Nランク[のじゃロリ天使姫]に転生した!   作:何処にでもある

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 以前に好感度について話しましたね。
 通常はボイスとガチャ石のみだとも言いました。つまり特別な要素もあるということ。
 そしてこうもいいましたね、 この話はソシャゲ版とオフライン版を折衷していると。

 「エラッタ」のオフライン版は18禁です(天下無双)
 子供枠に3体分のキャラクリ要素まで有ります(地球統一)




硬軟併せ持つソシャゲだからエロい要素もある

 

 

 ██フ██? ██████山█

 ██歴‭─‬‭─‬‭─██‬‬█████████

 

 

 捜索開始から3日目。

 

 

 ヒォォォォ……。

 

「ヤマトよ、先に言うべきだった事がある」

 

 パチ…パチ…。

 

「水ならまだ沸いてないぞ」

「雪山は絶対居ないのでは無いか? 非力な女子がこんな所に居るとは到底思えんのじゃ」

「糸を辿る限りこの先に間違いない。信じて進め」

「妾を連れて行く必要も無かったと思うがのう…」

「親睦を深めるなら丁度良いだろう」

「そして機織りに成るのを許容させ…って事にはさせぬぞ、絶対じゃ」

「それは強引に出来そうだから問題ない。単に良い機会を作りたかっただけだ」

「本当じゃろうな?……本当じゃろうなぁ。身も蓋もない事実じゃ」

「…出来たぞ、チョコミルクココアだ。寒かっただろう、これであったまれ」

 

 ルシファーが差し出されたチョコミルクココアをかじかんだ手で貰い飲む。

 そして舌に触れた熱さに思わずワタワタとして……ホッと一息を吐いて……ルシファーは雪山の洞穴の中、2日ぶりの安息を得た。

 

 パチ…パチ…。

 

「あ〜…1500年ぶりの飲み物はあったかいのじゃ……天使は翼の分熱を放出していかんな。うむ」

「翼を覆う服はフィアが仕立てたじゃないか。……もうないが」

「あれなあ…重かったんじゃよな。お陰で飛べぬし足は(もつ)れるし…途中から風に盗まれて背中がブリザードじゃったわ」

「その分俺の服に入って暖を取っただろう。お陰でこっちは服の隙間から寒風が……」

「其処はすまぬ。千年以上痛みと無縁だったものでの、小指を刺されたくらいでも結構痛く感じるんじゃ」

 

 手を擦り合わせながらルシファーが言う。

 そう、ここまで聞けば察する者が大半だと思うが……今、ヤマト達は水の寓話世界「アクア・リリカ」にある箱庭の1つ。名も知らぬ雪山へとその足を運んでいた。

 ヤマトがセンの転生者としての糸を辿って到着した場所であり、その巨大さが故か世界の終わりにも関わらず未だ大部分を残している箱庭だった。

 

「しかしぶったまげたのう、アレは。着いてこいと連行されたと思えば水の舞台に降り立って、端を見たら崩れてるではないか! マジで世界の終わりと言うに相応しい光景じゃったな!」

「残り7日だ、無理もない。準備に1日、登山で2日。その間にも夜空の星は落ち続けていたからな」

「あれは妾も知らなかったのじゃ。世界の終わりって舞台由来の物とか全部無力になってゆくのじゃなぁ…」

 

 ココアの飲んで元気になったからだろう。

 ルシファーは3日前と2日前に見た光景を思い返してその驚きを一緒に見たヤマトに共有し、共感を求めた。

 無理もない。大地の端からバラバラに崩れていく光景だ。直ぐに船に乗って雪山に行ったとしても、世の終わりを感じさせるには十分過ぎる光景だっただろう。

 ヤマトもその気持ちは分かるのか頷いて同意していた。

 

「はぁ……妾とフィア、どちらが犠牲になるか…か。やじゃ、死なずは嫌じゃ」

「……ルシファーは何故そんなに死にたがるんだ? 確かに王宮の変わらない日々は拷問だったのだろうが、今はこうして新しい体験を得られる身だ。多少未来を望んでも良いだろう」

 

 箱庭に戻って休むのは簡単だが、それでは2人だけの機会を逃す事になる。

 既にフィアの方はルシファーの登山服を織る最中に異物か確かめた。

 この状況で無駄な時間は過ごしたくない。だからこうして戻らずにルシファーに問い掛けている。

 

「そりゃぁ…そうじゃろうなぁ。普通ならば…フィアのように他にやりたい事があるから断るのが普通じゃ」

「対してお前は逆だ。死にたいから死なないままの機織りに成るのを拒絶する。天邪気とも考えたが、お前の人生はそんな単純な構造の長さではないだろう」

「うむ、鋭いな。妾もフィアと同じく、物に成るのを拒絶する程短命ではない。なんならフィアよりも生きた時間も苦痛の長さも短くすらある。それでも妾は‭─‬‭─‬死を望むのじゃ」

 

 異物かどうか確かめるにはその者の糸を全て調べる必要がある。

 フィアはある程度見知ってるので深く眠らせてから軽く解体して確かめたが、ルシファーは先ず仲良くなる所から始めなければならないのだ。

 

「妾はのう……人生の良い思い出が少しあるのじゃ。対して悪い思い出なら五万と数えられる。フィアにとって機織りは悪ではない。じゃから苦痛も少なく未来に希望を持てるじゃろう。しかし人とは結構良い加減での……」

 

 糸には肉体の内、心の内に秘められた物がある。

 フィアは心の秘めた糸は既に見ていたから、肉体だけで済んだ。伊達にトラ殺しの為に何回も周回してないのだ。

 しかしルシファーは違う。未だ出会って3日か其処らだ。故にこの10日はルシファーの調査に殆ど宛てがう事と相なった。

 

「何度も同じ経験をすると未来が単調化される。予想出来る明日が一つになって、やる気が出なく成る。そうなると生きようと思えず、足取りも重くなる。死にたくなる。こうして解放された所で、直ぐに似たような日々を送る未来があると尚更じゃな。賢い奴ほどコレは苦痛じゃぞ? 見える"モノ"が馬鹿とは違うからのう?」

 

「………随分と憂鬱気な理由だな」

 

 そんな訳でルシファーに死にたがる理由を聞いてみたが……このザマだ。

 のほほんとした雰囲気のまま空気の悪くなる話で気まずくなっている。

 ヤマトは聞いてて居心地が悪くなった。出来れば今直ぐ逃げ出したい気分だ。

 

「然もありなん。元より人生に期待出来なかった身じゃ。50も生きれば十分と……それ以上はごめん被ると思って足取り重く生きてみれば……気が付けば1500年じゃ。瑕疵のある足で、黄金が纏わりつき、それでも随分と歩かされた。もう歩きたくない。息もしたくない。死なせてくれ。なのに死なない。痛みが続く。苦痛も続く。身体が腐ってくれない。終わってくれない……"託す物は十分用意してやったのに、まだ何か欲しいのか"?」

 

「……俺が思う以上に辛かったんだな」

 

 最早ヤマトには静かに聞いて肯定するしかなかった。

 見た目よりも随分と重く老いた考えで、彼女がもう限界なのがひしひしと伝わるからだ。

 なにせ途中から無表情で淡々と喋っている。変なスイッチを押したのは明白だった。

 

「辛い…か。それすらも感じ無くなって久しい。空の皿を眺めるのも慣れたし、それを鳴らす程の幼稚さも消えてしまった。心底美味しいと思いながら食べるふりばかりじゃよ、上手くなっているのは。皿に乗せる自分の肉も、底を突いたものでなぁ…最近、人を斬る楽しみが有ったくらいじゃて」

 

「……飢えてるということか?」

 

 分からない例えをされるが、それが人生に関した事を例えているのは伝わった。

 出来る限り意図を汲み取って言葉を投げ返す。壁のままでは仲良くなれないからだ。

 

「飢え……かもしれぬ。次の食餐に行きたいのに向かえない。椅子に縛られいつまでも主催として祀られる。それを飢えと言うなら、飢えじゃろうな。妾に求められたのは食事会の飾り、飾りは生きてないからのう。……本当にそうであったならどれだけ楽だったか」

 

「疲れてるな。飾りから人になったフィアとはまるで逆だ」

 

「心が老いるとはそういうことじゃ。早く楽になることばかり考えてしまう。だから死を望むのじゃよ、ヤマトよ」

 

 聞いていると自分まで疲れてくる。ヤマトはルシファーの歩みに馳せた心を地に着けた。

 なんであれ彼女が死にたがる理由は理解した。

 要は全てに期待を持てず自分の未来を見捨ててるのだ。だから自分の終わりを切望している。

 ならば期待と希望を見せてこそ生きる気になるのだろうが……残念ながら、ヤマトが望んでいる道はそれとは真逆、彼女の懸念通りになる未来だ。

 

「……ならば期待を持たせようか」

「ほう?……どうやって」

「まぐわい‭─‬‭─‬」

 

 ならばどうするか?

 簡単である。世の中人肌の付き合いが救いになる事例は五万とあるのだ。

 

「‭─‬‭─‬を、するには時間が…子供の確認に時間がかかる。何よりお前にそうして抱かれる感情は失望だろう」

「然り。この身体はもう食事も眠りも必要ない人外の物じゃ。天使すらも外れ、生理とやらも来なくなって久しい。黄金が人を孕むなど筋が通るまい?」

「だから…こうする事にした」

「……ほう、不本意じゃが存外悪くない」

「昔、妹をよく抱えていた。その杵柄だ」

 

 別に深く、ブツを出し入れする程触れ合う必要なんて無いのだ。

 服を薄くして、ひょいと彼女を抱えてゆっくり揺らす。翼が邪魔にならないように向かい合う形で、ふわふわな翼と髪を手櫛を通す。

 どれも王宮では丁寧に整えられたのだろう。ヤマトの肉刺と傷ばかりの手に引っ掛かる事なく、心地よい触感がヤマトに返ってくる。癖になりそうだ。

 

「ふむ……お主、落ち着く匂いをしておるのじゃな」

「雪山を登って風呂には入ってない……臭いぞ」

「それを言うなら妾もじゃろう。おあいこじゃ」

 

 麗らかな春と花の香り。ルシファーはヤマトを良い匂いと言ったが、ヤマトはそれ以上の王族の匂いに包まれていた。

 彼女が幼い見た目で助かったと、ヤマトは安堵の息を吐く。少しだけ反応したのは秘密だった。

 

 パチ…パチ…。

 

「…やっておいて何だが、抵抗はしないんだな」

「ん……どうせ力負けするのは妾じゃ。ならば甘んじて受け入れるよ。人形遊びの人形をやるのは慣れておるし……それに、思いの外悪く無い」

「そうか。ならば俺と数億の時間を生きる気にはなったか?」

「清々しい程下心の見える告白じゃな」

 

 ルシファーがカラカラと笑う。

 いっそ、そこまで一直線だと気にいってしまうなとヤマトの腕の中で笑う。

 

「カカカ…流石にせんよ。この程度、数億にしては安過ぎる。もっと男でも惚れ惚れする言葉と情熱を寄越すのじゃ」

「難しいな……分かった、考えてみよう」

 

 ルシファーの翼が()く手から逃れ、ヤマトを囲うように覆う。

 温まった影響か、子供らしい少し熱い体温だ。憂鬱や奴なのに身体は生き生きとしていると思わせる物で、正に生きた芸術品だ。

 その趣味の者ならば一瞬でくらりと襲うだろう。何処までも大切に……人としては扱われてなかったと分かる軽さだった。

 

 だからこそ、その身体に宿る魂がよく見える。

 

「………そうだな、口説くよりも前に問いたい事がある」

「なんじゃ、今更言いたく無い……などと言うつもりもない。好きな事を問え」

「お前は自分の魂を食べたらしいな。それでギリギリいっぱいまで詰め込んだとも」

「うむ、食わねば死しても蘇る。故に妾は喰らいて己を一つとした。まぁ、お主の持つ妾やサクラに少しだけ残留してる妾など、幾つか取り零しもあるが……1番本体らしいのは妾じゃろうよ」

「そこだ、其処が引っ掛かる」

 

 疑問を口にする。し続ける。

 ルシファーの事だと気を抜けば誤解の糸で絡め取られそうになるから、ひたすら問い続ける。

 己の内側で完結させないようにする。

 

「ディストリカの転生方法は「自動記録(ダイヤリー)」だ。それに刻まれた情報こそを本体として、魂にすらも囚われず転生を成していた」

「"人工的に作った"とも書いて有ったあれか」

「人工…そうだな。だとすれば天然もある筈だろう。科学も魔法も自然の模倣だ。どれだけ可能性が低くくても自然と生まれた転生者が居る」

 

 そもそも可笑しい話ではないか。「自動記録(ダイヤリー)」の所有権はサクラでありルシファーでは無い。失敗者は彼女も転生者と扱っていたが、そうなると自分自身の死体に転生し続けるのは違和感がある。

 

「対してお前は魂に縛られている。同じ肉体にも縛られて……まぁ、悪趣味な証拠並べは此処までとしよう。ルシファー、お前は()()()()()()()()()()()?」

「……そうじゃなぁ」

 

 ボーッとしながらルシファーが顔をヤマトの胸に沈める。

 暫くそうやって息をするだけの存在となり……もっさりと顔を上げると、そのまま手をヤマトの首へと回す。互いに顔を向き合って、見つめ合う。ルシファーの眼は何処までも澄んだ翡翠色だった。

 

「正解…じゃろうな。妾は妾に成る前の人生があった。もう随分と遠く……しかし忘れられぬ記憶じゃ」

 

 答えはあっさりと提示された。

 彼女にとってはそのくらいの価値の話だからだ。

 

「やはりか。覚えている事は?」

「さぁな……千と五百、もう自分の顔も名前も忘れてもうた。覚えているのは何処までも続く真っ暗な未来。灰色な平坦すら望めなかった負債ばかりの人生じゃて」

「となると…転生や異能に詳しい訳でも無かったか」

「どうじゃろうな。妾の見えている世界は今も昔も狭かったからの。もしやすればそういう不思議があったのやもしれぬ」

 

 もう与り知らぬ事じゃがな。ルシファーはそう言ってヤマトの首を回した腕に力を入れる。

 互いの息を感じる程、鼻先が触れるほどの距離。雪山で触れ合い温め合うにしてもそれは余りにも近すぎた。

 

 ヤマトが辛抱できなくなるくらいには、それは余りにも煽情的な誘いだった。

 

「じゃからこの生は妾にとって刑罰、生き地獄に等しい………のう、ヤマトや。お主は此処からどうやって妾に希望を……或いは絶望を抱かせるつもりか? 言葉だけで動かせるなど、まさかそんな生ぬるい事を言うつもりは無いな?」

 

‭─‬‭─‬─‬‭─‬ところで、こんな話は聞いた事はないだろうか。

 

「……失望するという読みに肯定したじゃないか」

「嗚呼、その通り。失望は間違いなくするのじゃ。お主はどうしようもない奴であると‭─‬‭─‬同時に、妾が助けてやらねばならぬとな?」

「……なら、後悔するなよ? 此処まで誘ったんだ。待った無し、俺も容赦せず本気で娶って子を儲けるつもりでやる」

 

 チョコは昔、媚薬として扱われていた……と。

 普段薬を飲まない者ほど効果はより大きく現れる…と。

 

 ルシファーは"チョコ"ミルクココアを"1500年"ぶりの食事として飲んでいる。

 

「お"っっっっイ[*ソシャゲ特有の表現規制*]?」

「丁寧に仕立ててやったからか、最初の[*以下同様の年齢規制*]?」

「マッ……⁉︎ 少し待つのじゃ! 先ずはゆっくり……」

「容赦しないと言[*「エラッタ(オンライン版)」は7歳から遊べる健全なゲームです*]

 

 ならば当然その効果は……ご覧の通りであり……よがり狂ってる姿からお察しである。

 そして残念ながら、もう一つ言及しなければならないこともある。

 

「お"お"お"っっ……翼が[*焚き火のパチパチ音*]…! [*雪山特有の強風*]のじゃ!」

[*現在とてもPCとは思えない罵りと煽りが発生しております*]

 

 女性は栄養がないと身体が子供を作る用意をしない。

 

「なるのじゃ! お主様のお嫁[*据え膳食わぬは男の恥とは良く言いますが、ヤマトも落ちた日から今日まで我慢していた事実もあります。それを実益有りで煽ればどうなるかという結果が広がり繁吹(しぶ)いています。お見苦しい光景、大変申し訳ありません*]

 

 ルシファーは魂が増大な為か低燃費だ。ともすれば、カップ一杯で一年を元気に過ごせるくらいに。

 そのせいでもあるのだろう。普通の人にとって大したことのない一杯が、バケツ丸々飲んだのかと言うほどに効果が現れた。

 

「………こ°っ!?」

「何を気絶している。まだ1時間も[*以後世間様にお見せできないベッドヤクザ行為*]

 

 つまり何が言いたいかと言えば……今回の件は全くもって事故としか言いようのない事だった。

 ……と、いうことである。

 

 

 時は過ぎて4日目の朝……。

 

 

「……ヤっちまったのじゃ」

「何をしてる、サッサと探しに行くぞ」

「すまぬがもう少しこうさせてくれ……腰が抜けて足も翼も力が入らぬのじゃ」

「時間がない。抱えていくぞ」

「のじゃあ……お姫様抱っこでときめいた自分が憎い……こんな時に発情した自分が憎い……」

「…言うな。俺も夜はどうかしていた。それ以上は飛び火するから言うな」

「知らぬ…妾の上も下も背中も前も中も数えきれぬ程出しよった奴は知らぬ…夜と言いつつ日が明けて尚一刻(2時間)も続けた奴は知らぬ……魔法で綺麗になったのにまだ感触が残ってるのじゃぞ……」

「……すまん。後でうんと美味しい物と服、風呂に行こう。だから機嫌は直してくれ」

 

 ルシファーは頭を抱えるべきか顔を隠すべきか。それとも己から発せられる雌の臭いを恥じるべきか、分からないままヤマトに抱えられる事となった。

 悲しいかな、ルシファーもヤマトもチョコが媚薬にもなるとは知りもしない。

 この情欲が自分の物だと勘違いするばかりである。

 

「……解せぬのじゃ」

「なにがだ? お前の身体が最高だったことか?」

「違わい!……妾は男に欲情はせぬと思っておった。じゃが、現実はこんなに時間を経ても子を儲けようとする心が残っておった。それがすごく意外じゃったんじゃよ」

 

 ルシファーが自分の指をもじもじと絡ませながらヤマトを見る。

 結構イケメンだし……改めて見ると内心好きだった気がルシファーの中で芽生え始めていた。

 勿論媚薬の見せた錯覚である。

 

「別におかしくもないだろう。肉体を持つ限りその手から逃れられない。そういうもんだ」

「むむむ……妾、案外ヤマトの事が好きだったりしたのじゃろうか……」

「だとしたら俺が嬉しいな。……頑張ってお前もフィアも助かる方法を探したいと思うくらいには嬉しくなるぞ?」

「コヤツぅ……散々ヤって気安くなりおって……あーもー……そうかもしれぬな! はい、認めてやった! 分かったら頑張って探すのじゃ!」

「よし! やる気出てきた! 早速走るぞ!」

「やめ、妾がシェイクされのじゃじゃじゃじゃ!!!」

 

 だが、人とは不思議な物で、どんな事実にも後から理由をこじつけて自分に言い訳するのは得意なものだ。そこに利益が垂れ下がると尚更そうだった事になる。

 ルシファーも例外ではない。寧ろ、彼女は勘違いし易い方だ。

 今までずっとそうやって間違い間違われて生きて来た。

 

「あっはっはっは!! 今ならなんでも出来そうだな!」

「お主、馬でも何でも使うのじゃ! ええい、猫被りをやめた途端に小生意気になりおってからに! ヤる前の賢そうなお主は何処へ行った!」

「あぁあれか? お前の下にある薮に新しい解決方法があると思ってのことだ! 出て来たのは鬼でも蛇でもなく、嫁だったがな!」

「なんじゃあその馬鹿みたいな[藪の中]は! せめて妾の眼が蛇みたいと言え!」

「そりゃなんで!」

「賢そうじゃろ!」

「なら無理だ! お前は美しく愛嬌があるが賢くはない!」

「なんじゃとぉ?」

「だから今後その手の事は俺に頼れ! 俺は結構頼もしい方だ!」

「あ、お主。妾と一夜だけの関係にするつもりとか全くないんじゃな?」

「今更か? ははっこんなに愉快な天女を手放す男が何処にいる!」

「うぐぅ!?……あー! なんか色々負けた気分なのじゃぁ!」

「あっはっはっはっは!!」

 

 しかし……間違いが不幸に繋がるとは限らない。これもまた例外ではない。

 寧ろ今までそれで不幸になった分、今回は良い方に向かうだろう。

 世の中は案外なんとかなること事もある。長年の悩みがふとした拍子に解決するのも珍しくはないのだ。

 

「おっと」

 ズサァ!

「のじゃぁぁぉおおう…ありがとうなのじゃ…」

 

 ヤマトが急ブレーキを掛け、ルシファーが落ちそうに……なる所をヤマトが優しく抱え直す。

 ヤる前とは余りにも違う対応に困惑しつつも、ルシファーはお礼の言葉を伝えた。

 しかし…何故急に止まったのだろう。そう思って前を見れば……なるほど、ルシファーは理解した。

 

「念入りに隠されておるが…あるのう、奇怪な洞窟が‬」

「それだけじゃないぞ。徒歩でないと見つからない結界に、一晩以上山に滞在しなければ出現しない悪魔の契約……そして糸はこの奥に。間違いなく居るだろうな」

「奴ら、真っ当にセキュリティを上げて守るタイプなのじゃな。意図は思いつくか?」

「俺の寿命待ちか、はたまた世界の終わりに対抗する方舟か。そんな所だろう」

「で、あるか。どうするのじゃ? 妾はこれ以上役に立たないと思うのじゃが」

「いや、天然の転生者という存在自体が役に立つかも知れん。失敗者も想定してない存在だ。防衛設備か何かを出し抜く要素になるだろう」

「ならば…妾はもう立てる、降ろして武器を待つのじゃ」

「ああ、進むぞ。何かあるまで逸れないよう、しっかり服にでも掴まれ」

 

 見つけ出した洞窟を、或いはそう見せかけた通路を進む。

 紆余曲折と15と18を境を彷徨う過程を経たものの、本番は此処からだ。

 何か得なければ恩人のフィアか嫁のルシファーか。どちらかの犠牲が出る。

 決して情報を逃すまいと、ヤマトは糸の視界をより広く広げた。

 

 






LR「[歴史の布]赤染の演目」
 精霊歴‭─‬‭─‬年、「不可逆の時代」で織られた新たな演目。
 歴史が改変された世界において、フィアに与えられた役割は"贖罪"から"修正"へと変化した。故に歴史を一つずつ織り直し、ヤマトはその手助けとして演目の中で修正を繰り返す事となった。
 これはそんな中偶然出来上がった奇跡の一枚。何処までも研ぎ澄まされた血の歴史が一つの意思として纏まったもの。その再現体である。
 性能は編成1番に装備されるキャラ。舞台を「赤染(ダメージ計算を一部乗算に変更)」に変え、装備した者の攻撃を全体化させる。


(オマケ:ヤマトとルシファーのR18シーン)
https://syosetu.org/novel/384268/

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