ラスボスヒロイン氾濫注意〜推しの一言でダンジョン攻略〜 作:カンさん
【その身を焼き尽くせ!】
灼熱が世界を焦がす。
【永遠に眠れ!】
氷の結晶が世界を閉ざす。
【穿て! 全てを消し炭に!】
神すら殺す雷が世界を轟かす。
【斬り刻め! 細胞すら残すな!】
世界を断つ斬撃が繰り出される。
しかし、クロトには届かない。彼の手に握られた黒刀がノスフェラトゥの放つ魔法を悉く打ち消している。
いや、正確には吸収している、が正しい。
:何が起きているんだ!?
:わからん!
:神の眼は!?
:ごめん今忙しい
コメント欄は既に理解する事を諦めていた。
【馬鹿な! こんな事があり得るのか!?】
ノスフェラトゥの魔法は、数多の世界を滅ぼして来た。練度が違う。魔力が違う。歴史が違う。純度が違う。
彼は、己の魔法でただの人から不死の王へと成り上がった人外。彼の魔法は、理すら揺るがす強力な力。
魔法を無効化するスキルですら貫通するノスフェラトゥの魔法は、相対した相手を絶望の底に沈める。
しかし、クロトは難なく無力化する。
【やはり、その刀に絡繰があるな!】
ノスフェラトゥは転移魔法を使い、己の腕をクロトの背後に出現させる。そしてそのままクロトの黒刀を掴み──バチンッ! と黒い火花が発生して弾かれる。
【ぐっ……】
新しく作った腕が破壊され苦悶の声を上げるノスフェラトゥ。
そんな彼に対して、触らない方が良いとクロトは言う。
クロトの持つ黒刀は、彼が向こうの世界に居た時から愛用していた妖刀。
ダンジョン事故後に失われたと思っていたが、彼がこの世界にて初めてダンジョンに潜った際に何処からともなく現れた。
【不吉な……!】
黒刀を睨み付けるノスフェラトゥだが、それも仕方のない無い話。
この黒刀は多くの生命体を殺している。世界単位で。ノスフェラトゥは死を超越したからか、聞こえてくるのだ──この刀に取り込まれた数多の魂の悲鳴が、怨嗟の声が。
当然、使用者であるクロトにも聞こえる筈だが──彼はもう慣れている。残念ながら彼の精神は普通では無い。
無関係な人間の悲痛な叫び声を四六時中聞かされても、彼にとってはただの雑音でしか無い。ちょっと煩いな、と思う程度。
故に彼だけが使えるのだ。全てを飲み込むこの闇色の刀を。
「──」
【がっ!?】
黒刀を袈裟斬りで振るうとノスフェラトゥの巨体が揺れ動く。
その様子を見ながらクロトは呟いた。
やっぱり、本物は此処に居ないか、と。
:え? どういう事?
:簡単な話だ。このノスフェラトゥは分身だ
:なるほど、だから弱いんだ
:クロト君が無双してるから感覚麻痺してるけど、こいつS級二位完封してんだよね
ノスフェラトゥの分身体は優秀だ。本体が有している能力を劣化させる事が無い。
さらに、その分身体の数は──5体作り出す事が可能。一体倒されれば、再び作り出せばあたかも不死の様に見える。
そして、この世界に白い
何故なら、
それを看破したクロトの言葉にコメント欄は荒れる。
:こんな奴どうすれば良いんだ?
:倒しても再び分身体が来るのか
:無理ゲーでは?
【よく気が付いたな】
ノスフェラトゥの言葉に、クロトは彼の腕を指差す。
黒刀で斬られた筈の腕が戻っている。一度この刀で喰らった物は何も残らない。
しかし困ったな、とクロトは呟く。このままでは、ラストダンジョンの侵攻を止める事ができない。
:なんで?
:もしかして、五つの
:無理だろ
:いや、特級の力使えば可能だろ
:それはそうだけど、クロトくんが今使っていない理由を考えろ
コメント欄に様々な考察がされていくが、大体合っていた。
一体の分身体を倒しても、ラストダンジョンの最奥に居る本体がすぐに補填して
その筈だが……クロトはその能力を使う選択を取れないでいた。
何故なら、氷室セツナはノスフェラトゥに敗北しているからだ。つまり、時間停止能力に対する何らかのカウンターを持っている事を意味している。
【クハハハハ! どうした? 影森クロト! このままでは千日手だが、我は一向に構わんぞ! 貴様と違って我は不死だからな! 先にバテるのは貴様が先だ!】
どうしたものか、とクロトが悩んでいると……彼は感じた事のある魔力を探知し、思わず苦笑した。
初めて相対した時から思っていたが――やっぱり負けず嫌いだな、と。
◆
「ふむ。流石はラストダンジョン。獲れる素材の価値が高いな」
「はい。どれも見た事のないものばかりです」
高知で発生したラストダンジョンのブレイクを治め、白い
S級を超えるダンジョン内のお宝は高く売れる。内心彼女は喜び叫びたかった。
「これで、わらわ達の野望を一歩進むというもの。
「その通りでございます」
探索者の配信を見ている地球外の人間たちは金持ちが多い。スペースコロニーを作り、他の星々から採掘した資源で開拓している彼らと対等に渡り合うには、ダンジョンの素材は武器になるとカグヤは思っていた。
興味を引けば自分の勢力が増すとカグヤは考えている。そうすれば地球は自分の物になる日は近い。今回の国からの依頼は渡りの船であった。
「さて、そろそろ戻るとするか」
「承知しました。皆、撤収作業に入れ!」
そう彼女が踵を返そうとした瞬間――灼熱の魔力が千火桜嵐のクランメンバーの間を駆け巡る。
全員が思わず武器を構えてダンジョンの奥に目を向けるが。
「落ち着け! ……ふん。随分と遅い登場じゃないかカグラ?」
「……えぇ。少し、
現れたのはカグヤの娘であり、特級の一人火ノ神カグラだった。
カグヤ以外のクランメンバーは全員見た目麗しい男性であり、カグヤの愛人である。全員がカグヤに忠誠を誓い、心奪われた性奴隷。
しかし、そんな彼らがカグラに目を奪われてしまっていた。
カグラは何も身に着けておらず、その恵まれた肢体を惜しげもなく晒している。ゴクリ、と情欲にまみれた男の視線が彼女に向けられ――しかし、すぐに吹き飛んだ。
「――ああ、本当に。屈辱ですわ」
怒りの炎がカグラから発せられていた。その全てを焼き尽くす灼熱によって、男たちは反応していた陰茎の興奮が収まる。
カグヤは不敵に笑い、パチンっと指を鳴らすと魔力で衣服を生成し、それを己の娘に渡す。
「汚名返上しろカグラ。何の為に貴様は特級となった? 常に敗北するな。常に恐怖されろ。人類の敵であれ」
「分かっていますわお母さま」
そう言って彼女は、母から渡された衣服を身に纏うと炎の魔力で侍武者の姿へと変身する。
手には灼熱の太刀が握られ――無造作にラストダンジョンを斬り裂く。
「では、お先に」
それだけ告げると、彼女は
「相変わらずのじゃじゃ馬だ」
カグヤは、崩壊するラストダンジョンから撤退を始めた。
Department for Realization of Anomalous Gate Operation and Neutralization。
通称、D.R.A.G.O.N。
政府直轄のクランであり、五大クランに数えられる精鋭部隊である。構成メンバーはA級以上の探索者のみだ。
まだラストダンジョンを異常ダンジョンと呼称していた時期に対応していたクランだったが、現在は主に特級相手の抑止力として運用されている。
その精鋭部隊が壊滅させられていた。
「くそ……死んだんじゃなかったのか……!?」
S級11位ダンジョン探索者、灰崎ドモン。彼は今回のラストダンジョンのブレイクを治めれば、自分たちのクランの名声が上がると考えていた。政府直轄だからか、国民からの好感度が低い。さらにはラストダンジョンを特級が何度も攻略する為、その存在価値すら危ぶまれていた。
そんな彼だが、己の愛武器であるハンマー【アイアンスタンプ】が粉々に砕かれ、己もまた立ち上がれない程のダメージを受けていた。
そして、彼と同じ様に倒れ伏しているD.R.A.G.O.Nのメンバー。
D.R.A.G.O.Nは、
「勝手に殺すな」
「ぐっ……」
灰崎ドモンの顔を踏みつけるのは――氷室セツナ。
彼女はいつもの様に大胆不敵な態度でラストダンジョンに入って来たD.R.A.G.O.Nを撃退し追い出した。しかし、いつもと違う所もある。
それは、セツナ自身もボロボロだという事。普段の美麗な戦闘ドレスは所々が破れており、彼女の白い肌が露出している。さらに怪我をしているのか、少しだけ表情が険しい。
「さて――」
しかし、それ以上に。
「この落とし前付けさせてもらう」
彼女は怒り狂っていた。
「うぉらぁあああああああ!!」
「やめろ! 石動大地! 現時点でソイツと戦闘する意味はない!」
「うるせぇ!」
眼鏡を掛けた少年【神の眼】ことS級3位ダンジョン探索者、沢島恭介は無意味な事をする同業者に苛立ち交じりに叫ぶが跳ね除けられる。
彼の視線の先には、重力を操る黒き大斧・天砕きを操るS級1位の石動大地。
身長2mに筋肉質な体。そして浅黒い肌に猛獣の様な顔つきのスキンヘッドの大男。彼こそがS級探索者の中で最強……つまり人類最強であり、同時に準特級と呼ばれる問題児である。
彼の力は凄まじく、S級ダンジョンを単独で攻略できる程の傑物。
しかし素行は最悪で、女性関係で何度もトラブルを起こし、暴力事件では相手を病院送りにし、そしてその傍若無人な性格から反省する事はない。
好き勝手する彼をギルドは持て余していた――が。
「うるさい獣だ」
「かはっ!?」
そんな彼も敵わない相手が居る。
「少し黙っていろ――わたしより弱いのだから」
「っ……クソがぁあああああ!」
特級、である。
どれだけ強くてもそれは人類の範囲内。石動大地が人類に牙を剥いても、他のS級探索者を集えば対処可能だ。
故に、準特級と言われている彼はギルドに使われている。特級ではないから。
故に、彼は彼女たちに勝てない。特級ではないから。
「貴様らさえ! 貴様らさえ居なければ!」
アキラによって戦闘不能にされた石動大地が罵詈雑言を吐き続ける。しかし、彼女は気にしない。もうこの場に用はないから。
「――行くか」
向かう先は――東京。
「――んぁ?」
とあるダンジョンにてイビキをかいて眠っていた烏丸ナユタが目を覚ます。
「……誰だ? オレの眠りを妨げるのは?」
苛立ち交じりにそう吐いた彼女は――雷速でダンジョンを破壊しながら脱出。
そして現実世界に現れると、不愉快な気配がする場所に向けて腕を振るう。
「消えろ」
すると、彼女の雷の魔力が迸り――佐賀県で発生していた白い
「――ん?」
しかし、彼女の鼻はよく効く。
「――この匂いは」
ジュルリ、と上の口から涎が垂れる。
「男ぉ! 戦っているのか!?」
彼女は雷を纏って東京に向かって跳ぶ。
「オレも混ぜろ!!」
己の欲に従って。
集う。集う。集う。
世界を滅ぼす最恐が、最狂が、最凶が――東京に集う。
その中心に居る最強の元へと。まるで初めから決まっているかの様に。
◆
クロトが気付くと同時に、ノスフェラトゥもまた異変に気が付いた。
【――なんだ? 何が起きている】
その反応に、ノアのカメラ越しに二人の戦闘を見ていたコメント欄は反応する。
:なんだ? どうした?
:何か起きたのか?
:クロトくんも何か感じている?
何が起きたのか――それは直ぐに配信を見ているリスナー達にも知る事ができる。
初めに到着したのは――やはりこの少女だった。
「――蒼鱗の龍、音無き世界、割れる宝玉」
パキンッと東京全体が凍り付く。幸い民間人は避難していた為、被害者は居なかった。
:あ、ギンガさん凍った
訂正、推しが戦っていると聞いて引き返したボロボロのS級2位が巻き込まれたらしい。
しかし、術者はそれを気にすることなく標的に向かって己の怒りをぶつける。
「
空から降り注ぐ六本の氷の刃。狙われたノスフェラトゥは、その術を見て己の完全耐性能力を発動させるが――。
【なに!?】
しかし、ノスフェラトゥの分身体は直ぐに作り直される。それでも、彼は死ぬかもしれないと一瞬思ってしまった。
そう思わせた憎き敵を顔を上げて睨み付ける。
【貴様は!】
「はっ! やはり貴様ら骨だけで動くモンスターは欠陥だらけだな! まともに死にやしない」
蒼銀の魔力を雪の様に地上に降らせながら、舞い降りた魔女の名は氷室セツナ。
:ラスボスが来た!
:
ノアを通してセツナの生存に複雑な心象をコメントに打ち込むリスナー達。
しかし、心のどこかで思っていた──今この瞬間は、この時だけは
【矮小な人間が! いや、それよりも──】
「おい、出来損ない。一つ忠告してやる──防御しろ」
は? とセツナの言葉に疑問を持つ前に、ノスフェラトゥは突如空から落ちてきた砲弾──否、一人の人間に叩きのめされる。
ちなみに、凍結から脱出して近くまで来ていた白銀ギンガは衝撃により遠く離れた場所に吹き飛ばされていた。
轟音が響き渡り、地面が陥没する。そして発生した土煙から飛び出したのは──烏丸ナユタ。
「男ぉ! 【放送禁止用語】ゥ! しようぜ!」
「下品な」
ナユタの四肢に水色の半透明の時計盤が現れ、針がグルリと一回転。その後消えると、ナユタは踏ん張る事が出来ずにそのまま地面に倒れ伏した。
勢いのあまり地面を削り、彼女は怒った顔でセツナに文句を言う。
「何しやがる! 邪魔すんな!」
「喧しい。貴様こそ邪魔するな」
:また特級だ。
:
:寝てたんじゃないのか?
新たな特級の登場にリスナーが戸惑う中、放置されていたノスフェラトゥが再び分身体を構築して復活。
そして、自分を足蹴にしたナユタを睨み付けて手を掲げる。
【ふざけた真似を──】
しかし、その腕は空から舞い降りた一人の戦姫よって斬り落とされる。
「火ノ神流・剣舞、伍の型──【
そして返す紅の太刀でノスフェラトゥを撫でると──天を貫く火柱が発生した。
【グオオオオオ!?!?】
「ふふふふふふふ。あはははははははは! よく燃えますわねぇ! 肉も皮も、何も無いのに!」
苦しむノスフェラトゥを光悦とした表情で眺め、狂気の笑い声を上げるのは火ノ神カグラ。
彼女もまたセツナ同様辛酸を舐めさせられた様で、今の苛烈な攻撃からカグラの激情が伺い知れる。
ちなみに、地上は危ないと踏んで宙に舞う塵を足場に跳んでやって来た白銀ギンガは火柱の余波でバランスを崩して落ちて行った。
:こわ
:魔物を却す紅蓮の炎。
:笑いながら火葬。究極のドSやん
【舐めるな!】
ラスボスらしいカグラにリスナー達が恐れ慄く中、ノスフェラトゥは反撃を試みる。
完全耐性能力でカグラの紅蓮の炎を無力化し、彼は魔法で地面を錬成。鉄の槍を作り出しカグラの腹部を貫いた。
「かふっ」
【はははははは! あの傷からどうやって蘇ったのか知らないが、今度は念入りに殺してやる!】
そう叫ぶと同時にカグラの全身から鉄の槍が肌を破いて外部に露出。多量の血と臓器が噴出する。
「ふふふ」
【……何がおかしい】
「いえ、ここまで滑稽だと愛らしさすら感じまして、ね?」
【──死ね】
ゴキリ、とノスフェラトゥはカグラの首の骨を掴んでへし折った。
「ふふふ──本当に愛らしいですわ」
【──なんだと】
しかしカグラは微笑みを絶やさず、ノスフェラトゥを慈愛に満ちた表情で見ていた。
まるで幼い子どもが親に反抗するその姿を見るかの様に。
ノスフェラトゥはカグラを不気味に思い、手を放して距離を取る。すると、鉄の槍が生え、首が千切れた状態のままカグラは地面に投げ出され──次の瞬間全身から炎が燃え上がる。
【な──】
「あらあら。もしかして初めてなのですか? 己以外の不死を見るのは」
驚愕するノスフェラトゥの前には、傷が全て癒えて元通りになったカグラがいた。
今の光景を見せられれば誰もが理解する──カグラは死なない、と。
【化け物が!】
「酷いですわね。化け物というのは──」
視線の先に居るカグラの頭が突如弾け飛び──そのままノスフェラトゥは不可視の弾丸に貫かれる。
【──!?】
「──人の頭ごと撃ち抜く外道の事を言うのですよ。そうは思いませんか?
「わたしはお前を一番人として見ていないがな」
ライフルを構えたままアキラは吐き捨て、チラリとクロトを見る。
しかし直ぐに復活したノスフェラトゥを見た。どうやら今の一発だけでは殺された恨みを晴らせないらしい。
ちなみに白銀ギンガは運悪く射線上に居た為、脳天に直撃を受けて気絶した。
【貴様は! 確かにその首を刎ねたはず!】
「残念だったな。トリックだよ」
「いい加減種明かししてくれませんか?」
「冗談」
軽口を言い合う二人の間にクロトが立つ。まるで話は終わりだと言わんばかりに。
セツナとナユタもそれぞれアキラとセツナの隣に立ち、ノスフェラトゥを見上げる。
【貴様ら……何をした!】
「「「「なにが?」」」」
【先程から、我の分身が集まらぬ!
ノスフェラトゥが分身体を一体しか出せないのはそれが理由だった。全国に配置させている分身体を集結させようにも、指示が通らない。
ならば、セツナが来る前に感じた違和感。それが原因だとノスフェラトゥは断じた。
「時を止めた。永遠に」
「麻痺ってんじゃねーの? なんかウザかったからやっちった」
「焼却中です。私と同じ様に。今頃死と再生を繰り返している事でしょう」
「切り抜いて断絶している。二度と戻らん運命だ」
何を言っているんだコイツらは? ノスフェラトゥは理解できずに彼女達を見る。
天敵はクロトだけだと思っていた。あの黒刀だけが己を脅かす脅威だと思っていた。
しかし違った。この世界には他にも化け物が居た。
ノスフェラトゥの問いかけに彼女達はまるで散歩して来たかの様に答える。その異質さが恐ろしい。
:流石ラスボス
:結局どういう事?
:セツナはそのまま時間停止。ナユタの麻痺は相手の魔力を使って半永久的に発電するから辛い。カグラも似た様なもの。アキラは情報無いから知らないけど、言葉的に隔離させた?
:何でそんなに分かるんだ? と思ったら神の眼だったか。流石鑑定スキル持ち
リスナー達は有識者により半分は理解できたが、ノスフェラトゥは何が起きているのか理解できなかった。
未知という恐怖が彼を襲う。完全耐性能力は、相手の能力を理解しないとできない。不死の体で一度受け、魔法で分析し、初めて発揮できる異能。
それが全く機能していない。こんな事は初めてだった。
【くっ】
:あ、逃げた!
:逃げるな卑怯者!
それを見たクロトは呟く。追うぞ、と。
彼の言葉を聞いた彼女達は──。
「何故貴様が指揮を取る?」
「あらあら。何か勘違いしていますか?」
「従ってやるからヤらせろ」
「自惚れるな」
「……」
めんどくさっ。そう吐き捨ててクロトは先に一人
「待て!あれは私の獲物だ!」
「何を言っているのでしょうか? あれはわたくしの玩具ですわ」
「キョーミねーけど、男とヤるのに邪魔だから殺すか」
「ちっ。馬鹿どもが」
クロトを追い掛ける様に4人もまた
:どうなるんだコレ?
:とりあえず地球への被害が最小限になる様に祈るか
:せやな
──決着の時は近い。