ついヒロ!!   作:雀鉄砲

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9話 成功

 俺は、セイナやクロがいたダンボールが気になって持って帰ってみた。

 そして魔道具のルーペで色々調べてみると何もなく、ただの箱なのだが何故あの2人が吸い込まれるようにいたのか気になって直接聞くと

 

「居心地良かったから」

「んー、よくわからないですね…気づいたらあそこに」

 

 とまぁ参考にならないご意見をもらったので、しばらく放置していると気づいたらダンボールがなかった。

 

「は?」と俺はなかなか素っ頓狂な声を漏らし「もしかして…」と例の路地裏に行くとそこにはため息を吐く声が聞こえる。

 

「魔王辞めたい…」

「…」

 

 今度は小さな女の子が魔王と名乗っていた少女が入ってました…

 …賃金と地図を書いてダッシュで逃げた。

 

 

 翌日、無事少女は布団になっていた。

 …スゥーあはは…何故?

 

 

「カヒューカヒュー…!」

 

 魔王と名乗る少女は俺の腕を掴み2人を見て怯えていた。

 

「その子が魔王なんですね〜」と能天気な声で少女を見つめるセイナ。

 おいそれ以上近づいたら恐怖で破裂する勢いだぞこの子って腕痛い痛い痛い!

 

「あの…ソノ…マリリン…で…す…」

 

 おい仮にも魔王だろ、魔王の威厳保ってくれよ。と俺は内心ツッコミ完全に怪物に恐る少女にしか見えなかったがクロは彼女を見つめる。

 

「確かに強いねその子。私たち並みかも。」

「ハイ…カヒューカヒュー…ワレハ…チガウ…ワタシ…魔王…強くて…弱い…」

 

 どっちだよ、と思うと同時に俺の右腕が完全に終わったことを悟り何も考えない俺は2人に確認する。

 

「つか、いいのか?コイツ一応魔族だけど」

「ヒュッ!?」

 

 メキメキメキッ!!バキィィッ!!!

 …なんかすごい音したけど痛みがないからいいや…とりあえず右腕をあえて見ないようにしとこう…

 

「まぁ、いいと思う。魔王辞めるんでしょ?」

「私も賛成です。ぶっちゃけどっちでもいいです。」

「…とは言えこの子が仮に魔王だったとして人類が総力をあげて討伐しなくちゃいけないんだろう?だったら」

「あーあれ国王の遊戯みたいな物ですよ。」

「はい?」

「強くなりすぎた国王軍はとりあえず敵国にいる魔族と戦争していてですね。とは言え魔族が弱すぎて相手にならなくて殺し合いではなく一対一の試合形式で決着を付けてるんです。」

 

 …なんか俺の知ってる戦争とは随分平和な争いになったな…と感じた俺は世も末だなぁと思っていた。

 と言うかなんで勇者パーティとか賢者パーティ存在してるの?

 

「とりあえず…コイツのギルドカードを取りに行くから待っててくれ」

 

 色々考えたがやはり俺の脳の限界を超えたので考えをやめて2人を宿に置いてギルドに行ったのだった。

 

 …あれ右腕なんともなってないんだけど、絶対お見せしちゃいけない状態になってたはずなんだけど…

 

「あっ、シンカさんの腕は後遺症が絶対残る傷も治しときましたよ。」

 

 …どうもありがとう!!と俺は満面の笑みでセイナに言うのだった。

 

 

 さて、俺は路地裏に連れて行かれており、折角のセイナ様のヒールもなくなり目の上にタンコブがあるほどボコられた。

 

 ギルドの柄の悪い奴らにボコされた?んー違う。正解は目の前にいるぶるぶる震えていた魔王様にボコられたから。

 

「このクソ野郎が…我をあんな地獄のような場所へ連れて来て…!!」

 

 君から来たんじゃないの?なんで俺のせいにされてるの?と内心噛み締めるが魔王様と名乗る少女を見上げる。

 

「あ、あの…魔王様?」

「勝手に喋るなウジが」

「…ゴメンナサイ」ビュオン!!

 

 …俺の頬に鋭い風と共に後ろの壁が削れてるんんだけど…

 

「くそっ…どうしてこんな目に……!」と呟く魔王様。

 その言葉に俺も共感してしまい言葉を漏らしてしまう。

 

「魔王様もですか…!?」

「あ?」

「魔王様!わたくしもでございます!!わたくしも!奴ら化け物が何故か居候して困っているのです!!」

「…」

 

 うわっなんかゴミを見るような目つきになって来た。分かり合えなさそ〜と思ったが俺は何故か変なことを口走る。

 

「俺は彼女達に幸せな追放をお送りしたいのです!!」

「…?」

「俺は!彼女たちに幸せとは何かをわかってもらうために!頑張っているのです!!幸せになった時に!俺がいなくてもいいくらいの幸せを!!」

 

 あれ、セイナも幸せにした後追放するんだっけ?つかあいつなんで居候してんだ?

 というか幸せな追放って何?俺がいなくなったら?なんで俺あの化け物たちを幸せにしないといけないの?

 

 あーもうめちゃくちゃだ…

 

『辛いに一本線を足すと〜』

『幸せ〜!!』

 

 …ふと、何故か何気ない友達との会話。何故急に思い出したかはわからないが、辛いは一本の線を付け足すだけで幸せになれるんだ。

 

 きっとそれは俺にも出来るからと我ながら自惚れたことでも思ってたのかな…なんやかんやめんどくさがりな俺が追放されまくってた俺と同じ目をしてた自分を思い出したのかもしれないな…

 

 そして俺は内心そう思いながら、すぅ…と息を吸い魔王様にぶつける。

 

「だから魔王様!俺があなたを幸せにします!!」

「…はぇ?」

 

 …はぇ?

 俺…なんか告白まがいなことしたか?いや幸せにするって告白じゃね?

 

「…」

 

 顔を俯かせる魔王様…あの…俺、何かやっちゃいました?

 …やったなぁ俺、死が確定したなぁこれ…ありがとう現世よ…転生したらステータスに無量大数の桁の奴が一つでも欲しいな…

 

「…よっ」

「…え」

「よろしくお願いします…///」

 

 …俺は告白をどうやら成功させたらしい。

 

 

 

…ふぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

 

 俺は内心めちゃくちゃ叫びながら白目になり天を仰ぐのだった。




読了していただきありがとうございます。また次回もよろしくお願いします。
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