ようこそ超能力者のいる教室へ   作:オールF

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体育祭の期間中は斉木楠雄のタイトルっぽくします
なぜならアニメを見返したからです
斉木があんまり関わらない回だけ適当につけると思います
そんな感じでよろしく

シリアス回?が続いたので斉木楠雄らしいコミカルな回を目指しましたが、そうでもないかもしれない


Ψ大の試練!?体力測定!

 1ヶ月後に開催される体育祭に向けて、学校全体が本格的な準備へと入った。

 週に1度設けられている2時間のホームルームは自由時間となっており、時間の使い方はクラスの判断に委ねられている。

 話し合いをするも良し、体育祭に向けた体作りをするも良しと生徒の自主性を重んじていると言えば聞こえはいいが、結局は実力至上主義を謳う学校のすることだ。

 2年生以降はともかくとして高校生になって初めての体育祭の出場種目から時間の使い方まで全て自分たちで決めろというのは無理があるのではないかと思っていたが、そうでもないらしい。

 

「じゃあまずは競技の参加順と推薦競技について考えていこうか」

 

 南雲副会長の誘いを断り、このクラスのメンバーとAクラスを目指すことを目標に据えた一之瀬さんの行動は早い。

 本番だけでなく、練習のためにも全員参加の種目に出る順番や推薦競技で誰が、何の種目に出るのかを決めておかねばならない。

 

「神崎くん達と話して、学年優勝を狙うためには推薦競技はその競技に適している人を出すのが1番って話になったんだけど、みんなどうかな?」

 

 南雲副会長に連れられて話し合いの場から離れていた一之瀬さんだが、あの後しっかり合流し、Cクラスとの話し合いで決まったことは神崎から教えて貰っている。

 白組同士で協力する必要のある棒倒しと騎馬戦以外は互いの出場者や出場順の流出を避けるため不干渉にすることを決めたらしい。

 そこからはクラスだけで話し合って、優勝を目指し、能力の者を優先して出場させる案に落ち着いたらしい。

 一之瀬さんの提案にクラスメイト達は特に異論はないのか「いいんじゃない?」「俺はいいと思うぜ」と好意的な意見が多い。

 ただし、懸念事項があるのも事実でそれには姫野さんが事前に僕に相談に来ていた。

 

「一之瀬さんの案はクラスが勝つことを考えれば最善かもしれないけど、運動が苦手な子は体育祭にある学力試験不利なんじゃないの?」

 

 CやDの学力水準ならそうかもしれないが、期末試験の平均点が70あったBクラスなら懸念するほどでもない気がする。

 マイナスを受けると言っても全教科-10点だし、AとBクラスに在籍できる生徒ならばあまり気にすることでは無いと思うが、姫野さんとしては不安があるのだろう。

 最悪、点数を買うか、次のテストだけ平均点を下げるなどやりようはあるが、正論として言うなら-10点の措置を受けても赤点を取らないように日々勉強しておくのが1番じゃないか? 

 

「……そ、まぁそうなるよね。私は大丈夫だけど、不安な子とかはいると思うから確認で聞いただけ」

 

 その不安とやらもテストの方式がわかり次第にはなるが、落ち着くだろう。

 ただし、テストの点以外にも懸念することはある。

 書くのが面倒だからという理由で省いたが体育祭の競技には結果によって個人毎にトータルでの得点がつくようになっている。

 

 ・全学年で最も高得点を得た1名(最優秀生徒)には10万プライベートポイント。

 ・各学年で最も高得点を得た1名(学年別最優秀生徒)には1万プライベートポイント。

 ・総合成績下位0名の生徒は2学期中間テストで全教科10点減少のペナルティ。

 

 姫野さんが気にしているのは最後の項目だが、個人競技にも個人報酬とペナルティが存在している。

 ・1位が5000プライベートポイントまたは2学期中間テストで3点増の選択制

 ・2位が3000プライベートポイントまたは2学期中間テストで2点増の選択制

 ・3位が1000プライベートポイントまたは2学期中間テストで1点増の選択制

 ・最下位は-1000プライベート。払えない場合は2学期中間テストで1点減のペナルティ。

 

 運動が苦手な生徒にとって手痛いのは最後の-1000プライベートだろう。

 仮に運動が苦手ながらも総合成績下位にならないためにと出場したとして、個人競技で最下位になってしまうとプライベートポイントが-1000されるわけだ。

 それならば、個人競技で-1000プライベートポイントされるよりも、全教科-10点の措置を受ける方が経済的に見れば安全と言える。

 それは一之瀬さんたちも気付いており、なるべく運動神経がいいものを出場させて、個人間で多くのポイントを得てそれをクラス貯金に還元するという案で落ち着かせていた。

 仮に最下位になってプライベートポイントがマイナスされることがあれば、上位入賞者が得たポイントで相殺しようとなった。

 特に揉めることなく話し合いは終わり、出場種目の選定は体力測定の後に行われることになった。

 

「思ってたより早く終わっちゃったし、残り時間でもう測定しちゃおっか」

「そうですね。グラウンドを借りれるか聞いて来ます」

「じゃあ私たちはグラウンドが借りれなくても握力とか測れるし、その辺を借りてくるよ」

 

 一之瀬さんの提案に、異論なく頷いた浜口、網倉さんは自主的に分担して行動している。

 Bクラスは一之瀬さんを中心としたチームである事実は変わらないが、一之瀬さんの指示がなくても自分自身で考えて動くことが出来ている。

 万が一、一之瀬さんが指示が出せない、指揮が取れないという状況下に陥った時のためにもこういった自主性は大事だろう。

 しかし、体力測定か。

 あまり気が進まないがやらなければならない以上は仕方ないか。

 僕は以前球技全般が苦手と言ったが、体力測定は得意だ。

 毎年1回は必ずある行事だったからな。

 練習を重ねて、僕の年齢の出せる平均記録を出すことができるようになった。

 

 無事にグラウンドを借りることができ、おそらくは他クラスはまだ話し合っているのか初日から体力測定を行っている1年生はBクラスだけだった。

 文部科学省の新体力テストでは体力をいくつかの要素を分けて測定している。

 その中で体育祭で必要な項目をピックアップして行うことになった。

 

「握力って体育祭にいるか?」

「綱引きがあるからだろう」

 

 網倉さんと安藤さんが無事借りてきた握力計を握りながら柴田が訊いてくるが、それに神崎がすかさず答えていた。

 しかし、あの握力計は厄介だなと僕は柴田が握っているデジタル表記の握力計を睨む。

 中学まではアナログ式の握力計を使っていて、デジタル式は初めてなのだ。

 アナログ式は万が一強く握りすぎても針を一周させて誤魔化すことができるが、デジタル式はそうもいかない。

 高校入って初めての強敵に緊張が走る。

 

「っしゃ、79.4! どうよ、神崎」

 

 柴田が得意げな顔で神崎に尋ねる。

 

「(凄い数字だな。サッカー部に握力がいるかは分からないが)悪くないんじゃないか?」

「へへっ、ほら神崎もやってみろよ」

 

 柴田から握力計を受け取った神崎は慣れた様子で握力計を握ると、42.5kgと表示されていた。

 

「……思ってたよりあるんだな」

「一応な。だが、お前のを見ると自信をなくすが」

「いえ、神崎くんは高い方ですよ。僕なんて38.0ですから」

 

 フォローを入れた浜口だが、男子高校生の握力の平均値は36~40kg程度。

 高校1年生ならば36.93~39.60kgが平均と決して低くない数字だ。

 

「斉木、次やるか?」

 

 いや僕はまだ準備体操をしている。

 最後にやるから気にしないでくれと答える。

 

「そ、そうか(そこまで念入りにやるとは、斉木は慎重なんだな……)」

 

 その後の10分は男子たちが入れ替わり立ち代わりで握力計を握っていく様子を眺めていた。

 女子の方は50m走をしているようで、網倉さんが記録係をしている。

 今回行う体力測定はこの2つに加えて、ハードル競走のために立ち幅跳びだけで長座体前屈や反復横跳びといった他の測定項目は実施しない。

 まあ、ハードルを飛ぶ時は立ち止まってやらないし、立ち幅跳びをする必要はない気がするが決まったことに口を出しても仕方ないしな。

 

「斉木、あとはお前だけだ」

 

 男子全員が握力を測り終えたのか、立ち幅跳びをし始めた頃に神崎が握力計をもって僕のところにやってくる。

 さて、やるか……。

 

「2回測って数値のいい方を採用する。まずは右手からだな」

 

 デジタル式での計測は初めてだが、要領はアナログ式とそう変わらないはずだ。

 握力測定器のモニターが見えるようにしてから、軽く、軽く、ペットボトルを握るくらいの力でレバーに負荷をかける。

 それで平均並みの数値が出れば問題ない。

 軽く深呼吸をして息を整えてから、ゆっくり握力をかける。

 

「42.1か(斉木には悪いが思っていたよりもあるんだな)」

 

 よしよし、Good! 

 アナログ式なら微調整で数字を落とすことが容易だが、デジタルは最高出力がそのまま記録されてしまうからな。

 なんとか1回目を終えて、2回目の測定をする。

 要領は先程と同じでペットボトルを握る感覚で力を込める。

 

「41.0だな。じゃあ次は左だな」

 

 ふぅ、右はなんとか高校3年生の平均くらいに収まったな。

 だがまだ左が残っている。

 大抵の人は利き手ではない方の握力は利き手に僅かに劣る数字が出る。

 そのため39.0程度に抑えたいものだが、とりあえず3桁になってしまうことだけは避けたい。

 

 そういえばこの握力測定器はどの数字まで測定できるんだと思って神崎に聞いてみる。

 

「ん? あぁ、確か最新式で200kgまで測れるそうだ。そんな数値が出せる高校生なんていないのにな」

 

 ハハッ、そうですねと乾いた笑いが出そうになるのを抑えて、力も抑える。

 日本全国から様々な生徒が集まるためか、力自慢の生徒が入学してきたことも考慮しているのかもしれないなと返して左手での測定を始める。

 

「38.9。よし、2回目いくぞ」

 

 ふぅ……、いい感じだな。

 僕も利き手は右手だが、力は左手でも変わらないからな。

 力の制御の感覚は右と同じであるため、まるで機械のように同じ動作で力を込める。

 

「39.0。よし、もういいぞ」

 

 神崎が記録を終えたのを見て、僕は一気に脱力する。

 

「そんなに疲れることか? (まあ何人かは気張ったせいか汗をかいてるのもいたが)」

 

 あぁ、多分今日の体力測定では1番疲れる項目ではあったな。

 しかしあとの2つは特に問題ない。

 改めて自分の記録を見るが、美しい。

 これ以上の数字は存在しえないだろうという高揚感がある。

 

「じゃあ俺達も立ち幅跳びに移るか……と、その前に女子に握力計を渡しに行かないとな」

 

 あぁ、それくらいなら僕がやっておくから神崎は先に行けばいいと言うと、神崎は柴田たちの待つ立ち幅跳びの測定へと向かう。

 さてと、返しに行く前にリセットと一応レバーの拭き取りはしておくかと握力測定器を見る。

 

【ERROR】

 

 やっべ、数値の良さに興奮して強く握りこんでしまった。

 しかも画面周りには亀裂が入っているし、これは早いところ直さないとな。

 

「あ、斉木くん、男子たち終わった?」

 

 あぁ、終わった……違う意味でな。

 覗き込むように見てくる一之瀬さんから見えないように握力測定器を隠す。

 

 悪いがレバー周りを拭けていないと言うと一之瀬さんはキョトンした顔になる。

 

「え? そんなの全然気にしなくていいのに」

 

 にゃははと笑う一之瀬さんにそうかと背中で隠した状態で1日前に戻した握力測定器を渡してから立ち幅跳びの測定列に並びに行く。

 

(斉木くんってマメっていうか、紳士的? なんか同い歳の男の子っていう感じの時もあれば大人びてる時もあったり、スイーツ食べてる時は子供みたいになったりで色々とギャップが……)

「おーい、帆波ちゃーん! 測定器あったー?」

「あっ、ごめんごめん。あったよー、じゃあやっていこっか」

 

 なんとか誤魔化せたな。

 あとは配管工事兄弟のように飛んで、走るだけだ。

 聞いている限り、平均値より少し上の能力を持つ生徒の集まったBクラスの中なら、僕の記録は下の方だし僕が競技に出るということはないだろう。

 僕はこの後気楽に残りの測定項目をこなした。

 立ち幅跳びは2m20cmと平均的な記録を残し、あとは50m走の結果次第ではあるが、出る種目は棒倒しくらいで済みそうだと最後の測定項目へと向かう。

 

「斉木って足速そうだよな(無人島で一人でうろちょろしてたし、体力とかはありそうな感じだよな)」

 

 なんで僕のペアが握力と立ち幅跳びを最初に終えていたはずの柴田なのかという疑問がある中、僕の最後の挑戦が始まった。

 体力の多さと足の速さが必ずしもイコールとは限らないということを証明するべく僕は走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「斉木くんって足速いんですね」

 

 と、浜口に言われてしまったのは走る相手が柴田で、遅すぎてもダメだと力加減を誤った結果だ。

 一応、候補には入れられてしまったが、最終的には希望者を中心に立候補制にして、残りは候補者の中から公平にジャンケンで勝った人という事だった。

 わざと負けるのは中学生の頃から得意になったので、僕は何事もなく中間テストで各教科-10点スタートのペナルティを得るのだった。

 




体育祭の参加表って前日まで変更可能らしいですけど、斉木くんは本当に出なくていいんですかね?
まあまだ妨害されるとは決まってないけど、万が一クラスメイトたちに妨害してくる連中が現れた時のために、その妨害に努めるために参加種目を減らす意図があったりする。
今の所は棒倒ししか出ませんが、他クラスの出方次第ではどうなるか分かりません。

アンケートの斉木楠雄に勝てそうなのはってのをやろうとしたけど、感想返すの大変になりそうなので保留にします。
一応クラス単位でもいいですし、個人でもいいって感じで葛城とか坂柳みたいなリーダー格から、森下や高円寺みたいなちょっと癖のある人間を入れるつもりでした。
例えば灰呂との柔道の時みたいに斉木が勝手に受け身取って「負けた……!」って言っても斉木楠雄に勝った判定になります。
ほなら大体なりそうなものですが、1番可能性が高そうなのは〜くらいで考えたら誰になるかと思いましたが、卑怯な手さえ使わなければ目立たないように負けてくれそうなので坂柳、龍園、南雲以外なら大体くーちゃん勝てそうやなってなってやめました。
誰も思いつかなければ斉木久留見(楠雄ママ)にしといてくださいという禁止カードを出そうとしてました。
唯一楠雄が頭が上がらない人。
楠雄ママいいよね……

しばらくお仕事が忙しくなってしまうので土日月火は投稿できないと思われます
ちょうど3年生編の新刊が出る頃だった気がするのでそちらを楽しんでいただければと思います
ではまた次回
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