一難去った俺と銀髪の少女は、とりあえずギルドの依頼の薬草採取を受けた。
そして茂みに入り草むらを分けて、森に入り目的の薬草を取っていく。
「つかおまえ…俺に付き合う義理はないだろ」
「ん、家賃」
「なんで俺の宿に泊まる前提なの?」
黙々と採取していくとふと気づいた俺は「おい」と少女に話しかける。
「少し深く入り込みすぎた。引き返すぞ」
「なんで?ここいっぱいあるよ?」
「いや、危険なモンスターが最近見られたらしいから、そんな危険を犯すわけにもいかないからな」
「それってこれ?」
「ん?」
と、少女が指を刺す方向に俺は振り返るとそこには立派な鼻にツノがついているモンスターをみる。
「そうそうコイツはA級のベヒーモスってな〜この立派なツノによる突進と雷魔法で冒険者の犠牲数が年間数百を超えている災害みたいなも…」
おどろおどろしい鈍いうめき声が頭に響く。
「わぁ」
ドチュン!
大きなツノに触ったいたので、当選のごとく俺の右腕が丸ごと吹き飛んだ。
「チッ……!」
俺は少女を抱えてダッシュでその場からダッシュした。
「ぁぁぁぁぁ!イッテェ!!!」
情け無く叫びながら。
*
ひゅっひゅっ!と俺は変な声をしながら、ベヒーモスとチェイスが繰り広げれていた。
「遅い。このままじゃ追いつかれるよ」
「うるさい黙ってろ!!」
少女はなんかの魔法を使っで俺の右腕の痛みを和らげていた。
あーありがてえなぁ!!と俺はブチギレながら走る。
どうしてこんな目に。と思いながら俺はベヒーモスの方を振り返った。
あ?なんでそんな構えして…
ズンっ!!と地を蹴飛ばす音と共に空へ吹き飛ばされる。
俺は「えっ?」と声を漏らす。
「あっ死ぬのか…」と呟く俺はそのまま落下していくが少女を庇うように抱える。
…まだ、おれ25歳なんだ。
年齢イコール童貞でさ…いつしか、なけなしの有り金を全部溶かして一番いい娼館とかで筆おろししてもらいたかった。
あと一口でもいいから一つ10万のするステーキ食べたい。
……まぁ、今から死ぬからいいや。
重力に沿って落ちていくのを感じる。
俺は、せめてコイツだけでもなんとか助けないと。
そう思いながら、少女の頭を抱えて抱き寄せながら目を瞑る。
浮遊感というか、あの臓器が下半身に行く独特な気持ち悪さを感じながら俺はすごい速度で落下。
ドンっ!!と鈍い音は確かにした。
ただ落ちる衝撃や痛みを感じずに、俺はゆーっくりと目を開けるとそこには少女の赤い目が真っ直ぐ見える。
「っ、えっあっ?天国?」
「何寝ぼけてるの?」
何故かいつのまにか俺は、少女にお姫様抱っこをされていた。
降ろされた俺は、その少女がベヒーモスに向かって歩いていくのを見る。
「い、いやおい待て!」
「何」
「危険だ!俺なんか置いてすぐに逃げろ!!」
「必要ない」と短く話す少女。
「あぁ!?そんな世迷言言わずにとっとと」
「倒せるから」
そう宣言した少女は銀髪をたなびかせ突然、全身から赤く鈍い光が点々と輝く炎が、体全体に纏っていく。
その炎に俺は暑さを覚えながらも、その光景に見惚れてしまっていた。
そして少女は胸の前に手を置き、胸から剣を引き抜く。
「
ぶわっと、全身が熱風に包まれ今にも燃え尽きそうな炎が俺を襲い「あっち!あっち!」とみっともなくのたうち回る。
レーヴァテイン、確かにそう呟く彼女は天にも登る炎を巻き上げキンっ!と振り下ろした瞬間、先程の立ち上る炎が嘘のように消えてなくなる。
「っ…!あっ…」
「ぶふぅ!ゴギュルルルル…!」
俺とベヒーモスはその紅に染まる剣に動物的本能かは分からないがその剣の圧にガタガタと身体を震わせて恐怖していた。
ただA級のベヒーモスは、恐怖を払拭させるかの如く叫び突進していく。
キーン…!と鈍く低い不気味な音を立ててレーヴァテインをゆっくり振り下ろすとベヒーモスは少女の身体をすり抜ける。
三秒。カチッ……
「この能力は、炎による絶対的な暑さによる物、あらゆる物体の私に対する攻撃をゼロにできる」
その言葉は勝ちを確信した飲みに許される開示。
二秒
「そして、更に時空を超越して」
クロはそんなことを気にせず淡々と
一秒
「私が、先に攻撃したことになる。」
当然の権利のように勝者の特権を得ていた。
『
そして、ベヒーモスの身体がまるで逆行していくかのように空間が歪んでいく。
少女の説明と共にベヒーモスの身体は袈裟斬りされ、斜めに上半身と下半身がずれ落ちた。
「マジか……」
勇者パーティにいた、それが嘘ではないことがそこで俺の中で確信した。
でも、何処の誰だ。確か勇者パーティの団長の側にいた副団長に銀髪の少女が確かにいたと聞いているが何せ秘匿すぎて顔が割れてないからわからないのだ。
俺も前にパレードをパーティ仲間と言ったが顔が仮面で分からなかったんだよなぁ…
……副団長か。と少女の顔を見つめる。
コイツなんかまだ15歳だかの子供だし、なんか頭悪そうだから無理そうだな、と勝手に論理を飛躍して結論付ける。
「どうする?」
「えっ」
「コレ」
指を刺す方向にはベヒーモスの死体。
確かにA級以上のモンスターの死体は、高く売れるしベヒーモスのツノなんてよっぽどだ。
ふーむ、と考えている俺を横目にまるで試すかのようにみる少女の視線を感じながら俺は「まぁそうだな」と呟く。
「どうせ俺達が討伐したなんて誰も信じないし、ギルドに報告して放っておこうぜ!別の誰かさんが倒したとか言い訳つけて!」
「りょーかいした」
考えるのがめんどくさくなった俺は、後々大金の死体を放っておいたことを後悔していくのだが、
ーーまぁそんなこと、当時の俺はまだ知らないのだった。
読了していただきありがとうございます。また次回もよろしくお願いします。
(※2026/5/12 一部文章と展開を改稿)