくて、物事を遠くから俯瞰して冷静な思考に辿り着きつつあったりする。
まあ原作一之瀬がこの南雲の提案に乗るかって言われたら微妙な気がする
クラスメイトを信じていないのか?と言われると乗りそう

あと一之瀬が生徒会に入らない理由は、入る理由がクラスに貢献するためや自分を変えるため、自分が変わった証明のためといった理由でしたが、それが変わりつつあるからです。
その辺は本編で書けたらいいですが、僕の実力不足で書けそうになかったらあとがきでボロンッと出すかもです。

南雲は断られた腹いせに一之瀬含めた1年Bクラスに攻撃を仕掛けるそうです
それも好戦的で非道な手段も厭わないA(坂柳)とD(龍園)クラスを使って……!?
2年生を取り仕切っている南雲だけじゃなく、1年生の中でも実力のある坂柳と龍園が相手だなんて……!

嘘予告
南雲「許さねぇ……!よくも俺をここまでコケにしてくれたな……退学させてやる……!」
鬼龍院「ヤバいぞ一之瀬」
一之瀬「うっ……!」
斉木『大変だな君たち』
(コーヒーゼリーを食べながら)
南雲「退学させてやるぞ、斉木楠雄」
斉木 コーヒーゼリーダバーッ!

次回から体育祭本編に入りつつ回想で体力測定やったり南雲や龍園の暗躍を書いたりするか、回想使わずに時系列どおり進めるかします
ではでは
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