ハッピーニューイヤー!No Noa Novemberの終了を記念して、特別なノアをお楽しみください。もう1ヶ月前の出来事かもしれませんが、私は忙しかったのでご容赦ください。では、リラックスしてお楽しみください。
[訳者まえがき]
No Noa Novemberは多分これだと思います。よく分かりません。
https://www.youtube.com/watch?v=mp2OTpqWdOQ
深夜のシャーレ──よく知る存在、嫌いな存在……「嫌い」という言葉では物足りない。「反吐が出る」だろうか?残業を全て放り投げても問題ないとするならば……待った。誰が代わりになる?元からそんな幻想が無いが故に、あなたは働き続けなければならない。選択肢なんて最初からないのだから。
さて、先生、今夜のメニューは何でしょうか?
『書類の塔~書類を添えて~』──週末の特別メニューだ。もちろん。前菜の「不備がある書類」も忘れずに!……既に睡眠不足で苦しんでいる大人にとっては過酷な量ではないのだろうか?当たり前だ。それでもあなたは歩みを止めない、その言い訳は?そして……代わりにやるのは誰だ?
これが先生のジレンマ。あなたはそう呼んでいる。キヴォトス全体か自分の健康、どちらを守るか──そんな問いから始まる。答えは痛々しいほどまでに明らかだ。だが他の選択肢を考えるとなれば、ジレンマではなくなってしまうはずだ。先生の嘆きと呼ぶことにしよう。そう、生徒たちの為なら何でもかんでもやってのけるあなたに対しての……最大級のご褒美──最大級の残業を。
救いはあるのか?
一筋の光、ただし薄暗い。それでも暗闇の中を強く照らす。それこそが苦境に立つあなただ。滑稽だ。誰もあなたの苦しみを知らずにただ気にかけてくれるからこそ、その苦しみは誰にも知られない。もちろん、これが理想──生徒たちに心配させてしまうのが最大の懸念点。だからこの理想こそが両者共にウィンウィンの関係となるのだ。
それでも――ほんの一瞬だけでも、身勝手でいることを許せるのなら。あなたの苦労を見抜いて、それでも踏み込んでくれる誰かがいるとしたら……素敵だ。
コン コン
妙だな。どうしてこんな夜も遅い時間に来訪者が?立ち上がり、ドアへと歩みよる間、様々なシナリオが頭をよぎる。またリンが残業を持ち掛けてきたのだろうか?彼女のせいではない。だがそれ以外に用があるのだろうか?リンじゃないとするならば、ついにカイザーが動き出して一番手薄なこの時間帯で拉致しにきたのか?ならどうやって侵入してきたのかは気になってしまう。だが二人じゃなければ一体なんだろうか?頼んでいた荷物の存在を忘れていたのだろうか?そもそもキヴォトス中を飛び回っているあなたがわざわざ宅配に頼る理由があるのだろうか?運動不足はいいとして、待ち時間も配送料も無駄と思えてしまう。
だからそれでもない……
コン コン コン
おっと、どのくらいドアの前でぼーっとしていたのだろう?何かをするより、何かを考えていた方がマシだなんて、残業のせいで思考まで漂ってしまう。疲れ混じりのため息をついたあなたは、ドアを開ける。光の
"ノア……?"
彼女はうなずき、手帳を書き進めていく。「今夜はお元気ですか、先生?」
"まあ大丈夫。でも……どうしてここに?"
手帳を閉じてジャケットにしまうノア。「あっ、いつものことですので」と肩越しに視線を送る。「入ってもいいでしょうか?」あなたが一歩身を引くと、彼女は部屋へ入り、後ろでそっとドアを閉める。デスクを一瞥したその瞬間、彼女の笑顔は困惑へと変わる。眉はさらに深く寄り、積み上げられた書類の山――いや、ミニチュア都市とでも呼ぶべき光景に目を奪われている。「これを一晩で……?」
"いつものことだよ。"
「そうですか……」と手帳を書き留めながらあなたのデスクを歩き回る。「これは少し想定外ですね」手帳をしまうとため息をつく。そんな彼女を観察するあなた。そんなあなたに近づきながら、彼女の眉はぐっと寄る。「これを……考慮すれば……見えました」
彼女は腕を上げて、あなたの手と額に自分の掌を添えてしゃがみ込み、上目遣いにあなたを覗き込む。
あなたはその意図が分からず眉をひそめるが、彼女は微笑みながら手を引く。「少なくとも、風邪ではないみたいですね」そう言って立ち上がると、今度はあなたの肩に両手を乗せる。あなたが思わず身を引くと、彼女はその肩を戻し、さらに押し戻す。「立ち方も崩れていますね。六か月前と比較すると、背中が約1.2センチ丸くなっています」
"教えてくれてありがとう……。"
うなずきながら、ノアはあなたの頭をくしゃりと撫でたり、親指で顔を引っ張ったり。まるでネジの緩みを探しているかのような、細かなチェックを続ける。あんな仕事量を考えれば、頭のネジの一本や二本は緩んでいてもおかしくはない。そもそも元からそんなものを欲しているのか……?
息を吐き出せば、ノアは手を離す。「ひとまずこちらが把握出来たこととしては、先生の髪はぼさぼさで、目のくまも以前よりも酷くなっており、少し押しただけで後ろへよろけてしまっています。つまりは異常ですね」手帳を手に取り、書き進める。「私の評価基準では……先生は不合格です」
"そんなのを受けていた覚えはないんだけどなあ。"
「でも大丈夫です!これを機に改善していきましょう。容姿は深刻な問題ではありませんし、睡眠不足も一朝一夕で治るものではありませんから、私が出来ることとしては……」くるりと向きを変えるノア。「先生の仕事量を減らすことですね。始めましょうか?」
"早いに越したことはないね。"
「相変わらずの切れ味ですね。それでは」ノアは一歩後ろに下がり、あなたの背に手を添えてデスクへと導く。あなたが椅子に座ると、彼女は部屋の隅にある予備の椅子を見つけて、書類の山とともに持ってくる。席につくと、彼女は一つの書類の塔を自分の方へ引き寄せながら説明する。
「先生にお願いしたいものがあれば、ここに置きますね」そう言って空きスペースをトントン叩く。「それ以外のものはここに置けば、完了したことになります。何かあれば遠慮なく言ってくださいね」あなたが返事をする前に、ノアは一番上の用紙を手に取り、すぐに読み始める。君も負けじと別の塔に手を伸ばし、作業に取りかかる。
……
何時間経ったことだろうか(体感では十数時間)地獄の塔はだいぶ小さくなっていた。このままいけば、
ほんの……
少し……
……
「──せい?起きてますか?」意識が戻ると、目の前にはノアの手があなたの視界をさえぎるように動いている。目が開ききったのを確認すると、彼女は手を別の場所に移し、しゃがんで目線を合わせる。「起きましたね。12分程デスクで寝ていました。かなりお疲れのようですね?」
"いつもの……ことだから……ただちょっとコーヒーが切れちゃっただけだから……。"
ノアはため息をつき、立ち上がる。あなたは動かず、その姿を追う目すら動かない。すると、不意に腕の下から持ち上げられ、立ち上がることになる。振り向くと、ノアが君の両脇にしっかりと手を添えている。「少し休んだほうがよさそうですね。私がお仕事を続けますので、そちらのソファでお休みになってください」
"ノアに……任せきりなんて……できないよ……。"
そんな抗議も虚しく、ノアはあなたをソファへと引きずり、真正面に立って座らせようとする。「先生の為なのに……どうしてお休みになろうと」
"その必要は……ないから……まだ舞える……。"
ノアは首を横に振る。「それでもダメです」
あなたは身体を使って押し返し、ノアの力を相殺しようとするも、ノアも負けじと押し返し、あなたもさらに力を込める。瀕死だというのに(この部分は誇張ではないかもしれない)辛うじて互角へと持ちこんでいる。ノアは目を閉じて肩を上げ、小さく唸りながら体重そのものをあなたに預けて押してくる。あなたも力を限界まで引き上げて抵抗し、まだまだこの攻防は続くだろう――と思った、その瞬間。何かが、あなたの内側で波のように走る。まだ正確に理解する前に、あなたは身体が落ちるのを感じる。けれどそれはソファへ押し倒されたわけでも、ノアに力負けしたわけでもない。
あなたはとっさにノアを抱きかかえ、自ら後ろへ倒れ込み、背中からソファへ沈み込む。ノアはそのままあなたの抱擁に落ちれば、少し体勢を直してぴたっと動きを止めた。まばたきしながら頭を振って状況を確認しようとすると、ノアから小さな笑い声がこぼれる。彼女はあなたの胸に身を預けるようにして、あなたをソファにがっしりと固定する。「つかまえた」
"何……したの?"
「えっと?それはですね……ふう、先生も予測できなかったと思いますが、結果からみれば私が押し負けることになったのでしょう。ですが私を守るためなら、先生は戦いをやめると……そう思ったからです」
そっとノアを離そうとするが、彼女の軽い抵抗に阻まれて動けない。
"これがノアの狙い?"
くすりと、ノアは笑う。「そのようなことは考えていません。ただ先生をソファでお休みになる間に、私が代わりにお仕事の方を進めようとしただけでしたが、先生が意地を張ったせいで……でも、結果オーライです」やがて、ノアの抵抗がふっと消える。「私はデスクの方に戻りますね。離していただいても?」
ノアを抱えているそれを見やる。どうやら今現在の状況は、あなたはソファの上でノアを抱きかかえていることになる。でもあなたが気にしているのは、ノアが仕事をすべて引き受けてくれること。そしてあなたが少しでも休めるなら、この状況は……
「先生?腕を離していただけませんか?」その言葉に、逆にあなたはぎゅっと抱きしめる。「せ、先生?」
"ノアの言う通りだったね。もうすっかり元気になったよ。"
「良かったです。ならそろそろ離していただいても……」更にぎゅっと抱きしめる。
「先生……これは……」息を吐き出すノア。「誰かに見られるとなれば、説明、難しくなりますよ?」
これが真の狙いか?いや……ただ必死になっているだけか?
"この時間だと、誰かに見られてもおかしくないからね。"
「分かりました……大人しく負けを認めますね」
"認めてくれて嬉しいよ。おやすみ、ノア。"
「先生は本当に……んぅ、おやすみなさい」
……
カーテンの隙間から漏れる光が瞳を刺激し、外では鳥たちがさえずりながら讃美歌を歌う朝。目をこすって身体を起こし、あたりを見回す。ノアの姿はすでになく、そして……
働け!!!!慌てて立ち上がり、デスクへと駆け寄る――だが、あれ、書類はいずこに?不思議に思ってデスクを確認すると、中央に小さな青い付箋がぺたりと貼られている。
おはようございます!
先生の書類は連邦生徒会に提出しておきました。しっかりと確認されたみたいです。
私が提出したことについて聞かれてしまいました。どうしてですかね?
お体はちゃんとご自愛して下さいね♡
ノア
あの子ったら……まあいい。新しい一日が始まる。朝はあまり得意ではないが、どうやら今日は仕事を気にしなくてもよさそうだ。今回はノアの勝ち。だが次はあなたが勝つ。そう、必ず……
[作者あとがき]
このLNASは他の章と比べてずっと親密な雰囲気だ。ノアだからだろうか? そうかもしれない。あるいは、最近出会ったある盲目の「目覚めた」人物との「冒険」の影響もあるのかもしれない。おそらく……
これらの経験によって、私は良くも悪くも永久に変わってしまった。おそらく良い方向に。
楽しんで読んでいただけたなら幸いです。感想を聞かせてくださいね。2025年も素敵な一年になりますように。
[訳者あとがき]
死刑…?