シンカが自室に向かい、就寝している中、彼を除く3人は別室に集まりセイナが「さて…」と咳払いをして仕切り出す。
「今回、集まってもらったのは異世界から召喚された勇者の話です。」
2人は話を察していたかのような反応を示す。
「恐らくあのビビリな国王が異世界からの召喚という禁忌を犯してまでしたいことは恐らく一つ」
「勇者パーティ 団長漆黒の暗殺…?」
「そうです。」
セイナは、指で音を鳴らすと数多の映像が空中で映し出される。
そこには異世界から召喚された人たち、勇者パーティや賢者パーティなどが映し出される。
「今のところは、動きはない、だけど成長速度は早いね。」
「流石異世界の召喚された時のオマケ…潜在能力が元々高いのでそれが目覚めているんでしょうね。」
「んー、とは言え団長がやられるわけもないし」とクロはふぁ…とあくびをする。
「とは言え、漆黒さんだけが暗殺のターゲットじゃない可能性もありますよ?それに例のパーティも動けば…」
「……」とクロやマリリンが一瞬だけ表情を曇らせる。
「それで、旦那様に実害はあるのか?」と自分の要件を端的に話す魔王ことマリリン。
「うーん今のところは…というかシンカさんにゾッコンですね、マリリンちゃん。」
「うむ…♡もはや我たちは一心同体じゃ♡」
「会ってまだ、一週間…」
「年月ではない、心はすでに万年じゃ…♡」
「あー言えばこう言う…」
クロが珍しく反応に困っていると、セイナが「とりあえずですね」と提案をする。
「この要塞を看破出来るとは思いませんが、一応私たちは追放という形ではありますが元S級パーティと魔王という曰く付きです。」
「我は処女だぞ!?」
「今は、そういうの、じゃない。」
クロがマリリンにツッコミを入れるとセイナは「シンカさんのために私も含めて外出は警戒して下さい。」と要件を伝え終えると「では、お疲れ様です。」とお辞儀をする。
「おやすみなさい」
「ん、おやすみ」
そうして3人は各自個人の部屋…ではなくマリリンは就寝しているシンカの部屋にるんるんと気分よく行くのだった。
*
朝日が、視界に入り目が眩む。
俺は「んっ…」と光に目が眩みながら目が覚めるとそこには魔王様がいた。
「おはようなのじゃ♡」
…どうやら俺にはもう24時間命の危機に瀕さないと行けなくなったらしい…というかなんで右手恋人繋ぎしてるの?なんか胸を指でいやらしい触り方しないで?
「…おはようございます…魔王様…いつからそこで?」
「もう…♡堅苦しい言い方をするな…我達の仲ではないか♡マリリン…いや、マリ…と呼んでくれ…♡」
「……」
恐らく、男であればこんなメロメロの女性を前にしたら襲い掛かりハッスルしまくるのだろう。俺も絶対そうする。もちろんそうする。当たり前だよなぁ?
…ただ、今回は違う。コイツを襲えば俺は命が終わり人生が終焉するだろう。それだけは避けたい…!
「あっあー!わっわたくしめお腹が減りましたなぁ…!あははははのはぁ〜!」
「まぁ!それは大変なのじゃ!」
そうしてベットから降りてたったったっ、とリズムよく俺の部屋から出ていく魔王様。
…よし、少しずつ勝ち星が見えてきたな…と俺はガッツポーズをすると魔王様が戻ってくる。
……あの…なんですかそのお鍋に入っているダークマターは…?
「旦那様のために…///…その頑張って朝食を作ったのじゃ…///」
朝食…?兵器の間違いでは?
「食べてみて欲しいのじゃ…///」
俺に兵器を食べろと…?中々面白い冗談だ。
俺は脳内が錯乱していると魔王様が上目遣いで不安そうな表情を浮かべる。
「…」
「…」
…おいやめろよ、その上目遣いの涙目になるの…!食べ物じゃ無いものを食べないのは当たり前だろ!?
…
…
…
カチャッ…パクッ…
…
俺は死んだのだった。
*
「本日の朝食は――料理対決です!!」
異世界召喚された勇者、エルフのマナがそう宣言した瞬間、部屋がざわめいた。
「え、聞いてないんだけど!?」
「わたくしの『虚無煮込み』で勝てる気がしませんの?」
「燃やしてもいい?」
――ちなみに、きっかけは圭の何気ない一言だった。
『たまには皆の手料理とか食べてみたいな~(※軽口)』
それを聞いたハーレムのメンバーが全員、
「ケイ様に食べさせるのは私の料理ですから!」と口を揃え、
翌朝にはなぜか審査員席に座る羽目になっていた。
「では、最初の挑戦者――エルフ族、マナさん!」
「はいっ。ケイ様のために、森の恵みで作ってきました」
マナはお盆を抱えて登場。乗っているのは、真っ白なスープと――動いているキノコ。
「これ、さっきまで喋ってましたけど…?」
「新鮮なうちに…と」
「いや新鮮すぎる!!今スプーン押したら『あっ、ちょっとやめて!』って言ったぞ!?!?」
「エルフの森では感謝を込めて声を聞いてから食べます」
「いや儀式いるタイプ!?」
マナの瞳はキラキラしていて、断れそうにない。
(食うしかねえのか……)
ケイは意を決して一口――
「……うまッ!!!?」
口に広がる、自然の風味。しゃべるキノコの声が口内に共鳴する不思議な食感。
「なぜか背筋が伸びるし、集中力が上がってきた……ッ!」
「それ、少量の魔力覚醒キノコも入ってるので」
「普通にヤバいもん入ってたァ!!」
⸻
「次、魔族のリリス様!」
「ふふ…見せてあげるわ、魔王城秘伝の“灼熱地獄煮”!」
――黒煙。
――謎の燃える鍋。
――床が溶けた。
「リリス、それ武器だよね!?料理じゃないよね!?」
「勝つためには多少の犠牲はつきものよ!!」
「犠牲=俺の胃袋やめろ!!」
⸻
「……ケイ様ぁ、最後にあたしの“ねこまんまスペシャル”も……」
「ルナ、それただの味噌とご飯だよ!!でも美味そうだからOK!!!」
⸻
最終的に勝者は――
「ま、マナさん…ですかね……覚醒してるし、なんか世界が見える……」
「うふふ、次はお弁当対決しましょうね?」
(やべぇ、この人…着実にハーレム内で覇権取ろうとしてる……!)
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