"秘"密を"封(あば)"く者達よ   作:狐月 ニア

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方舟は、崩れゆく砂の下に

 "砂漠かー……。めんどくさい。"

"一応、アビドスの子たちにも伝えておこうか。アロナ。"

 

("準備をしてから向かう。")

 

「お任せください!…結局、蓮子さんの言っていたメリーさんの眼ってなんなんでしょうね?」

 

 "さぁ…?後で聞かせてもらおうか。"

───

──

場面は代わりアビドス砂漠前。

電車を飛び出し市街地をずけずけと往く蓮子に私が追う。

 

「ちょっと蓮子!速いって…!れん…こ……」

「メリー?」

 

私は耐えれずバタリと倒れ込んだ。いくら砂漠とはいえ、ここ……熱すぎじゃない?

いや、市街地で砂漠なのがおかしいのかもしれない。

 

「ごめん!メリー!……!うっわ汗だっくだく!……水飲んで先生来るまで待とっか?」

「うん……。」

 

あぁ…冷たい水が身体に染みる……。

 

書類補遺。

"宇佐見蓮子。性格は自由奔放ではあるがその内には理性を秘めていると思われる。"

"マエリベリー・ハーン。性格は基本的には温厚。だがケースによっては宇佐見蓮子よりも冒険的になる前例あり。"

 

「退屈……本当にお宝、出るの?」

 

「あの!図書館のっ!資料とかにはっ…!出るって……っ!書いてあった……っ!んだけど………っ!」

 

ザクザクと掘り進める蓮子。それを疲れて休憩中の私が眺める。

 

「ふぅ……ちょおっときゅーけいー……」

「中々出ないわねぇ。せっかく丸1日かけて深秘情報を下調べもして、さらには情報通りの場所でこんなに探してるのに。"あの祭壇"はどこにあるの?」

 

「う〜ん。出ないなら方向でも変えてみれば?」

「どっちさ!そんな事言われたって〜」

 

「えぇ?じゃあ……あっち」

 

 

蓮子から見て右に少しそれたかどうかの所に私は指を刺し、そのまま下に掘り進めと言い放った。

 

 

「メリーも手伝ってよ!大体は私が掘り進めたでしょう?」

 

周りには半径15メートル程の大穴。大体5メートル位はあるのかな。

 

……少々、おかしくはないだろうか。少々で済ますには違和感があるが、一人の女子大生が動かせるような砂の量ではない。まるで、私たちがおかしくなった様な錯覚に陥ってしまう。

 ─いや、まさかね?

───

──

三十分後……

 

先生 "ついたー……"

 

蓮子「遅かったわね、先生?」

 

先生 "だいぶ速かったと思うんだけど……?"

 

「そうよ、蓮子ってば自分で呼び出していて遅刻したり、自分が速く来てれば遅刻に怒るもの。理不尽よね?」

「う。まぁ、それはいいの!メリーも元気になったみたいだし、ほ〜ら!宝探しよ!」

 

 "何も出ないって言ってるのになぁ…"

 

───

──

3人体制で掘り進め、穴の全長は30メートルを越えようとしていた。

モーセの海割りの様に一部を刈り取る方法で掘り進め始めたのが功を奏したのか、驚くほどの効率を見せている。

 

"まだっ……、やるつもりっ……?"

 

スコップを持って30分が経とうとするのに誰も疲れを見せていないのだ。

いや、もしかしたら時間が全く進んでいないのやも。

いつもながらの太陽も動いている気がしない。

 

 

「もちろん……!こういう事で世界に明かしてきたのが私達よ。障壁にすらならないわ!」

 

「もう……付き合わされる側の気持ちにもなってほしいわ。蓮子ったら……」

 

そんな事は言いつつ、私は確信めいた何かを感じ取っていた。

境界とも言えぬ微妙な違和感。私でなければ何も分からない様な小さな錯覚のような。

それを感じ取っているという事は、やはりここには何かがあるのだ。

 そして、下調べの感覚は間違っていなかったということを今、私は確信した!

 

 

「ぜぇ…ぜぇ…」

 

"ひぃ〜…"

 

 

穴の大きさを感じるのも面倒になる程掘った。

 

でも、まだ足りない。

 

「メリー……?ひきあげるわよぉ〜……。さすがに……きびしいわぁ〜……」

 

"うん!砂にまみれて干からびEndなんてゴメンだね!!!"

"疲れたから激しく同意するよ!!!楽しかったけどね!!!"

 

 

「……まだよ。」

 

 "メリーさん?"

 

─まだ、終わってないわ。

 

 

スコップを突き立て、掘る。その、繰り返し。

 

 

そうやって、文字通りの砂漠の奥"底"に進み続ける。私が感じる違和感はそうして強く、強く、強大に。その確信は2人には伝わらないだろうけども、それはそれ。

 私の勢いは止まらない。いや、止まれない。

 溢れ出す好奇心、秘封倶楽部としての使命、意志、その全てがフルスロットルで働きかけているのだから無理はないだろう。

鉄を熱いうちに打っているだけなのだから咎められるはずもない。

そうやって、ひたすらに手を動かした。

 

 

──────

いつの間にか疲れは遥か砂漠の底へ埋まった様に感じなかった。ランナーズハイというやつだろうか?

 

 

「ここ…?ここね!?」

 

スコップを動かす速度を上げる。ビビッと来ただけではない。異界の気配だ─!

 

"!!!"

 

「……えっ。……!?えっビンゴ!?ビンゴなのね!?やったやったっ!お手柄よメリー!!正直無いかもって思い始めてたのに!」

 

 ("えぇ…?自分で言っておいて諦めかけるのか…。")

 "とりあえず掘ろう!感なのは怖いけど!"

 

 

「いや!今のメリーは信用できる!掘るわよ!」

 

"エビデンスもクソもないじゃないか……"

 

「いいや!あるのよ!それがね!」

 

"えぇ〜?本当にござるかぁ〜?"

 

疲労で2人のテンションがおかしくなっているようだけど、私は変わらず掘り続けている。あと、少しのはずなんだ。

 

「ふっふっふ……メリーの眼を舐めてはいけない!なんと……メリーの眼は世界の境界が見えるのだ〜!」

 

 "つまり……どういうこと?"

 

「えーと…例えばここに隠したい物…例えばお金にしましょう。当然、守りたいと思うでしょう?なので透明なバリアを貼りましょう。中身が見えなくなるおまけつき」

 

"うん"(「はい」)

 

「メリーの眼はそのバリアが見えるのよ。そのほつれもね。だから中身も見えてしまうし、解くことも理論上はできる。何か罠でも仕掛けられていない限りはね」

 

 "へぇ〜……不思議だ。"

 

「ま、いいから掘ってメリーを手伝いましょう?はい、スコップ」

───

──

─三時間後…

ザクッ…ザクッ…

砂漠に掘る音が響き渡る。

ザクッ…ザクッ…

 

「ふぅ……休憩休け~い。先生もどう?」 

 

"いやぁ……全くでないねぇ。"

 

「あはは…!?そんなそんな怨み節みたいなねぇ!?」

 

"はあ……まぁ、ご一緒するけど。メリーさんも、どう?"

 

ザクッ…ザクッ…

私はひたすら掘っている。確かに……あと少しのはずなんだ……例え砂漠の底に着こうとも、私は探し当ててやる。

 

「あつ~い……あつくて干からびそう……メリー?!そっちなんか出た〜?!」

 

「もうすぐ…」(カンッ)「きゃっ!?」

 

スコップが何かに阻まれる。

 

「もう…なんなのよ…砂漠なんだからそこまで硬いものは無いはずだし。そもそもなにこ…れ?」

 

目の前に映っていた物は、黒い球体だった。

砂はその球体に絶え間なく落ち続け、私達の掘り出した穴を強固たるものへと変貌させていた。

そして、眼に映る情報がそれが何かを知らしめる。そう。これはある種の結界なのだ。それもとても強固な。

 

「これは…船?」

(これは…!?多次元バリア?なんでここまでの物がこの砂漠に?確かにこれならレーダーは貫通するし…でも、演算が終わりかけてる?)

 

 "…?どうかした?アロナ?"

 

「はいぃ!?先生ぃ!?いやいやいやいやななな……ナンデモアリマセンヨォー……?」

 

魔術師メリーには見えていた。結界の中身が。その構造が。

これは触れてはいけない。そも、触れれない。そう直感が告げるのだ。だが一方─試してみたい自分もいると。

 

「…よし、実験よ。」

「ちょっ…メリー!何か分からないのに危険よ!?私の目にも見えるんだし…」

 

私はスコップを闇の中へねじ込んだ。

 

「─やっぱり。この結界、ほつれてる。」

「お!じゃあ暴けるんじゃないの?」

「いいえ……恐らく不可能よ。これは科学的な結界だもの。」

 

 "つまり…電磁的とかそういう類いのバリアって認識でいい訳なの?"

 

「うーん…メリーの言い草的に結界でしょ?電磁的って訳でもなさそうだし…」

 

 "うーむ…手詰まりだ。"

 "連邦生徒会にでも連絡して調査してもらう?"

 

「うーむ…それも一つの手か…?」

 

「待って!」

 

蓮子が諦めかける中、私はそれを許せなかった。

 

 

 

 "どうかしたの?"

 

「それは…秘封倶楽部として見逃せない。私達が明かす真実に他人の手なんて加えさせたくない。」

 

 (これなら……誤魔化せる……?今、この舟の存在を知られてはならない。まぁ、嘘は言ってないし……行けますよね!)「先生、メリーさんの意見もありますが、何よりよくわからないんですよ。他の生徒さんを危険に晒してしまう可能性があるのですし、ここは一旦置いておきませんか?」

 

 "まぁ、そうか…アロナ、せめてこれについてわかることはある?"

 

「これは恐らく、擬似的に触れられなくなる封印の様な物です。マエリベリーさんの言った通り結界として認識しても構わないと思います。でも、この封印は近々解かれると思いますよ。そんな気が…します!(本当は演算が終わればバリアが消えるだけだけど…)」

 

"よし…さっぱり分からん!とりあえず放置しようか!撤収!"

 

先生が杖代わりにスコップを砂に刺したその時だった。

カツン…

 

全員『…え?』

 

砂漠に轟音が鳴り響く。(ゴウンゴウンゴウンゴウン…)

 

山の様に連なっていた砂が次々と崩れ落ち、それは周りながら姿を現した……。その姿はまるで……

 

『『…卵かけご飯?』』

 

上から見れば周りが白く、中心に黄色の球の様な光が漏れ出ている。

…パット見は本当に卵かけご飯なのだが、その輪郭が全貌を表してきた。

やがてそれは白い塊の様にしか見えなくなる程の前兆を持った物質が、秘封倶楽部(ひみつをあばくもの)達の前に姿を現す。

 

先生 "文字が書いてる…?英語とかは分からないけど…『我が名は、"ビナー"。』……。"




─ハイ。
遅すぎにも程がある。やっぱり期限を設けたほうがよさそうですね。
とりあえず週一投稿を目標に…(それだと今回と何も変わらねぇだろビチグソハゲ)
だいぶ無理のある展開になって来ましたが未だ序盤も序盤です。なんでビナー君がでてくるんでしょうねぇ…?まだアビドス辺りですよ!本当に完走できんのかぁ!?
─追記、8月12日。
ハイ。まずは謝罪を…タイトルなどの細かい修正…はどうでもいいんです。めんどくさくてエタっちゃった☆ごめんね♤
こんなん読んでる人いるのかどうか分からないけどもうしばらくお時間を…見切り発車すぎて泣きたくなってきた
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