【再稿】ペルソナ3でハム子のヒーローアカデミア! 作:Cran
のはずだったのですが非常事態が発生して緊急オペでなーんもできず。
6/9の本日退院にはなりましたので退院直前に持ち込んだPCでございます。
短いですが。
学校施設内に現れるには違和感のありすぎる一団。
多くの生徒たちが抱いた印象は、表現する言葉はおそらくそれぞれ異なれど、大体そのようなものだった。
大きな黒い渦から次々に現れてきた装いもさまざまな15人前後のメンバーに、脳が剥き出しになった真っ黒な巨漢、白髪の長身男性が2名、最後に(なんかドラクエのフレイムの黒いバージョンみたい、などとゲーム好きの誰かに感じさせるような)黒いプラズマ体が大型の首輪をはめたような存在。端的にいって「やばい集団」であるから、それは当然の感想だろう。
雄英ならではの不意打ち手法の訓練かと、まだ余裕を持ちながらもざわめく生徒たち。ただ、公子は直感と経験で、被身子は主に公子への感応で、勝己は動物的な直感と観察で、出久は唐突で膨大な情報量に混乱気味ながら状況がおかしいことを判断し、などそれぞれの理由から警戒をしている。
一方で、消太はそれらに加えて、その脅威度をすぐさま見積もって警戒を最大限まで高めている。
ワープのような個性での侵入手段を持っていること。
明らかに、異形型に分類すべき体格でもちろんパワーも備えているだろう巨漢が非常識の戦闘力を備えているであろうこと。
だが何より、ただの騒動目的のヴィラン集団にしてはあまりにも整然としすぎていること。
それこそコミックやアニメの世界であれば、生贄の羊たるべき学生たちの前に現れるなら何やら舌なめずりをしたり含み笑いをするようなものだし、実際に徒党を組んだヴィランというのは、おおよそそういうものであることを消太は知っているが、あの集団は違う。
規律正しいかそうでないか、連携があるかないかというだけで集団の強さは桁違いに変わる。なお、13号も強く警戒をしているが、彼女の専業は戦闘ではないためそこまでの判断には至れていない。
「13号、生徒たち全員の避難の指揮は任せる」
「先輩――」
ゴーグルで目を覆いながら慎重に集団を見据える消太に、13号もうなずきを返すと生徒たちに向き直って指示を出しにかかる。消太は身構えたまま動かない。
これが仮に徒党を組んでいてもチンピラ集団のようなものであれば真っ先に突入して攪乱、避難の時間稼ぎに向かったかもしれないが、
――下手に突っ込めば死ぬ。
死ぬことには心残りこそあっても恐れはないが、ただ犬死をして時間稼ぎにもならないのでは何にもならない。
そして、まさしく今はそういった状況だ。
そのため、先ほどから個性で連中を“視”て、そのうえで身を隠したヴィランがいることも想定して周辺にも視線を配っている*1。
「お父さん」
「駄目だ」
やおら、自分の横に立った公子の声に即座に反駁する*2。
だが、消太が確信すらしていたように、公子はただ自然体で隣に立っている。
「孤軍奮闘くらいに非合理的な戦いはないはずだよ、お父さん」
そのままずいっと、消太の斜め前に進みすらする。
「多数対少数なら、私の本領」
愛用の武器だったものを模したサポートツールをバトンのように翻して、足先で地面をトトンとたたく。
「私がイレイザーヘッドの娘として衆を抑える。焦凍たちにはもう言った」
なるほど、それがなければもしかしたら統制を外れて暴れていたかもしれない勝己も焦凍も、クラスメイトより一歩進みながらも最大限の警戒で静かに備えている。
これもまた、規律正しく連携を保った集団の力だ。
「私が抑える。お父さんは私をサポートして。みんなで、みんなを守ろう」
「ちっ……。教育がいき過ぎたと思えばいいか」
消太が公子の言を受けて生徒たちに瞬時に目を走らせた結果、思ったのはそれだ。公子の願いを受けただろう被身子が13号を補佐するように皆をまとめにかかっている。13号も懸命に後方へ生徒たちをいざなっている。
そして、生徒と教師という枠を超えて鍛錬に付き合った焦凍、勝己、出久も指示を待つように臨戦態勢で消太を見ている。
「仕方ねえな」
諦めと何か沸き立つような想いで、嘆息するほんの瞬間だけじっくりと目を閉じて、改めて個性でヴィランたちと周辺を見据えてから曰く。
「プロヒーロー、イレイザーヘッドが許可する。これは訓練じゃない。推定ヴィランによる殺人ありきの襲撃だ。よって、総員に告げる。避難、救助、撃退のためのあらゆる対応を許可する」
続き、指示。
「相澤、爆豪、轟、緑谷は推定ヴィランの足止め、渡我はそれらのサポートを行え。13号は避難と救助要請に注力。いま名前を挙げた以外の生徒たちは13号の指示に基づき避難および雄英に救援を要請することに専念しろ、いいな」
背中越しに出される指示。
「これは訓練でも何でもないことを理解しろ。ひとつ間違えば誰かが死ぬ。全員で生き抜くぞ」
「おい黒霧」
「なんですか、死柄木弔」
「なんかその名前ムカつくからやめろって言ったろ」
「失礼しました、ジャハンナ」
「この相澤とかいう、イレイザーヘッドってなんだこれ」
「はぁ」
「個性を抹消するって、なんだこれ、チートか?」
「……はぁ」
「なんだその目」
「いえ」
「わかってない……わけないな、チートだってお前知っていたな?」
「むしろ、教員や事務員の情報を目を皿のようにしてご覧になっていたので、既に知っているものと――あ、いいえ、何でもありません」
「んだコラ」
「まさか、そこまでペルソナガールを意識しすぎるほどだったとは――あ、いえ、何でも」
「壊すぞてめえ」
というわけでお久しぶりでございます。
思っていたことがうまくいかずですが、なんとかまだ生きています。
体は動けずとも頭は動いていたので、いろいろ穴あきだったプロットが固まったのでもうちょっと頻度高くいけそうだなと思いつつ、物足りないかと思いますが更新です。
生きてますよー。