「レベルが低すぎる」

 ――英雄に憧れたE級冒険者シンカは、信じていた仲間からそう告げられ、今日も一人パーティから追放された。夢破れ、冒険者として最も惨めな瞬間をなん度も味わう。

 酒場でやさぐれるシンカ。自分には何もないと自嘲する彼の耳に、同じようにパーティを追い出されたらしい女性の怒声が響く。自分とは違う確かな実力を持つ彼女を、ただ羨むことしかできなかった。
「あーあ……何か一つでも特技があれば、俺もなぁ……」

 そんな叶わぬ願いを抱き、酒に溺れるシンカは、その帰り道、路地裏でダンボールにうずくまる一人の少女を見つける。銀色の髪に、何も映さない赤い瞳。関わりたくないと思いながらも、最低限の施しをしてその場を去る。

 これで終わりのはずだった。だが翌朝、目を覚ましたシンカの隣には、昨夜の銀髪の少女が眠っていた!

 どん底の冒険者と謎多き美少女。この奇妙な出会いは、彼の運命をどう変わるのか。

「幸せな追放」そんな言葉を宣言した主人公シンカの英雄になれなかった物語が、今予期せぬ形で幕を開ける!