俺だけ全知的な愚者な件   作:カン・ジンヒョク

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夏休みに入りました。
投稿頻度が比較的上がります。


第五話:藍颯槍

「マジかよ、、、」

 

腹に槍が突き刺さっている。

戦闘継続は困難だ。

つーか痛ってぇ!

こんなん耐えられるかよ!

 

「蓮、油断大敵だよ?」

「あぁ、そうだな。」

 

俺に槍を突き刺した本人が言う。

コイツ頭おかしいだろ。

まぁ、おかしいのは俺もなんだけど。

無理矢理剣を振るう。

 

「ハァッ!」

「うわっ!」

 

正直もう回復している。

魔力で肉を創り、穴を直す。

血は創れないが、身体なら治せる。

戦闘続行だ。

 

「第二ラウンドと行くか!凛也!」

「望むところだよ!蓮!」

 

藍颯槍(らんさつそう)!」

冥天剣(めいてんけん)!」

 

冥天剣、特質は『稲妻』、『雷轟』、『轟音』、『葬送』。

雷を纏う剣法だ。

威力、速度、発動速度、全てにおいて高い能力を誇る。

ただし、身体への負担が追魂剣や白林剣の比じゃない。

故に、長期間は不可能。

速戦即決だ。一瞬でカタをつけてやる。

 

「第八式 『東鶴藍染(とかくらんぜん)』」

 

凛也が地面に槍を突き刺す。

すると、藍色の鶴が地面から出てきた。

鶴は俺へ向かって飛ぶ。

 

「第一式 『雷禍碧葬(らいかひゃくそう)』」

 

碧色の稲妻が、剣を振るうたびに空を裂く。

稲妻は藍色の鶴を地へと堕としてなお空を裂く。

凛也は槍に魔力を纏わせ、碧を払っていく。

 

残った稲妻だと目眩ましにもならないか。

じゃあ次の技だ。

 

「第二式 『戻火灯縁(らいびとうえん)』」

 

今度は稲妻ではなく、純粋な熱だ。

触れれば一瞬で炭化する程の高温を誇る熱。

それを凛也目掛けて放つ。

 

「くっ、藍颯槍!」

「第四式 『冠藍翔鎚(からんしょうつい)』!」

 

凛也が槍を天に向かって振り抜いた。

瞬間、放たれた熱が藍色の壁に防がれる。

そして、熱を防いだ壁は天へと昇った後、まるで鎚の様にこちらを目掛けて落ちてくる。

 

「第三式 『紫電滅葬(しでんめっそう)』」

 

俺はそれを、『葬送』の特質を付与した雷撃にて消し飛ばす。

藍色の鎚が紫電に蝕まれて消えていく。

そろそろ終わらせたいな。

しゃあねぇ、『融合』使うか。

 

追白魂林(つはくこりん)

 

追魂剣と白林剣の『融合』。

冥天剣を掛け合わせるのは現在の消耗した体力では難しい。

故に使わないし使えない。

 

真我(しんが)白亜剣(はくあけん)

 

成功した。

今日は運が良い。

使うのは第二式。

第一式では倒し切れない。

 

追魂剣の特質の一つである『滅亡』

それを追魂剣の特質、『歌』を使って広げる。

白林剣の特質は『壊滅』、『加速』、『連続』。

その内、『壊滅』と『連続』を強く顕現させる。

今、白亜剣に宿っている特質は『滅亡』、『壊滅』、『連続』、『歌』の四つ。

これで充分だ。

 

「今、終焉の時。」

 

剣が魔力を帯びる。

黒濁色の魔力が今、解き放たれる。

 

「第二式 『滅架獄焉(めっかごくえん)』」

 

剣は振り下ろされた。

白亜の姿はもはや無く、黒濁色の魔力が総てを覆う。

解き放たれた黒は目に見えるもの総てを払い、それでも足りないかの様に天高く吹き上げる。

つまり何が言いたいかというと―

 

 

 

剣を振り下ろした瞬間、訓練場は吹き飛んだ。

シールド内は全て吹き飛び、地面が見える状態になっている。

見るも無残な状態だ。破壊の限りが尽くされている。

 

「もしかして、、、やらかした?」

 

まぁゾノ先が思い切りやっていいって言ったから問題ないだろう。

それより、、、

 

「とっとと出て来いよ!凛也!」

 

アイツが吹き飛んだ訳が無い。

試合は終了だが、俺一人だけ怒られるのはイヤだ。

アイツにも責任がある筈だ。

 

その後、凛也を見つけてゾノ先に謝りに行ったんだが、、、

 

「別に気にしなくて良いよ。シールド内ならすぐ直せるから。」

 

とのこと。良かったね!

それから後は普通に授業やって一日が終わった。

 

さて、放課後だ。

今日は予定がある。

白河紗凪(しらかわせな)、アイツの修練に付き合うという約束だ。

第一訓練場へと足を運ぶ。

中を見ると、アイツはもう居た。

 

「神宮寺!やっと来たのか!」

「すまん、待ったか?」

「いや、待ってない。」

「なら良かった。」

 

人を持たせるのは嫌だからな。

修練を始める前に、少し聞いとくか。

 

「なぁ、白河。」

「何だ?」

「何かやってみたい事とかあるか?」

「じゃあ、空を飛んでみたい!あとは魔法を使ってみたい!」

 

空を飛ぶのは今日出来るとして、魔法か、、、

今日中に出来るようにするのは難しいだろうな。

まぁいいや。

 

「俺の真似しろ。」

 

そう言って、俺は魔法式を発動させた。

魔法式の名前は『舞空』。

その名の通り、空を飛ぶ魔法だ。

 

「え?」

「何呆けてんだ?式はこれだ。」

 

魔法式を見せる。

そんなに難しい式でもない。

この学園に入れる人間なら出来る難易度だ。

 

「取り敢えずやってみろ!」

「あ、あぁ!」

 

白河が『舞空』を発動させる。

何だあの式は?教えたのとまるで違うじゃないか。

 

「おい、何やってる?違うぞ。これだ。」

 

もう一度式を見せる。

今度は白河の近くに式の見本を浮かせた。

 

式を真似るだけなら出来るだろう。

、、、そう思っていた俺が馬鹿だった。

アイツは結局二十回やって式すら真似出来なかった。

なら二つ目の策だ。

 

「白河。」

「何だ?」

「お前に魔法は無理だ。」

「やっぱりそうか、、、」

 

自覚はあったんだな。

しかしこの程度で諦めさせるわけにもいかん。

 

「白河、お前痛いのは大丈夫か?」

「どうした?急にそんなこと聞いて、、、」

「空を飛ぶどころか魔法すら使える様になる方法がある。」

 

気絶するほど痛いけど。

 

「そんなの本当にあるのか?」

「あぁ、ある。」

 

死にたくなるほど痛いけど。

 

「やってみるか?死にたくなるほど痛いけど。」

「やるやる!絶対やる!」

 

本当に大丈夫かコイツ?

まぁいいや。

合意は得た。

白河に霊獣の死体の一部を投げつける。

 

「うわっ、何だよコレ?」

「六級魔獣、三首鎌鴉(さんしゅれんあ)。三つの首に鎌のような爪を持つ大鴉。その翼だ。」

「はぇーすごい大きいな。」

「お前にはこの翼を煉体してもらう。」

 

煉体とは修練法の一つだ。

魔獣や霊獣を自らの身体の一部とする修練法だ。

メリットは素材の魔獣等の能力を使える様になること。

デメリットは身体にかかる負担が大きく、死ぬ可能性すらあること。

 

正直、俺も一回死にかけた。

とある秘術を使って武錬鉱物の金剛流砂を煉体する時、

三級霊獣の翼を同時に煉体したんだが、、、

無事に過負荷で死にかけた。

だがそのおかげで俺は金剛の肉体と霊獣の雷翼を手に入れた。

メリットは大きい。

 

「やり方は簡単だ。この翼が自分に生えているイメージをしながら修練を行え。今回は俺がやってやる。」

「分かった。」

 

そう言うと、白河は修練に入った。

さて、俺もやるか。

あ、言い忘れてた。

 

「どんだけ痛くても修練は止めるなよ。」

 

白河の身体に干渉する。

しっかりとイメージは出来ているようだ。

肩の辺りに魔力が集まっている。

 

魔力が集まっている場所に翼を少しずつ生やしていく。

翼が半分くらい生えた所で白河の顔が歪んだ。

そろそろ痛みが襲ってくるため、

一気に翼を生やし、痛む時間を短くする。

成功だ。

白河の身体への干渉を止める。

 

「どうだ?翼が生えた気分は。」

「最高の気分だ!だけど吐きそうだ。」

「トイレ行って来い。」

 

白河はトイレに走って行った。

随分キツかったらしい。

 

しかし、最初なのに少しも声を出さないのは凄いな。

、、、何か負けた気がするんだけど←(最初の煉体が痛すぎて泣いた人)

 

白河がトイレから帰って来た。

 

「大丈夫か?」

「あぁ!大丈夫だ!」

「大丈夫そうだな。なら一回飛んでみるか。」

 

コイツなら最初から飛べるはずだ。

、、、俺は飛べなかったけど。

 

「取り敢えず翼を出してみろ!翼を生やす感じじゃなくて、背中の中にある翼を引っ張り出す感じだ!」

「分かった!」

 

瞬間、白河の背中から一対の黒翼が出てくる。

成功だな。

じゃあ飛んでもらうか。

 

「自分が鳥になったイメージで翼を動かしてみろ!」

「こうか?ってうわぁぁぁ!」

 

白河が空を飛んでいる。

あっ、暴走してる。

 

「白河!身体を真っ直ぐにしろ!」

「分かった!こうか!?」

 

暴走が収まった。

中々やるな。

 

「良い感じだ!一旦止まれ!」

「わ、分かった!」

 

白河が止まる。

アイツが落ちてくる。

滞空を覚えてもらおう。

 

「白河!そのまま翼だけ動かせ!」

「こうだな!?」

「そうだよ(便乗)」

 

あっ、先輩コイツ汗とか流し始めましたよ、やっぱ好きなんすねぇ〜

それは置いといて。

 

「白河。お前には今日中に全てを覚えてもらう。」

「あぁ!分かった!」

 

実践しかやらないことにする。

今日中に全て覚えさせよう。

明日はデートの予定がある。

 

その後、放課後3時間も使って白河に翼の全てを教えた。

ゲームの時間がパーだ。

 

「これでようやく帰れる…」

「すまん、ありがとな!神宮寺!」

「どういたしまして。」

「じゃあまた明日!」

「おう、じゃあな。」

 

そう言って白河と別れる。

 

20分後

家に帰ってきた。

爆速で夕飯を終わらせ、風呂と歯磨きも終わらせる。

時刻は6時。

寝るには早いが、まぁいいや。

 

俺はベッドに入った。

 

「しかし眠いなぁ。」

 

俺は眠りの世界へ入った。




ちなみに蓮には三級霊獣、藍海魅影翼(らんかいみえいよく)の翼が生えてます。
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