ゼンレスゾーンクウガ   作:アルティメットルパン三世

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追跡

 

デュアルショベルを連れ戻した悠介と白祇重工。最後の一台の行方が分からない為、一先ず解散しリンと共に一時帰宅する事にした。

 

AM7:30 六分街 Random Play スタッフルーム

 

「リン、悠介さん、おかえり。お仕事ご苦労様。」

 

 アキラが2人を迎える。

 

「さっき白祇重工から連絡が来た。今から見つけた2台の知能重機を点検するそうだ。最後のパイルドライバーは、ベンさんが位置を特定したらDMで知らせてくれる。」

「パイルドライバーを見つけるのも、時間の問題という感じだね。ただ、今すぐ結果が出るという訳でもない。待ってる間、何かやる事を見つけて、暇を潰しておいたらいいんじゃないかな。」

 

 2人はベンからのDMが来るまで休むことにした。

 リンと別れた後、アキラの部屋のベッドで横になる悠介。

 

(ハァー…色々あったけど順調に依頼が終わりに近づいてるな。白祇重工の知能機械…知能高すぎて個性的なキャラ付けで驚いた。最後の1台はどんなのが出てくるのやら…)

 

 先日のデモリッシャー、今日のデュアルショベルを思い出しながら悠介は最後の1台がどんなヤツなのか不安交じりな感情になった。

 

(それにしても何故クレタが白祇重工の社長なんだろう…あの歳で社長って俺の世界じゃありえない……そういやこの前の番組でも)

 

『裏の顔があるのはさぁ、建設会社の経営を隠れ蓑に大金を持ち逃げした、どっかの社長の方なんじゃないかい!!』

 

(あの発言だと持ち逃げをしたのはクレタの親御さんが…?だとしたら何故娘を置き去りにしてまで…ハァ、考えるのは止めとこう。何時ベンさんから連絡が来るか分からないし今はゆっくり体を休めよう)

 

 不祥事を起こしたのは先代の社長なのかと疑問を持つが、深く考えるのを止めて悠介は目を閉じて眠った。

 

翌日

 

 3人で朝ごはんを食べているとリンのDMにベンからの通知が来た。恐らくは最後の知能重機の行方が判明したのだろう。

 DMでのやり取りをした後、コチラから白祇重工へ電話をかける。

 

「もしもし、こちらはパエトーンだけど…聞こえるかい?」

『ああ、皆さん。どうも、お世話になっている。わざわざ電話さてもらってすまないな。今すぐ依頼の詳細を説明する。』

 

 ベンからの話によると今回で最後に探す知能重機『III型ホロウ用パイルドライバー』。行方不明になる前は他の2台同様、ホロウの中で真面目に働いていた。

 

『グレースによると、あいつは前からホロウの悪路に強く、移動速度も他の重機より速かったらしい。そのせいか、ホロウの深部まで逃げ込んでしまったみたいで、探すのに苦労したんだ…待たせて悪かった。』

『だが、いい知らせもある。信号の位置を見る限り、あいつは発見された場所から微動だにしないんだ!今データを転送する。』

 

 転送されたデータをアキラが確認する。

 

「見る限り、パイルドライバーはどこかに停まっているようだ。再び移動されてしまう前に、そこに一番近い入口からホロウに入ろう。Fairy、できるかい?」

【肯定。目標ホロウ内のルートを生成中…ルート策定が完了しました。】

「さて、早めに行って、早めに解決しようか。」

 

 算出したルートを元に、イアスを連れた悠介はパイルドライバーの居るホロウへホロウチェイサーを走らせた。

 

─────────

 

 白祇重工の4人と合流し、ホロウへ入った一行。

 

「おお…この辺り、前のホロウより随分寂れてねぇか?エーテル濃度もバカに高ぇしよ?」

「ホロウと化して、もう何年も経つからな。それに、此処はただ危険な場所というだけじゃなく、旧都にも近いんだ。長居するとロクな目に遭わないだろう…」

「侵食される前に早くパイルドライバーを見つけましょう!」

 

 旧都に近いホロウにパイルドライバーが居る。手っ取り早く見つけて連れ戻さないと何時エーテリアスになってしまってもおかしくはない。

 

「プロキシの話だと、パイルドライバーはすぐ前にいんだろ?そんなに時間はかからねぇはずだ。」

「アンドー、あまり楽に構えすぎるのも危険だぞ。前に見つけたデモリッシャーとデュアルショベルは、どちらも性格が大きく変わっていた。グレースもまだその原因が突き止められてないんだ…」

「ハン、性格が変わった所で、我社の知能機械なんだぜ。何が起こった所で、たかが知れてるってもんだ。だろ?オラ、行くぞ!」

 

 アンドーの言葉を皮切りにパイルドライバーの元へ向かう5人。

 

【依頼目標の位置を特定。回収に向かってください。】

 

 Fairyがパイルドライバーの位置を特定し、一行が向かうもすばしっこい動きで逃走。

 色々と妨害があったが、とうとうパイルドライバーを追い詰めることに成功した。

 

「いたぞ。『III型ホロウ用工業パイルドライバー』……フライデー。」

 

 クレタがそう言うと、パイルドライバーは5人を視認しこちらへ顔を向ける。

 

「気づかれたぞ!どんな性格になってるか知らんが…」

「なんの!もう問題児を2台説得してんだ!こいつの話も聞いてやらぁ!」

 

 やる気満々のアンドーがそう言うと、パイルドライバーは何も言わず5人に向かって走り出す。

 

「突っ込んでくる!」

 

 一同は身を構える…が

 

「「「なっ!?」」」

 

 パイルドライバーは大ジャンプし、5人を飛び越える。

 そして着地するとそのまま走り出した。

 

「に、逃げた…?」

「ボサっとすんな!すぐ追うぞ!」

 

 再び逃げ出したパイルドライバーを5人は追いかける。

 

───────

 

 長きに渡る追跡劇の末、一同は再びパイルドライバーを追い詰めた。

 

「諦めろフライデー。もう逃げ場はねぇぞ。」

 

 追い詰められたパイルドライバー。しかし、何も喋らない。

 

「アイツ、さっきから一言も喋らねぇが…言語モジュールがぶっ壊れてんじゃねぇだろうな?」

「それはねぇな。明らかに、ウチらの言葉を理解してやがる。」

 

 未だに言葉を発さないパイルドライバーにクレタが話しかける。

 

「おい、もう小芝居はやめろ。お互い腹を割って話そうぜ。逃走した3台の重機のうち、1台は自己実現にお熱なカタブツもう1台は恋する乙女…で、お前はなにモンだ?何が目的だ?」

 

 ここまで言っても何も喋らないパイルドライバー。

 

「なんだよ。お前にも何かしらあんだろ?妙なキャラ付けが……」

 

『喝ッ!無礼者!』

 

「はあ?」

 

『「キャラ」だと?笑止千万!凡俗の徒如きが無礼にも口を挟み、我が使命を阻むとは!我こそは「明星の断罪者」。我が師の命を受けこの地の封印を固めに参ったのだ。控えろ!』

 

 遂に口を開いたパイルドライバー。しかしその喋り方は実に痛々しい。

 

「プッ…「明星の断罪者」?オマケに「封印」だぁ?」

「なるほどな、こういうの…中二病って言うんだろ?」

 

 乙女、漢と続いて中二病の言葉遣いで喋る3台目の重機にアンドーは吹き、クレタは痛いヤツを見る目で言った。

 

「妄想も大概にしろってんだ!ホロウの中を走り回ったら危ねぇだろうが!」

 

『お主らこそ、かような戯言を!封印が一度(ひとたび)破れた暁には、この地に破滅が訪れるのだぞ!』

『致し方なし、ここは問答無用で突破するのみ!』

 

 パイルドライバーはそう言うと、また大ジャンプしてクレタ達を飛び越え逃走を図った。

 

『我が師よ、いま馳せ参じます!』

 

「躱された!ベン、ヤツを止めろ!」

 

 パイルドライバーの逃げた先にはベンが待ち構えていた。

 ベンが飛び降りると、パイルドライバーの足の一つを掴み動きを止める。

 

「はあ…出来ることなら穏便に解決したかったんだが…悪く思うなよ!」

「ベンさん!俺も手伝います!超変身!

 

 同じくクウガもタイタンフォームにフォームチェンジすると反対側の足を掴んだ。

 

「よくやったベン!クウガ!」

「グレース、今だ!」

 

 クウガとベンが動きを封じてる間にグレースはパイルドライバーに近づく。

 

「はいはい、任せて!…お姉さん、想像力の豊かな子は嫌いじゃないわ?でも、続きは帰ってからにしようか?」

 

 左手にタブレットを持ち、右手をわきわきさせながらグレースは笑顔でパイルドライバーを検査する。

 

『よさぬか!封印が危ういというのに、何故我を阻むのだ!ま、待て!話せば分かるって!俺のそばに近寄るなぁぁぁ!!!』*1

 

 「チッ、普通に喋れるじゃねぇか。」

 

 漸く観念したのか、パイルドライバーは普通に喋りだした。

 

『聞いてくれ!嘘はついてないんだって!本当に我が師ホルスの声が聞こえたんだ!彼の期待に背くわけにはいかないんだよ!』

 

「「「ーー!?」」」

 

 パイルドライバーの発したホルスという言葉にアンドー、グレース、ベンは驚く。

 

「どういう事だ?なんで…ソイツの名前が出てきやがる…!」

 

 そして、その言葉に一番動揺していたのはクレタだった。

 

 謎を残したまま、一同はパイルドライバーを回収したのであった。

 

─────────

 

 その頃、はぐれグロンギのグの一族の拠点

 

 洋風のBARの様なアジトで人間体に化けている10体のはぐれグロンギが飲み騒いでいた。

 

「クソッ!クウガとあのリントめ…」

 

 人間体のヤリド*2は、ソファーに座りながら穴の空いた腹を抑えながらデュアルショベルの強奪を邪魔したクウガとアンドーに苛立ちが治まらないでいた。

 

「キャハハハ!ヤリド、あんたクウガとリントにやられたのぉ?ダッサぁい☆」

「こ、このクソアマァ!ぶっ殺されてぇのか!」

 

 オグドがジュースを片手に近づきながらヤリドを嘲笑い、それにキレたヤリドは腕だけを怪人体に変え鎌を出す。

 

「やめろヤリド、オグドも挑発するな。」

「…すみません、ボス。」

「ちぇっ…つまんなーい。」

 

 しかしライオがウイスキーの瓶を片手に持ちながら2人を制止させた。するとそこへビリマが現れる。

 

「おやおや、随分と派手にやられた見たいですねヤリド様。」

「何の用だよ…俺の出番はもう少し待ってくれ、リントを皆殺しに出来る俺の道具が見つかった所なんだ…!」

 

 ゲゲルの準備が整ってないとビリマにそう言うヤリド。

 

「その事なんですが…実はヤリド様にとびっきりの情報をお伝えしたく参ったのです。」

「……なんだと?」

「実はホロウのある場所にヤリド様の狙っている物の元となった重機がございまして、それを奪い、使えば貴方様のゲゲルも素晴らしいものになるかと。」

「……いいだろう。俺がそれを使ってリント共やクウガをぶっ殺してやる!」

 

 ビリマの情報を聞いたヤリドは立ち上がると高らかに笑い出した。

 

 

*1
どこぞのギャングのボスの顔

*2
工事の作業服を着た右頬にヤドカリのタトゥーを入れた男性




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それではまた次回

治安局からのヒロイン

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