優秀弟白夜、兄を想う。そして日頃がんばっている悟心鬼も弟を想う。
■まえがき
いつも読んでいただき、ありがとうございます。
※ 奈落家のいつもの設定確認
・設定は戦国時代なのになぜか現代の要素が入る。
(戦国時代の人見領内だけど現代的な健康ランドがある設定です。)
・奈落家の服装は、原作通り。
・奈落さんと分身たち皆、生存していて
人見城に一緒に住んでいる設定です。
・季節は特に記載が無ければ、
投稿された日と同じです。
(春です)
ストーリーのジャンル:ほのぼの・コミカル
では、このまま下へスクロールして本編どうぞ。
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人見城外の遠方での仕事が
かなり長引いた夢幻の白夜と悟心鬼。
もはや夜勤。まだ人見城まで距離が少しあるし、
せっかくだからと二人、
夜中でも営業している健康ランドに入った。
悟心鬼は常に全裸だから
服脱がなくて済むから楽でいいなと
広い脱衣所で思う白夜。
悟心鬼はどこを見るでもなく
服を脱ぐ白夜を待っている。
大きなモニターでは
深夜帯のテレビショッピングが流れていた。
広大なギリシャ神殿内のような浴室は
ほのかな照明が灯され、
ボイラーの轟音と
小さく湯のそそがれる音以外は静かだ。
体をしっかりと洗って広い湯舟へ。
長時間の仕事の後の温泉は
体の疲れがスーッと抜ける感じがする。
「あー、仕事終わった後の
広い風呂って最高だよなぁ」
と浴槽の中で手足を伸ばす白夜。
「ぐぐぐ、貸し切りってものいいよなぁ」
先客はいなかった。
「心読むなよw」
「ぐぐぐ、別にいいだろうw」
「てか、悟心鬼のこと、兄貴って呼んだ方がいいかなぁ?」
末弟の夢幻の白夜が兄の悟心鬼に
ふと、日頃思っていたことをぶつけてみる。
「ぐぐぐ、でもお前の方が全体的に能力が高いだろ」
「いや、でも兄だろ?」
「ぐ~ん、だがなぁ…」
兄貴と呼ばれることはまんざらでもない悟心鬼。
しかし白夜の上に立てるかは自信が無い。
「う~ん」みたいな感じで悩む。
後から入って来た若い男の子グループの一人が
「チン長、何センチ?」などと
ふざけながら言っている声が聞こえる。
さらに白夜と悟心鬼が話しつつ、湯に浸かっていると
今度はニューハーフさんが浴室に入って来た。
前は上も下も大きいタオルで隠している。
「話しかけてみろよw」と悟心鬼をいじる白夜。
読心するとニューハーフさんも嫌がりそうな様子だし、
「ぐぐぐぅ」と困る悟心鬼。
少しの間、「行けよ」「やだよ」のやりとりが続く。
そしてまたしばらくは静かに温まって。
「じゃあ行くか、兄貴」
立ち上がる白夜。
「ぐぐっ、呼び捨てでいいぞ?」
そう言いつつ巨体ゆえ
腹までしか浸かれていなかった
悟心鬼も立ち上がる。
「いや、やっぱ兄は兄じゃん」
能力は自身よりも高いが、
どこまでもこちらに
気を遣ってくれる笑顔の弟の白夜に
悟心鬼はとてもうれしくなった。
だからと言って白夜は変におもねこびへつらうことはせず
脱衣所で今飲んだフルーツ牛乳もきちんとワリカンなのも
悟心鬼には逆にうれしいポイントだった。
と言うか逆に白夜におごってあげたいくらいだった。
だが、それも白夜に逆に気を遣わせてしまうので悟心鬼は
それを想ってしない。
(まともに読心の能力が役立っているようだ。)
そして兄として弟を蔭ながら守って行こうと決意する悟心鬼。
周囲の少ない客には、笑顔を見せる悟心鬼の顔は
不敵な笑みに映ったかもしれないが、
白夜はその意味をちゃんと理解し、
想ってくれている兄をさらにそれ以上に想っていた。
脱衣所のテレビでは朝の再放送の暴れん坊将軍が
悪代官と悪徳商人を"成敗"して
平和な大団円を迎えたところだった。
会計を済ませて健康ランドを出た後、
夜の明けかけた道を悟心鬼と白夜の二人で並んで歩く。
ほてった体に朝の涼やかな風がとても心地よかった。
おわり
■あとがき
退くからこそ相手も退いてくれる日本人的美徳。
最近は日本人も利用されるからと
かなりシビアになって来ましたが、
残して行きたいですね。
最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。
ほんとに終わりです。