艦これ~とあるイージス艦の物語~   作:ダイダロス

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これでよかったのだろうかと悩みながら投稿。
やっぱ戦闘描写は難しい…。


ちなみに金剛さんは35.6cm連装砲と15.5cm三連装砲、零式水上偵察機、増設バルジ(大型艦)を装備してます。

電探?積んでませんねw。
というかECMとかSH-60Kとかも出すと文章がこの上なく重たくなりますし、正直それらもぶっこんで書ききれる文才が自分にはなかった…。

とまぁ、正直不安がてんこ盛りですが物語重視で書いてるので、細かいところはお目こぼししていただけると嬉しいです。



演習・後編

「あ…赤城、加賀。両名共に中破…。平沼、損害なし…」

 演習の審判を務める高雄が信じられない様子で監視室内にいる者たちに状況を告げた。

 もちろんこの言葉はマイクを通して話しているため、演習中の4人にも戦況は伝わっている。

「あれがル級を倒した装備…」

「すごい…」

 夕張と明石は、はぐろが見せたとんでもない装備に魅了されていた。

 しかし他の艦娘達はそうではない。特に翔鶴型姉妹は衝撃のあまり青い顔で固まっている。

 何せ、一航戦の正規空母2人があそこまで完封されたのだ。

 この場には昨日の戦闘時にはぐろと遭遇した時のメンバーもいるが、その時は一体何が起こっていたのかさっぱりだった。こうして第三者の視点から改めて見ても、理解の範疇を超えている。

「なんなのよ、あれ…」

 瑞鶴が上ずった声でそう言った。いつも加賀には意地を張って口を開けば悪口ばかりだが、一航戦の力量は認めていた。

 だが、その一航戦が叩きのめされるのを見て、言葉にできない感情が瑞鶴の心に溢れている。

 もちろんその様子に江李や萌愛も気づいていたが、今この場では何も言えないと判断しそのままに留める。

 代わりに演習の次の展開に興味があるように話し始めた。

「しかし平沼ちゃんどうするのかな?相手は金剛ちゃんだし、特殊兵装は使い切っちゃったし」

「さぁ?もし魚雷を積んでるなら、魚雷戦を行うんじゃないかしら」

 江李はそう言うが、しかしその可能性は少ないと心中では思った。誘導噴進弾なんてものを積んでいるんだ。きっと他にも予想外の性能の装備があるに違いない。そんな予感が江李にはあった。

 演習の最終局面。それは2人の砲撃戦(ファンファーレ)から始まった。

 

 ◇◇

 

 

 金剛型戦艦金剛。その名を、その戦艦をはぐろはよく知っている。

 同じ港に停泊してる時はイージス護衛艦こんごうから戦艦金剛の武勇伝はよく語られた。

 太平洋戦争では最も老齢の戦艦でありながら機動部隊護衛にヘンダーソン飛行場砲撃、レイテ沖海戦と様々な活躍を残した武勲艦。

 先達の艦魂より伝えられた金剛のことを誇らしげに語り、その名を継いだことを嬉しく思うとこんごうはいつも話の終わりに言っていた。

 その金剛の名を冠する艦娘と今から砲撃戦を行うことを、はぐろも嬉しく思っていた。

「ふぅ。艦娘とはいえ、かの戦艦金剛と砲戦ができるのは光栄ね…」

 はぐろは緊張した面持ちで喉を鳴らした。

 金剛に対し、はぐろは主砲でしか攻撃する気はない。

 実戦だったなら勝つためにもう少し何でもありの戦法…SM-2やVLA、SH-60K、はぐろが搭載するありとあらゆる装備を使えばいいが、今回は演習だ。そこまでする必要があるかと言われるとそうでもない気がする。

 そもそも今回の演習の目的ははぐろの装備のお披露目だ。裏技的な攻撃はまた今度の機会でいいはずだ。

 なにより、はぐろは金剛と純粋に砲撃戦を行いたいと思った。

 レーダー技術、対艦ミサイル、そして航空機が発展した時代に生まれた彼女(はぐろ)にとって、砲撃戦など時代錯誤な戦い方だ。主砲は搭載しているものの、軍艦同士の砲撃戦が起こる可能性は限りなく低くなった。砲撃戦を行う前に戦いが決する。はぐろが生まれた時代は、そんな時代だった。

 だからかもしれない。先達が戦ったようなやり方で自分も戦ってみたくなった。

 どんな因果か運命か、はぐろが尊敬する護衛艦と同名であり、太平洋戦争における武勲艦とも同名である彼女と砲撃戦を行う機会に巡り合えた。

 怖さもある。恐れもある。だがそれ以上に胸が踊る。

 はぐろは目を閉じて集中し、秘かに高鳴る胸の鼓動を抑えながら目を開いた。

「行きますか」

 同じ頃、金剛も気合いを入れていた。赤城と加賀が戦闘不能になったことは既に知っている。2人とも死んではいないが、仇討ちのような気分だ。さらにはぐろがどのような手法で赤城と加賀を戦闘不能にしたのか気にもなっていた。

「さて、そろそろ行くネ!」

 不敵な笑みを浮かべた金剛は、水平線に見える敵艦に狙いを定める。

 同じく、はぐろもトリガーに指を掛ける。

「全砲門、Fire!」

「対水上戦闘!目標チャーリー!主砲、撃ちぃ方ぁ始め!!」

 ほぼ同時に2人の艦娘は砲撃を開始する。

 金剛の主砲4基8門が一斉に火を噴く。砲弾は弧を描いてはぐろに向かっていくも、はぐろが回避運動を行ったため、砲弾は海上に落ちて8本の高い水柱を作った。

 一方、はぐろの主砲5インチ砲一門から放たれた砲弾は見事金剛に命中する。

ちぃっ(Shit)!But、まだまだいくヨ!(…まさかあの距離から撃って当ててくるとは。驚きデース。)」

 主砲の射角や方位を調整しながら金剛はそう思った。初弾で当てられたことも驚きだが、両者の距離は依然として離れている。戦艦の主砲なら届く距離だが、はぐろの小さい砲では届くはずもない距離だ。そのため金剛ははぐろから砲撃されることすら予想していなかった。

 確かに戦艦の装備する大口径長砲身の主砲は艦娘が装備する火砲の中では長射程に分類される。そして長射程の主砲を装備できない重巡洋艦以下の艦娘は戦艦と同じ土俵(きょり)では戦えない、はずだった。少なくとも今の時点まで。

 なぜ5インチ(12.7cm)という小口径の主砲でそんなことができるのか。そこには種も仕掛けもない。単純にはぐろの主砲、Mk45mod.4の射程が長いだけだ。

 あたご型イージス護衛艦はぐろが装備するMk45mod.4は、対空目標ではなく対地目標への攻撃を意識した結果、同口径のオート・メラーラ127mm砲より連射性は低いものの射程約37kmを誇る。それははぐろが今の姿になってからも変わりはない。Mk45mod.4の射程は駆逐艦が装備する小口径の主砲と同じ短射程ではなく、戦艦が装備する大口径の主砲と同じ長射程に分類される。

 はぐろの能力を見誤り、予期していなかった攻撃に驚きながらも、金剛は主砲を調整してはぐろに狙いをつける。だが、

「小さくても、これが私の自慢の主砲よ!」

 はぐろはそう叫びながら主砲を撃つ。

 金剛など戦艦の主砲と比べて一見貧弱な武装に見えるが、Mk45mod.4は速射砲だ。オートメラーラ製より連射性が低くとも、戦艦よりは優れている。金剛が次弾を発射するよりも先にはぐろは主砲を撃ち、また金剛に命中した。被弾した場所が爆炎に包まれる。

「Wow、クレイジーな命中率デース」

 痛みにしかめ、金剛が驚いている間にさらに砲弾が降ってくる。金剛はこれを間一髪でかわす。

「oh、ちょっとこれは不味いデスネ…」

 小口径弾ゆえにダメージはそれほどのものではないが、何度も喰らうとまずい。金剛は一旦砲撃を中止して回避に専念する。

 しかしそれでも数秒ごとにテンポよく放たれるはぐろの射撃は精確で、至近弾か、あるいは金剛に直撃する。

「くぅ…ここは一旦退きマース」

「!…逃げる気?そうはさせない!」

 予想外の状況に金剛は一度態勢を整えるべく、持ち前の快速を活かして離脱の構えを見せるが、当然それをはぐろが許すはずがなく、金剛の追撃に入った。

 

 

 

 ◇◇

 

 

 

 遠くの方から砲声の残響が聞こえてくる中、赤城は加賀に近づいた。

「加賀さん、大丈夫ですか?」

「…えぇ、せいぜい発着艦能力を失ったぐらいです」

 海面に膝をついたまま加賀は赤城に返答した。

「…これでは、もう戦闘は無理ですね」

 お互いの状況を見て赤城が残念そうに言った。

 加賀も赤城も航行能力は維持できているが、航空機の運用ができない以上空母は戦闘能力を失ったも同然。

 結局手も足も出なかったことに赤城は無念さがこみ上げてくる。

 だが加賀は言った。

「いえ、…まだ手はあります」

「え?」

 見たこともない装備にやられ、航空機の発着艦能力を失ってもなお、加賀の戦意は衰えていなかった。

 眼をギラギラと輝かせながら加賀は立ち上がる。

「まだです。このまま終わるなんて、絶対に受け入れられません」

「で、でもどうすると言うんですか?貴女も私も発着艦はもう…まさか!」

 何かに気づいてそう叫んだ赤城の頭上を影が通った。

 90式SSMが加賀に着弾する寸前で発艦した6機の烈風と6機の流星改だった。

 波を被りそうなほど超低空まで舞い降りて、そのまま戦闘海域へと向かっていく。

 波を越えて彼方に駆けていく艦載機の群れを見送りながら、加賀は低くつぶやいた。

「さすがに…少し頭に来ました」

 

 

 ◇◇

 

 

 はぐろと金剛はお互いの距離を維持し、同航戦のまま砲撃戦を展開していた。はぐろから見て右側にいる金剛に、金剛から見て左側にいるはぐろに、2人は互いに主砲を撃ちあっている。はぐろとしてはできれば近距離から砲撃を叩き込みたいが、金剛はつかず離れずの距離を維持したままなのでなかなか近寄れない。

「撃ぇっ!」

 金剛の砲撃をかわすためジグザグに航行しながら、はぐろは精確に金剛を狙い撃っていた。1分間に20発発射できる5インチ砲は、確実に高速戦艦にダメージを与えている。

「Fire!」

 しかし金剛はダメージなんてものは無いかのように砲撃しかえしてくる。金剛はさっきの返礼だとばかりに大口径の砲弾が4発はぐろの周りに落下してきた。

「くっ」

 はぐろの周りに水柱が4つほど乱立する。はぐろの顔は飛沫や汗でびしょびしょだった。

 さすがは戦艦の砲撃だ。当たらずとも海面に着弾した際の衝撃ははぐろの体を震わせた。そして当たれば一撃で沈められる砲撃は、はぐろに計り知れないほどのプレッシャーを与えていた。

 薄っぺらい護衛艦の装甲が戦艦の砲撃に耐えられるはずがない。

 当たれば終わりの一撃に当たらないようにはぐろは必死の操艦で躱す。

(さすが戦艦…。なんて堅いの)

 はぐろは伝承に違わぬ戦艦の装甲に唸った。

 (たかお)や一番艦が戦争直前に就役したあきぐも型護衛艦(DD)がいるため最新鋭とは言えないが、はぐろは新鋭の護衛艦だ。

 その性能は太平洋戦争の頃の軍艦など比べ物にならない。それに準じた兵装と思われる艦娘もまた然りだ。

 しかし、今の状況ははぐろにとってあまり芳しくない。

 砲撃戦だとしても、大和型戦艦が搭載した46cm砲を遥かに上回る射程約116.7kmのGPS誘導砲弾を使えればはぐろが一方的に攻撃できるのだ。

 しかしGPS衛星との繋がりが断たれたはぐろは、GPS誘導砲弾を使えないため通常弾による攻撃しかできない。

 今のところはぐろの損害は皆無だが、演習終了のアナウンスが鳴らないことを考えるとまだ小破以下の損傷しか与えていないのかもしれない。事実、7発もの砲弾が命中してもなお、金剛は健在な主砲を使って反撃してくる。

 とはいえ、はぐろの方が優勢なのは変わりない。はぐろの場合被弾すれば一撃で終わるため、このまま押し切りたいところだが、そうもいかない。 

「(まずい、かな…)」

 バイザーに表示された情報を見て、はぐろは顔を顰めた。

 バイザーには警告を示す文章が表示されている。その内容は…主砲の弾切れだ。弾切れといっても主砲に装填されている分がなくなるため、弾薬庫から補給する必要があるというだけだが。

 はぐろは一航戦の艦攻10機に撃った分も含めて主砲を既に19回発射している。Mk45の装弾数は20発しかなく、全弾を撃ち尽くせば自動装填が完了するまでの間主砲は使えない。

 20発目がはぐろの主砲から放たれる。間を置かず砲身の先から冷却水が流れ出て、急激に冷やされたことで砲身から蒸気が上がった。

 はぐろが主砲の補給前に放った最後の1発は、迷うことなく金剛に飛んでいく。そして金剛も自分に向って飛んでくる砲弾を右手を構えてジッと見る。

 そして着弾する、

「ふっ!」

 かと思いきや、気合と共に金剛が右の裏拳で5インチ砲弾を弾き飛ばす。弾き飛ばされた砲弾は遠くの方で爆発した。

 金剛は右手をぷらぷら振りながら不敵な笑みを浮かべた。

「全く、本当にやってくれマスネー。……ワッツ?」

 金剛ははぐろが唐突に砲撃を中止したため、砲撃をしながらも不審に思っていた。

「どうしマシター?なぜ撃ってこないデース?」

 何かの罠と勘繰るが、金剛には砲撃を中止する理由がないため、そのまま砲撃を続行する。

 金剛の砲撃ははぐろからの砲撃が止んだこともあり、徐々に精度がよくなっている。金剛の放つ砲弾が着弾する位置ははぐろに迫っていた。おかげではぐろはかわすのも大変になった。

 いくら対空レーダーで察知できるとはいえ、かわせない程に降ってくるのであればどうしようもない。

「このぉ…!そんな砲撃当たらないわよ!」

「いい加減当たるデース!Fire!」

 金剛は砲撃が飛んでこなくなったことを良いことに、悠然と狙い撃ってくる。

 ひとまず主砲の自動装填が済むまで回避に専念するしかない。バイザーに映し出される主砲の補給状況を見ながらはぐろは歯を食いしばった。

「バーニング…ラーブ!」

 腹の奥底にまで響きそうな戦艦の砲撃音がまた海に轟き渡る。

 そのうちの1発が被弾コースであり、左右どちらかに舵を切ってもかわすことはできそうにない。

 あまりにも大人げないと思って対空ミサイルは封印していたが、ここまでやっておいてやられるのは嫌だとはぐろは最終防衛線の使用を決断する。

「艦前部CIWS!AAWオート!」

 主砲も備え付けられている艦首側のCIWSが対空射撃を開始した。タングステン弾が金剛が放った徹甲弾を穿つ。

 砲弾が空中で爆発し、鋭い破片がはぐろに降ってくる。

「くあっ!」

 はぐろは思わず身をかがめて腕で頭を庇うも、破片の一つがSPY-1レーダーの内、左前方を走査する一面を傷つける。

「しまった…」

 はぐろは具合を確かめるも、破片を受けた面のSPYレーダーはエラーが発生してレーダースクリーンの一部にノイズが走る。演習が終われば元通りになるのだろうが、この場に限っては復旧できそうにない。

 幸いと言うべきなのか、SPYレーダーはフェイズドアレイレーダーで4つの面で1つのシステムだ。精度が下がるのは避けられないが、1つの面を停止しても他の3つの面でカバーすることはできる。はぐろは左前方SPYレーダーを停止させた。

 直撃は避けられたが被弾したことに変わりはなく、はぐろは苦々しい思いで軽く舌打ちする。

「CIWS、撃ち方止め」

 CIWSは起動したままであれば自律自動で射撃を行うため、はぐろはCIWSのシステムを停止する。

 その時、はぐろのバイザーに主砲の補給が完了したことが表示された。よし、あの戦艦にたっぷりとお礼をしなければならない。

「砲撃再開!攻撃目標チャーリー!主砲、撃ちぃ方ぁ始めっ!」

 息を吹き返したMk45mod.4が沈黙を破り咆哮する。戦艦の息の根を止めんと火を噴く。

 対する金剛もようやく張り合いが戻って来たと嬉しそうに撃ち返す。

「こちらも負けませんヨー!Fire!」

 

 ◇◇

 

 

「ちょっと待ってよ…。あれ12.7cm砲だよね…?」

「こりゃ…。とんでもない装備だね…」

 戦艦の距離で戦艦とほぼ対等に渡り合っている実験艦の姿を見て、監視室の艦娘達は再び度肝を抜かれていた。

 特に駆逐艦娘は同じ口径の主砲を装備することもあって、その驚きは計り知れない。

 だがそれ以上に感銘を受けたのも、また事実だ。誘導噴進弾なんて馬鹿げたものを持ちながら、戦艦を相手に真っ向から砲撃戦をしようとする勇敢さを持っていることに。

 戦艦金剛と実験艦平沼。この2人の戦いは、さながら軽装の槍兵と鎧武者の戦いといったところか。

 防御を破るべく手数と機動性で攻め立てる槍兵に対し、高い防御力で必死に耐え、重い一撃で狩り取ろうとする鎧武者の一騎打ち。

 どちらも必死で、だからこそ観戦する者達の心を惹き付けた。

「すごい…」

 呆然と曙が呟いた。その隣にいる潮は、鏡に映し出された砲撃戦に見入っていて曙の呟きは耳に入っていない。

 監視室内にいる艦娘はぽけっと口を開いたまま呆然と演習を見ている。

「全く。常識外れはあの噴進弾だけかと思ったら、ほんと非常識の塊ね」

 呆れたように江李が言った。

「そうだね。大した船だよ」と萌愛も呆れたように江李に賛同した。

 

 

 ◇◇

 

 爆発音が何度も轟く。水柱が何度も作られては崩れていく。

 戦艦と護衛艦の砲撃戦はまだ決着がつかない。

「Shit!なんで当たらないデスカー?」

 撃っても撃っても一向に当たらず、まるで着弾する位置がわかるかのようにかわし続けるはぐろを半ば恨めし気に睨む金剛。はぐろの対空能力を前にしては下駄履きではあっという間に落とされるだろうと飛ばしていなかったが、やはり弾着観測用に水偵を飛ばせばよかったと思った。

 金剛が現在の自分の損傷を確認してみると、はぐろの砲撃で35.6cm連装砲のうち4門が不具合を起こして使用不能になっていた。

 被害状況は“中破”だがまだやれる、絶対に一発お返しに当ててやると熱くなっている金剛は息まいた。

 一方、はぐろの方も苛立ちがたまっていた。

「全くもうっ!硬すぎるでしょ、どう考えても!」

 既に合計で25発撃って15発命中弾を与えたというのに、未だに演習が終了しない。これだけ当てても中破すらしないってどれだけ硬いんだと苛立ち交じりに吐き捨てる。

 こうなったらとことんやるしかない、とはぐろが思ったのも束の間。再びバイザーに表示された主砲弾残量僅かの警告を見て、はぐろは苦虫を噛み潰したような表情になった。

 そして、一瞬きょとんとした表情に変わったかと思えば次は青ざめていた。その時になってようやく信じがたいことがバイザーに表示されているのに気付いたからだ。

「新たに対水上レーダーに感!?」

 バイザーには、反応は小さいが新たに12の対水上目標がはぐろに接近している様子を表示している。馬鹿な、敵艦隊は三隻しかいないはず。

 一体どういうことだと驚愕したはぐろは、波がうねる音の中に何かが空気を叩くような音を聞いた。反射的にその方角を向く。

 はぐろが視線を向けた先、そこには小さな点に見える12機の航空機が海面すれすれの超低空を飛んでいた。

 航空隊の先陣を切る6機編隊は烈風戦闘機隊だった。その後方には腹に必殺の航空魚雷を抱えた流星改攻撃隊6機が追随している。

「嘘!? そんな馬鹿な!」

 今の今まで航空機の接近に気づかなかったことを信じられずはぐろは叫ぶ。

 はぐろが、イージス護衛艦の搭載するSPYレーダーが、ステルス性のない航空機の接近を見逃すはずがない。

 しかしSPYレーダーにも低空から飛んでくる目標を探知できない場合がある。さらに今回の場合、敵航空隊は故障したSPYレーダーの方角から接近していた。

 残りのSPYレーダーの面でカバーしているとはいえ、死角がないわけではない。奇跡的に敵航空隊はその死角を突いてここまで接近することができたのだ。

 また、現在はぐろは金剛と砲撃戦の真っ最中。操艦から見張り、砲撃などに集中していたはぐろは、既に無力化した空母のことをすっかり忘れていた。ミサイル命中寸前に発艦し、撃墜していなかった少数の空母航空隊のこともだ。

レシプロ機の航空隊は、対空ミサイルの残量にもよるがイージス艦には取るに足らない弱敵だ。逆に金剛は、性能が一部制限されているはぐろには相性があまり良くない。だから金剛にばかり注意がいき、超低空からこっそり近づいてくる航空隊の方は見落としてしまった。

 戦闘海域から遠く彼方。90式SSMの直撃で衣服が破け黒く煤けていたが、それでも加賀は己の両足で海面に立って前を向き、彼方にいるはぐろに言葉を吐いた。

「ごめんなさいね。ここは譲れません」

 一航戦の誇りに賭けて。己自身の尊厳のため。いいようにやられただけで終われるはずがない。

 そして艦載機達はその意思に従い、己が目標(てき)を沈めんと欲する。欲するままに突撃を行う。

 烈風の機首につけられた機銃が太陽を反射してキラリと光る。

 航空機の搭載する機銃程度であっても、装甲の薄い現代の戦闘艦。沈むほどの被害は受けないだろうが、それでもたかが戦闘機と侮れない。

 太平洋戦争では戦闘機の機銃掃射で沈んだ帝国海軍の駆逐艦もいたのだ。

 4連装SSM発射筒を射抜かれでもしたら、はぐろもその駆逐艦の二の舞になる。

 そして脅威は戦闘機だけではない。航空魚雷は戦艦ですら被弾すれば大きなダメージだというのに、護衛艦であるはぐろが被弾すればどうなるか…。

 だがSAM防衛ラインは既に突破され、主砲も間に合いそうにない。

 完全に後手に回ったことをはぐろは自覚し、舌打ちしたくなるもその時間すら惜しい。

「くっ。CIWS、AAWオート!」

 2門の高性能20mm機関砲ははぐろの声で再び目を覚まし、迎撃を開始する。自律自動で敵機を追尾し、たちまち前衛の烈風6機を粉砕していく。

 しかし後続の流星改までは間に合わない。

 魚雷の投下点に達した6機の流星改は、落とすに値しないと自らを侮ったイージス護衛艦に槍を放つ。

 投下された航空魚雷がはぐろを射貫かんとスクリューを始動させて目標に突進していく。

 攻撃機から魚雷が投下されたのを見たはぐろは、急ぎ回避行動に出る。

「回避!面舵一杯!」

 はぐろは魚雷をかわすため、右に舵を切る。なんとかはぐろは6本の魚雷の間に入り、当たることはなくなった。

 CIWSは射撃を継続して、流星改を次々落としていく。突如降って湧いた脅威は去った。しかし最後の流星改を落とした時点で2門のCIWSは弾切れになってしまった。

 そしてはぐろが空母航空隊を迎撃している時間は金剛が狙いをつけるにはあまりにも十分すぎる時間だった。

「隙有り、ネ!」

 金剛の主砲が火を噴いた。レーダーで見ずとも風切音が近づいてくるのがはぐろにはわかる。

「しまっ…!」

 回避も間に合わない。来たる衝撃を覚悟してはぐろは目を瞑った。

 徹甲弾がはぐろに突き刺さり、エネルギーを炸裂させる。

 はぐろが黒煙に包まれた。

 一撃。その一撃で終わった。敵の攻撃を撃ち落とし、被弾を前提としない現代の軍艦の装甲は、戦艦の砲撃の前にあまりにも脆く砕かれた。

 

『…え、演習終了!金剛艦隊の勝利!』

 

 金剛の砲撃が命中して大破し、そのまま吹っ飛んだはぐろは海の上を仰向けになって漂っていた。

 高雄の放送が流れた後ボロボロになった服も艤装もすべて元通りになった。

 しかしはぐろは戦闘後の疲労感と脱力からか、なんとなく起き上がる気になれず、波に揺られるままでいた。

 右手を空に伸ばし、ぼんやりと眩しく輝く太陽を掴むようなことをして、はぐろはため息をついて言った。

「はぁ…。悔しいな」

 かつての乗員達の見よう見まねで戦ってみたが、ダメだった。

 ハンデをつけられたとはいえ、最後の状況、12機も残っていた敵の航空戦力を見逃しておきながら対空見張りを怠ったのははぐろのミスだ。対水上レーダーが新たな目標を探知したことを見落としていたのもだ。

 そして、今回が実戦だったなら自分は沈んでいただろう。

 海上自衛隊の切り札であるイージス護衛艦が何たる様か。そのことに思い至ってはぐろの目の辺りが熱くなった。

「悔しい…」

 はぐろはもう1度呟いた。そこへ金剛が近づいてきた。金剛も演習が終わって艤装も衣服も元通りになっている。はぐろに手を差し伸べる。

「ヘイ、平沼。大丈夫デスカー?」

 はぐろはぼんやりと考えながらその手をじっと見つめた。

 自分はまた沈んだ。だが、幸いにも自分はチャンスを得た。

 なら、自分のやることは。

「…はい。ありがとうございました」

 その手を握って、はぐろは起き上がった。

 

 

 

 ◇◇

 

 

「ごめん!」

 パンっと音を立てて手を合わせるのは萌愛大佐。合掌したまま演習を終えて埠頭に戻ってきたはぐろ達に頭を下げている。

 どうしたのだ、とはぐろ達が困惑していると横から江李が問いかけた。

「あんたたち今やった演習の勝利条件って覚えてる?」

 そう言われてはぐろ達は記憶を掘り起こし始める。

「えっと、私たちが平沼さんの大破させることで」

「私が敵艦隊を全員中破、でしたっけ?」

 それがどうしたのか、と金剛を除く3人は訝しげだが、「アッ」と金剛が声を漏らす。

 3つの視線がほぼ同時に金剛に向けられる。

 自分に視線が集中したことに一瞬怯んで、やや言いにくそうに金剛は言った。

「エット、デスネー。私、平沼との砲撃戦で中破してたデース…」

「えっ?じゃあ…」

 そう、実ははぐろが大破するより先に金剛が中破していた。はぐろの見立ては間違いではなかったのだ。

 にも関わらず審判だった高雄、江李や萌愛も演習に見惚れてしまっていたためはぐろ側の勝利条件をつい忘れており、そのことを思い出したのは演習が終わった時の事だった。

 審判であった高雄もしおらしくはぐろに頭を下げた。

「ごめんなさい。私のミスです」

「あ、いや気にしないで。もう終わったことだし」

 謝ってきた青い制服を着た巨乳の艦娘に、なぜか親近感が湧いたはぐろは特に何も言わず早々に幕引きを図る。

 それにまあ、自分の欠点らしき部分もわかったから特に気にしていないのも事実だった。

 それをさておき赤城が心配そうに萌愛に聞いた。

「で、例のご褒美はどうなるんです?」

「ぐっ、覚えてたんだ…。まあ、今回は私らのミスだし今回は4人全員に奢るよ」

 おおっ、と喜ぶ赤城と加賀。対照的に若干頬が引きつっている萌愛。

 若干沈んだ様子の萌愛を横目に江李ははぐろ達に言った。

「ま、あとのことは私達に任せて、平沼達はゆっくりしてきなさい」

「oh!さんきゅーネ提督ー!デハ、私達はのんびりティータイムでもするネー」

 江李の言葉に思い切り甘える気満々の金剛。

 その様子に思わずはぐろは苦笑するも、自分も演習で疲れたため江李のお言葉に甘えてゆっくりさせてもらうことにした。

 

 

 ◇◇

 

 

 演習が終わって、はぐろは金剛にティータイムに招かれた。場所は鎮守府の敷地内にある甘味屋の近くだ。

 勿論、1航戦の2人や金剛の妹達もいる。江李や萌愛、大淀達は事務処理があると言って、執務室の方へ行ってこの場にはいない。ちなみに夕張と明石は演習が終わった直後に工廠の方に向かったらしい。

「さぁ、ティーパーティーの始まりネ」

「うーん、このスコーンおいひいです」

 リスみたいにスコーンを口に頬張る赤城。それに噛みつくのは比叡である。

「ちょっと赤城さん。あまり食べ過ぎないでくださいよ!お姉さまの分がなくなったらどうするんですか!」

「はい、おまちどおさま」

 甘味屋・間宮堂の女性店主がアイスを人数分持ってくる。店の名前を取って艦娘達から間宮さんと慕われる店主の後ろから三つ編みの従業員が2つほど丼ぶりサイズの器に大きなアイスやその上にたくさんのトッピングがされている間宮アイス・スペシャルデラックスを運んできた。赤城と加賀のアイスはかなり重量があるらしく、スペシャルデラックスを運んでいる彼女の表情は少しきつそうで、腕も若干震えている。

 間宮さん達は人数分のアイスをテーブルの上に載せていくとお店に戻っていった。

「これが、アイス」

 はぐろはアイスを見るのは初めて、というわけではない。はぐろ艦内の売店で売られていたし、乗員が食べているのも見かけたことがある。しかし、自分が食べる側になるとは思いもしなかった。

「しかし、平沼さんはすごい装備を持ってますね。やはり実験艦となると、あのような装備を使えるんですか?」

「えっ?えぇ、まぁ…」

 もきゅもきゅという擬音が似合いそうな具合にスペシャルデラックスを食べている赤城に唐突に話を振られ、戸惑ったはぐろは非常に曖昧な返事をした。

「なるほど…。私は空母でありますが、あのような装備を皆が使えるようになれば心強いですね」

「赤城さんにそこまで言わしめるとは…一体どのような装備だったのですか?」

 霧島が赤城に興味深そうに聞いた。

「噴進弾みたいでしたが、初めて見るものでしたね。もぐもぐ…。遠くから飛んできて、まるでその噴進弾に意志があるみたいに私を追いかけてきて、もぐもぐ…私はそれを1発受けて、艦載機の発着艦ができなくなりました」

「私も同じくですね。さらにその噴進弾は航空機並みの射程があるみたいです」

 加賀と赤城が話したはぐろの装備の性能を聞いて、声を大にして金剛型姉妹は驚く。

 それにつられて金剛は自分が目で見て体験したことを妹や加賀達に話す。

「それだけではナイネ!平沼は12.7cm単装砲一門で私と砲撃戦をして、私を中破させたのデース!」

 いつもティータイムの時は静かなのだが、先ほどの演習での興奮がまだ冷めないのか金剛はやや興奮気味でそう言った。

 それを聞いた比叡がえぇっとさらに驚き、榛名が目をパチクリさせ、霧島が眼鏡を上にずらし上げる。

 その後は長姉につられるように高速戦艦姉妹は元気よく騒いでいく。いつもの優雅なティータイムはどこへやら、である。

「ふふ、ふふふ」

 小気味よさそうに肩を震わせるはぐろ。その様子に気づいたのは一人もいない。

「私も…また、あの人たちと話したかったな…」

 任務や訓練を帰港した時、観艦式の時は艦魂同士で他愛もない会話をしていた。はぐろも戦争を生き延びていれば、喪われた命を偲びつつ、こんごう達と港で話をしていただろう。

 寂寥感を込めて小声で紡がれたはぐろの言葉は金剛達に届かず、喧騒に紛れる。

 そうして人生、いや艦歴初のアイスを一口食べる。

 はぐろが初めて食べたアイスは、冷たくて甘くて、ちょっとだけしょっぱかった。

 黙ってアイスの味を噛みしめていると、金剛が元気よくティーカップ片手に話しかけてきた。

「ヘーイ、平沼!私とお話するネー!」

「フフ、…はい」

 金剛に誘われ、はぐろも会話に混ざっていく。

 今日の金剛型ティータイムは本当に賑やかな時間になった。

 

 

 

 

 戦争で冷たい海の底に沈んだはずの自分がどうしてここにいるかは、まだわからない。

 ただ。今は、この人たちの暖かさに身を委ねよう。

 

 

 

 

 ◇◇

 

 一方その頃江李達は提督執務室にて打ち合わせをしていた。

 勿論、はぐろのことについてだ。対外的にも対内的にも欺瞞情報を織り込んだ設定で書類にまとめなければならない。

 書類に書いてまとめるのは殆ど大淀だが、内容を決めるのは江李と萌愛だ。

 それも一段落つき、少し休憩中。

 響を膝の上に寝させながら萌愛は言った。

「いやー。にしてもすごかったね。さすが未来の駆逐艦。加賀ちゃんの報告書に書いてあった以上の能力ね」

「あんまり大きい声で平沼の秘密言わないでくれる。…あとどこから加賀の報告書手に入れたのよ。まだ私総司令部に報告してないし、加賀のだって提出されてから1日も経ってなかったでしょ」

 苦い顔で江李は言った。

 いくら内部の人間、しかも萌愛とはいえ、情報が漏洩していることに変わりはない。

 しかし、萌愛は右手の人差し指を立てて口に当てると、ニッコリ笑って言った。

「ひ・み・つ(はぁと)」

「ウザい」

 半目で江李はそう言い放った。

「にしても、夕張がいるとはいえ、実験艦はないんじゃない?あの兵器どう見ても試作品とは思えないし、平沼って名前もねぇ」

「フン。咄嗟に思いついたのがそれだっただけよ」

「ふふ、拗ねる江李たん可愛いなぁ」

「死ね変態」

 ここまで全部2人のいつものやり取りだ。

 しかしここから先はいつもと少し違っていた。

「…それで?『不知火萌愛日本海軍総司令部付防諜対策部部長』さんは彼女をどうする気?」

 江李はわざわざ萌愛をさん付けで役職名まで呼んで質問した。

「…とりあえずは様子見ってとこかなぁ」

「はっ。不知火家のあんたが随分温くなったものね」

 五百年以上の歴史を持つ、忍の一族。その末裔の1人が不知火萌愛だ。

 数百年前、武士が勢力を争いあっていた戦国期には様々な大名家に雇われて諜報や暗殺をこなし、1人の大名によって天下統一がなされると不知火家はその大名家の下についた。

 外洋文明と接触した近代以降も諜報分野で活躍し、政権側として不穏分子の内偵や排除を行ってきた陽ノ下皇国の影。それが不知火家だ。

 余所者である日本海軍が必要以上に日本国政府に縛られず、他国に干渉されないのは偏に萌愛が裏で暗躍しているからに他ならない。

 その萌愛は真面目な顔つきで言った。

「そう?そう言われると照れるなぁ」

「何で照れるのよ、誰もそんなこと言ってないわよ」

 相変わらず掴みどころがないというか、なんというか…。

 呆れながら江李は萌愛に質問した。

「……あんたはどう思うの?彼女のこと」

 今頃金剛達に囲まれているだろうはぐろのことを思い浮かべながら江李は萌愛に聞いた。

「どうって、良い子だと思うよ。駆逐艦娘に悪い子はいない。江李たんも含めてね」

「……」

 萌愛の返事を聞いて思わず江李は頭を抱えたくなった。

 萌愛とは長い付き合いだが、本気で言ってるのか本心ではどうなのか、未だにわからない時がある。

 ごまかしているということではなさそうだが、どう解釈すればいいのか困るようなことばかりだ。

 そんな江李に萌愛が珍しく真面目に江李の名を呼んで質問した。

「天倉江李提督はどう思ってるの」

「…そうね。もしかしたら」

 江李は窓の外から差す太陽の光を眩しそうに見ながら言った。

「あの子が私たちの今の状況を変えてくれるかもってぐらいには思ってる」

「へぇ…」

 そこまで江李がはぐろのことを買っているのかと意外そうに萌愛が目を細めた。

 

 

 ◇◇

 

 夕暮れと呼ぶ時間にはまだ早いが、もう大分陽が傾いてきた。

 萌愛も一応忙しい身分であり、日が暮れる前に東京の日本海軍総司令部に戻らなければならない。

 横須賀鎮守府1号館の正面玄関に止められた車の近くで江李と萌愛は暫しの別れの挨拶をする。

 萌愛が悪びれもせずに言った。

「今日は突然来てごめんね」

「全くだわ」

 不機嫌そうに返事をする江李に萌愛は苦笑して付け加えた。

「平沼ちゃんのことは私から茶々(ささ)元帥に言っておくから、それで勘弁して」

「はぁ、…わかったわ」

 2人の軍人は最後の挨拶と敬礼を交わす。

「じゃあね。江李たん」

「江李たん言うな、変態」

「ダスビダーニャ、司令」

 萌愛は響と共に車に乗り込んだ。

 排気の音と共にゆっくり発進した車は正門から鎮守府の敷地の外へ出て、東京の方へと走っていく。

 萌愛が乗った車を見送った江李に、大淀が声をかけた。

「提督。平沼さんのことですが…」

「わかってる。鎮守府にいる以上、そろそろ皆に紹介しないといけないってことは」

 細かい事情は知らないにしても、鎮守府内では既に噂になっている。

 噂が噂を呼び、都市伝説のような話がまことしやかに話され、それが原因で妙なことになっても困る。

 はぐろは演習で疲れているだろうし、歓迎会の準備もいるから歓迎会は明日の夜辺りがいいだろう。

 それまでに書類をまとめて、講堂の使用許可申請に、それと横鎮にいる艦娘達に歓迎会の告知をしなければ、と江李はやることを頭の中で整理しながら大淀と共に執務室に戻るのだった。

 

 




イージス護衛艦なのに負けるなんてありえんと突っ込むのは勘弁してつかぁさい。

だって、ほら。仮に大和でも単艦でlv.1ならケッコンカッコカリした上にカンストした駆逐艦4人と演習したら負ける可能性はあるじゃないですか。
イージス護衛艦だって練度が低くて、使う武器も制限されて、戦艦と空母相手に単艦なら負けますよ。うん。ミスしたり熱くなって見落としたりしちゃいますって。

それに加賀さんならレーダーに引っかからない超低空飛行を遠距離からずっとやれなくもなさそうですし。

というかはぐろを早い段階で負けさせてあげたかった。
こうしておけば、自分の能力に慢心せず実戦に臨むようになるんじゃないかなぁ、という感じで。



ちなみに金剛が5インチ砲弾を裏拳で殴り飛ばしたのはアニメのオマージュです。あのシーンを見た時はさすが俺の嫁と妙な納得をしました。
ちなみにあの回が羽黒の初登場回だったんすよね~、可愛かったです。
この物語ではおそらくエピローグぐらいでしか登場する可能性がありませんが…。


まぁアニメの話はここまでにしておいて。
次回は横須賀鎮守府に在籍する艦娘にはぐろのお披露目回ですね。予告では最初想定してませんでしたが。まぁ書いてるうちに必要かな、と思ったので。
いつ投稿するかは未定ですが…。

ちなみに現在艦娘で登場しているのは

金剛、比叡、榛名、霧島。赤城、加賀。瑞鶴、翔鶴。鳳翔、隼鷹、飛鷹。
大淀、明石、夕張。高雄、曙、潮、朧、漣。
響は日本海軍総司令部附扱いですね。萌愛の秘書艦なんで。

それからだいぶ前に投稿した予告にある通り、蒼龍と飛龍、天龍、雷、電は登場予定です。
つまりはあかt…ゲフンゲフンおっと、これ以上は。


横須賀鎮守府にはだいたい40人ぐらいの艦娘が在籍しています。
ただ、横須賀鎮守府のうち何割かはモブ的立ち位置になりますね…。あまり多すぎても物語が…。
だから基本艦娘は金剛と加賀、大淀を中心に登場することになりますね。
あとは護衛艦繋がりで。

さて、長々と失礼しました。
ではまた次回の更新で。

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