ようこそ時魔法使いのいる教室へ   作:ゆーざーめい

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18話 満場一致特別試験

 茶柱先生の説明が終わった後、早速未来予知で明日の試験の課題を視る。

 

 …これは、完全にAクラスの独走を防ぐためのテコ入れ的試験だな。予防策は取るが、Bクラスに距離を詰められる可能性は高い。

 

 CクラスとDクラスは…大丈夫そうだな。Cクラスの一之瀬と葛城の性格、Dクラスの新たなリーダー的存在になった櫛田の性格、そして、強制力はないとはいえ、以前結んだ契約の影響だろうが、CクラスとDクラスは今回の試験を無難に済ませるようだ。

 

 Bクラスは…やはり動いてくるか。一年生の完全掌握が少しだけ遠のくな。仕方ないか。

 

 その日は、取れる予防策を取り、一之瀬と櫛田には、『自由にして良い。但し、強制力がないとはいえ、契約がある事は念頭に置いておくように』と、メッセージを送った。そして改めて未来予知でCクラスとDクラスの結果を確認した。やはり問題はなかった。

 

 そして翌日。

 

「それではこれより、満場一致特別試験を開始する。ここからはルールに則り進行するため、インターバル以外で席を立つことや、禁止されたタイミングでの雑談などは容赦なく注意をとっていく。心してかかれ」

 

 特別試験の開始が、どこか様子のおかしい茶柱先生から告げられた。茶柱先生の様子がおかしい理由は分からないが、今は気にする事でもない。試験に集中するのみだ。

 

 そして、最初の課題が表示される。

 

 課題① 2学期末に行われる特別試験でどのクラスと対決するかを選択せよ(クラス階級の変動があった場合でも、今回の選択が優先される)

 

 選択肢 Bクラス Cクラス Dクラス

 

 課題が表示されると同時に、茶柱先生が補足説明を始めた。それを聞きながら、改めて考える。

 

 CクラスとDクラスを対戦相手に選択すれば、八百長で簡単に勝つことができるだろう。

 

 しかし、Bクラスも捨て難い。()()()()()()()()()()()、Bクラスとの差を広げるチャンスを逃すべきではない。

 

 しかし、クラスメイトを納得させるのは難しい。CクラスかDクラス、特に龍園がいなくなったDクラスとの対決を望む人間が大半を占めるのは、未来予知で確認済みだ。

 

 現に、第1回の投票結果はこのようになった。

 

 第1回投票結果 Bクラス4票 Cクラス12票 Dクラス28票

 

 さて、クラスメイトをどう説得すべきか。と、昨日は考えていたが、これは、他クラスがどのクラスを指名するかを推測すれば、説得する必要がそこまでないことがわかる。

 

 まずDクラスは、Aクラスを選ぶ事はないだろう。負けを要求される事が分かっていてAクラスを選択することはないはずだ。そしてCクラスを選ぶかBクラスを選ぶかだが、これは正直難しいところだ。だが、俺は未来予知でDクラスが悩んだ末にCクラスを選んだ事を知っている。

 

 Cクラスも同様の理由でにAクラスを選ぶ事はない。そして、龍園なきDクラスを選ぶ事も容易に想像出来る。事実、未来予知で確認したところ、Dクラスを選んでいた。

 

 そしてBクラス。このクラスは未来予知で確認する事はできないが、差を詰める事を狙ってAクラスを選択するか、安牌なDクラスを選択するだろう。坂柳の性格を考慮すると、五分五分といったところか。

 

 何にせよ、CクラスとDクラスはお互いを選び合う。つまりAクラスとBクラスがどのクラスを選ぼうとも、直接対決する事は確定しているのだ。

 

 なのでこの課題は、どの選択肢を選ぶかよりも、早期にクリアする事が求められる。

 

「神城はどう思う?」

 

 少し考え込んでいると、神崎に意見を求められた。現在の議論では、Dクラスに選択する事で意見が固まりつつあるようだ。

 

「俺もDクラスで良いと思う。Dクラスならば八百長を持ちかける事も可能だし、龍園がいないDクラスは脅威ではない」

 

 なので、流れに逆らわずに俺も意見する。そして、第2回投票の時間になる。

 

 第2回投票結果 Bクラス0票 Cクラス0票 Dクラス44票

 

 投票の結果、Dクラスで満場一致した。まあ、どうでも良い。次だ。

 

「満場一致により、一つ目の課題はDクラスの選択で確定とする。2学期末の特別試験で対戦するクラスは正式に決定次第お前達に伝えるが、それは明日以降になるだろう」

 

 そして、茶柱先生の合図で、2つ目の課題が表示される。

 

 課題② 2学期中間筆記試験において、以下の選択したルールがクラスに適用される

 

 選択肢 難易度上昇 ペナルティの増加

 

 一見シンプルな課題のように見えるが、これには大きな罠が隠されている。

 

 もし難易度上昇を選んだ場合、赤点が大量発生するような試験になり、クラスポイントの大幅減少になり、ペナルティの増加を選んだ場合でも、赤点ペナルティが重くなり、クラスポイントの大幅減少になる。しかも、難易度上昇を選ばなくても1学期の定期試験よりも難しい試験になるというおまけ付きだ。どちらにせよクラスポイントの大幅減少は避けられない。

 

 しかし、これはBクラスと異なる選択肢をAクラスが選んだ場合に限った話だ。俺は未来予知によって、Bクラスの選択肢がペナルティの増加であると知っている。ペナルティの増加を選択すれば、何の問題もない。

 

 そして、第1回投票結果はこうなった。

 

 第1回投票結果 難易度上昇14票 ペナルティの増加30票

 

 幸いペナルティの増加は多数派だ。勉強を真面目に頑張っていればペナルティはそもそも受ける事がないので、ペナルティの増加はデメリットになり得ないという論調で、難易度上昇派を説得する。

 

 第2回投票結果 難易度上昇0票 ペナルティの増加44票

 

 説得は成功し、第2回投票で満場一致に成功した。

 

 次、3つ目の課題が表示される。

 

 課題③ 以下の選択したルールが、クラスまたは個人に適用される

 

 選択肢 クラスポイント半減 クラスで最も多いプライベートポイントを持っている者のプライベートポイントを全没収

 

 改めて思うが露骨すぎるだろ。どう考えても俺の持っているプライベートポイントを削りにきている。

 

 だが、この課題については対策しておいた。クラス全員に俺の持っていたプライベートポイントを予め分散させておく事によって、プライベートポイントの没収を1000万ポイントで済むようにしておいたのだ。

 

 こういう課題が出るかもしれないと言ってクラス全員に預けておいたが、やはりここまでドンピシャな課題が出されるとは皆思っていなかったのか、全員戦慄の表情を浮かべている。

 

 そして、第1回投票結果が出る。

 

 第1回投票結果 クラスポイント半減0票 クラスで最も多いプライベートポイントを持っている者のプライベートポイントを全没収44票

 

 今回は1回で課題をクリアできた。まあ、当然の結果だ。

 

「おいおいマジかよ。神城、お前は未来予知でもできるのか?」

 

 橋本が冗談半分で言ってくる。

 

「そんな訳ないだろ。あらゆる可能性を想定しただけだ」

 

 完全に当たっているのだが、冷静に否定する。

 

「ともかく、結果的に対策をしておいて良かった。次でラストの課題だ。みんな、気を引き締めろ」

 

 少し騒がしかったので、落ち着ける。そして、最後の課題が表示された。

 

 課題④ クラスメイトが5人退学になる代わりに、クラスポイント800を得る

 

 選択肢 賛成 反対

 

 …さて、ここからが問題だ。これに関しては、正直今もどちらの選択肢を選ぶのが正しいのか迷っている。Bクラスは賛成を選ぶため、もしAクラスが反対を選べば800クラスポイント差が縮まる事になる。それでも700クラスポイントほどの差はあるが、Bクラスがまた息を吹き返すのは避けられない。

 

 だが、退学者を5人出すというのも当然取りたくない選択肢だ。退学者を積極的に出す方針を取るクラスというイメージは、クラスの雰囲気をギスギスさせるし、契約にも支障が出る。

 

 だが、これは満場一致特別試験だ。俺の一存で賛成か反対かを選択できる訳ではない。そして、このクラスは第1回投票で全員反対を選ぶ。何人かは賛成を選ぶかと思ったが、このクラスは俺が思っていたよりも結束力が高いのだろうか。

 

 俺が賛成に投じれば、議論の余地は生まれる。だが、意味がない。特に平田が絶対に賛成に投票しない。理由は分からないが、未来予知で確認したところ、どの分岐を見ても平田は頑なに反対に票を投じていた。投票回数を重ねる内に平田の精神が崩壊し、異常行動に出る事もあった。

 

 …やはりここは反対に票を投じて穏便に済ませよう。

 

 第1回投票結果 賛成0票 反対44票

 

 こうしてAクラスの満場一致特別試験は、滞りなく終了した。

 

 クラスポイント

 

 Aクラス 2379(±0)

 Bクラス 1693(+800)

 Cクラス 645(±0)

 Dクラス 0(±0)




龍園の自主退学でDクラスのクラスポイントは0になっています
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