薬草とベヒーモスが現れた、という報告と手続きを済ませた後、俺はクロをベッドに突っ込んでソファで寝た。
右腕ぇ、無くなったから歩きづらいけどまぁ無くなったもんは仕方ないわな。
次の日、宿の朝食を食べながら、俺は向かいに座るクロをじっと見る。
翌日、少女に色々聞くために俺は宿の朝食を取りながら彼女を見つめる。
「そう言えばお前名前は?」
「クローバーって名前だけど、皆んなからはクロって呼ばれてた」
「白髪なのに黒なのね……」
「うん、面白いと思う」
おめえが言うなよ。と内心ツッコミを入れる。
クロは、こんなボロ臭い宿とは考えられないほど上品に食べていた。その姿を見ると本当に勇者パーティにいたんだなと思い知らされる。
「つかパーティから追放って何があったんだよ。」
「気になるんだ」
「多少はな。それに俺に懐く理由も知りたい。」
「懐く理由……?懐いてるつもりはない」
「いや、居候の時点で懐いてるの範囲だっつうの」
「そういうものか。」
とふむとコーンスープを飲むのを辞めて、スプーンを口に加え考え込むクロ。
「懐いた理由、信用出来るに値したと思ったから」
「何故……?」
「昨日で確信を持てる要素は出来た。一つ、ギルドの奴らは腐った果実のような奴らの集まり。なのに、それを小銭を分け与えてくれてさらに宿に泊まらせてくれた。」
「あれは侵入してきただけだろお前……。というか!どうやって入って来たんだよ!!」
「普通について来ただけだが?闇魔法で……」
「上級魔法でストーカー行為してんじゃねぇよ!!」
「そして二つ目は、お前が弱いから。」
「は?」
煽ってんのかコイツ、と思ったが彼女は次のように述べる。
「弱ければ弱いほどと人は慈しみを持つ生き物。そしてお前は根明で更に弱者を見て同情した。」
「それとこれとは別な気もするが、それを信じれる根拠は?」
「勇者パーティで冒険して色々な経験をした私の勘。」
「…」
なんというか、勇者パーティという肩書きには逆らえんな、と感じた俺は続けて質問する。
「それでパーティから追放された理由は?」
それは、とクロは追放された経緯を話し始める。
*
『クロ、お前をこのパーティから追放する。』
『どうして?』
クロは黒髪の女性に疑問をぶつける。
『お前はここにいちゃダメな気がするんだ。戦ってばかりの人生じゃ面白くないだろう?』
『うーん、わからない。面白いも面白くないも、私は戦うために人生がある私にとってそれって重要じゃな』
『いいか、クロ。人は幸せになるために生きてるんだ。戦うだけのお前の人生はきっとまだまだ命の使い方が勿体無いと私は思うんだ。』
首をコテンと傾けるクロにパーティリーダーはふっと微笑み頬を手に添える。
『あとは私たちだけで大丈夫だ。お前は自分の人生を生きてくれ。』
『……』
『お前は可愛い顔してるんだから、彼氏の一つや二つ引っ掛けてこい!』
そしてクロはパーティから追放されたのだった。
*
聞き終えた俺は一言。
「いい話じゃねえか」
「そう?」
ギルドにいたら絶対聞けないような人を思いやる純情話に俺は感動していた。
「俺はな…追放された回数は二桁に昇るがそんないい話はなかった……!!一番酷いのは 『なんか臭いからお前とはやっていけない』だとよ…!」
「オモロ」
だん!と机を叩き俺は天を仰ぐ。
「ぴえん」
「キモ」
「わかったよ!俺がそのパーティリーダーの意志を継ぐ!」
「なに?」
「俺がお前に戦う以外の幸せを教えてやるよ!そして、見つけたらお前を!」
クロに指を指して俺は宣言する。
「追放してやる!!」
そして俺は少しだけ生き方が見えたような気がした。
*
「あーなーんであんなこと言ったんだ俺……」と俺は発言に後悔しながら夜道を歩く。
クロは寝ており、俺も夜風に当たり悩んでいるといつしかクロと会った路地裏に着く。
久しぶり〜とか思ったけど昨日ぶりだわ…と思った俺は通り過ぎようとする。
「うぅ……シクシク」
そう啜る女性の声が聞こえる。
「……」
俺は嫌な予感がしながらも覗き込むとそこには、ダンボールに拾ってくださいという文字とそこに入っている花がいっぱいついていた帽子の女性。
「……」
「うぅ……」ぎゅるるるるる…
お腹、減ってんだな。と思った俺は嫌な予感がしつつも「コレやるよ」とお金と簡易食を上げる。
「えっ?」
「ほらコレお金、奴隷商売の奴らがうろちょろしてるから宿泊まって明日ギルドに依頼受注しな?じゃな。」
と俺はそそくさと急いでその場を後にし、10秒に一回は振り向いて宿に帰ったのだった。
*
翌日、俺の掛け布団は重かった。
開いてみるとそこには涎を垂らして寝ている女性がいた。
……えっ俺ベットかなんか?
読了していただきありがとうございます。また次回もよろしくお願いします。
(※2026/5/12 一部文章と展開を改稿)