早朝、時計見やると十時二十一分を指していた。
そして俺は向かい側の奴を見るとそこには大量の花がついた帽子を被る女性が座っていた。
「粗茶」
「ありがとうございます!」
クロがそう言い粗茶をを出す。
おい、俺のなけなしのお金で買った粗茶を提供するな。
そう思いながら俺は彼女を見ている。
「うーん、味はそこそこ。あまり美味しいとは言えませんね」
しばくぞクソアマ。
となんとか内心に留める俺はふぅと息を吐き「それで、なんでここに?宿代のお金渡したよな?」と話す。
そう言えばクロにも渡した気もするが置いておこう。
「あー、それですか。はいお返ししますね。」
ええええええ???と俺は口をぽかんと開けて彼女とお金を交互に見ていると「私の名前ですか?」と聞いてもないし何も言ってないのに彼女は話し始める。
「私の名前はセイナ。一応、けんじ…元高ランクパーティの1人です。」
おい、言いかけた言葉をもう一回言ってみろよ、けんじ?なに?もしかして賢者パーティとかでも言うのか?
アホくさ、と思いながら俺はソファに深々と座る。
「つか、高ランクパーティとか関係ない、とっとと出て行けよ。その金やるから」
「えぇー、それは薄情ってもんじゃないですか?」
「知るか」
「ほー、そんな態度取るんですかぁ?」
なんで仮にも嘘かもしれないけど、俺は高ランクパーティの人にこんな大きい態度取れるんだろうと思ったが「なら証明して見せます!高ランクパーティにいたと言う証明を!」とこれまた頼んでもないことをして
『いでよ!エンシェントドラゴン!!』
あーはいはい…エンシェントドラゴンね、エンシェントドラゴン…
……は?
次の瞬間、宿を中心とした半径200メートルが破壊された。
*
「うわぁ!!エンシェントドラゴン!?は!?」
俺は飛び起きて辺りを見回すが何事もなかったかのように壁も元通りだった。
「えっ?は?」と現状を掴めていないでいるとクロが「闇魔法の時戻しを使ったぽいよ」と俺に説明してくれる。
へぇ〜時戻しか〜時戻し…
??????????????
「闇魔法の極地の一つ、時戻し、文字通り時を巻き戻せる魔法で本来は一生涯に一年使えるかどうか。」
「あーそうなんですよね。私にとっては一日に一回使えますけど」
??????????????
「相変わらずすごいねセイナ。」
「いえいえ、クロさんには遠く及ばないですよ、あはは。」
えっなに?ホラー小説だったのここ?と思いながら俺はクロとセイナの方を見る。
「あ、シンカさんとやら。」
「?はい。」
セイナは魔導書を一冊の取り出すと俺の無くなった右腕に手を置く。
「えいっ」
ぎゅるん!と無くなった右腕が復活した。
あ、サムソン……おかえり……
「……えっ何したんですか?」
「復活させたんです。感謝してくださいね。」
「……」
俺はセイナ様に土下座して感謝するのだった。
読了していただきありがとうございます。また、次回もよろしくお願いします。
(※2026/5/12 一部文章と展開を改稿)