Nランク[のじゃロリ天使姫]に転生した!   作:何処にでもある

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 現状をfateに例えた場合、FGOルート自体を冬木の大聖杯を過去に持っていって第1〜3次の聖杯戦争を起きなかったことにして、なんやかんやでゲーティア枠に望みを諦めさせた末にCCCやEXTRAに突っ込んだくらいの事故が起きてます。




お祭り企画はソシャゲとに通っている

 

 

 エラトリア ワトシト皇國

 精霊歴2000年 秋「不可逆の時代」

 

 

「‭─‬‭─‬お前らを最高の領域に連れてってやる」

 

 ‬事の始まりは3ヶ月前、大正浪漫真っ盛りのワトシト皇國に突如として現れた大天才だった。

 彼は放送ジャックしたテレビでそう言うと、それから僅か半日でワトシト皇國の軍と政府を無力化。破竹の勢いでそのまま潜在的脅威だった秦周国を無力化したかと思えば、その足を反転。

 パシェード王国の植民地として支配されていた大陸を解放、ワトシト大陸と名付け、自国の領地として支配。何らかの国際協定に反するとして非難した各国を武力制圧、後に解放し、瞬く間に一国の王となった。

 

「俺を何と呼べか良いか?‭─‬‭─‬愚問だな。天皇を拝する大いなる者と言えば……「大宇宙大将軍」以外に何がある?」

 

 とんでもないお方である。

 何を思ったのか将軍だけでなく宇宙も大きくして来た。

 名前のセンスは壊滅的だが、とは言えやったことは死者を一切出さずのたった1人での完封勝利。

 もうワトシト皇國の全国民は従う他なく、そんなちょっとした不満も直ぐに消え去った。

 

 何故か?

 

 最初の1週間、飢餓と病気を解決した。

 1ヶ月、全ての土地を道路で繋げて大半をビルの並び立つ都会に変えた。

 2ヶ月、流石に首都の文化と景観は大事にしたいので、慎重に変えつつ、様々な便利な道具を広めた。スマホとパソコンもこの時である。

 そして3ヶ月目にはなんかもうすごい事になっていた。どうすれば電脳空間で遊べるゲームとか1人で作れるのだろうか。大陸と同時進行してコレである。

 

 もう訳がわからないが、大天才に不可能は無かった。

 おっぺけぺーである。だっふんだ。

 

[‭─‬‭─‬…と、いうわけで今に至るらしいよ]

「なんじゃあその猿でも書かなさそうなとんでも展開は」

「歴史改変の結果出て来た怪物…だな」

「神でも不可能じゃろ。どうして1人に纏めちゃったんじゃ。いや纏めなくても3ヶ月でコレは無理じゃろ」

 

 1円(現代基準で500円)ハンバーガーという全く未知の店に入って舌を打ちつつ、3人の変わった見た目の男女が話し合っていた。

 

[しかし僕が千里眼を持ってて良かったね。あっという間に情報が集まったよ。セン君はまだ見つかってないけど]

 

 1人は昔の貴族さながらの格好であり、長い白髪と蒼い眼と似た白と青の十二単で……見た目の影響か、手掴みにも関わらず上品に見える。

 

「悪魔との契約だったか。無地の演目と交換したと言っていたな。まさかそれが活躍する日が来るとは思わなかったぞ」

 

 1人は3ヶ月前なら普通の軍服に似た学生服であり、赤いメッシュが特徴的な普通の学生だ。

 大将軍の改革の一環で制服は金を交付しての切り替え中だが……貧乏なのだろうか。

 眼を閉じたまま過ごしている様子からして、盲目なのかもしれない。にしては手元の動きはスムーズだが。

 

 そして、最後の1人は……。

 

「ふっ……なんも分からぬ!」

 

 足を組み、ドヤ顔で無知蒙昧を披露している金髪ロリ天使の俺である。

 

 もうね、全くの未知の領域過ぎて初体験ばかりなんだよ。

 女王生活が終わったと思ったら雪山でヤマトのお嫁になって、そしてコレだ。

 原作が息をしてないが、始めからそうだったと言われたら何も言えない。

 流れで無地の演目を使ったが、フォローがアレで良かったのか全く分からん。

 取り敢えず言えるのはこのハンバーガー美味しいって事だ。

 

「口にソース付いてるぞ…はい、コレでよし」

「うむ……じゃないんじゃよぉ……妾の理解が追い付くようにせよぉ…なにが大宇宙大将軍じゃ。贅沢過ぎるし今日からお主は「(大大)」じゃ」

[いいねそれ、あだ名に丁度いいや。あ、ヤマト君そのポテト頂戴]

「BBQソースな。はい……まぁそこはさして重要ではないだろう。問題はセンとサクラだ」

 

 お金は大丈夫かって? 問題ない、金品財宝なら沢山あるから。

 それよりも大事な事は沢山あるぞ!

 

「ねぇアレ…」「なんかの撮影…?」「翼もふりたい…」「美人さんだー」

 

 周りの眼とかな! 翼隠し? アレは着ててくすぐったかったから脱いだ! 痒い!

 その内俺と同じになっていくのに気にする必要なんて無いんだわ。

 

「もぐもぐ……ふむ、改変後の歴史は落下の日より約3ヶ月後、寓話世界の時間軸に合わせてるな」

[つまり僕達が受け入れ易い時間の進みを取った訳だ。そこは受け入れ易くていいね]

「妾的には現実に合わせて欲しかったがの。3ヶ月でこの環境に適応し切ってる者共が橙将軍より反則感ある訳じゃし」

 

 いや本当これな。正直俺からすると将軍より国民の方がチートだわ。

 腐っても女王を勤めてたんだ。なにか変な薬でも決めてるんじゃって思う訳。

 

[まぁまぁ、それを言ったら落ちて直ぐに僕の話を受け入れたヤマト君も反則になる……あ、サクラ君みっけ]

「えっどこだ? どこだ?」

「お主眼を閉じてどうやって見つけるというんじゃ…というか見えとるのか、それ?」

「見えてないが、気配と音、肌が感じる空気の流れである程度は」

「お主、眼以外の感覚も大概やべーのじゃ…」

[あ、此処には居ないよ、千里眼で見つけただけだから。直前に君達に聞いた金髪とかじゃなくて黒髪に赤を……うん、今は駅で誰か探してて……あ、駅員に何か聞き始めたね]

「なら、俺達が迎えに行かないとな。腹拵えはもう充分だろう」

「妾は腹いっぱいで動けん。Sサイズでも多過ぎじゃ」

[僕はまだ食べ足りない。LLって少ないよね]

「よし、俺だけで行く。2人は此処でゆっくりしてくれ」

「行ってこい、兄妹水要らずじゃ。妾達の事は幾らでも待たせてよい」

[行ってらっしゃい、ヤマト君。君の望んだ景色は直ぐそこだ]

 

 どうやら向こうも状況を理解したのか動き出したようで、ヤマトは居ても立っても居られずに会計を済ませて出ていった。その黄金を雑に置いていくムーブ、さすがだな。

 おかげて店員の目線が痛くなってきた。……俺も少し散歩するか? 少しくらい良いだろ。

 

「なぁフィ‭─‬‭─‬」

[ねぇルシファー、僕すごいことに気付いたか知れない]

「ほー、何がじゃ?」

[ほら、僕ってもう神罰がないからご飯を食べられた訳じゃん。ならもう普通に喋られるんじゃない?]

「おーそれは名案じゃのぅ。試しにやってみせい」

 

 女子会始まったな。いや、年齢を考えると老人会か?

 散歩とか無理そうだしのんびり居座るか。

 

「ぼ…フィ……よ……」

「カッサカサじゃな、暫く練習あるのみじゃ」

[……なんかすごく恥ずかしくて声が出なかった。2度とやらない]

「照れる必要はあるまい、妾はそれを笑ったりせん。それに声がずっと頭に響くのは疲れる。妾達の為だと思って練習せい、なんと今なら妾が付き合うぞ?」

[それは…うん、ありがとう。僕、もう少し頑張ってみる]

「うむ、精進せいよ。若人よ」

[……僕よりルシファーの方が若くないかい?]

「喧し、今は全員少年少女じゃ。青い心を持つには良い機会じゃよ」

 

 年齢のことを考えた結果、今はフィアもヤマトも少年少女なので老人会は無しとなった。

 ……ん? よく考えたら俺に合わせてみんなが若返ったんだから、俺の身体は違法ロリ、マジの9歳の身体になるのか。

 合法ロリ、それっぽく成熟した低身長女性なら寧ろ歳をとる訳だし……やべーな、ヤマトがガチのロリコンって事になっちまった。

 さすがに旦那様の不祥事案件なので今後墓にまで隠しておこう。うん。俺は口は固めのお嫁さんだからな。

 

[……ん? そう言えば異能の効果で君に合わせて若返ったってことは]

「あーあー! そろそろ妾散歩したくなって来たなー! フィアよ着いて参れ! 未知なる世界を冒険しようではないか!」

[お! 良いね! ヤマト君の前では我慢してたけど、僕も実は見て回りたいと思ってたんだ! 早速行こう!]

 

 ふぅー…なんとか誤魔化せたか。心臓に悪いったらありゃしない。

 まだ落ち着いてないからな。ヤッたのは2人の秘密にしているから気付かれても直ぐに問題にはならないが、後々困る事になるのは明白。

 なんか、浮気でもないのに不倫交際相手の悪い女になってる気分だ。正妻なのになんでこんな焦らなきゃならないんだ……フィアとヤマトがお似合いだからかな。

 

 …………………。

 

[あ、見てルシファー! あれって君が改変で言ってた遊戯盤じゃないかな!]

「……んお? おー! ゲームショップじゃな! どれ、橙将軍とやらはどれだけ妾の期待に応えたか見てみようではないか」

 

 ぼーっとしている間に随分長くフィアに連れられていたらしい。

 気が付けば俺らは5階建て全てがゲームショップの「テラフォファンブラー」なる店に辿り着いていた。

 いかんいかん、長生きしてボケたか? ヤマトの奴が俺以外に靡く想像をするなんて。

 

 いや俺はまだ心は男だし。

 

 いや俺としては女として生きる気とか全然芽生えてないしあの鬼畜ヤマトの夜は激し過ぎるから別に何人囲おうと構いやしないけどそれはそれとしてやっぱ俺以外を気にするのは生意気っていうか不敬っていうか面倒な考えだとは思ってるけどアイツはアイツで良い所は沢山あるからその全て俺に捧げないとか妾に対してすごく無礼な行いっていうか捨てるつもりならどんな手を使って飼うのもやぶさかではないからそれでも良いなら好きにやれって思いはするけどー……。

 

 パン!

 

[わっ急に自分をはたいてどうしたの?]

「……色ボケを引っ叩いただけじゃ。気にするでない」

[そ…そっか?]

 

 1500年で一度も感じた事のない程の快楽で男を知った気でいるな。

 確かにアイツの快楽の暴力は凄まじいが、それが全てと見るのは人としてダメだろう。

 惚れるならちゃんとお付き合いしてお互いをちゃんと知ってから。

 反省! よし! 気分転換にフィアと遊ぼう!

 

「してフィアよ、目前にあるこのカプセルはなんじゃ?」

[もーさては聞いてなかったねルシファー? 店員さんが言ってたじゃないか、橙将軍が開発したっていう、まるでもう一つの現実みたいに空想を楽しめるVR(バーチャルリアリティ)ゲームだよ]

「ほう、MMOか? みんなでプレイするあの?」

[MMOが何かは知らないけどお一人専用だって。同じ光景は見れるけど、一緒に見るのは流石にキツかった……らしいよ? 橙将軍にも出来ないことがあるんだねー]

「ならば安心じゃな。……流石の将軍も其処までは無理じゃったか」

[ね、ね。1人15分は無料で体験できるみたいだから、僕達もやってみようよ! 絶対面白いよ!]

 

 まだ顔写真も見てないけど、文字通り世界を変えた大・大・大天才だ。

 もしやMMOまで出来てるかと思ったが…そうでもなかったな。

 

「………まぁ、()()は想定しておらんよな」

[その分僕が沢山見て語ってあげるよ! 待っててね、ルシファー!]

「おー、念話でなくしっかり喋って教えるんじゃぞー」

[え、それは結構な無茶振りだからハードルを下げ‭─‬‭─‬ぐぅ……]

「睡眠導入に向いておるな、これ」

 

 そして非常に残念なお知らせだが、俺は翼が邪魔で入れなかった。

 子供なら余裕を持って入れるんだが……世界中が子供体型だからか、大人用に入る選択肢がない。

 翼だけやたら大きい自分が憎いが、その分フィアが語ってくれるそうだからのんびり待つとしよう。説明も聞きそびれたし、パンフレットでも見ようか。

 店員はサッサと使い方を説明したら別の客の方に行ったしな。

 

「何々? 使用中は拡張された電脳によって1分が30分まで加速し、短い時間で長時間の遊びを……つまり15分は…450分で…7時間と30分か」

 

 すげえな、使い過ぎたら現実の用事とか絶対忘れるだろ。

 あ、でも事前に保存した記憶と使用後は同期化して対策を……へー、なんかすごいんだな。

 大正から昭和平成令和ともう幾つかの年号を飛ばしてそうな技術なだけはある。

 俺には理解し切れない。

 

「で、フィアは一体どんなゲームをやっとるんじゃ? 散歩か?」

 

 俺のイメージしてるVRは謎空間を彷徨う感じなんだが。

 そこら辺は……ああ、ポッドの横に使ってるカセットがあるわ。

 セット販売でパッケとか見本置いてあるからか分かりやすいな。

 

「…ん? [テラ・ファブラ]って…土の寓話世界の名前ではないか」

 

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「ふむ」

 

 どんなゲームかはテレビの広告が丁度全てを説明してくれた。

 なるほど、牧場物語みたいな感じか。

 

「……1回だけならセーフじゃろ」

 

 不穏な雰囲気はあるがこれだけで決めつけちゃダメだな。

 デスゲームって単語が頭に過ぎるけど流石に一国の主がそんなことしないだろ。

 もしそうだとしても客を集めてから閉じ込めるもんだしな。発売したばかりっぽいし心配する事はない。MMOじゃないしな。

 

 だから横でのんびりしてても‭─‬‭─‬うがっ!?

 

「もがっ⁉︎……む!……む……」

 

 口に布を当てられて、意識が遠くなる。

 奇襲だ。捕まった。逃げられない。助けを求めようとしても……いつからだろうか。

 あんなに騒がしかった店に、人の影は1つも存在しなかった。

 

「‭─‬‭─‬報告。異能所有者と思わしき存在の無力化、確保に成功。同伴者の方は……了解。実行後、本部に帰還します」

 

 遠くなる意識の中で聞こえたのはそんな言葉。このままではマズい。何かしないと……。

 辛うじてカプセルの中に眠っているフィアに手を伸ばし……そこで俺の意識は途絶えた。

 

「ヤ…ま……」

 

 

 ↙︎視点変更:N → EX?

  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 

 

「‭─‬‭─‬‭─‬‭─‬」

「…? どうしたの、ヤマト兄ちゃん。眼を閉じてるのに明後日の方なんか見ちゃってさ」

「……ごめんなサクラ。蟲の…いや天使の知らせと言えばいいか…?」

 

 ヤマトとサクラが駅から去り、2人の待つ店にのんびりと足を運んでいる最中の事だった。

 突如としてヤマトが何かを察知して明後日の……彼が知らない筈の、ルシファーが気絶した方を向いた。

 何故分かったのか? 異能か、それとも愛の成せる技か。

 ヤマトも分からない事だが、その予感を放っておけるほど彼の愛する人は普通ではなかった。

 

「大事な人が俺を呼んでるんだ。気のせいかも知れないが……今向かわなければ俺は後悔する。……ごめん」

 

 空を飛べる靴、素早く移動出来る腕輪、先々を見通せるモノクル……。

 移動に使える魔道具を一斉に起動させ、ヤマトは自分の勘を信じて空を跳ぶ。

 

「あ‭─‬‭─‬待って! ヤマト兄ちゃん! 私を置いて行かないで!」

「サクラは先に帰っててくれ! 俺はもう少し頑張らなければいけなそうだ!」

 

 自分に手を伸ばしてくる妹に後ろ髪が引かれない訳ではなかったが……戦える力はあるとはいえ、正直言って今のヤマトと比べれば足手纏いだろう。

 ヤマトは身を切る思いでサクラを置いていった。

 

「……お兄ちゃん」

 

 サクラが手を握って立ち尽くす。

 ようやく再開したのに、兄は自分よりも誰かを優先した。

 直前まで天使の姫に成り代わっていたのもあるだろう。

 話し合って誤解は解けたが、それでも感情が直ぐに消えたりはしない。

 それなのに……兄は自分を置いていく。

 

「……私を…惨めにしないで…」

 

 

 ……コツ、コツ、コツ。

 

 

 幾つか、確かにしなければならない事がある。

 

「もし、そこのお嬢さん」

 

 ヤマトは確かに正しい判断をしていた。

 少女化した今、サクラは確かに…或いはヤマトの予想よりもはるかに戦う力を失っていた。

 ヤマトの力は確かに強力だが、それは守るべきものが戦場に無いからこその力とも言える。

 召喚し力を撒き散らす戦法とは、そういう無差別な力だ。

 

「……誰ですか」

 

 一方でヤマトは間違った判断もした。

 自分も今の世界の歴史を知らない中、自分を守る力も無いサクラを安全な場所まで連れて行かなかった。

 自分達が行った改変の結果、世界はどれだけの未知を解明したのかを把握せずに先に進んだ。

 ルシファーが方向性として与えたVR技術が、電脳技術が、"脳の解明が異能の発見に繋がる"と知らなかった。

 

「私の名前に意味はない。なので、代わりに私がどんな存在か教えよう」

 

 異能の発見がどれだけ人々の価値観を変えるか、知らなかったのだ。

 

「ワトシト皇國直轄異常現象能力者対策部隊第三、No.6、異邦系列の、異能者の関係者の保護を目的として私は活動しているが……」

 

 コツ…ピタ。

 

 階級章(ワッペン)に星を3つ並べた軍服を着た緑髪の少女はそう言って近付くのを止めてサクラと向き合う。

 黒に似た青い眼がサクラを映し、サクラもまた糸の視界に彼女を映した。

 

「長いので「保護者(キープライン)」、またはキープと、そう呼んでくれ」

 

「…………」

 

 人好きの笑顔で、最初の堅物そうな雰囲気をもみ消すように温和な雰囲気をしていたが……サクラの警戒は解けない。

 

「……そうか、君はなんの因果か()()()()()()()()。ならば身に覚えもあるだろう。要件は端的に……」

 

 それもそうだろう。隠されていても、糸の眼と転生者として生きたサクラにはそれが見えていた。

 

「君は異能者と密接に関わっている。同行に応じない場合、無理矢理にでも()()させて貰う」

 

「……ごめんなさい。私、異能なんて始めて聞きました」

 

 キープの背後には、()()()()()()()()()()()が浮かんでいたのだから。

 それが意味する事‭─‬‭─‬彼女が転生者であるという事。

 改変前に自分の立場を盗み、殺された者達の同類。

 

「なので……全力で逃げさせて貰います」

 

「なるほど、やってみなさい。出来るならだが」

 

 キィィ‭─‬‭─。

 

 甲高(かんだか)い金属音が不自然な長さで響き続ける。

 

 ……衝突の結果は程なくして現れることとなった。

 

 






LR「[精霊伝承]原始の精霊 タペス」
 精霊歴が始まって以来続いている精霊についての民間伝承、その主要キャラ。
 元々精霊と扱われていた訳では無く、時代によって何度も立場や種族を変えてとある一族の間に語られていた。
 本来演目になる筈ない知名度なのだが、物語が少なかった僅かな猶予や伝承された存在の正体によりLRまで引き上げられ、火の寓話世界で開演された。
 性能としては編成1番を「タペス」扱いにしてスキル枠を7つに増加させ、死亡時に「タペス」を解除して蘇生する。スキル追加系を扱う為の必須枠。

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