フン、 二つになってく帝国
統べたい!統べたい!統べたい!
ビザンティウム 東はムリか
西に進んで 散らばんね
round 1「ゲルマン民族大移動」
「ん...」
私は目を覚した。
体を起こし周りを見渡す
周りは森ばかりで文明の気配を感じない。
「国も街も何もない...最悪のスタートね。」
むしろあの状況より酷いかもしれない。
そう思いつつ周りを散策する。
少し歩くと大きな海が見え、すぐ近くにはかなり大きめの紙っぺらが見えた。
その紙を拾って広げてみるとローマ帝国の地図だった。
「ローマ帝国...」
察するに、ここはローマ帝国が栄華を築いた時代なんだろう。地図によるとここは黒海沿岸。西ゴート族が住むベッサラビア。
西ゴートはかなり早い段階で、ローマ帝国の傭兵として働き、文明化した種族。近くに村の一つや二つはあるだろう。ひとまず散策することにした。
***
西進し森を抜けカルパティアであろう山脈が見える所まで行くと、この時代にしてはかなり発展していて街と呼べるようなところに着いた。
「何者だ」
「私はエリカ。商人をやっているわ。宿屋を探しているの。入れてもらえる?」
「持ち物を見せろ。」
そう言われて持ち物の中を見せる。
あらかじめ文明を劇的に変化させるものは捨ててあるし、商人が持っていそうなものは道中で回収してある。何も問題はないだろう。
「...よし、入れ。」
「ありがとう」
そして私は街中を散策する。
一先ず此処をキャンプ地とすることにした。
店で持っている金属や宝石、革や絹を売り金を得て、生活に必要そうな物を買い漁る。しばらく月日が経ち、生活が安定してきた頃だった。“東方から屈強な民族が来た”と言う噂話を聞いた。
「フン民族...」
西ゴートは確か一番最初にローマに侵入した種族だったはず。もうすぐ大移動が始まる。
そう結論づけたが、私には地位も権力も何もない。
私には何もできない。
そうこうしているうちに東ゴートは壊滅され、フン族の西進が始まった。国王も反抗の姿勢を見せ、戦争が始まった。
「は...はっは...」
私は走って戦場へ向かう、危険であるとわかりつつも、私には転生林檎がある。私は死なない。
国王陛下にローマ帝国への退避を伝えなければならない。
「国王陛下!戦争の最中に申し訳ございません!平民でありながらローマ帝国への避難を推奨させていただきます。東方の遊牧民は非常に強力な種族です!我々ゴート族には勝てない相手です!東の同胞が倒されてしまったように!」
兵士に取り押さえられながらも、私は叫ぶ。ゴートを少しでも減らさないために
「それはできない。貴様は、我が故郷が略奪されるのを自衛もせず黙って見ていろと言うのか」
「...では、私にも剣と盾をください!この貧相な体であろうと、国王陛下の力となれるよう。血を一滴も滴らせなくなるまで故郷を侵す朝敵に刀傷を与え続けましょう!」
「いいだろう!私に意見した武勇を讃え、貴様にも剣を握らせてやろう。そして、貴様が健闘し、成果を見せることができれば、貴様の主張に耳を傾けてやろうではないか」
「感謝いたします...」
そして私は剣盾を持ち戦地へ飛び込む。
少しでもこの国を存続させるために。
これでいいんだ。
私は転生すればいい。
そして私は敵を切り続けた。
しかし、健闘虚しく、私は倒れてしまった。
(嗚呼...やはり私には足りなかったか。次はもっと、地位を...)
***
「彼女の戦死を確認しました」
「...そうか。身元は?」
「エリカと入国する際名乗っています」
「...戦果は」
「敵を100人以上殺しており、指揮官と思われる者の首も獲っております。」
「...平民としては十二分に活躍してくれた。彼女の決意を評価し。軍を引こう。
我々はこれよりローマに向かう。帝国の庇護の元、我々の故郷へ帰るのを待つのだ!」
それから国王、アラリック一世は軍を引き撤退し、東ローマに入った。
当時の皇帝テオドシウス一世は領内への移住を許し。我々はローマを通り更に西へ向かった。イタリアへ、ガリアへ、そしてヒスパニアへと逃れた。他の種族もそれに続いた。東ローマはゴート以降の民族の移住を認めず。ほぼ全ての民族が西へ逃れ、フランク、ランゴバルド、東ゴート。多くの勢力が西欧に群雄割拠した。かくして、西ローマ帝国は崩壊した。
難を逃れた西ゴート、しかし、故郷へ帰ることはないまま、後に台頭したイスラム帝国によって滅ぼされてしまった。
嗚呼またダメでした
転生しよう
...ムシャリ
本名はゲルマニア=アウグステでありエリカと言うのは偽名である。
次回:round 2「メロヴィング」