メスドラお供妖精付きのクール可愛いニチアサ魔法少女に転生したけど肝心の敵がクソ強くてマジでなんも手出せない件について。・・・あと、行政強すぎて俺の出る幕がねえ!

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主人公はブルー系クールTS魔法少女です。変身しないけど
メスドラ妖精ちゃんはスモルダー的なかわいい系のドラゴン。全長は100~140cmぐらい
主人公の背中にちょうちょみたいにへばりつきながら肩に顎乗せしてぽしょぽしょ語りかけるのが好き。


魔法少女とか言ってる場合じゃねえ!!

 

 

 

 

 

 ・・・ふわりと欠伸が出そうになり、口に手を当てる。

 

 待ちくたびれて緊張感が薄れ始めようかという頃合に、ようやく眼前の山嶺から巨大なシャケ顔の二足歩行怪獣がひょっこりと姿を現した。

 

 山と見紛うような巨体からして、恐らく体高200mは優に超えるだろう。

 

 この俺が直々に待った甲斐が有るというものだ。

 

 俺は不敵な笑みを浮かべると、既に床で寝入っているフルシュを指先でツンツンとつつき、赤子を拾うように優しく抱き起こす。

 

 

「フルシュ、フルシュ。クソデカいのが来た」

 

「んぁあ・・・」

 

 

 幼げな竜の可愛らしいパステルカラーの体表はひんやりとしていて触り心地が良く、その眠そうな表情は庇護欲を誘う。

 

 しかし仕事は仕事。彼女には俺と一緒に生き延びてもらわなければならない。

 

 

「もうすぐ核攻撃が始まる。目と耳に気をつけて」

 

「・・・わあ。起きた、起きたよ。目さめた」

 

 

 おねむのメスドラちゃんは思ったよりヤバそうな状況に目を見開くと、ふにゃふにゃした顔つきをきりっと引き締める。

 

 完全に目を覚ましたようだ。

 

 当然だ。核攻撃など普段はあまり行われないからな。

 

 シャケ怪獣は山並みを踏み壊しながらゆうゆうと乗り越えると、のっしのっしと不器用な着ぐるみのような歩き方で此方ににじり寄ってくる。

 

 あまりの大きさに遠近感が壊れてしまい、3kmは離れているのにも関わらず結構近くに見えるほどの巨体だ。

 

 とはいえ大きいだけで弱っちいという可能性も、まあ無くはない。この職に就いてからデカくて弱いやつなど一度も見たことがないがね。

 

 仕事の肉眼観察以外に特に何もすることの無い俺が、静かに仁王立ちで腕を組みながら怪獣の姿を睨みつけていると、やがて対向する山並みに整然と並べられた大量の山岳砲が物凄い速射で反応弾を撃ち始める。

 

 距離のせいか、砲弾の壁とも言うべき横一列に並んだ小型核弾頭の弾幕は、野球中継に写るボールのようにゆっくりと怪物に向かって飛翔していった。

 

 そして、第一波がシャケ怪獣の土手っ腹に命中した瞬間、俺の視界全てが白に近いオレンジ色の閃光に染められる。

 

 時にして20秒程、核爆発は遠大な景色を火の海に変え続けた。

 

 もはや感覚器官など機能しない。よくあるキーンという音すらもせず、世界が白色の絵の具に置き換えられたかのようだ。

 

 しかし、唐突にシャケ怪獣の辺りから出現した淡いピンク色の光が、閃光と爆煙を綺麗に塗り潰すように消し飛ばしながら山並みを貫く。

 

 途方もない面積の大気が一瞬にして蒸発する音は、さながら壊れたサイレンのようである。

 

 綺麗な紙にピンクで太い線を引いたような圧巻の光景に俺がドン引きしている間に、あえなく砲台達は山ごと綺麗に消えて無くなってしまった。

 

 

「あちゃー・・・」

 

「ひっ・・・」

 

 

 あちゃあと目を覆うのも束の間に、今度はシャケ怪獣の顔面を文字通りブン殴るように超巨大なミサイルがブッ飛んできた。恐らく隠し玉というやつだ。

 

 間髪入れずに飛んできたそれはマジでクソデカく、怪獣の体高の4分の1以上はあるように見えるため、少なく見積っても50メートル以上の長さを誇るだろう。

 

 あまりに遠すぎるため着弾音は聞こえないものの、怪獣は顔に結構いいパンチを貰ったようなリアクションを取り、大きくよろめく。

 

 ICBMとも呼ばれるそれは、実際のところ結構頼もしそうに見えた。

 

 しかし彼は何故か爆発せず、怪獣の顔面を殴り抜いた後に、そのままの勢いで地面に突っ込んで大炎上してしまったのだ。

 

 心なしか怪獣もキョトンとしているように見える。

 

 怪獣からしてみれば、いきなりちょっと強めに殴られただけである。怪獣のドメスティックバイオレンス被害に関して緊急閣僚会議を行う必要があるかもしれない。

 

 

「ッはァ〜〜・・・・・・」

 

「な、何が起きたの・・・?」

 

 

 ・・・なんか秘密兵器っぽいのが格好よく決まったと思ったらこれである。

 

 思わず、密かに自分で自分をカッコイイと思って行っていた自称かっこいい仁王立ちを崩し、目元を揉んでしまう。目を覆いたくなる程にギャグパートだ。

 

 状況をよくわかっていないフルシュもオロオロするばかり。

 

 

「・・・あの、市長さん? なんかミスってるみたいですけど」

 

「え・・・な、なんか失敗してたの? あんまり効いてないなとは思ったけど・・・」

 

 

 フルシュは今のをしょぼい炎攻撃か何かだと思ったらしい。

 

 監視塔に流れる微妙な沈黙に耐えかね、胸のマイクを使って市長に通信を飛ばした。

 

 

「案ずるな、2発目が来る。太陽の方を見てくれ」

 

 

 ・・・その言葉を受けた俺達は、視線だけを太陽の方に滑らせ、二人してミーアキャットのように空の彼方を凝視してみた。

 

 1人は棒立ち、1匹は空中で羽ばたいて、なんともシュールな待機時間が流れた。

 

 そして8秒ほど立った頃、ようやく恥ずかしそうに現れた先程と同じ大きさのICBMが、キョロキョロと不思議そうに辺りを見回している怪獣のこめかみに向かってド派手に着弾し、2度目の正直として今度こそ破壊的な結果を発生させるに至る。

 

 なんと、命中した瞬間にシャケ怪獣の頭部がぎゅるりと音を立ててミサイルごと球形に捻り歪み、次の瞬間には綺麗さっぱり彼の首から上が弾け飛んでしまったのだ。

 

 

「!うっわ、何あれヤバ」

 

「うえぁ!? ひいっっ!!?」

 

 

 やたらに鮮やかなサーモンオレンジの切断面は妙に食材的で、少し美味しそうにさえ見える。

 

 更に横からちょっとした水温が聞こえた。フルシュがあまりにもあんまりな光景に慄いて少しチビってしまったようだ。

 

 

「市長さん? なんかすごいことになってます」

 

「ああ、接触した対象表面の一定範囲を純粋数学を用いて元から無かったことに書き変える形式の攻撃方法が試用されている」

 

「つまりどういうことですか?」

 

「敵身体の占有領域 Ω ⊆ ℝ³ に対して、中心 (x₀, y₀, z₀)、半径 r > 0 の開球 B = { (x, y, z) ∈ ℝ³ |(x - x₀)² + (y - y₀)² + (z - z₀)² < r² } を作用させることにより、抉り取り後の領域 Ω′ = Ω \ B が得られ、局所的な幾何学的連結性の崩壊を伴う削除操作が完了する」

 

「なるほど、分かりません」

 

「私にも分からん。エイリアンに聞いた方が早いぞ」

 

 

 市長さんの寝言を聞き流しつつも、室内には典型的な「やったか・・・!?」という雰囲気が漂った。

 

 しかし、「やったか・・・!?」という雰囲気が漂ったということは、つまりやれていないということを表す従来の慣習に乗っ取り、眼前で血を吹きながら立ち尽くしていたはずの首なし調理済みシャケ怪獣は、謎の能力で無い喉から奇妙な咆哮をブチ上げ始めた。

 

 そして、それを見たフルシュはもう何も見たくないと言わんばかりのレイプ目に瞳を澱ませると、俺の首にシナシナと巻き付き、さらにはシクシクとすすり泣き始めてしまった。

 

 ・・・とんでもない轟音と、それに伴って発生した謎の高エネルギーをカットする遮蔽スクリーンの音が、最終防衛ラインとして俺を健気に防護してくれているクラス5装甲アクリルを容赦なくバシバシと揺らす。

 

 ああ、こりゃダメだ。

 

 また我らが日本の大地に人類じゃ何ともならないタイプのバケモンが増えてしまった。

 

 

「市長さん、さっきのやつ後3発ぐらい欲しいかもです」

 

「不可能だ。あれはエイリアンテクノロジーを不完全に修復したもので、謎の宇宙船の実機を兵器転用したに過ぎない。つまり、乾電池の両端にアルミホイル片を2つ付け、火を起こすのに使っているようなもので、本来の用途ではないばかりか、非常に勿体がない使い方と言わざるをえず、ついでに実機は先程の攻撃で2機ともに使用してしまったのでもう二度と手に入らない」

 

「あっ、なるほどですね」

 

 

 絶望感。というか、脱力感?

 

 嫌な雰囲気が俺とこの場に似つかぬ風貌を持ったファンシーなメスドラの間に漂う。

 

 

「あ」

 

 

 シャケ怪獣が首をこちらに向けた。

 

 噴水のような血飛沫が未だに止まらない脊柱が、謎の極彩色の発光を湛えながら、さながら銃口のようにこちらに向けられた瞬間、俺はピンク色のステッキを可及的速やかに自らへ振りかざし、全身に最強度の耐衝撃マジカルまじないを付与した。

 

 ついでに、まさに目の前に肉薄した絶死を見て、泡を食った表情を浮かべながら泣きわめいているオトモ妖精のキュートなメスドラちゃんを片手に引っ掴み、そのパステルカラーの小さく滑らかな体を胸の中に守り抱くように抱き占める。

 

 ムームーとうるさいフルシュが胸の中で暴れるのを感じながら、こちらを見つめる不気味なシャケの巨大怪獣を凝視していると、それの脊柱管が一際大きく赤く点滅した。

 

 更に付随して陽炎が周辺を包み込むと、あまりの高エネルギーにボコボコとシャケ怪獣自身の首肉が沸騰して溶け墜ち、そして最後にその脊柱管を中心に目を焼くような紫色の閃光が走った。

 

 瞬間、タワーオブテラーもびっくりな速度で俺の居る監視塔が地下数キロメートルに緊急降下を行い、頭上の何十重にも重なる隔壁がズダダダダッと閉まった。

 

 直後にビリビリと降下装置に物凄い振動が伝わる。

 

 高速で降下しながら間髪入れずに窓へ投影された衛星中継によると、さっきまで俺がいた場所は、現在だいたい幅1.8キロほどの巨大なガラス化した溝に変えられているらしい。

 

 ちなみに爆心地たる草原の防衛施設と後方の市街地は標高マイナス180mとの事だ。

 

 映像をよくよく見れば、端っこでギリギリ溶け残った黒焦げの自動噴進砲らしきものが健気に一機でしゅんしゅんと撃ちまくっているものの、怪獣の体表にポップコーンよりも小さい煙を立てているにすぎない。

 

 俺は死なない。俺はあの噴進砲のようにはならない。そう理解してはいるものの、このような光景を見るといつも自身の想像している末路と重ね合わせてしまい、酷く恐ろしい気持ちになる。

 

 まあ、もう見る意味は無い。

 

 大方あと5秒もすれば消し飛ばされて終わりだ。

 

 俺はソファの上に投げ出されていた明らかに元家庭用のリモコンを手に取り、プッと中継を消す。

 

 そうこうしている間にガチョーーンと地底岩盤層のレールに着地した緊急脱出降下施設は、今度は水平方向に向かって音速近い速度で平行移動を始める。

 

 謎の技術でストレスが軽減されていたとはいえ、天井近くの計器によると俺には降下時7Gがかかっていたようだ。500kgの板に全身を押し潰されていたような物である。

 

 が、フルシュのおかげで魔法少女の能力が使える俺にとっては苦でもない負荷なので、こうして元ハ〇マン・ミラー社員が作った革張りの激高ソファで魔王みたいに足を組んでいられる訳だ。

 

 本当にフルシュ様々である。

 

 ・・・本人、本竜はまだ俺の胸の中ですすり泣いているが。

 

 ともあれ、ようやく暇な時間が出来たので、フルシュが落ち着くまで皆が気になっているであろう我らがすめらみこくを含んだ現在の国際情勢を軽く解説しておこう。

 

 前置き無しで単刀直入に言ってしまうと、世界200カ国はとっくに全て消滅している。

 

 その上で、日本も他国の例に漏れず48都道府県中47都道府県が壊滅した為、現在は最後に残った岡川県が人類最後の勢力として日々奮闘している状況にある。

 

 なお、絶望的状況に見えてちょっとは良いこともあり、日本国内外問わず各国の残党や生き残りに加えて技術までもを積極的に保護吸収しているため、冗談抜きで世界最高の精鋭が揃っている。

 

 まあしかし、ついさっきまで第12岡川市防衛任務に当たっていたワケだが、ご覧の通りたった今謎のシャケ怪獣の手によって蒸発したところだ。

 

 だが安心して欲しい。流石に人類最後の砦なだけあって用意は周到を極めており、俺などの有用な人材以外は全て冷凍睡眠の上で地下埋設型装甲移動要塞に収容してあり、更に岡川県は予備として新しい岡川市を今蒸発したやつ以外に残り4つ同時並行で全て別地に建設中である。

 

 その内の1つは、ここ日本国岡川県領の最北端であるマジノサハリンスク山の強固な岩盤の下にあり、現在はそちらに向かっているのだろう。

 

 さっき蒸発した俺の12個目の地元は愛媛県だった場所の近辺にあったはずなので、今は直線距離で1300キロほど地底を通って北上していることになる。まあ1.2時間ってとこだ。

 

 その間俺は完全にフリーなので、新×13岡川市名物紹介PVでも見てようかな。

 

 それにしても、よくあるアニメに出てくるような普通の魔法少女ってこんなことするのか?

 

 常人の何倍も体が頑丈で魔法で現実改変やウイルスにも対応できて肉体性能的にめちゃくちゃな作りの施設を住み込みで直衛させても簡単には死なないからって、あんまりだとは思わないか。

 

 フルシュが居るため意外と話し相手には困らず、そこまで寂しかったりはしないものの、元男とはいえ女子大生にはあまりにもヒサンすぎる状況のような気がしてならない。

 

 クソ、また温泉まんじゅうとゆるキャラが名物か。

 

 毎度毎度同じようなものばかり作りやがって。草津だった場所の水分子が科学的に考えれば1粒以上入っている可能性が高いというだけじゃんか。

 

 

「ま〜そう言わないであげてよ、みんなだってがんばってるんだから・・・」

 

 

 ほんの少しだけ不満気な俺の声に反応したらしく、いつの間にか落ち着いて腕の中から抜け出したフルシュがなだめるように首にまとわりつき、ぽしょぽしょと控えめに語りかけてくる。

 

 みんな、というのは岡川県行政の事だ。

 

 彼らは人類再興にかけて俺のような特殊人材を可能な限り大事にしているのだが、最近ちょっと甘やかし方がワンパターンなのだ。

 

 これほどの酷使のされ方に耐えうる純粋な人間は俺以外にもう存在しないのだから、もうちょっとぐらい要望を聞いてくれてもいいのに

 

 俺が最後の純粋日本人ということで、温泉とゆるキャラと黒糖饅頭さえ与えとけばいいと考えてるらしい。まあだいたいそうだが。

 

 おそらく、その変わり映えしない日常と予定調和を欲する現状維持欲求みたいなのを見抜かれているのだろう。

 

 

「・・・うるさい。犯すよ」

 

 

 彼女が落ち着いて少しほっとした俺は、冗談めかしてフルシュを脅かした。

 

 すると彼女は大袈裟に「ヒイ!」と鳴き、怯えながら羽虫のように飛び逃げると、天井のモニターの裏に隠れてしまった。今(・)は(・)冗談なのに・・・

 

 

「モリト君、まさか本当に犯す気ではなかろうね?」

 

「冗談。トカゲと舐め合う趣味はないです」

 

 

 唐突に市役所の市長から通信が入り、壁に東欧系のおっさんの顔がドアップで映し出される。ちなみに俺の発言は嘘だ。既にフルシュは適切な頻度で試食済みである。

 

 大型のオモチャよりちょっと大きいぐらいのサイズのくせに、フルシュは中々どうして良い声で鳴く。体格は合わないが。

 

 

「君が言うと冗談に聞こえないな。老若男女問わずセックスドールは幅広く送ってあるはずだが」

 

「あんなの、音が出るだけの機械じゃないですか。最初はともかくとして飽きました。本物を送ってください」

 

 

 モリト、というのは俺の名前だ。いや、コードネームか?

 

 まあよく分からないが、ともかく俺はモリトだ。

 

 最初は転生前の名前をそのまま名乗っていたが、この世界だと凄い嘘臭い響きというか、ラノベ主人公的な難読ネームを使ってる痛いヤツの扱いになってしまうらしく、仕方なく尊厳保持の為にモリトと名乗っている。

 

 

「本物?人間をか?君が望むなら供出リストを作ってもいいが・・・」

 

「いや、冗談です。構いません。ここに乗せたらいつ死ぬか分かりません」

 

「その、君はフルシュくんでも好みの範疇なのだろう。動物でもいいなら培養して送るが」

 

「結構です。気持ちは嬉しいですが、可哀想です。命をなんだと思ってるんですか?」

 

 

 生活支援の内容は同じようなものばかりで全くもってつまらないのにも関わらず、俺自身のモチベに関わるようなストレス解消関連の支援に関しては市役所は物凄く積極的だ。

 

 まあ、俺のような便利すぎる現地職員にサボタージュでもされたら困るのだろう。

 

 それに、資源サルベージ量と養う人類の数が冷凍睡眠技術のせいで全く釣り合っておらず、物資が余りまくっている。変に出し惜しむ必要性もない。

 

 

「範疇であることは否定しない、か。貴重なデータとして記録しておく」

 

「やめてください、変なもの送って来ないでくださいよ。当面はいつも通りフルシュを可愛がります。友人として」

 

「そうか、要望があれば即座に対応する。順次連絡してくれ」

 

「えっ?ちょ、ちょっとモリト、それどういうこと・・・?」

 

「・・・モリト君、あまりフルシュ君を虐めてやらないでくれると私が喜ぶぞ。以上だ」

 

 

 ブツッと、市長のおっさんからの通信が遮断された。

 

 なんと一応電子戦対策が施されているので、秘匿回線での通信だったことになる。

 

 なんでも、おっさんの母国は電波に乗るウイルス怪獣で壊滅したらしい。

 

 本当かよ。なんて考えつつ、俺はいつの間にか近くに戻ってきて何やらアワアワしていたフルシュの尻尾をグワシと捕まえる。

 

 

「えっ、も、モリトっ!?モリト、嘘だよね!?モリト!?」

 

 

 本当、フルシュは良い反応をくれる。

 

 そういう所が俺をそそらせるのに、あざといやつだと思う。誘っているのかと本気で考えた事があるほどだ。

 

 少し前に手を出した結果、別に誘ってはいないことが分かったが、そこまで関係が決裂するほど嫌がってる訳じゃなさそうなので、もう何度か味見してもこじれることはないだろう。

 

 

「モリト!?待って!!モリト!?!?」

 

 

 びびびびび・・・と、必死で小さな羽をばたつかせて逃げようとするフルシュ。

 

 先程のシャケ怪獣の熱線爆発による壁の振動とも引けを取らないダイナミクスが手に伝わってくるが、しかし人類最強(「通常の」)に尻尾を掴まれている以上(ホモサピエンス種と比較した場合にのみ)逃がれることは出来ない。

 

 だが無意味だ。というやつだ。

 

 とはいえ、残念ながら今の俺にモノはない。

 

 なので、どこぞの怪獣のような「ビーム」を、どこかしらの何らかの部位より、できるだけ可愛らしく責め甲斐のあるように放つのが俺を満足させて解放してもらう事の条件だ。

 

 ・・・時たまフルシュに俺を責めさせることもあるが。

 

 まあ正直、生粋のサディストの自覚がある。性分なのだからしょうがないが。

 

 なんちゃらは色を好むとはよく言ったもので、さっきのような死ぬ思いをした後はいつも性欲を持て余す。

 

 ちょっと前まではもっと頻繁に死にかけていたので、AI搭載のセックスドールにも早々に飽きてしまい、更なる過激な行為を求めて毎晩枕をしとどに濡らしていたものだ。

 

 そりゃあ性癖も歪む・・・というか広くなるというもの。

 

 精神は男だ〜とか性転換後によくあるヤツも気が付けばどこかへ吹っ飛び、悶々とした気持ちを受けたり責めたりで温めている間にとうとうフルシュにまで手を出してしまった。

 

 若干性依存症気味と言ってもいいが、普段の任務中はフルシュと市長しか話し相手がおらず、そもそも依存するような相手がいないので、こんな感じで人類最初で最後の稀代の性獣として振舞っている。

 

 正直、市長さんも東欧系渋イケおじとして全然イけるぐらいにはなんでもありだ。

 

 でも今はズッ友かつ親愛なる相棒のフルシュにお熱なので、フルシュと常日頃ちちくりあうことにしている。

 

 フルシュもガチで引いてるけど満更でも無さそうだし、まあ良いだろ・・・

 

 

「ってことで、フルシュ。ベッドいこ・・・?」

 

「そんなあざとクールに首傾げながら言われても…!!んぎゃあああたべられる〜〜〜!!!」

 

「だいじょぶだよ・・・俺、上手いもの」

 

「れッ、練習してたからね・・・ぼくの真横で・・・自分相手に毎晩・・・・・!!

・・・あっ」

 

 

 フルシュをお人形のように抱いたまま居室の前に到着すると、プシュッと音を立てて装甲ドアが開く。

 

 中の豪華な寝台は自動ロボットの手によりご丁寧にベッドメイクされており、更にその横のテーブルにはこれまたご丁寧に指用のえっちなやつとペニーなバンドが置いてある。

 

 

「ひええええ・・・!?こ、これが魔法少女のやることか!!」

 

「今更?もう魔法少女なんて言ってる場合じゃないよ・・・フフ」

 

 

 涙目のちびドラゴンを尻目に、若い女のしなやかな長い指にピンク色の保護具をするりと纏う。

 

 歩きながら携帯に打ち込んでおいたので接敵レポート*1は提出済み。つまりは自由時間なので、緊急連絡用回線以外は全てお(・)や(・)す(・)み(・)モ(・)ー(・)ド(・)。

 

 

「さて・・・と」

 

「あっ、あわ・・・ あ・・・♡!!」

 

 

 クール系魔法少女と世界観間違えオトモ妖精の生活は、これからも続く・・・

 

 

 

 

 

 

*1:
意訳:あいつ、熱線を放つ時に発射点周辺に酷い熱傷を負っていました。核には耐えても自分のエネルギーには耐えられないようです。狭い落とし穴にでも落として熱線を放てば自爆してしまう状況を作れば完封できるかもしれません









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