ついヒロ!!   作:雀鉄砲

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6話 

 翌日、俺は買い出しから帰ると2人は真剣に見つめ合い謎の言葉を口にしていた。

 

「Be4」とクロが告げると「うっ…」とセイナが不味いと言う反応を示す。

 

「Kb2」

「Qd5チェック」

「ごはっ!!」

 

 とセイナがトドメを刺されたかのような反応を示す。

 

「いやぁお強いですね!クロさん!まるで水を得た魚のように!」

「ブイ」

 

 絶対意味ちげえだろ、と内心ツッコミを入れたが「何してんだ?」と聞くと2人揃って口を開く。

 

「「チェス」です」

「おうそうか…」

「ちなみに200手超えましたよ!コレすごいんです!大体チェスは2〜30手で終わるのに!」

「それほど、セイナが強かった。」

「いやぁ〜それほどでも〜!」

 

 …とりあえずなんかすごい高次元な戦いが起きてたのはわかった。

 それを踏まえると改めて君たちなんで俺の所にいるの?という言葉を噛み潰したのだった。

 

 

「そう言えば聞いてなかったけどなんで追放されたんだお前」

「お前じゃなくてセイナですよ。追放理由はハメられてですね。」

「はぁ…」

「まぁ私が神童と呼ばれて持て囃されたのが一部の人が気に食わなかったんだと思います。それでわざと引っかかって追放されました。」

「わざと?」

「はい、知ってました?持て囃されたのって結構しんどいんですよ」

「…」

 

 俺とは別の世界の話だなぁと素直に感じた俺は「まぁ期待されすぎると辛いとかよく聞くもんな」と上っ面の慰めを言う。

 

「貴方期待されることあるんですか?」

 

 ○すぞ、と危うく漏らした途端に命も漏らしそうだというセーフティがかかりなんとか言葉を飲み込む。

 

「貴方じゃなくて、シンカな。シンカ。」

「シンカさん、ですか…いいお名前ですね。」

「どうも…どうせ進化してないのにとか、進化してないザコとか皮肉言うんだろ?」

「いえ、親から貰った素敵なお名前を馬鹿にはしませんよ。名前って幸せを願う祈りを込める言葉なんです。そんな素敵なことを嘲笑えるほど私は図太くありません。」

 

 最後の言葉はなんか少しズレているようにも思えるがとりあえず悪い子ではないんだなと感じる。

 それはそれとして俺はかつてクロに言ったことを提案する。

 

「とりあえずお前ほどの強さなら軍やらギルドが欲しがるだろうから応募してみろよ」

「嫌です⭐︎」

「まぁまぁ、とりあえず」

「嫌です⭐︎」

 

 笑顔こわっ、ニコニコと笑う彼女に戦慄しているとぐいっとクロに袖を掴まれる。

 

「なんだよ?」

「パーティに加わりたい、そう言ってると思う」

「えっこれ以上増えても困るんだけど…」

「なにが?」

「なにって…」

 

 確かに困ると言えば人間関係がめんどくさいな、と感じたがまぁ、そこら辺は俺があんまり関わらなければいいか…うん、そうしよう。

 

 クロに俺はコクっと頷くとクロはセイナに目線をおくる。

 

「パーティ歓迎パーティ歓迎」

「いいんですか!?やったー!!」

「…」

 

 まぁギルドってパーティ登録とかガバガバだし誤魔化せばいけるか…と思っていた俺だった。

 

 

 時間が経ち夜になりギルドの飲み屋で俺たちは食事を摂っていた。

 

「さて、貯金が二桁…行けるかどうか…」

「どうしたの?」

「いや、お前らを養うとなると貯金切り崩してどうなるかなぁと。」

「ベヒーモスの死体、だから自分たちが討伐するべきだと名乗りあげるべきだった。」

「言葉もない。」

 

 俺ははぁ、とため息を吐きお金の心配を後回しにする。

 

「んー!コレ美味しいですよ、シンカさん!」

「カレーか、確かに美味いもんな。」

「はいっ!最初はただの糞便かと思いましたが中々いけますよ!」

 コイツ失礼なことよく滔々と出せるな…と思っていると後ろから大男がセイナの肩を持つ。

 

「嬢〜ちゃん、俺たちと飲もうや〜そんなへっぽこな男置いといてさ〜へへっw」

 

 するとゾロゾロと後ろから2、3人来ると「おっ!万年E級のカスじゃねえか!!ぎゃははは!!」と俺を見て嘲笑う。

 

「隣にいるのもちょーべっぴんじゃねえか!!万年E級にはもったいねえよ、嬢ちゃん達俺たちのパーティに来いよ〜!このC級のパーティ、デビルダーツによ〜!!」

 

 ちなみにC級は結構すごい、この2人のせいで感覚がバグってるかもしれんが、C級となると職として安定し始める時期で、地上から3Mから落ちても無傷でいられる。

 

 E〜Dは正直一般人とか、ニートとかと変わらん。

 

 と、何故か説明し出しながらも、そのパーティ名を改めて聞いたらなんか子供が3秒で考えた名前だな…と内心思っていると俺はセイナを助けようと「おい、そこら辺に…」と言った瞬間だった。

 

 まるで地獄を見たかのような顔をして、吐瀉し始めるデビルダーツのパーティ。

 

「なにが起きて…」

「魔力酔い、知ってる?」

 

 クロが言った魔力酔い、魔力を体内に過剰に摂取して身体がキャパオーバーして引き起こされる症状。

 

「多分この人たち、セイナの魔力の質が高すぎて少し摂取しただけでこうなったぽい。」

「へーそうなんだー」

 

 うんうん、栄養が良いものを摂りすぎても毒になるって言うよね〜。

 とりあえず俺はツッコミを放棄し、事態を把握させないように頭で理解を拒んだのだった。

 

「C級でもこんなもんなんですね…」

 

 てめえらが異常なだけだはこのハゲ。




読了していただきありがとうございます。また次回もよろしくお願いします。
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