八崩賢 極致のシーア 作:蟲の月
「…………は」
激痛の海に溺れ目を覚ます。
どうやら束の間の間、気を失っていたようだった。
相手に圧倒され、あまつさえ戦闘中に気を失ってしまうなど、一体いつ以来だろうか。
血と涙でぼやける視界を懸命に開きながら、自分の置かれている状況を把握しようとする。
鍛え上げられた身体にはいくつもの痣と傷が付けられており、僅かでも動かせば耐え難い激痛が走ってしまう程に手酷く痛めつけられていた。
「……はははっ」
そうだ。激痛が走るのだ。
僅かな身じろぎをするだけで、深く息を吸うだけで、耐え難い程の激痛がこの俺の身体を駆け巡るのだ。
身体中の至る所が痛い辛いと泣き喚き、その激痛を必死に俺へと訴えかけてくる。
「ははははっ! 痛い! 痛いぞっ!」
そんな死を覚悟するレベルの激痛を一心に引き受けて、リヴァーレは苦しむでもなく、ただひたすらに歓喜した。
今リヴァーレが身を焼かれているこの感覚は、もう二度と得られないと思っていた、何より生を実感する感覚だったからだ。
「ああ、俺は今生きている」
ここまで良いようにやられたのは一体いつ振りだろうか。
ここまで無茶苦茶に身体を痛め付けられたのは、一体どのくらい昔の事だったか。
「シーア。俺に比類し得る魔族の戦士か」
この間のシュラハトの言葉が脳裏を過ぎる。
魔王様の命令の下に集まり、与えられた命令の詳細を確認している時に、その名を聞かされたのだ。
正直、その時は特に何の期待もしていなかった。
かつての戦場を知る俺にとって、今を生きる戦士など取るに足らない弱者でしかないからだ。
今回も例に漏れずそうだろうと思っていた。
しかし、シュラハトの言葉は本物だった。
シーアは正しく神代の戦士だった。
奴の振るう力は異質極まりなく、この俺ですら体験した事がない程の重さと強大さを内包していた。
生まれ落ちて僅か数年で、軍神と並び立てるだけの『力』をシーアは手にしたのだ。
一体どれ程の鍛錬を積んだのだろうか。
何を考えて魔法を手繰っているのだろうか。
その事に想いを馳せるだけで、喜びが身体中に満ち満ちる。
「ああ、力尽くで屈服させたい」
震える足に鞭打って、ゆっくりと立ち上がる。
身体を動かす度に耐え難い激痛が走るが、それすらもリヴァーレの気分を高揚させる要素にしかならなかった。
熱を失った身体に、燃え上がる何かが湧き上がってくるのをリヴァーレは知覚していた。
錆び付いていたかつての夢が、再び色を取り戻す。
「お前は俺に希望を抱かせてくれた。もう二度と出来ないと思っていた神代の闘いが、お前のお陰でもう一度出来るんだ。ならば、俺はお前の全力に応えねばなるまい」
疲労も困憊も、リヴァーレを止める要因にはなり得ない。
それらは戦場に生きるリヴァーレにとって、自らの闘いを引き立てるスパイスのような存在だからだ。
リヴァーレの歩みを止められる物など、この世に一つとして有りはしない。だからこそ、リヴァーレは希うのだ。
ーー敗北を知りたい。
今まで味わう事の出来なかった屈辱の味。
絶対の強者として君臨し続けた軍神の最後の願い。
それを齎してくれる者はシーアに違いないと、リヴァーレは心の底から信じてやまなかった。
◆
肉体はサウナの中にいるかのように火照って熱を持ち、精神は今までよりも遥かに澄み渡ってクリアになっている。
この身に降ろした力を緩やかに解放して、彼方へと吹き飛んで行ったリヴァーレの影を見つめながら、シーアは一人呟いた。
「ああ、今行く」
リヴァーレの拳によって揺らされた脳みそが落ち着くのを待ってから、シーアは深く息を吸った。
「でも、なんか、少しだけ疲れたな」
魔法による支えを手放したシーアは、次第に霞み始めてきた目を乱暴に擦りながら、もう一度深く息を吸った。
その表情からは喜びと楽しみの色はとっくに消え失せて、極度の疲労だけが表情を支配していた。
「決定力が足りないとか何だかんだ言ったけど、お前と真正面から殴り合うのはやっぱり楽しいよ」
拳と拳のぶつかり合い。
世界最高峰の肉体言語の使い手。
俺が唯一本気で肉弾戦を仕掛けられる最強の戦士。
ミリアルデのような『柔』の戦い方をするのではなく、俺と同じ『剛』を極める物理特化の戦い方。
「ああ、めちゃくちゃ眠い。油断したら意識が真っ暗になって落ちそうだ。さっきの殴り合いは頭がおかしくなるくらい楽しかったのに、今はもう何にも考えられない」
青く澄み渡った大空を思い切り見上げて、目を瞑る。
真っ暗闇の視界の中で、極度の疲労と眠気だけが、未だに強く主張を続けていた。
降ろした力を冷静に御していたつもりだったが、呼び込んだ力があまりに膨大だったのだろうか。
先の殴り合いの余韻は既に疲労によって掻き消され、肉体は休息を取れと言わんばかりに動く事を拒んでいる。
胸を大きく膨らませ、たらふく空気を取り込んだあと、シーアは己の内に揺蕩う魔力をゆっくりと加工した。
「
もう一度、莫大な力をこの身に呼び込む。
肉体が再び熱を持ち始め、思考は限りなく澄み渡ってクリアになる。
先程まで己の内を支配していた眠気はとうに消し飛び、身体はこれから来たる地獄の殺し合いに向けて肉体を作り替えて行った。
「楽しかったよリヴァーレ。はじめて真っ向からぶつかり合ったのは死ぬほど楽しかったし、河川敷で殴り合うチンピラの青春も体験する事が出来た。もしかしたらこれが友情ってヤツなのかもしれない。でもさ、この世界に頂点は二人もいらないんだよ」
リヴァーレは強い。それは絶対の事実だ。
長生きなだけあって、経験も技量も知識もある。俺に足りていない物の全てをリヴァーレは持ち得ている。
悔しいけど、魔法がなければ俺はアイツとまともに殴り合うことすら出来ないだろう。
素の肉体性能に関しては、奴は俺の遥か上を行く。
魔法を掛けてようやく、俺はアイツと並び立てるのだ。
でも、だとしても。
それは俺が奴より劣っている理由にはなり得ない。
素の肉体性能で負けていたとしても、俺には生まれてからずっと一途に使い続けてきた『
この魔法がある限り、俺は何度だって立ち上がれる。
魔法は俺に無限の力を齎してくれて、その力は俺に立ち向かう勇気と不屈の闘志を与えてくれるのだ。
不完全な肉体を補う至高の相棒。
魔族を魔族たらしめる幻想の結晶。
それが俺を極致へと導いてくれた。
そうさ。だから、これは宣言だ。
ーー俺の全てを注ぎ込んだこの『
◆
「……これは」
鬱蒼と生い茂る森の中を、ただひたすらに歩いていたフランメが、唐突にそう呟いた。
いつも通りの日常風景。いつも通りの平穏な日々。
フランメの目に映る全ての光景が、これは何の変哲もない日常だと静かに告げている。
しかし、奇妙な胸のざわめきは増すばかりだった。
何故か。その答えは研ぎ澄まされた第六感が教えてくれた。
「この魔力……何処かで」
遠くから断続的に鳴り響いている魔力の波動。
空気中を伝播しながら伝わってくるその魔力は、荒々しさと力強さ、そして何とも言い表せない異質な力を多分に含みながら、音のように大気中を駆け巡っている。
しかし、それは些細なレベルの物だった。
一般人であればまず気付かず、普通の魔法使いでも軽い違和感しか抱かない程度の事象だ。
「…………」
フランメはそんな些細な事象すらも優れた第六感で捉え、そしてその異常性を即座に看破した。
ここから遠いどこかで、強大な魔力を持つ者同士が命を賭けた殺し合いに身を投じている。
先程から大気を震わせている魔力の質を見れば、その連中が並大抵の実力者でない事は容易に理解出来る。
しかも、ソイツらはただ強力な魔力を持っているだけじゃない。周囲の被害などお構いなしに暴れ回っている傍迷惑なバカ野郎だ。
でなければ、ここまで大きな魔力を周囲に轟かせるなんてこと出来る筈がないからだ。
それに、この私の神経を逆撫でするようなイカれた魔力には、何となくだが覚えがあった。
私は過去にこの魔力の持ち主と事を構えた経験がある。
『人類の『怒りを買い』そして『殺される』という危機感が、俺を更に上の領域まで連れてってくれる筈なんだ』
ーーそうだ。この魔力は……思い出した。
死屍累々の世界の中。
むせ返る濃厚な血の臭いを幻臭した。
この魔力は確かに覚えてる。
これは、死にかけのエルフ……ミリアルデと共に戦い、殺し合いにまで発展し、最後に人類を殺しまくるとかほざきやがったあのチビ魔族の物だ。
「あのクソチビ……」
ズタボロになった白い魔族の姿が脳裏を過ぎった。
アイツは今も、ここではない何処かで拳を振るっているのだろう。自分勝手な理由で命を奪い続けているのだろう。
エルフの里のような惨劇を、今も懲りずに世界の至る所で繰り広げようとしているのだ。
ーー今度こそ殺す。
人類の怒りを買うことを、アイツは心から望んでいた。
あの時の狂気の表情は今でも思い出せる。
本気で相容れないと思った。共感できないと感じた。
これ以上アイツを野放しにすれば、また多くの惨劇が奴の手によって引き起こされてしまうだろう。あの日のエルフの里のように。
「例のエルフには悪いが、まずはあのチビを殺す方が先だな」
フランメは顔を大きく歪めて不快感を露わにしながら、感知した魔力の元へと歩みを進めた。
◆
「あ! 流れ星!」
「こんな真昼間に見える訳ないでしょ」
キンキンと頭に響く甲高い声で、フリーレンと手を繋いでいる子供がそう騒ぎ出した。
本人は死んでも認めないだろうが、いつの間にかすっかり子守りが板に付いてきたフリーレンはその言葉を適当にあしらうと、空をぼけーっと見上げている子供の手を引いてその場を後にしようとする。
「ほら、さっさと行くよ。帰りが遅くなると私が怒られるんだから」
「いや、でも……流れ星が!」
コイツはさっきから何を言ってるんだ。
まだこんなに日が高いと言うのに、星なんてまともに見える訳がないだろう。
そう思いながらも、フリーレンはその子供の様子を訝しんで、つい天を仰いだ。そして、見てしまう。
「……は?」
空を見上げたフリーレンの目に飛び込んできたのは、凄まじい速さで空を切り裂く二つの流星だった。
眩い光を放ちながら、
しかし、フリーレンは直感的に理解した。
あれは流れ星なんかじゃ決してない。
流れ星は空を縦横無尽に駆け巡る事なんてしないし、強大な魔力を発する事もしないから。
なら、あれは一体何なんだ。
「すごい、綺麗……」
子供はそんな流れ星の異質さに気付く事なく、ただソレに見惚れてそんな事を呟いていた。
二つの流星は、互いにくっついたり離れたりと異常な動き方をしながら、空を駆け巡っていた。
それは意志のない自然現象が取るにはあまりに異常な動作である。と言う事は、やはりあれは人為的な物ーー!
「空を飛ぶ魔物? いや、でもあれは」
魔力探知も併用して、その正体を探ろうと必死に目を凝らすフリーレン。
白熱した炎のような物に包まれ、天空で不規則な挙動を描き続けるその二つの流星は、まるで磁石のように互いにくっつき合うと、次の瞬間凄まじい勢いで反発し爆発した。
そして、力を失ったように落下する片割れの流星。
ーーこれは、まずい。
超スピードで落下する流星。
白熱の炎に包まれ、膨大な魔力を撒き散らしながら隕石のように落下するソレを見て、フリーレンは半ば無意識の内に行動していた。
「ーーっ!」
「うわぁ!?」
フリーレンはひたすら空を眺め続けている子供の手を取って、近くの家屋の陰へと転がり込んだ。
そして、即座に魔力を放出して簡易的な結界を作る。
結界の中で子供を腕の中に抱き抱え、そして身を屈めた次の瞬間、何かが地面に突っ込んだような音と激しい衝撃が即座に辺りに伝播した。
「こんなもんじゃないッ! 俺たちはこんなもんじゃないだろリヴァーレッ!」
「◽️◽️◽️◽️◽️◽️◽️◽️◽️◽️◽️◽️ッッ!!」
舞い上がる砂埃の中から、そんな叫びが聞こえた。
魂に語りかけるような、思わず駆け出したくなるような、そんな何かに訴えかけるような力強い叫び声が、里の中に大きく響き渡った。
「シーアッッ!!」
降り注ぐ瓦礫の中から獣のように叫んで飛び出して来たのは、赤白い炎に包まれた"修羅"としか形容出来ない魔族の男だった。
ソイツは拳を振り上げたまま"誰か"の名を叫び、砂埃の舞う場所へと我武者羅に突っ込んで行く。
ーー魔族。
家屋の陰から身を乗り出し、様子を伺ったフリーレンの目に飛び込んできたのは、私が何よりも嫌悪し憎悪している魔族の姿だった。
襲撃か、はたまた侵略か。
かつての地獄がフリーレンの脳裏を過ぎった。
しかし、その魔族は周囲に転がっている人間に興味を示す事はなく、ただ一点だけをひたすらに見つめていた。
私はつい、その魔族の目線の先へと視線を寄越してしまう……寄越してしまった。
「ーーあ」
私は知っている。人類を害さずにはいられない化物を。
私は経験している。奴等の異常な思考回路を。
私は何より深く覚えている。私の故郷も、未来も、友人も。その全てを理不尽に奪い去っていった白い魔族の姿を。
「お前……!」
燃え盛る里。
死にゆく同胞。
嗤い続ける白い魔族。
今でも瞼の裏に焼きついて離れない。
『ここでお前をぶっ殺して、その死肉を喰らってやるぜ! フリーレン!』
『ほら、お前のことだ』
『ははははははっっ!! 可哀想にフリーレン! 自分の故郷を好き勝手に蹂躙されて滅茶苦茶にされてるのに、お前はそこで這いつくばって行く末を見てるだけ! エルフの同胞が無様に死んで行くのも、故郷が燃やされ朽ちて行くのも、全部お前に力がないからさ!』
残響。肉の焼ける臭い。怨嗟。嗤い声。憤怒。助けを求める声。悲哀。血。泣き叫ぶ。苦痛。飛び出した内臓。真っ赤な月。ミリアルデ。白い魔族。
"シーア"
「…………ッ!」
沸き上がる憤怒。
思い出す絶望。
身を滅ぼしかねない激情の赴くまま、フリーレンは手元に杖を呼び寄せて、考える事もせずに魔法を撃ち出した。
胸に抱きついている子供が、急変したフリーレンの様子を呆気に取られた表情で伺っている事に、フリーレンは全く気が付いていなかった。
「
迫り来る魔法を見る事すらせず、奴は大きくそう叫んだ。
あの日、あの時、あの場所で。
嫌になるくらい耳にした、声に出すのも憚られる魔法の名前を叫んでいた。
「リヴァーレッ!」
奴は周囲に魔力を解き放って地盤を粉々に崩壊させると、対面する魔族の男に向かって拳を繰り出した。
四つん這いで地面を這っている人間たちは、その魔力の放出によって空へと打ち上げられ、私の繰り出した魔法は、奴の魔力の放出によっていとも簡単に掻き消されてしまった。
奴は最初から最後まで私の攻撃を意識する事なく、有象無象を振り払うような攻撃で、私の攻撃を防いだのだ。
ーー相手にされていない。
ーー眼中にない。
ーー歯牙にもかけていない。
フリーレンの中に何とも言えない悪感情が満ち満ちる。
私が全てを投げ捨ててまで殺したかったアイツは、私の事などそっちのけで別の事に夢中になっていた。
私の憤怒も悲哀もアイツによって引き起こされたと言うのに、当の本人はそんな事忘れて楽しそうに暴れているのだ。
「……っ」
私の胸の内に沸々と沸き上がる憎悪と憤怒が、虚しく空回りしているように感じられる。
そもそも奴は、最初から私の事など見ていなかった。
奴が見ているのは対面している魔族の男だけで、それ以外の事には全くと言っていいほど興味を示していない。
私は、私は……。
『貴方が一番若いからよ』
絶望と憤怒と悲哀。それらの感情がごちゃまぜになった混沌に身を焼かれる中で、ふとミリアルデの言葉が脳裏を過ぎった。
花が咲いたような美しい笑みで、私を逃す為に命を賭してくれた恩人の後ろ姿を思い出す。
「…………」
あの魔族は憎い、当然だ。
殺してやりたいと強く思う、当たり前だ。
私の故郷を滅ぼし、ミリアルデを殺し、その惨劇を悦としていたアイツら魔族を絶対に許すことは出来ない。
アイツをここで殺す事が出来たら、どんなに気分が晴れるだろう。どれだけスッキリ出来るだろう。
でも、私がここで死んでしまったら、ミリアルデの決意と覚悟を無駄にしてしまう事になる。そして、滅んでしまったエルフの記憶もこの世界から永遠に消えてしまうのだ。
私の死と共に、永遠に。
「私は……」
エルフはかつてこの世界に存在したのだ。
決して架空の存在などではないのだ。
彼等の歓喜も悲哀も、確かにそこに在ったのだ。
それを覚えていてあげられるのは、私だけだ。
あの平穏の日々と、あの地獄と惨劇を経験した私だけだ。
「……立って。ここから逃げるよ」
「え?」
「はやく」
私は拳を振り抜き殴り合うソイツらから視線を振り切って、子供の手を取り立ち上がった。
子供は腰が抜けたように脱力していて、ブルブルと震えて怯え切っており、とても立ち上がれそうにはなかった。
私はそんな子供を背負うと、里の出口目掛けて一目散に走り出した。
「はあっ、はあっ」
足を潰された人間。
腕を失った人間。
助けを乞うと泣き喚く声。
生きたいと懇願する叫びを振り捨てるたび、フリーレンの心に表現し難い感情が積もりに積もって行く。
頭部がひしゃげ、身体がぐしゃぐしゃになり、原型を留めていない人間の死体を何体も見送りながら、フリーレンは子供を抱き抱えてひたすら走った。
「◽️◽️◽️◽️◽️◽️◽️◽️◽️◽️◽️◽️ッッ!!」
「◽️◽️◽️◽️◽️◽️◽️◽️◽️◽️◽️◽️◽️◽️ーー!!」
獣のような叫び声が二つ、私の後ろで轟いた。
シーアとリヴァーレの拳が真っ直ぐにぶつかり合う。
二人の身体から溢れ出る膨大な魔力が大気を伝播し、周囲の家屋や人もまとめて里そのものを吹き飛ばした。
地面が隆起し捲れ上がる。
空間が歪曲し捩れ曲がる。
私が命を救われ、魔族の憎しみを忘れながら過ごした人里が、あっという間に崩壊していく。
里の人間たちは、大気に身を任せるゴミのように散り散りになって、あちこちに吹き飛んでいった。
「ーーあ」
魔力と爆発の強大な衝撃波が、子供を抱き抱えているフリーレンの小さな身体ごと飲み込んだ。
子供を抱き抱えていた腕から力が失われる。
胸の内に抱えていた温もりが消えて行く。
ーー崩壊する世界の中。最後にフリーレンの目に映ったのは、瓦礫に巻き込まれて潰される小さな子供の姿だった。
今夜のフリーレンはデート回ですね。
そして来週はついにミリアルデ回……! 酒カスエルフの出番ですようふふ。アウラと一緒で登場時間短いのに一生こすられる人気キャラになると予想。
ちなみに、東方で例えるとリヴァーレは星熊勇儀です。シーアは聖白蓮ですね。ターボババアは最強なのです。夢想封印を振り切るスピードは伊達じゃねぇ!
リヴァーレ>シーア(魔法なし)
リヴァーレ≦シーア(魔法あり)
あと、今まで「御す」と「卸す」を勘違いして使っていました。読み方が違うのに俺は何をやってるんだ……気付けたミスです。もし読んでいて見つけた方は誤字報告をお願いします。めちゃくちゃ恥ずかしい。卸売業の魔族かな?