Nランク[のじゃロリ天使姫]に転生した! 作:何処にでもある
ゲームではプレイヤー全員で協力して倒せますが、ストーリーだとたった1人で倒すパターンもあります。
「エラッタ」の場合ですと中〜廃難易度の敵キャラ全員、プレイヤーの誰かがクリアすれば全プレイヤーが合格として全プレイヤーへ挑戦権を叩きつけました。
その結果は前前座に11日、前座に3日、ラスボスは3ヶ月、5周年記念キャラが来るまで攻略は達成出来ませんでした。
ミソフィア? 箱庭「黄金の愚王」
精霊歴───年「████████」
精霊歴645年
日記を付けろと言われたので、徒然と書き連ねることとする。
見られるかと思いきや別にそんなことは無さそうなので、完全に素で書くつもりだ。
向こうからすれば、少しでも休んで欲しいという好意に過ぎないらしい。
それなら女王の座から降ろせとも思うが。
精霊歴647年
何故年単位か? それは書く時間が余りにも少なく、書く力が湧かないからだ。
日々を女王らしく振る舞うだけなのに一体なにを気にするのか。
死んでも変わり映えしないしないのだから、書く気も起きない。
精霊歴650年
この王宮は移り変わりが乏しい。
森の中はあんなにも季節の移ろいがあったというのに、ここは年がら年中同じ景色だ。
最高の景色も見比べなければインクのシミ。
それが分からない風情のない奴の作った城だ。愚か者め。
失礼、仕事の癖が出た。日記に悪口を書きたくないので無かった事にする。
精霊歴655年
久々に前世の事を思い出し、死にたくなった。
何度も生まれ変わっているので過去世と言うのかもだが、俺にとってはこれが前世だ。
思い出すに、あの時にそのまま死ねればどれだけ楽だっただろうと思う。
無駄に生きてしまったからこそ、そのもしもを想って仕方がない。
精霊歴658年
自分を芸術の天才と考えていた時があった。
長く生きて分かったが、実態は分裂した自分の魂が身体を欲しがっているだけだ。
何故分裂したか。現実世界「エラトリア」に行った魂があるからだ。
俺は何者か。その時に裂かれて落ちた魂だ。
裂かれた魂は時間を簡単に飛び越える。俺の背後に居たのは未来の俺だった。
この身体は何者か。[黄金の愚王]ルシファーだ。
何故産まれ変わるのか。何処かの愚か者が「
精霊歴659年
俺はルシファーの身体に転生し続けている。
俺は確かに死ぬが、別の俺が俺と共に肉体に入る。
要は6凸の限界を超えて凸っていると考えて欲しい。現在66076凸目、70回死んだ。
なので限界はあるはずだが、律儀に数えてみれば50万以上だった。
少なくとも、王宮で自殺を防がれている間は到達出来ないだろう。
精霊歴666年
獣転じて悪魔の年という事で、悪魔について書く。
といってもアイツは俺自身とは殆ど関わらなくなってしまった。
現実に行った俺に契約の繋がりで引っ張られて、その勢いで俺とくっ付いた。
此処には
おかげで向こうで何してるか、どんな状態か丸わかりだ。
だからどうしたという話だが。
精霊歴670年
女王として過ごす日々は苦痛だ。
退屈だとか、そういう意味ではない。押し付けられる偶像のせいだ。
女王様は
な? これを叶えなかったら水に沈められる身にもなってくれ。
あらゆる欲と生存を禁じられてるんだ。
辛くないのかって? 筆を執れるのが年単位。それで察してくれ。
精霊歴675年
その上で何故75回しか死んでないかと聞かれれば、自分を食べてるからだ。
魂なら自分の裂かれて落ちたのが無数にある。
俺はそれを食べて生きている。それでも死ぬ時は死ぬが。
悪い所は、食事と死亡回数が凸として合算されているところ。
精霊歴680年
エラトリアの方に行った俺の羨ましい点として、自我をすり潰された点がある。
魂は死んではないが、実質的な精神の死を向こうは成し遂げた。
悪魔は気づいても態々言わないだろうな。
アイツが尽くすのは契約者で俺自身じゃないだろうし。
精霊歴700年
16年の戦争があった。
この箱庭に出来た新しい国との争いだ。
俺はその時、誘拐されて権力の象徴になる道具となっていた。
こんなのありがたるとか愚か過ぎて笑っちゃうね。
それで何万人死んだんだか。本当に、愚かしい。
(その後300年間の愚痴と記録が綴られているのをヤマトは読み飛ばした)
精霊歴1145年
現実世界からルーシーという女が落ちて来た。
何処か俺とそっくりな奴で、しかし4枚の翼を持っている。
多分[黄金の愚王]の元ネタさんだな。話を聞く限りだと。
俺の翼? 俺は凸の影響なのか沢山あるよ。普段から埋もれてるくらいある。
精霊歴1150年
ルーシーが初めて死んだ。死因は餓死だった。よく待ったと思うよ?
可哀想に、保管用の女王として扱われてる…心が死ぬまでは辛いだろうな。
俺は……使用用だし、まだ死ねてないな。
残機やご飯になってる、裂けた魂の数は減ってるのに、量が減ってないんだ。
多分何年も放ってかれたから成長しちゃったんだろうな。
お陰で最初の頃より翼も随分と俺も大きくなった。
精霊歴1200年
ある日を境に時間の流れが早くなった。一年が一日に感じる。
多分魂の総量が増え過ぎたせいだろう。
普段は翼を虚空の中に入れないとダメなくらいだし。
それでも女王の立場を抜け出せないかと問われれば……分離出来るようになった翼を全部集めた所で何が出来るかって話だ。
なんとなく概念そのものになってる気はしてる。
多分黄金か天使とか、そっち方面の。
精霊歴1300年
全てが早い。
世界が加速しているか、自分が遅くなってるか曖昧になる。
そろそろ裂けた魂を全て食べ終える。
そうすればきっと、現実に行った俺より先に終われる筈だ。
このくそみたいな国ともおさらばして、死ねる筈だ。
精霊歴1500年
ルーシーの中身がいつの間にか空っぽだった。
何処かで延命される身体を残して死に切ったようだ。
おめでた。頑張ったね。その身体を押し付けられるのは俺だよ。
肉の着ぐるみを着込まされても困るだけだよ。
何が完全体だ愚か者。
精霊歴1700年
食事の進捗は最後の一口まで来た。腹が裂けそうな気分だが、其処は気合いで食べていけばいい。
あともうちょっとだ。大食いを完全に学んだ俺に死角はない。
精霊歴1900年
食べ終えた…筈? 途中で休んだせいで逆に食べる量が増えてた気がする。
だけど、ようやく残機0を達成した。次死ねばちゃんと終われる。
うおぉん。俺は人間火力発電所だ。
そのせいで身体がミチミチしてる感覚がある。
凸の限界突破で全然死ななくなって代わりに今回で終わりだ。
後はもうゆっくり死んでいけば……いや本当に長かった。
精霊歴1985年
現実に行ってた俺がサクラって奴になりました。兄はヤマトだって。見覚えがあるなあ…。
もう中身はサクラになった俺ってより、俺の事を寝物語として読み聞かせされたサクラって感じだろうけど……性格の変化は免れないだろう。
だが多少変わったって問題ない。未来は変わってなんぼだからな。
精霊歴1986年
最近関節の動きが鈍い気がする。
つまり老化したってことだ。
やったな、ゴールが見えてきた。
精霊歴1987年
痛みに鈍くなってきた。
つまり…気温の分からない老人になってきたってことだ。
精霊歴1988年
もういいくつ寝ると。
待ち遠しい気持ちってこんな感じだったな。
精霊歴1989年
今日に至るまでよく心を保てたもんだ。ルーシーとか精神崩壊で死んでたし。
理由を考えてみたら魂食べてたせいだ。あれでまともな頃の俺に精神が復活してた疑惑がある。
精霊歴1990年
着ぐるみが老化しても中身がそうだとは限らないよな。
500年くらい着込んだままだったから忘れてたわ。
精霊歴1991年
なんで着込んでるのに皮膚の感覚とか伝わってたんだ?
今までなんか気にならなかったわ。
精霊歴1992年
多分ルーシーと中身の俺、両方老化している疑惑がある。
仕事のアイドル業もぎこちなくなってきたせいか味変を求められたし、杞憂だったわ。
精霊歴1993年
しかしいざ考えてみると、俺はなんで「ディストリカ」に見つからなかったんだろう。
まさか王宮に閉じ込められてたからとかじゃないよなまさか。
精霊歴1994年
そろそろ呂律が回らない。
本当に身体が硬い。喋れなくなる程度には硬い。
まあそれで死ねるなら問題はないが。
精霊歴1995年
なんか翼が最近勝手に動く。
俺を包むように動くんだが、繭にしても俺は変身なんかしないぞ?
天使だし。
精霊歴1996年
魂を食べ終えた1900年から一切食べたり出したりしてないのに、どうやって生きているのか。
そう、新たな種族になっているからだ。
本当に謎の進化である。
精霊歴1997年
翼の繭の中で過ごしている。
意識ははっきりしるし中で日記も書けるけど、マジで俺は何に進化してるのか解りません。
光がないのに白く狭い空間で、うつらうつらしながら書いてます。
多分魂を食べ過ぎたのが原因だと思ってんだ。
半分概念化してた俺が進化…? 冗談も大概にしてくれよ。
これ以上の寿命も人生もいらないっていつも言ってるだろ?
精霊歴1998年
なので繭から飛び出して進化? を台無しにした。やったぜ。
悪いねぇ、一年殴れば大体壊せるんだよ。
俺は…成長したくない!████
精霊歴1999年
身体が痒いしなんか吐きそう。
ガチで俺の中で何かが産まれようとしてる。それも口から。
まさか飛び出すのが進化の正解だったって訳じゃないでしょ?
嘘だろ? 此処からまだなにかあるのかよ。取り敢えず█████……
(途中から塗り潰されている…)
(次の文のインクが乾いていない。ついさっき殴り書きされたようだ)
2000年
吐いた。真っ白な人間? が出てきた。
その上人間? の背後に十字架に張り付けられた映像を映す円盤が現れた。
コイツ失敗者のレナイアやんけ。うわあ、俺の子供? に転生しようとしてるわ。
急いで自分の円盤をぶつけて叩き割って阻止した。
ばーか、転生者なら円盤同士をぶつけて殺せるんだよ。だから「ディストリカ」を待ち望んでたんだ。今更来やがって……「ディストリカ」トップ、ぶち殺したり!
転生者の敵は転生者ってねぇ!……で、阻止も出来てレナイアも殺せたのに……何故俺は死んでないんだ? 俺の円盤の方が硬くて壊れなかったから?
それもありそうだけど、転生者枠と化した俺はサクラになってたわ。
目の前で子供? がサクラ? になったから思い出した。
なんで? 取り敢えず逃げよう。訳分からんし。
(日記は此処で終わっている……)
ヤマトが日記をパタリと閉じると、すぐさまその足を演説している広場へと向かわせた。
「ヤマトさん! なにか分かったんですか!」
「この日記が正しければあの姫がサクラだ。先ずはその回収から始める」
「女王様の方は!」
「死にたがりに時間を掛ける必要はない。歴史改変をしない無害な相手を殺す程、俺も鬼ではないからな」
読んでいる間に熱を内側に抑えられて来たからだろう。
近付いてきたニャルに簡潔に伝え、そのまま肩に乗ったのを確認してから走り出す。
程なくして広場の入り口……姫の後ろ姿の見える場所まで来ると、3つの人影が現れた。
「はぁい、久しぶり」
「Quick Code 7:──」
それを見たヤマトは立ち止まらず、寧ろ加速して刀を構えた。
居合の構え。魔法による身体強化と雷による加速。"玉結"を確実に当てる為の魔道具に───19の生贄を使った瞬間強化。
この瞬間、ヤマトは誰よりも強くなった。
「ソロ」
一閃。
確かに、ヤマトはセン、ローズ、リフターの3人の転生者の中から1番厄介な相手を倒した。
リフターの胴体は確かに別れたし、彼女は地面に倒れ伏した。
「残念、ハズレよ」
しかし、
ヤマトの後頭部に銃口が充てがわられる。
三つの影の気配が消えて、対峙していた筈の相手が全員消える。
ヤマトだけが見える糸がほつれ、3人がリフターの創り出した偽物だと気づき──。
「ばぁん」
都合、8000万の弾丸。
影から、死角から、認識外から1秒かけて襲い掛かる。
「──斬り尽くした」
「あは、強い強い──だったらこうよ」
「…こぽ」
その全てを、ヤマトは手刀のみで叩き潰し……口から血の塊を吹き出した。
それを合図となったのか、ヤマトの内部から真っ赤な銃弾が肉を食い破って発射され、全て影の中へと消えた。
リフターによる銃弾生成。それを利用した、
並大抵の相手なら一発で死ぬ無名の技。
「支障はない──」
「よっほっ…最高速は音速の3倍って所かしら? 再生力もあるようね……私を殺すならまだ足りないけど」
「"解除"」
「はい反射ー。魔道具を持てるのは自分だけじゃないって忘れてた?」
「…ッチ。"貼り直し"」
縦の大振り、横の小振り、魔法による不可視の追撃、オマケの呪いのスリップダメージ。
全てが転移で避けられ、霧の中へと消え、影に飲み込まれ、自分に返される。
厄介な「正体不明」の霧を解除しようとしても、相手の銃に仕込まれた魔道具で逆に自分の再生力が掻き消えた。
白炎が自身を蝕み、貼り直しに時間を取られる。その間に相手は大技の準備を終えた。
対策を練られている。
それだけでこうも厄介になるのかと、ヤマトは次手を攻めよりの守りにする。
「ところで、私達を殺す手を止めるって考えは? もう私以外は非戦闘要員なのよねー」
「考えを変える可能性がある。故に殺す」
「それは残念……なら私のスペシャルアタック、受け切ってみなさい?」
"回避" "無敵" "強化解除体制" "状態異常無効" "ガッツ"
ヤマトは持てる限りの守りを展開し、それらが発動すると攻撃力が上がる状態も追加で得た。
「"舞台の幕開けよ 風のように踊りなさい"!」
「……素の実力しか適用されない舞台か!」
「風のカポーテ」…リフターが生きている中で自力で身に付けた、
風景を変えることこそしないが、確かにこの場の定義を書き換えた。1番厄介だと、ヤマトは"玉結"からまともな刀に持ち替えた。トドメは未だ遠いと判断したからだ。
「ざぁんねぇん! 私は上の連中みたいに絶対を押し付けるタイプじゃないの! 短所を埋めて、手数を増やして、対策もする!……私は死にたくないのよ、手加減は期待しないで頂戴?」
ヤマトは此処に至ってリフターという存在を理解した。
今までのトラ、ベル、スターの3人は強大な力こそ有ったが、それと同時に勝ち筋となる弱点も存在した。
Nルシとなった転生者が殺したナイアがどんなのかは定かではないが、彼らは貪欲に自分を鍛えるような性格には見受けられなかった。
だからこそ、ヤマトは彼らから勝利をもぎ取ることが出来た。
「先ずは正々堂々──」
唐突に言葉を中断して放たれた銃弾を回避し、跳弾の跳ね返りも回避する。
続いて四方から襲い掛かる魔法と銃弾の混合攻撃を潜り抜け、影から出現した爆弾を蹴り飛ばした。
当然、リフターの元に転がりきる前に影で仕舞われて、再度送り返される。
それを更に送り返し、何度も繰り返し、影の中で爆発させた。
「「…………」」
お互い、これ以上無駄口を叩かずに殺す方向に意志を固める。
……そう、これだ。
リフターは特異な転生者の中では普通の存在だ。
普通に長い寿命を生かして努力を重ね、普通に転生した身体の生来の能力を技術を落とし込み、普通に死なない為に強くなった。
転生者という死んでも死なない存在に成ったのに、其処から更に死なない為の努力を尽くしている。
死ねば転生するだけなのに、死を恐れて遠ざけようとしている。
その為に戦闘経験を積んで、戦うのに向いた特典構成にして、自分のやりたい事にリソースを割いていない。
それでも「ディストリカ」では4番手。真ん中の実力しか持ち合わせていないが……不死に胡座をかかずに行った努力は、例えどんな相手でも勝ち筋を残し、負け筋を着実に減らしていく。
格上でも必ず2割の勝率は残し続ける者。
格上殺しの
純粋な地力勝負しかないと、ヤマトは理解したのだ。
「──Quick Code 1:」
だからこそ取り出すべきなのは最強の編成だ。
どんな相手でも勝ち得る相手なら、自分が晒すべきなのは最強の自分に他にない。
絶えず襲い掛かる銃弾と火薬の雨を潜り抜け、ヤマトは19の光を全て解き放った。
「自由」
編成したのは自由に組み替える用に取っていた最初の編成。
トラへの
その幾つかを彼女用に組み替えた面々を見て、リフターは何をしようとしているかを理解した。
「──そういうこと」
前に踏み込んで、召喚した者達が動くまでの刹那に詰め寄る。
一度でも動き出せば負ける。その確信が有ったからこそ、リフターはこの一瞬に全てを賭けた。
「"
最も火力の出る距離で、時間を繰り返した者を弱体化させる邪法の品を使い、物質を透過する霊質弾丸を装填し、あらゆる存在の弱点を貫く魔法を一度限りの契約で込める。
数億の資産を溶かした、とっておきの攻撃。あらゆる存在を殺し切れる一撃必殺。
「──ッ!!」
頭をズラし避ける。弾がUターンして戻る。
刀で受け流そうとして、すり抜けたので挙句に前屈みになって避ける。
それを読んでいたように弾の軌道が直角に折れ曲がり、ヤマトの心臓に迫る。
「私、未来の予測も得意なの」
リフターの真骨頂は生成した無数の銃弾を影から一度に出すだけではない。
たった一度の攻撃を絶対に当てる、芸術的な必中精度。
先に決めておいた軌道を弾に辿らせる力もだ。
「────」
刹那の時間。伸ばされた思考。ゆっくりと背中からのめり込む銃弾。
ゆっくりと肥大化する痛み。沈み始める足。貫いた銃弾が、召喚した者達を巡るように空を切る。
「
「
「
荒野の風は常に向かい風だ。リフターの原初はその風の中で産まれ生きて来た。
故に、向かい風を自分の進む力に変えるのは1番の得意技だ。
「……終わりね。敗因は判断ミスと資金不足と…勝利を確信しての喋り過ぎ、かしら」
だからこそ、
「ああ──俺の勝ちだ」
拘束、スタン、金縛り。ヤマトはリフターの無力化に成功した。
「白い炎」
ヤマトがスターに撃ち込まれた消えない炎。
炎の神の力を宿したそれは、
その炎に心が折られない限り絶対に死なない神の火は、その熱に耐えられる者に不死の加護を与える。
今のヤマトは、心が折れない限り死ぬことはない。
だから、どんな過程であれこの戦闘でリフターが勝つことはあり得なかった。
「はぁ…スターから聞いておけば良かったわね。アンタの白い火はなんなのかって」
「そうかもな。もう遅いだろうが」
「最後のお願い、殺すなら綺麗に殺しなさい。最後は芸術品になるって決めてたのよ」
「……分かった。抵抗されないなら考えよう」
「出来れば死に抗いながら芸術品に……欲張りは無理そうね」
「そうだな。俺にそこまで気を遣う実力はない」
その舞台は弱体を素通しさせる。
リフターの強みを存分に活かせる舞台だが、同時に弱体を主軸に添えたヤマトなら活かせる舞台だ。
リフターは強化解除を態と反射させて「霧と影」を強化させるものだと錯覚させていたが、強化をデバフ扱いで付与するものだとバレてしまえばなんてことはない。
「だったら……」
「潔し。ならば俺も手を尽くそう。Quick Code 5:石化」
「あー…その手段なら安直に……作品名は「漂流の終わり」になさい」
チープなのはあんまりなのよねー。ワガママかしら。
リフターはそう言いながら自分の頭に銃口を当てて目を閉じ、己の終わりを定義した。
"玉結"でその身体を縦に斬り捨て、召喚した者達が石に変化させる。
ピシッ…。
「石化、石化重症化、石化永続化、即死…」
強化が無効なら弱体を使う。
それがここまで刺さるとは思わなかったが……若干譲られ気味だろうが、勝利は勝利だ。
「リフター、どういう在り方であれ、俺はその終わりに敬服する」
帽子を目深に被り、石像に祈りを捧げてから先へと進む。
やけに邪魔が入ったが、転生者だったので全員斬り捨てた。
なぜこんなにタイミングが悪いのか、運が悪いのか……そういえばやけに演説が長いなと、思いながらサクラに声を掛けた。
「サクラ、迎えに──」
「話し合い0、殺害4……その罪、度し難く救い難い」
「……今度は誰だ」
流石のヤマトもうんざりしてくる。
思えば随分と演説が長かったのに、具体的な内容が一つも思い出せない。
「日記に文を付け足しました。思い通り、貴方は此処に来ましたね」
「…途中の塗り潰しと…テンションが高かったのはお前か」
言われてみれば違和感はあった。
だが、それを気にせるほどヤマトは悠長にしていなかった。
だからこうしておめおめと此処に来て、彼女の前に現れた。
「……
「うん、私の友達はどうだった?」
「全員が強く厄介だった。2人、本領を発揮させる前に殺せた者がいるのが幸いなくらいに」
これでベルとスターが暴れてたらどうなっていたか……ヤマトは嫌な妄想を振り払うように首を振った。
「そっか……ねえヤマト君。君は自分の妹が何処に行ったか、分かるかな」
幼くなって金髪に染めたサクラの見た目をした、レナイアがヤマトの方へ振り返る。
現れた円盤には日記に書かれた通り、異端審問の様相が映し出され……眼下には、数多の天使が心酔しながら祈りを捧げていた。
「……目の前にいる」
「──御名答」
一つ問おう。
転生者が転生しても尚命令を従うような存在とは、どんな者だろうか。
「
答えは自分達に転生して存在を掻き消すような、そういう存在だ。
「俺もこれまでの経験で詳しくなったからな。アイツらに仲間意識はなく、自分のやりたい事を優先する存在だ。そんなのが纏まってるなら……この刀と同じ
転生者は0〜7歳までの肉体をランダムに乗っ取り、人格を消去して転生する。
その転生者に重なって転生した場合どうなるか? 先に転生した方の人格が消去される。
当然そんなのは事故だ。
「つまり、お前はそういう"失敗"を発生させる分だ。例え0%の挙動も、失敗と定義できるならお前は実現出来る」
「御名答、私の能力の
失敗者。
なるほどその名に違いのない力だ。
糸の繋がりを自覚して理解した。
ヤマトが「
敵対した時から、"
「私の
彼女の背中から無数の人影が……ヤマトの召喚のように現れていく。
「私はその初代で……この異能で渡せる能力は
その数──99人。
ヤマトの約5倍の人数が、一度に現れた。
「此処までなら私に恩恵は無いように見えるけど……この異能のスゴイところはね?」
最後に現れた者がヤマトとレナイアの間に降り立つ。
一つの宝石が嵌められた、幾何学的模様のある仮面。
両手の無い小さな
「未来の継承者から
無音。暗黒。
遅れて自分が消滅したと気付く。
何をされたか? 光速の魔力弾で全身が消滅した。
何故思考出来るか? 白炎によって肉体を取り戻したからだ。
ならば、この終着点に巻き戻しは起こり得ない。
ヤマトは目の前の
「Quick Code──」
「そして私は初代だから、適正とかを無視できる! 本人以上の存在を呼べる! 細かい事は抜きに未来の力を無制限に借りられる! 歴代100人オールスター! 原点にして頂点が私、レ█ーナ・オブ███イア! 私の世界の救世主! 慈悲深くも1人ずつ相手させてあげましょう!」
さあ、終わりなき速攻戦/耐久戦の始まりだ。
OC「[檻の世界]レ█ーナ・オブ███イア」
失敗者が転生した姿。普段は転生せずに虚空を彷徨っているからか、生身にはしゃいでテンションが高い。
今回はサクラ/
『歴代継承』によってNo.21〜No.100の99体のボスをプレイヤーに叩きつけ、阿鼻叫喚を発生させた。
特に厄介なのは処理の巻き戻しであり、戦闘が不利になるとそのターンを無かったことにしてくる。ラスボスのタスキル…。
No.15とNo.44を倒しているプレイヤーには発生しなくなったので、優先して倒そう。
基本的に適切に対処すれば勝てるボス達だが、5と39と55と77と100が廃課金でも攻略不可レベルに強い。後々も地獄なので無理なら諦めるのも肝心。
倒すと報酬が貰えるが、討伐配布分と比べたら雀の涙。チャレンジはお好みでやろう。
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