メルセルケビール海戦から、およそ数ヶ月の時が経過していた。あれほどの戦端を開きながらも、ロイヤルネイビーは不気味なほどの沈黙を保ち続けているがそれも道理であったと言えるだろう。
本来であれば一方的な奇襲によってヴィシア艦隊を無力化するはずだった作戦において、まさかの逆奇襲を受け、あろうことか切り札として投入された特別計画艦――モナークを失い、リシュリュー達を捕縛されるという大失態を犯してしまったのだから。
ロイヤルが全面的な戦争計画の大幅な見直しを余儀なくされていることは誰の目にも明らかであり、その貴重な時間をレッドアクシズもまた無駄にするはずもない。
ローンを経由して鉄血からもたらされた情報によれば鉄血本国もまた、この状況下で不用意に戦線を拡大することを避け、自国領の防衛と戦力の再編を優先する方針へと舵を切っていたそうな。
その結果『本来』行われるはずであった北欧地域における攻勢計画は立ち消え、本拠地であるキール軍港では新たな最新鋭のkansenの作製やマンジュウの増産が進んでいるらしく。兎にも角にもロイヤルに自国を焼かせないというビスマルクの固い決意を感じさせられる。
後に「まやかしの戦争」と称されることになるこの生じた束の間の停滞は、ヴィシア聖座にとって何物にも代えがたい貴重な時間となったと言えるだろう。
ヴィシア側は間髪を入れず、陣営内の徹底的な膿出しに着手する。反逆者として決定的な一線を越えたリシュリューの幽閉を皮切りに、彼女に与するリシュリュー派の残党に対する熾烈な粛清と逮捕劇が暗躍。同時に、内部の統制を強固なものとするため、諜報や裏仕事を担う「審判邸」との連携は加速度的に深められていった。
特に本来表舞台に立つことがないクレマンソー達との連携と、彼女の全面的な支持の表明は完全にアイリス教国の後継者が誰であるか。ジャン・バールこそが国家の担い手であり、ロイヤルという侵略者に対する脅威も含め、その支持を爆発的に固めていくのであった。
それでもなお一定のリシュリューの支持者に加えてスパイ対策なども含めてまだ問題も多く、なにより戦力は明らかに足りていない。しかし、歴史の歯車は、本来辿るはずだった史実の軌跡から完全に外れ、誰も見たことのない異質な歪みとともに動き始めるのであった。
だが、表向きは勝利者であるはずのヴィシア陣営とて、決して一枚岩の平穏を享受していたわけではなかった。その渦中において、密かなひとつの争いが勃発しようとしていた。
重厚な木造の扉で隔てられたその部屋は、過剰な華美さや贅沢を好まない主の気質が色濃く反映されており、部屋全体の色彩は鈍い木肌と重厚な金属の質感で統一されている。
室内には必要最低限の堅牢な家具――使い込まれてなお鈍い光沢を放つオーク材のデスクと、革張りの重厚なソファ、そして磨き抜かれた軍刀や古い海図を飾る壁面の額装が静かに鎮座していた。
壁の片隅には、海賊旗を連想させるような武骨な紋様が刻まれた錨の意匠や、古風な真鍮製の羅針盤といった小物が配置され、どこか荒々しい海賊の隠れ家を思わせる独特の風情を漂わせている。
しかし、そうした無骨な装身具が並びながらも、室内は塵ひとつ落ちていないほどに整然と掃き清められており、高い清潔感と引き締まった空気が部屋の持ち主の性格を感じさせるだろう。だが、その部屋の中で今、ふたりのkansenが互いに向かい合い、静かに静寂を破ろうとしていたのだ。
互いの視線がぶつかり合い、爆発前夜のような重苦しい緊張感が部屋の空気を張り詰めさせていた。その空間で一方の眼差しを鋭く研ぎ澄ませ、苛立ちを隠そうともせずに眼前の相手を睨みつけているのは、ヴィシア聖座の旗艦であり、事実上の軍トップとして陣営の全権を握るジャン・バール。腕を組み、重厚な革張りソファに深く腰掛けたその姿からは、隠そうともしない苛烈な威圧感が溢れ出している。
そして、そのジャン・バールに対して一切引くことなく正面から対峙しているのは、いまだ全身に武骨な艤装を密着させ、戦場から直行してきたかのような焦げ臭い硝煙の香りを全身から漂わせているル・マルスだ。小柄な体躯でありながら、その瞳には譲りがたい何かが宿っており、全身の関節を強張らせながらジャン・バールへと視線の槍を突き立てていた。
威厳に満ちた陣営代表と、殺気立った戦装束の駆逐艦。一見すれば軍の統制や軍紀を巡る深刻な対立のようにも見えたが、二人の足元に視線を落とせば、その重苦しい空気の異常性が露わになる。
床の上には、深緑色の硝子瓶が無造作に何本も転がっており、瓶の口からは特有の甘く重い香りが微かに立ち上って部屋全体に濃厚な酒の匂いを充満させている。ジャン・バールの口元からは重いアルコールの熱を帯びた吐息が漏れており、彼女の瞳が微かな酩酊と激しい感情によって不規則に揺れていた。
そして……この二人の不穏極まる視線が交錯する境界線、まさに火花がバチバチと散る真っ只中に挟み込まれるように立ち尽くしていたのは一人の青年だった。一ヶ月前のメルセルケビール沖海戦においてロイヤルとリシュリュー達を打ち破り、今やロイヤル、鉄血の双方から良くも悪くも最大の警戒と注目を一身に集めているヴィシア艦隊の指揮官。
百戦錬磨の艦船たちを率いるはずの男は、いまや威厳も何もなく、両手で頭を抱え込むようにして深く沈み込んでいた。冷徹な日頃の面影はどこへやら、こめかみを指先で強く揉みほぐしながら、天を仰いで力なく深々と息を吐き出す。
(……どうして、こうなった……?)
喉の奥で押し殺されたその呟きには、戦場の死線をくぐり抜けてきた男の全精力を使い果たしたかのような、途方もない疲労感と困惑がミックスされている、なぜ俺は今、酒の匂いと硝煙が混ざり合う密室で殺気立つ二人に板挟みになっているのか?と嘆きながら。
――事の始まりは、ほんの小一時間ほど前に遡る。
「……おい?」
指揮官は思わず素の声音を零し、半目気味に目の前の人物を睨みつける。
対ロイヤル戦を強く見据えた本土防衛網の再構築。さらには、各地の植民地や国外に点在する軍事施設から連日持ち込まれる膨大な処理事項の数々。本来であれば十代後半の青年が一人で背負うにはあまりに苛烈極まる激務の山を、それまで彼は毎日の様に文句ひとつ漏らさず淡々と処理し続けていた。
そうしてようやく手に入れた、久方ぶりのまとまった休暇にて、磨り減った肉体と精神の体力をただ回復させるため、自室で静かに休息に専念しようとしていた矢先のことだ。
『――少し付き合え』
早朝、唐突に部屋のドアをノックし、横柄に押し入ってきたジャン・バールから告げられた一言。その短い命令を聞いた瞬間、指揮官の頭には激しい警戒感が走っていたのはある意味当然の事だろう。
ジャン・バールと彼は着任以来数年単位の時間を共に過ごし、互いの性格や考え方をそれなりに理解し合っている間柄だ。わざわざ自身の貴重な時間を割いてまで自分を呼び出しに来たのだ。
自分のせっかくの休暇を棒に振ってでも、ただちに処置しなければならない非常事態かそれに対するなんらかの事件が発生したに違いない。そう判断した指揮官は、重い体に鞭を打ちつつも彼女の後を急いで追った……のだが。
しかし、彼女の私室のドアを潜り抜けた瞬間、指揮官が目にすることになった光景は、彼の予察を根底から覆す全く想定外のものだった。
整然とした無骨な室内の卓上で、何よりも真っ先に異様な存在感を放っていたのは、木箱にぎっしりと詰め込まれた二ダースは優に超えるであろうラム酒の瓶の群れだ。それだけではない。無骨なテーブルの上には、丁寧に小皿へと盛り付けられた塩気のあるオリーブや、薄くスライスされた濃厚なチーズ、乾物といった、酒の肴としてあまりに完璧すぎるつまみの数々が手際よく並べられている。
重大な軍務の報告でもなければ、緊急の作戦会議でもない。そこに準備されていたのは、どう見ても今から突発的に始められようとしている『酒盛り』の席そのものだったのだから。
「…………」
状況を即座に理解した指揮官は、一切の猶予もなく回れ右をすると、無言のまま踵を返して部屋から立ち去ろうとした。
だが、その一歩を踏み出すよりも早く、背後から伸ばされた鉄の万力のような手に、ガシッと強く肩を掴んで留められる。
、
「待て」
「……黙れ。緊急事態だと思って着替えてきた俺の労力を返せ」
半目で振り返り、あからさまな不快感を隠しもせずに文句を吐き捨てる指揮官。別に彼とてジャン・バールの事が嫌いなわけではない。だが、明らかに休日返上を受け入れた矢先に酒を飲めとアルハラを強要させられそうになっているのだ。そりゃ誰だって文句の一つも言いたくなるだろう。
しかし、肩を掴むジャン・バールの手に緩みは一切なく、彼女は不敵な笑みを唇の端に浮かべてみせる。
「…ふん、ゆっくりできるのも今日くらいだ…その日くらい溺れても問題あるまい…当然、付き合ってもらうぞ?」
拒否権など端から存在しないと言わんばかりの強い語気。こうなってしまったジャン・バールが一切の折れを見せないことを長年の付き合いで嫌というほど理解している指揮官は、深々と溜め息を漏らし、諦めたように差し出されたソファーへと腰を下ろすしかなく。
「待て、待て……! お前いくらなんでもそのまま飲む気か!?」
そして、ソファーに腰を下ろしたのも束の間、指揮官は眼前の光景に思わず身を乗り出した。ジャン・バールはグラスを手に取る素振りすら見せず、手際よくコルクを抜いたラム酒の瓶を直接その唇へと運ぼうとしていたのだ。
豪快を通り越してやけくそとしか思えないその手つきに、指揮官は咄嗟に手を伸ばしてその手首を制止する。
「何が悪い?今更誰も見てないなら構わないだろ」
「限度があるだろうが……普段の酒量から考えても、いきなり瓶ごと煽るような飲み方をする奴があるか」
不満そうに眉をひそめるジャン・バールに対し、指揮官は怪訝な視線を向けざるを得なかった。仕事柄、公の場や外交の儀礼でワインなどを嗜む程度に口にすることはあっても、彼女は本来己を過酷なまでに律する苛烈な性格だ。
特にリシュリューが陣営を離脱し、自らがヴィシアの全責務を背負うことになってからは、嗜好品としての飲酒などはプライベートに置いては完全に断ち切っていたはずだった。自身が酒に酔ってる最中に敵に襲われるとどうする?酒量を極力抑える彼女の判断は指揮官も見直していた。
にもかかわらず、今日用意されたのは彼女が最も好むと同時に、最も強い度数を持つ「ラム酒」だ。しかも、目の前の彼女の言動には、どこか普段の冷静さを欠いた荒っぽさが混じっている。
(……お前、本当に大丈夫か……?)
胸中に生じた漠然とした胸騒ぎを抑え込みながら、指揮官は溜め息混じりに立ち上がると、慣れた手つきで彼女の部屋の戸棚を開けて見せる。
奥に収められていた重厚なロックグラスをふたつ取り出しながら、ジャン・バールの手からなかば強引に瓶を奪い取ると、綺麗な琥珀色の液体をふたつのグラスへと静かに注ぎ分けた。
「とりあえずグラスを使え。……飲むなとは言わんが、せめて人間の飲み方をしろ」
「……堅苦しいヤツめ」
差し出されたグラスを受け取り、ジャン・バールは鼻を鳴らしながらも、今度は素直にその縁を口元へと運ぶのであった。
指揮官はグラスを傾け、ほんのわずかに唇を湿らせる。
サトウキビの搾り汁や搾りかすから生み出されるラム酒という酒は、その製法や熟成の過程によって驚くほど多種多様な表情を見せる。
糖蜜の甘美な風味を残した甘口の代物も存在すれば、原料特有の癖を削ぎ落としてピュアな酒精へと昇華させたものもある。
しかし、いまジャン・バールが持ち出してきたのは、そうした甘さに頼るような生ぬるい代物では断じてなかった。
喉を通した瞬間、灼熱の衝撃が粘膜を容赦なく灼き切り、およそ半口ほど含んだだけで、酒精の鋭利な毒気が喉の奥へと一気に突き抜けつつ激しい拒絶反応を引き起こす。まるでこの酒は身体摂取してはいけない毒だと示すかの様に。
「……っぐ、ふっ……! ッ、オホッ……!!」
彼は思わず口元を手で覆い、劇薬でも流し込まれたかのように激しく咽び返る。鼻から抜けるのは香ばしいアロマなどではなく、喉の粘膜を直に麻痺させるほどの刺すようなアルコールの臭気だ。液体というよりも燃え盛る火薬を直接体内に流し込んだかのような苛烈さすら感じてしまう。
甘さなど微塵も残されておらず、喉から胸の奥にかけてじりじりと焼けつくような激痛と熱感が居座り続ける。
そもそもだ。一口にラム酒と言っても、その製法や分類によって味の様相はまるで異なってくる。原料であるサトウキビの糖蜜をふんだんに残しつつ、極上の甘味リキュールのようにトロリと甘く、甘美な香りを楽しませるようなタイプも確かに存在しており、指揮官はその様な甘ったるいラム酒であれば、ジャン・バールとの付き合いで口にした経験は何度かあった。
だが、今まさに喉を焼き焦がしたこの液体は、そういった生ぬるく甘やかな代物とは断じて違っていた。
不純物も甘味も徹底的に削ぎ落とし、ただ純粋な酒精の暴力性と荒々しさだけを限界まで研ぎ澄ませた、文字通りの劇薬。人が舌で味わい楽しむための娯楽品ではなく、荒波の中で命を削る海賊や無頼漢たちが、手っ取り早く脳を麻痺させるためだけに煽るような代物そのものなのだから。
「……お前正気か? これをさっき瓶ごと直接飲もうとしていたのか……?」
咽び返る息をなんとか整え、涙目になりながら瓶を指さす指揮官に対し、ジャン・バールは意に介した様子もなく鼻を鳴らしただけだ。
彼女は手元に置かれたグラスへと、トクトクと重い音を立てて再び透琥珀色の液体をなみなみと注ぎ込んでいく。そして何の躊躇もなく、それを一気に喉奥へと流し込んだ。
そのあまりに乱暴な飲み方に、指揮官は思わず手を伸ばして止めようとした。――だが、伸ばしかけたその手を、彼は途中で静かに引っ込める。
冷静に考えれば、今の彼女の置かれた状況や立場は、あまりにも過酷で複雑過ぎるのだ。
実の姉であり、国家の象徴であったリシュリューは、自らの信念に従って部下達共に国内を離脱を図った末に戦闘の末捕縛され、今や「反逆者」の汚名を着せられたまま幽閉されている。
末の妹であるガスコーニュはといえば、特別計画艦として感情抑制モジュールを組み込まれ、さらには政治的な駆け引きの道具として複雑な立場を強要されかねない歪んだ未来が見え隠れしている。
そして、残ったクレマンソーは、崩壊しかけた国家を裏から立て直すため、審判庭の暗部と諜報網を総動員して過酷な防衛体制を構築している真っ最中だ。
国家の命運、姉妹たちの悲劇、そして重く伸しかかる指導者としての責務。
このアイリス教国という歪んだ巨船の舵を握るジャン・バールには、弱音を吐く場所も、涙を見せる相手も、ましてや誰かに甘えることなど一切許されない。
だからこそ彼女は、今日くらいはハメを外して泥のように酒に溺れたくなったのだろう。そして、その相手として、ただひとり本音を晒せるかもしれない自分を部屋へと誘い込んだのだと、指揮官は容易に察することができた。
指揮官自身にも、似たような過ちと逃避の記憶がある。
かつてセイレーンの苛烈な侵攻によって故郷を跡形もなく滅ぼされ、復讐鬼と化していた頃。復讐の念に焼き尽くされそうになる己の身をどうにか支えるため、ありとあらゆる手段を用いてその深すぎる心の傷跡から逃げ出そうとした時期が存在したのだ。
狂ったように贅を凝らした美食を貪り、意識を遠ざけるように読書や音楽に没頭し、一時の温もりを求めて
娼館通いをした事も何度もある。当然、そんな逃避の中には現実の苦痛を麻痺させるために荒々しい酒の海へ溺れようとしたことも一度や二度ではない。
だが、当時のまだ幼さの残る彼にとって酒というものはどこまでも不味く、苦痛を増すだけの毒液に過ぎなかった。生まれて初めて喉へ流し込んだ酒は、ただただ舌を焼き焦がす苦味しかなく、どれほど煽ろうとも心までは酔わせてくれなかった。
やがて無理やり身体を慣らし、酒の味覚に馴染んだかと思えば、今度は遅れてやってくる猛烈な酩酊が彼の判断力と思考力を鈍らせていく。セイレーンへの復讐のために一刻も早く牙を研ぎ澄まさねばならない指揮官にとって、酒に溺れる愚行は己を無力化する支障以外の何物でもなかったのだ。
なにより、たった一人で飲む酒はどこまでも惨めで、どこまでも冷たい孤独しか感じさせない虚無そのものだった。
そういう意味では、最近ではローンと度々杯を交わすようになり、彼女と並んでビールを口にするようになった時の感覚は、あの絶望の底にいた頃とは決定的に異なっていた。
彼女と過ごす時間の中で口にした酒は、あの忌々しい記憶の泥水と比べれば、ほんの少しだけ――本当にほんの少しだけだが、美味く感じられたことも確かで……。
「……チッ」
指揮官は湧き上がる不快感を隠しもせず苛烈に舌打ちを漏らした。まるで正直になるのを拒むかの様に。その気持ちを認めてしまい、美酒の理由を求めてしまえば自分の中の歯車が止まってしまうかの様に拒絶する。
だが同時に、長年の相棒とも言える彼女がなぜ自分をこの部屋に呼び出し、他でもないこの苛烈な酒盛りの場へと引きずり込んだのか、その意図を彼は嫌というほど理解してしまった。
指揮官は不機嫌さを隠そうともしない顔つきのまま、諦めたように溜め息をひとつ吐き出すと、手元のグラスへと再び手を伸ばした。
先ほどのように咽び返らないよう、強い酒精を注意深くチビチビと、まるで舌の先で舐め取るようにして少しずつ喉へと滑り込ませていく。依然として舌を焼くような刺す刺激と重いアルコールの熱量が広がっていくが、先ほど程には身体の拒絶反応は起きない。
一日くらい、ジャン・バールの積み重なったストレスと孤独の発散に付き合う程度のことなら、断る理由もなければ我慢できないほどの苦痛でもなかった。
指揮官自体は決して認めようとはしないが、この程度の無茶に付き合ってやるくらいの義理と情は、すでに彼の中に嫌というほど出来上がっていたのだから。
だが、指揮官は知らなかった。
何故、ジャン・バールが自身を呼び出したのかと?という理由を。
そして、控えめに言って悪酔いしたジャン・バールがどれ程までに面倒くさい存在になるのかを知るはずもなく……指揮官はほんの少しの勘違いに気づく事もなく、ラム酒を喉元に注ぎごむのであった。
・ラム酒
種類は色々とありますが一般的にラム酒と呼ばれるものは二種類あり、お菓子作りなどに使われるリキュールの様に甘いもの。そして、甘さが皆無でこれのどこにサトウキビが使われているんだと困惑するほどに度数が高いものであり、今回ジャン君が選んだものは後者。明らかにジャン君が悪い酔い方をしてるのはそれだけ色々と溜まっているのでしょう。色々とね。
指揮官のAIイラストの感想はどうでしょうか?
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イメージ通り
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なんかイメージと違う
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その他(こっちの方がいいよ!と提供など)