転生独逸〜「選べよ、傀儡か屈辱を。」〜   作:刻空宇譜

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平凡な自分が嫌 何にもない生活が嫌
黒き歴史の天使から買った
怪しいリンゴを頬張った
破滅の運命を全部変えられる
永遠の繁栄を求めて 生まれ変わってやり直せる
転生林檎


プロローグ「転生林檎」
round 0「ゲルマニア=アウグステ」


1945年:ベルリン

 

私、ゲルマニア=アウグステは地下で頭に銃を突きつける。

地上では部下が最後の抵抗を続けている。

私は失敗したのだと思い知らされる

嗚呼、こんなはずじゃなかったのに

なぜこうなったのだろう。

もう、終わりなのだ。

 

千年帝国など単なる「理想」に過ぎなかったのだ。

 

「助けてあげようか」

「...誰?」

「失礼、私の名前は...そうだね。“黒い歴史の天使”とでも呼んでもらおうか」

「...それって要は堕天してるんじゃ...」

「うるさい」

 

胡散臭い。いきなり現れてなんだと言うのだ。私を助ける?どうやってだ。地上にはソ連軍が跋扈しており空にはアメリカの戦闘機がカラスのように群がっている。

そんな状況で私をどう助けると言うのか。

 

「ゴホン、話を戻そう。君の望む“千年帝国”は実現可能だよ」

「そう...でも、無理だよ。もう千年帝国を作り上げるなんて不可能だよ。ドイツは荒廃してしまった。もう2度と国家として成り上がることはできないだろう。もう遅いんだ。」

「...やり直せばいいじゃないか」

「はぁ...」

 

コイツ、もしかしてバカなのか。

時間を巻き戻すと言う意味ならできるわけがないし、1からやり直すと言う意味ならさっき言った通りもう国家としての基盤が出来るのかどうかすら怪しいほどこの国は荒れてしまった。

大方、負けた後は国家を分割されてしまうのだろう。ラインラントに至ってはフランス領になるかもな。

とにかく、私の話をしっかり聞けていれば、この状況から打開なんて不可能だとわかる。むしろわからない方がおかしい。

なんて考えていると天使はリンゴを差し出し言う。

 

「これがあれば、君はやり直すことができる」

「これは何?」

「転生林檎という時を越えることができる果実だ。」

「転生林檎...?」

 

私は思考する。

もしこれが本当なのであれば、千年帝国を作ることは容易だろう。例えどんなにむずかしかろうと、何度でもやり直しできるのであれば時間をかけて成功させることができるだろう。

しかし、特殊な能力には代償が付き物だ。

それに後のことはどうなる。何かを失うのであればリスクが伴う。

それに相手はあって数分の胡散臭い存在。

それを簡単に信じろと言うのか。

 

いや。私の帝国はもうない。私の失うものは何もない。

ならば。

 

 

「...それを頂戴」

「よろしい。是非理想の帝国を作ってくれたまえ。しかし何事も代償は付き物だ。そうだな...転生林檎の代償は...最も大切な“者”だ」

「最も大切な“物”...」

 

そんなものはもうすでにない。

 

「ありがとう」

「ふふ、では、良い転生ライフを。」

 

 

私は林檎を齧った。

 

...ムシャリ




初めまして。刻空宇譜と申します。非公式ながら独自解釈と公式に則り。小説を書かせていただきます。よろしくお願いします。

〜次回:round 1「ゲルマン民族大移動」〜
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