Nランク[のじゃロリ天使姫]に転生した! 作:何処にでもある
ここら辺でヤマトに出来る戦力強化の項目を並べ立ててみましょう。
演目再現 ガチャ
執筆 レベル強化
寓話再編 レベル上限解放
寓話臨界 スキル性能上げ
異聞習合 ダブり凸+ランダム強化のリロール
虚空釣り 装備集め+箱庭住民集め
新幕衣装 過去キャラの性能調整
外征恩恵 ローグライククリアによる使用キャラの性能微増
円盤解放 スフィア盤+属性と種族全体強化
糸紋裁縫 種族変更、物語独自の種族化
暗幕舞台 演目再現中の補正の常時化
復刻解放 過去のイベント配布キャラ集め
試練 ランク上げ+LRを越える為の高難易度戦闘
婚約指輪 好感度100以上かつ1名専用のスキル3解放枠
全部やろうとすると廃人待ったなしなので、ここのヤマトは全部はやりません。
ミソフィア? 箱庭「幻話の時織姫」
精霊歴───年「████████」
[お帰りヤマト君。今回はどうだった?]
「一先ず襲い掛かる者を全員吹き飛ばしながら村を転々としていたら「ディストリカ」と名乗る者達と出会ってな。事情を話したら色々と支援してくれる事になったんだ」
[つまり新しい仲間と言うことだね!]
「まあ……そうなるのか? どうにも胡散臭い連中でな……どう言ったものか……」
[なんだか歯切れが悪いね……お茶を持ってこよう。疲れた事だろうし、ゆっくり話せばいい]
ヤマトの帰りを待ちつつ今日も虚空釣りに挑戦していると、ヤマトがたんまりとお宝を持ってフィアの下へ帰還して来た。
その様子を見て何があったと問いかけてみれば……どうやら中々厄介な事情を持っていそうな相手と関わって来た様だった。
[はいお茶。ドールズ達はどうしてるのかな?]
「アイツらは元気いっぱいだな。……元気過ぎて稀に襲って来る程だ」
[それちゃんと制御出来てる?]
「…倒せはするし問題はない。ただ、後で布織と執筆小屋に篭らせてくれ。集めた精霊神石と併せて戦力強化をしたい」
[ありゃ、そろそろ厳しくなってきたか……いいよ、今後は僕に一言寄越さず使ってくれたっていいからね]
ことりと湯呑みをヤマトの前に置き、元気そうにヤンチャしているドールズ達を微笑ましくフィアは笑う。
実情がどうなのかは知らないが……聞いている限りだと随分と楽しそうに旅をしているように聞こえた。
「ふぅ……そうだな、俺と「ディストリカ」と出会った所から話そうか。あれはそう、今行われている演目の舞台が[風魔浪漫譚]で登場人物が[死者の行軍]の者だと、忍びの里跡地を調べて知った時の事だ」
[待て、待て!……よし、もう少し前から話を初めてくれ。先ずは演目の舞台と人で齟齬が起きている謎からだ]
「……別作品の舞台に別作品の人が居る状況って異常なのか?」
[僕の知る限り初めて起きた事だね]
ヤマトがさらりと流そうとした情報に、フィアが慌てて待ったをかける。
ヤマトにとっては全てが初めての事なので流した事だが、現実と寓話の世界が混ざるのは異常事態の中でも特に特殊な事象だ。
なのでその辺りをもっと深掘りしてくれと、フィアはヤマトのお茶を注ぎ足した。
喉の潤いケアは万全である。
「なら……少しばかり長くなるぞ」
ヤマトが腕を組み、この世界の事を語り始めた。
思い出して、言葉にして、見て感じた事を言葉にする。
「あれはそうだな…」
至極当然の流れとして、
「これで全ての村を見て回ったが……ずっと疑問だったんだが、中心を囲むように村が置かれているのは何故だ?」
舞台上を一周し、一通り妹が居ないか見て回った後の事だ。
ドールズ達が共に歩き回っている最中に書いたという地図を眺めていると、未だ中心部には行ってない事に気付いてな。
コレまでは村を訪れては次の村の場所を聞いて探して居たんだが、その道中は中心部を避けるようにぐるりと舞台上を回るようにして動いていたんだ。
道がそういう風に敷かれていたのもそうなんだが……それを加味しても俺は妹探しで急いでるだろう? だからルシファーに頼んで飛んで行こうと、始めは考えていたんだ。
『私達の話の黒幕でも居そうデすからね。村人達も不気味な噂があると忠告していたでハないですか』
「ぐるりと回る道を選んだのはそうだな。そこに何かあるから安全策を取った。……だからこそ、其処に何があるのか気になってくるものだ」
『ヲ…そうですカ』
「それに、妹が其処に居るかもしれないしな。恐らくは村が囲うように建てられた原因の、土地由来の何か……お前達を作った者の隠れ家第一候補。早速向かうとしよう」
しかし、其処に強くて敵対的な者が居るとなると避けるだろう?
俺は先ず見て回れる場所を見て、後は其処しか見ていなかったから行く事にしたんだ。
「ここは……崩壊した村か?」
『ヲ!』
『長女が壊れた家から黒い装束を見つけたそうです。何か知っているかと聞いてイます』
「これは……忍者服…? それにこの印は…週間少年漫画で連載中の[風魔浪漫譚]の風の一族のものじゃないか!」
多分、この時の俺は少し焦っていたんだと思う。
既に5日経っているし、ドールズ達の活動を抑えている以上いつ舞台が崩壊しても可笑しくはない。だから偵察とか、上空から観察せずに里の中に入ったんだ。
「霧が濃く……皆構えろ、忍者モノでこういう不意打ちし易い状況は──何か来るものだ」
西洋らしい舞台から、急に古めかしいワトシト風の風景に変わった。
忍者の事に辿り着くと、待ってましたとばかりに霧が濃くなる。
俺達は虎穴の中に無防備に入った兎だと気付くのにそう時間は掛からなかった。
もしや演目は二つ行われていたのかと、そう疑問にすら思って警戒を強くした。
「──その物言い、パターンの予測……私達と同じザマになった現実の
「ッ! 誰だ!」
なのに気配を感じさせないまま相手は俺に話しかけて来た。
俺は学生で、戦闘の達人では決してない。
しかしある程度の場数は踏んだし、殺気や気配の類いも感じ取れる様にはなった。
その上で俺は全く、相手の存在を知らせる物を感じることが出来なかったんだ。
「今はもうお仲間よ。基底側から
霧の奥から現れたのは、紅く染まった廃墟に紫の薔薇が咲いている風景を映す鏡を、背中に浮かべる女性。
「あら、信用ならないって顔ね? だったら特別に名前も教えてあげる」
紫の髪と赤い眼をして、泣きぼくろが妙に記憶に残る、拳銃を持った革靴の
「さっきも言った通り、私は
俺以上にこの世界を、ずっと昔の過去を知っていて……俺よりも絶対に諦めの悪い女が、彼女だった。
「リフター。「ディストリカ」の幹部にして、那由多の果てを生きる転生不死。「風説」の復活を目指すだけの、一介のエルフよ」
挨拶代わりとばかりに銃弾が俺の横を通り過ぎ、それに慌てて飛び退いて弾丸の行方を確認すれば、俺の後ろから襲おうとした魔物が死んでいる。
助けられたと思考が追いついた頃には、リフターは廃墟の上で足を組んで座っていた。
「さ、お名前をどうぞ? 時間なら幾らでもあるから、私は死ぬまで付き合ってあげても良いわ」
そして……本当に機嫌の良いんだろうな。
今にも鼻歌を歌いそうな様子で……と言うより歌いながら、リフターはニヤニヤと笑ってこう言ったんだ。
「最も、貴方は死んだらそれまでみたいだけど♪」
「……と、言うのが彼女と出会った顛末だ。言っている事は胡乱な事この上無いし、歴史の上書きをする組織なんて危ないと思うんだが……どうだろうか?」
[明らかに現実と寓話の融合をやった連中じゃないか?]
「だが、妹を探していると言ったら色々くれたんだ……この精霊神石だって、リフターから100回分も貰えたんだ……もしかしたら良い人達かも知れないんだよ……」
[言ってて無理があるって自覚してるよね?]
三杯目のお茶を飲み干し、ヤマトは唸り声を鳴らす。
そんなの自分でも分かっている。だからこうして恩義と反感の狭間で悩んでいるのだ。
元凶らしく振る舞っているのに、親切に相談に乗ってくれた礼がある。そのギャップにヤマトは苦しんでいた。
「まさにその通りだな。事実、リフターはどんな質問にも答えてくれた。そのおかげで、現実と寓話の融合は彼女達の仕業なのも分かったし、それが失敗に終わったのも、何故そんな事をしたのかも分かった」
[うん、自分を敗残兵と名乗る辺り事情はありそうだよね……失敗?]
「ああ…最終的に「自分達の世界を基底側に戻す為」と言うのが理由なんだが…其処までの経緯がまたややこしくてな……すまんが、この辺りはまだ自分でも纏められそうに無い」
また今度だと、ヤマトは席を立って小屋の方へ向かう。
執筆が多くの時間を必要とする以上、早めに始めなければいつまでも終わらないからだ。
[あ、籠るなら僕の話を聞いてからにして欲しい。新しくこの箱庭に迎え入れた仲間を紹介したいんだ]
「……あぁ、人の気配が増えているのは疲れの幻では無かったか。だが2人だろう? それなら召喚の後にしないか? こういうのは纏めてやってしまった方が良い」
[ヤマト君はどうして其処まで具体的に気配とか分かるんだい? 流石に怖くなって来たよ?]
「なに、
そんな訳で最初に召喚、その後に全員合わせて顔を合わせる事となった。
召喚をしている光景は前回と似た様な物なので結果だけ伝えるならば、ランク問わずに新しい装備が3個、人が22名、ダブりが75という結果となった。
[やあ…これ全部纏まるのは骨が折れそうだ]
「一先ずどんなことが出来るかだけでも纏めよう。執筆の優先順位付けだ」
以下は2人が纏めた些細である。
・N「[花咲町回覧板]サチコ婆」
[土のドワーフだね。その町を騒がせたおばあちゃんのお話だよ]
「強いのか?」
[「花咲」って特殊な強化を1人に与えるみたいだ。倒れた仲間の数だけリジェネ効果が増す永続強化だよ]
「……最大19%か。一息の間に2割回復するのは有難い…のか?」
・N「[英単語帳]cnrz」
[闇の悪魔だね。英語の勉強の時に現れる読めない文字の怪談の話だよ]
「召喚の時に姿が見えなかったが……そういうのも居るのか?」
[現象の悪魔化は良くある話さ。有名なのだとラプラスの悪魔とかそうだろ? ともあれ性能は魔法を使おうとした相手の問答無用の行動封じだね。弱体付与ってところさ]
・N「[花火意匠]タマカギ」
[火の人間だね。花火の秘伝の設計図に添えられた弟子への一言が由来だよ]
「たった一文でも演目の対象か……知名度はどうなっているんだ?」
[たまや〜かぎや〜…ほら、有名だろ? 間を置いた攻撃型、火傷を相手に与えたり戦場を華やかに出来るよ]
・N「[ナルイ川交易書類]エイジ」
[水の人魚だね。商人達が記録した長年の交易記録だよ]
「物語なのか?」
[物の流れとは、その時を暮らす人々の話を表す……ごめん、流石に僕も確証はない。でも演目になったんだから物語なんだろうね。やれる事は戦闘報酬の微増だよ]
・N「[雲]錯覚」
[風のエルフだね。話は…雲が偶然何かと似たものになるあれ…? 媒体がなんでも良いの代表例って感じだな……扱いとしては砂絵に近いのか?]
「本当になんでもありだな…エルフなのに浮いてたぞ」
[そりゃあ雲だからね…出来ることは雲になること。それに乗れることだ。動かないから足場にすると良いかもだ]
・N「[遭難譚]蜃気楼の救い」
[水の人魚だね。海で死にかけた人々が最後に見たという助けの幻覚。それが演目となった物だ]
「流石に慣れて来たな。さては回復使いだろう?」
[いや、相手を一息持ち堪えさせるガッツ付与と、渇きっていう状態異常を与える足引き役だね。幻覚が助けになる事はないって事なんだろう]
・N「[馬の一生]薔薇の馬」
[土のドワーフだね。ガーデニングで植物を馬の形に刈った庭のお話だ]
「……つまり?」
「緑の彫刻かな? 作風は巻物や壁画みたいな……兎に角性能だ。乗り物に使えて、弱くても長時間出せる足だと思って欲しい。」
・N「[花咲回覧板]サチコ爺」
[土のドワーフだね。その町を騒がせたおじいちゃんのお話だよ]
「待て、さっきおばあちゃんだったじゃないか!」
[僕に分かるのは表面だけ。詳しくはヤマト君が調べてくれ。性能は戦闘時に指定した1人以外の味方の倒れるかの判定を行うみたいだ。召喚した仲間しか居ない時に使わないと危険だね]
・N「[黄金の愚王]ルシファー」
[天の天使だね。 ある人物に対する悪評を日記風に書いたものだよ]
「ただの悪口じゃないか? それ。それにルシファーと名前被ってるし……」
[ まぁまぁ、Nにしてはまだ物語の体面があるから…性能は…最初から習合が最大で…脆い肉盾だね。育てなくていいんじゃない?]
・R「[カワラ駅]不気味な車掌」
[闇の悪魔だね。存在しない駅の怪談だよ]
「漸くお話らしい話が……しかし悪魔は翼や角がある物だと思っていたが……そうでない者が多いな」
[演目次第かな、それは。人に寄りけりだ。出来る事は「切符」を配布して「乗車案内」するだけ。後は別のキャラの協力が必要になるね]
・R「[カワラ駅]黄泉行き列車」
[闇の悪魔だね。さっきの話と同じ怪談だよ]
「都合よくセットで運用出来るのが揃ったな。運がいい」
[うーん…召喚は1が来たら2も来るって連鎖反応があるからそれかもね。性能は「乗車案内」された相手を登場時に「乗車」させるだけ。その後は時間経過で即死させるか、倒されたら「カワラ駅」に
・SR「[異郷旅行]マルタ」
[風のエルフだね。誰も知らない場所への旅行をしたお話だよ]
「俺も知ってる聖人の名前だな…」
[あくまで物語、モチーフ元はそうかも知れないけどこの子は別人だからね?…お、連鎖してる性能。
・SR「[異郷旅行]亀の竜タラスク」
[風のエルフ(強弁)だね。マルタの連鎖召喚と見ていいと思う]
「連鎖するからか存外引けるようになっているな…」
[1人だけじゃ舞台を回すのは難しいからね。性能は編成不可の後方支援型。マルタに呼ばれたら独自に戦い始めるよ。制御の難しい怪物って感じだ]
・R「[悪路王]イスカンダル」
[火の人間だね。昔の英雄を讃えたお話だよ]
「歴史の授業で見た気がするな」
[本人じゃないけど、その内サインでも貰ったらどうだい? 性能は範囲攻撃と
・R「[亡国の行く末]暗黒の騎士」
[土のドワーフだね。土着宗教の聖騎士視点のお話だよ]
「……土になる理由が謎だ」
「土着で異教徒視点だからかな?……僕は宗教に詳しくないけど、そうらしいよ。性能はタコの神様の足を出したり、自己回復が優秀な感じかな」
・SSR「[軟膏から見た奇跡と邪法]グリモワル」
[闇の悪魔だね。奇跡と魔法がどう違うのか書き綴った奇書にして哲学書だ]
「奇跡? 邪法?」
[キリス教の観点から見て正しい魔法を奇跡と言って、それ以外を邪法と名付けたんだ。根本はどっちも魔法だけど、その力の由来や原理説明で現実では揉めてたんだよ]
「へぇ、知らなかったな」
[最近だと科学的に魔法を解明するのが増えたからね。その辺を詳しく書いた歴史書には宗教的先入観を捨てた、正しい魔法の姿を見る「正魔哲学」から始まり、魔法の真の姿を研究する「根源思考」、魔法が関与しない真の自然を解明する「超自然学」に派生してね? それが科学の発祥となって更に更に……ごめん、1人で盛り上がっちゃったね。性能は「奇跡」と「邪法」を「魔法効果」に含むようにして、その上で沢山の固有バフを扱う魔法使いだよ]
・SR「[その軟膏幻想をぶち壊す]ソプラノ」
[天の天使だね。精霊魔法を根拠とした奇跡と邪法の同類論の反証書だ]
「これ書いた人、相当ムカついたんだろうな…」
[別作品なのに連鎖した以上相当だよ。性能は編成の1〜6のスキル2と編成14〜20のスキル1を毎回ランダムに3つずつ発動させるタイプだね。「奇跡認定」と「邪法認定」の二つの固有を駆使して戦うタイプで、認定によるデメリットを踏み倒せるグリモワルと相性が良いよ]
・SSR「[ヘライト旅行]ガリバー兄弟」
[水の人魚だね。船で空を飛ぶことに成功させた魔法使いの兄弟……という架空のお話だね]
「……今までのは架空じゃないのか?」
[モチーフが無いって事さ。完全に一から世界を作るってすごい事だからね。それで面白いんだから最高さ。性能は飛行している者へ無敵と回復の付与と、飛行している者の攻撃に乗じた追撃と追撃が一定以上行った時に発動する
・R「[亡国の行く末]生贄の巫女」
[土のドワーフだね。お話の最中にキリス教側で捧げられる巫女だよ]
「キリス側が捧げるのか…」
[ほら、星座にしたり聖人認定とかあるだろ? この作品はそれを露悪的に書いてるだけさ。効果も死ぬ事で乙女座の加護が味方全員に付与されるそれらしいもの。キリス教関係は見た目が良いから、一度は見てみたいよね]
・R「[亡国の行く末]聖十字軍将軍」
[土のドワーフだね。キリス教モチーフの貴族将軍だよ]
「そう言えば、さっきから死ぬと倒れるの使い分けはなんだ?」
[死ぬと此処に一旦戻って蘇生が必要で、倒れた子は休ませれば回復するよ。気絶と死亡の違いだね。召喚した子以外が死ぬと当たり前だけどそのまま死ぬから注意。で、この子の性能はモブを召喚して自爆させて、死者数を増やす子だ]
・N「[オダ家系図]戦国の不死鳥」
[火の人間だね。ある有名な家系の血脈だよ]
「オダ…戦国…ま、まさか! ノブ──」
[そうだね、将来茨城になる土地を治めていたウジハル君だね。最弱大名や不死鳥って異名で界隈では有名で、ご本人も相伝の再生する血の
「まあ、 Nだからなあ…」
・SR「[殻破りのひよこ]ヘルマン」
[風のエルフだね。青春学園モノの主人公だよ]
「学園モノは風なのか…意外だな、てっきり火かと…」
[春風と共に始まる事が多いからね。見たところ、特別に成長上限が高いタイプのようだ。ひたすら執筆して鍛えて殴るアタッカーだよ。青春の数だけ強くなるって奴さ]
[……全部?]
「人はな。武器はまだだ」
全員確認し終わった後、お互いに顔を見合わせて──緊張の糸がぷつりと切れた。
[「だぁ……終わったぁー」]
召喚した者を確認し終わり、その場に崩れ落ちる。
それも仕方ないだろう。1人1人が特性も個性も全く違う情報の暴力だ。
これがゲームなどであれば後で必要になってから確認しても良いのだが……彼らにとってこれは現実で、大変重要な戦力の分析。
どれだけ面倒でも頭に叩き込む必要があった。
「手持ちを大枠に分けてバフ保存、追撃型、
[ヤマト君、考え方は札遊びのデッキ構築のつもりでやるといい。考えなしに連れて行くと自滅するからね。特にサチコ夫妻]
「承知している……仮に選んだとして、全員分の執筆強化が有るのか……」
[ヤマト君、今言うことじゃないと思うんだけど言わせて欲しい。寓話再編のレベル上限上げと、スキル自体を強化する「寓話臨界」もある。それ以外に現状でも手を出せる強化方法が4つは……強くなる道は途方もないよ]
「臨界は初めて聞いたが……そうだな……ある程度見切りを付けなければな。キリがない」
ノロノロと立ち上がりつつ、ヤマトは強くする仲間を選ぶ事を決意する。
今回の事で実感したのだ。この召喚を扱う道は生涯を通して尚終わる事はないのだと。
「それで武器道具の方は?」
[Rの射撃銃とNの虫捕り籠とNの空き瓶だね。特殊な力も僅かな普通の物だよ]
「なら良いか。後は……」
[僕が釣りで引いた子達だね! 今連れて来「ねぇ遅くないですかフィアさーん?」メギャ!]
漸く自分の番が来たとフィアも立ち上がり、扉の方へと向かう。
早速念話で呼び出そうとして──フィアが走って開けるより先に扉が開き、フィアは入って来る者に衝突することになった。
「あー…フィアさんごめんなさい。怪我ありません?」
「ちょっとカヅチ! ごめんなさいフィアさん! 手をお貸しします!」
[大丈夫…ちょっと転んだだけだから…]
入って来たのは2人の男女。
緩そうな雰囲気の南蛮の血を感じる容姿の男と、肌焼けにしては自然な茶色い…沖縄辺りの海風の臭いのある女。
年はヤマトと同じくらいだろうか。どちらもヤマトよりも現代的な服装をしており、現実世界の者だと察せられた。
「あ、其方が……あの、フィアさん。この方って寓話世界の方だったりします?」
[ううん。それは違うよカスミ君。ヤマト君は君たちよりほんの少し昔の人なだけさ]
「へいゆー、俺カヅチって言います。避難所育ちで10年くらい防衛隊やってましたー。今後ともよろしくでーす」
「って、カヅチ! 軽率に魔導刀持ってる人を刺激しない!」
「大丈夫大丈夫、俺強い方だし」
「俺は危険人物ではないのだが……」
差し出された手と握手を交わし、思いの外濃い者達が来たと思う。
日本の名前なことから移住した者達の様だが…フィアの語り口からして未来の者というのが、ヤマトに現実側の厄介な状況を察せさせた。
「俺はヤマトだ。此処に落ちる時に別れた妹を探している。……2人はどんな関係なんだ?」
「幼い頃からの友達かなーやっぱ。俺らって運良く「奈落の日」に落ちなかった土地に居たらしくてえー、其処って襲って来るのを倒しながら、生き残った他の奴ら同士で身を寄せ合って出来た所で育ったんすよ」
「そこは幼馴染でいいでしょカヅチ。相変わらず冷淡な奴ねー」
「いつ死んでもおかしくなかったんだから普通じゃーん?」
「なるほど……あの日、生き残りが居たのか」
ある意味これは朗報で、そして悲報でもあるのだろう。
ヤマトとサクラが別れる事になった日……彼らの言う「奈落の日」で生き残った者が居たこと。
そして──ヤマトからすれは半月程度で、現実側は10年も時間が経っていること。
もし帰れたとしても、決して元通りにならないだろうな。
思いの外人類がしぶといのは良かったが、もしサクラを見つけても後の生活が絶望的──ヤマトは、一旦この思考を放棄する事にした。
まだ見つけても居ないのに、心配するような事でもなかったからだ。
「それで、2人はどうして此処に?」
「あーそれは…」
「私から言うわ。怪物が一斉に押し寄せた時に、コイツったらドジった私に手を伸ばして一緒に落ちたのよ。全く…普段から関係を冷まさせようとしてるんだから、そこは見捨てるべき所でしょ?」
「挙句だからしかたなーし」
「落ちてる時に私がフィアさんの釣り糸掴んでなかったらそのまま死んでたのよ? 反省なさい!」
「わー聞こえなーい」
話している内に自分達のペースに戻ったのだろう。
もうヤマト達の方は気にしていないようだった。
フィアはそんな2人を微笑ましく見て、ヤマトに語りかける。
[そんな訳で、この子達は僕が垂らした糸を掴んだ訳だ。どうだいヤマト君、中々面白い子達だろ?]
「ああ。お陰で分かった事もあるし、会わせてくれてありがとう、フィア。だが……此処に住まわせるつもりか?」
[ドールズ達のお陰で設備は整ったからね、後8人は住める様にはなっている。永住するかは……彼らの選択次第かな。なにせ釣ったのは昨日の今日だ。2人とも冷静な様に見えて存外余裕がないんだよ]
「ふむ……それなら俺からも気に掛けておこう」
こうして新たに仲間になった者達の顔合わせは終わりを告げた。
未だ歩み出したばかりでも、情報だけならば続々と集まっている。
大丈夫、順調に進んでいると、ヤマトは希望を新たに宿した。
「……因みに、虚空釣りとはなんだ?」
[浮遊石を先に撒いた糸で作った網を張り巡らせる寓話世界の釣りだよ。空に漂っている魔道具が主な収穫物なんだけど、今ならヤマト君みたいに落ちた現実世界の人も掛かりそうだなって考えてたんだ]
「釣りというより漁だな……しかし成程、それに反応してドールズ達は作ったのか。ありがとう、喉にある小骨が取れた」
[どういたしまして]
その後、ヤマトは数日間缶詰でルシファー達を鍛え──。
「……終わ……た」
主力に選んだ者達を再編2段階の最大強化になるまで出ないと決めた事を、死ぬ程後悔する事になるのだった。
SSR「[軟膏から見た奇跡と邪法]グリモワル」
SR「[その軟膏幻想をぶち壊す]ソプラノ」
精霊歴1534年、暗黒期のドールチェ王国で書かれた作品群のキャラクター。
奇跡と邪法の其々で治療した兵士達を見比べて、結果が同じであればその過程と様相を理由に非難するのは間違っていて、治療するという本質は同じという結論を伝える本と、奇跡と邪法は違うと非難する本の応酬の話。
どちらの結論が未来から見て正しかったかがランクに現れており、ソプラノが永遠と相手に噛み付く事で連鎖召喚が為されている。
性能としては統括グループ化による判定拡大とスキルを発動させて火力を増す加速装置。非難の論点がズレ続けたのが性能として反映されている。