《Testament of the Last Warden - 世界が歩み始めた日》   作:ケン3ヴァルデン

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第三章:理と幻惑の国境にて
第三章プロローグ


 

《ヴァルデン手記 第三章》

「計略の濁流の中で」

 

かつてこの輝きし文明は、人類は、暴走せし使徒たちと戦いを繰り広げた。その者たちは理の殻を纏い、冷徹なる刃となって大地を裂いた。

 

されど、人類は知らず知らずにその手のひらで踊らされていた。

知覚せぬままに紡がれし陰謀の糸に縛られ、意志なき駒と化して。そうして影に飲まれ、真実はこの時の迷宮の闇に閉ざされた。策謀は静かに張り巡らされ、隠された糸は知らぬ者を踊らせ、罪無き者の魂さえも絡め取る。

 

我らの境界は曖昧となり、理性は感情に欺かれ、信頼は裏切りに染まった。陰謀と策略は、神秘の網のごとく世界を絡め取り、真実は幾重にも塗り潰されてゆく。

 

まるで水と油、互いに溶け合わず、憎悪と不信の淵に沈みゆく。

だが、その淵の底には、偽りの友愛が蠢き、誰も気付かぬまま暗き手に操られている。

 

理想に燃ゆる者も、また知らず知らずのうちに汚れ、その理想の影に己の罪を隠し、罪を背負いし者となる。

 

理性は冷徹に警鐘を鳴らす。

「罪なき者など存在しない」と。

それこそが、この世界に生きる者の宿命なり。

 

今やこの世界の均衡は、理性と感情、神秘と祈り、陰謀と純真の狭間に揺らぎ続けている。我らは今、神秘と虚構の狭間で揺らぎつつ、深き闇の真実を見据えなければならぬ。

そして我らは今、現実という名の深淵を見つめなければならぬ。

 

かつての記録には、文明の終焉は一つの「調和の崩壊」として語られる。

それは天の怒りか、あるいは地の嘆きか。

しかし真実は、誰もが見ぬ間に進行した暗き計略の果てにあった。

 

互いを赦さぬ我らの間に忍び寄る影は、やがて全てを覆い尽くす。

「共存」の名の下に紡がれた言葉は、糸の如き罠であった。

 

その罠に囚われし者は、己の意志を失い、無垢なる魂は歪められてゆく。

その姿は、まるで水面に映る月のように揺らぎ、真実を映さず。

 

我らは知るべし。

真実とは痛みであり、裏切りであり、また赦しであることを。

 

誰もが罪を負いながらも、それでも歩みを止めぬ。問い続ける。それこそが、生の証なれば。

我は何者か、そして我が行いは何を為すべきか。その答えは風の中に消え、雷鳴の轟きにかき消される。

 

しかし、それでもなお歩みは続く。

たとえ水と油の如く交わらぬ我らであれ、交わることなき理想と現実の狭間であれ、

 

我らの魂は抗い続ける。

罪深きこの世界にあって、尚も光を求めて。

 

やがて訪れる夜明けのために。

それは終わりなき戦いの詩(うた)、終わりなき祈りの証(あかし)。

 

この筆を置く今、ただ一つ願う

この手記が、真実の扉を開く鍵となることを

 

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