忘れかけてた夢をもう一度 作:シーブック マクロスを生涯推す
藤丸立夏及びマシュ・キリエライトは人類最後のマスターとそのサーヴァントである。藤丸は本来マスター候補達の補欠であったとされており、
マシュにいたっては先鋭であるAチームに配属されていた。カルデアで発生した爆発事故に巻き込まれたことにより、人類最後のマスターとそのサーヴァントという重荷を背負わせることになる。
藤丸はレイシフト適性が高いというだけで、蓋を開けてみれば魔術など全く知らぬごくごく普通の人間である。献血さえなければ今頃高校生活を送っていたのかもしれない。そのため所長が話していたサーヴァントと呼ばれる存在のことや、魔術師のことなどは全く知る由もないのだ。
しかしこれから待ち受ける7つの特異点を修復していくためには、彼女は魔術を知らないといけない。特異点は魔術によって発生しているのだから。それを乗り越えていくためには、さまざな礼装、戦闘を有利に進めるため時には魔術を用いなければならない。
サーヴァントを知らなければいけない。マスターは自分一人では戦うことは出来ない。マシュをはじめとした藤丸との絆、縁によって現れたサーヴァント達の力を借りながら7つの特異点を乗り越えて行かなければならない。
藤丸立香はなにがあってもマスターになるしかない。決して途中で死ぬことは許されない。彼女が死亡した瞬間カルデアによる人理修復は失敗を迎えるからである。藤丸立香の行動、言動、健康状態などあらゆる要因によってカルデアの将来が左右されると言っても過言ではないだろう。
こんな重荷をたった二人の少女が背負うことになるなんてどんなに辛いことか。二人、途中から所長代理から聞かせられた話を受けて、今自分が置かれている状況がなんとなくだが理解できた。いや理解してしまったのだろう。目を背けてしまっていたのだ。この現状に。
二人とも環境や、場所こそ違えば青春を楽しむことだって出来ていただろうに...
こんなのはあんまりではないだろうか...
まだ出会ってあまり時間は経っていないが、二人共僕に対してすごく明るく振る舞っている。おそらくはこちらを心配させないためだろう。自分達も辛い状況なのにも関わらずにだ。
しかしもともといた所長のことを尋ねた時にそれは起こった。二人の視線が突然下を向いたのだ。
思わず気軽に尋ねてしまったことを深く後悔した。おそらく二人の反応からしてもう所長は亡くなってしまったのだろう。気まずい雰囲気を払拭するため、咄嗟に腕に付けていたメビウスブレスの事を話しはじめた。
これははるか遠い宇宙から地球を守るためにやってきた、正義の巨人に変身するためのアイテムである事。ルーキーでありながらも襲いかかる強敵達を相手に決して諦めず、逃げ出すこともなくかけがえのない仲間と共に戦い最後は勝利した。
僕にとって永遠のヒーローである
「ウルトラマンメビウス」のことを。
思わず長く話しすぎてしまったため、途中で話すのをやめようと思っていたけど、二人の視線がキラキラしていることと、カルデアの人達から次々に投げかけられる質問に答えていた結果、かなり長い時間話してしまっていたようだ。申し訳なさもあったが本当に楽しかった。久しぶりにこんなにウルトラマンについて話すことが出来たからだろうか。だから僕は気がつかなかった。途中でメビウスブレスが鼓動していたことに。
同時刻カルデアSIDE
藤丸とマシュがウルトラマンの話をワクワクしながら聞いている一方で管制室の様子は...
「管制室全員に通達する!彼の語る「ウルトラマン」なる存在をデータベース、紙媒体、もうこの際トリスメギストスも使っても構わない!何がなんでも徹底的に調べ尽くすんだ!」
「私からもお願いしたい!彼の話している事が本当のことならこのカルデアが置かれている現状から打破出来るかもしれない!」
「世界中に伝わる巨人の伝説や、今の話を元に演算してみます!」
大混乱であった。
無理もないだろう。彼が話している事が本当であるなら、全人類の科学力を持ってしても対抗出来ないほどの強大な敵を相手に、生身で戦いを挑み、勝利を納めてしまう。極め付けに彼らはどんなに辛い戦いをしたとしても見返りを全く要求してこないこと。彼等の意思の力は地球をそして宇宙全体を守るため使われている。これほどまでの存在が実在していると聞かされているのならば、カルデア側が大混乱することなどはじめから明らかなのだ。それがカルデアにとって神か悪魔なのか誰も気づいていない。
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