Nランク[のじゃロリ天使姫]に転生した!   作:何処にでもある

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 コミケとか特にそうですが、ソシャゲキャラの同人誌はやたらとあります。
 多分相性がいいんでしょうね。




ソシャゲと同人誌の関係は切り離せない

 

 

 エラトリア ワトシト皇國

 精霊歴2001年 春 「不可逆の時代」

 

 

「結核が治らぬとはどういうことじゃ、治せる病の筈じゃろ?」

「どうもこうも、天使につける薬は無いんですよ。実際薬を飲んでも効果が出ないじゃないですか」

「妾の種族がここで足を引っ張るとはのう…こほこほ」

 

 あれから半年。ヤマトが俺を見つけるのは長い話になりそうだと思いながら、居座る腰をどっかりと座り直していると、そんな事を監視役から言われた。

 

「種族が変わると同じ病でも姿を変えることがある。鳥や牛のインフルと一緒に教えて貰った話ですけど、どうやら本当みたいですね」

「厄介じゃのう…妾に効く薬や万能薬はないのか?」

「囚人につける普通の薬はあっても、囚人1人の為に開発される薬や万能薬は無いですよ」

「じゃろうなぁ…それよか大衆向けに作るのがよいもんなぁ…こほこほ」

 

 流石に1年も経てば警戒が解けると思ってたんだが、全然である。

 薬に関してはまた別の話ではあるが、世知辛い話なのは間違いない。

 

「代わりに感染しそうには無いですね。毒が強くて感染力が死んでるタイプの変異みたいです」

「妾を苦しめる為だけに生まれたような病じゃな?」

「恨むなら悪条件が重なって感染した自分を恨んでください。吐き気や下痢が無いだけ良いじゃ無いですか」

「代わりに平均体温が40℃を超えてるじゃろうが……起きる気も湧かんわい……」

 

 掃除が楽に済んで良かったとは思うが、こんなに熱いと夏が怖くて仕方ない。冬は寒すぎて死ぬかと思ったね。

 ずっと寒くてくらくらするし、喉が乾いてる感じと偶に血を吐くのがうざったいし……天使じゃなきゃもっと醜く死んでたと思うんだけど、天使だから死なないし治せないんだよな。

 

「ぁ"ー…最近腹が出て仕方ないし、病気なのに太ってる自分が腹立たしいわい……やはり食べてると太るのじゃな……」

「そうなんですか? ずっと寝ているので知りませんでした」

「お主、最初こそ世話を焼いてくれたが今ではすっかりじゃの」

「あくまでも監視役、いざという時異能者を殺すのが仕事なので」

「ご立派じゃな。情が湧かないようにする心得がしっかりある。妾はそういう越権行為をせぬ奴は好きじゃよ」

 

 その時被害を受けるのは俺だが、仕事をしているだけなのでまぁ良いだろう。

 最近は熱が辛過ぎて死んでも良い具合が高まり切ってるからな。特に最近は酸っぱいやつ食べたくなったり、食欲がげんなりしたり忙しいんだよ。うつ伏せと仰向けで寝るのが最近無理なんだよ。

 なんか腹に負担を掛けたく無いんだよな、不思議と。

 

「しかし…こちらに来てもう半年か。思えば随分長く囚われておるのぅ」

「かなり珍しい事ですね。異能は持ち主の意思に関わらず成長します。なのでこうも放置される事は無い筈ですが……」

「そうなのか?…まぁそうなのじゃろうな。不思議な話じゃて」

「えぇ、三段階以降になると持ち主は殺せても、インターバルはあれど異能は別の者に勝手に継がれますから。それまでに殺すのが肝要なんです」

「おっと怖い事実。いったいどれだけの異能が消せぬままになったのじゃ?」

「さぁ? 全部合わせても100はいってないとは聞きましたね」

 

 へぇ、そうなんだなぁ。

 これ聞いていいものか分からないから尋ねるのはここまでにしよう。

 俺は変な事は聞いてない。これでヨシ!

 

「だとすると本当に分からぬの、そのくらいの相手なら妾くらいは誤殺覚悟でいかねばなるまい?」

「実際その通りですよ。特に最近は異能感知の誤作動も多くなってる上、突然姿を現す者達が増えてますから」

「大変じゃな、其方はそっちの手伝いとかはせぬのか? ケホ」

「貴女の監視を任されてますから。最近は手間のかかる動物を飼育してる気分です」

「こほ…そうか、妾は動物園のマスコットか。ならば広報にでも出て求人でもするか? 妾、その手の人気商売には自信があるのじゃが」

「病人は寝ててください。それと私達は秘密の存在です。その手の広告は無理ですよ」

 

 なんか今日はやけに口を開くなぁ、こいつ。

 普段は持ってきた本とか読んで思いっきりサボってるのに……もしや忘れてきたのか?

 俺としては暇が潰れるから好都合だけど……あ、そうだ。

 

「そういえば一つ聞き忘れたことが有ったのじゃ」

「なんですか? 今は暇なので付き合いますけど」

「妾を天使と言うが、其方らにもヘイローが在るではないか。それはいつからそうなのじゃ?」

 

 いつか聞こうと思ってて、しんどいからずっと聞いてなかったこと。

 『Normal』は過去まで影響が及ぶか否かをずっと聞こうと思って忘れていたのを思い出した。

 

「おかしな事を聞きますね。"生命の原型が出来た頃からずっとですよ。どんな生き物にもある普通の器官"です。生き物かそうで無いかを大きく分ける物ですね」

 

 へぇ、歴史改変したからかな。俺の異能が始めから過去まで遡れる気はしないし、変に影響与えてないといいんだけど……。

 

「そうか、ならばもう一つ。背の高い人、低い人と言えば何センチじゃ?」

「さぁ、普通に考えたら160と100では? そのくらいあると女子に人気になりますし、1mの物差しを超えられないならチビ扱いですが……なぜこんな事をお聞きに?」

「気まぐれ、もっと言うなら天使族との違いが気になっただけじゃ……コホッコホ」

 

 なるほどね、『Normal』って俺を基準に-3〜+3単位まで許容する感じなのか。身長なら30、年齢なら3歳って具合に。

 じゃあ翼が対象になったら大変なことになるな。普段は虚空か魂的な謎空間に仕舞ってるけど、全部出そうとすると俺が埋もれるくらい生えるし。出すつもりとかないけど、仕舞い慣れないと大変だろうな。

 

「けほ…」

 

 後はこれ(持病)も危ないか? 正直40℃超えは普通死ぬし、高い毒性に異能の感染力が合わさったらパンデミックになる。

 最悪センが来なかったらセルフ殺処分だろうなぁ。

 

「……思うに、異能の治療は無いのか? 持ち主を殺さず異能のみを消したりとか…」

「さぁ、私の確認した範囲では無いですね。殺すか消し飛ばすか、それも無理なら封印です」

「"継承者の様にか"」

「………? 継承者とやらは知りませんが、使えない様に受け継ぎを防ぐのはそうですね」

 

 下っ端は『歴代継承』を知らないのか。そしてセンの手がかりも無しと。

 だからどうしたって話だけど、情報規制されているのは分かったな。

 在る程度話し込んだし、一旦トイレにでも行くか。ここで毎日少しずつ食べ続けてたらちょっぴり出てくるようになったんだよな。尿が。

 大はまだ来ない。身体の何処に消えてるのか不思議でならないね。

 

「うむ、少し花摘みとしよう。よっこいしょ……」

「……ん?…え、ん? そのお腹どうしたんですか」

 

 そうして普通に立ち上がると、本が無くて暇な監視役が、俺の太った腹を見てそんな事を言い始めた。

 やめろよ、デブ指摘は女子には御法度なんだぜ? 俺は気にしないけどな。

 

「ん? ここにきてから太っただけじゃよ? 前は飯一つ食えん生活じゃったからな」

「えぇ?……まぁ、そうなのかも…少しは運動したらどうです?」

「む、そうじゃのぅ。この部屋から出る事は?」

「それは無理です」

「じゃろうな。妾もこの気怠さで動こうなどと思えん」

 

 そんな訳で監視役がずっと俺を見ないで過ごしていたのが明るみになった所で、俺はそのままトイレに行く事にした。本当、慢性的な頭痛は辛いぜ…なんか寝てるだけで疲れるしな。

 不思議と毎日全力で走ったくらいには疲れるし、運動は勘弁である。

 

「ふぅ…さーて今日はもう水を飲んで寝‭─‬‭─‬」

 

‭─‬‭─‬‭─‬‭─‬それが起きたのは、トイレでパンツを上げきったくらいの事だった。

 

 

Normal(普遍性)

 

 

ザッ

 

 

Normal old(遙かなる普遍性)

 

 

「‭─‬‭─‬あ、成長したのじゃ」

 

 前兆とか、脈略とか、そんなものは一切無かった。

 ただ成長し次の段階に進んだ。その知らせとも言うべき変化を感じ取っただけ。

 ああ、俺ちゃんとこの異能の持ち主だったんだなぁって思考が過ぎるだけで、俺は最初と変わらずに何の変化もない。

 それでも違うことがあるとすれば、最初と違って何が変わったのかは分かる様になったこと。

 ヘイローの有無と肉体年齢の二つから、更にもう2枠増えてシャッフルされたこと……だけである。

 

「まじか……3段階目は確か異能が消えなくなるんじゃったか? やれやれ、妾ながら頑張ったと褒めたい所じゃが、とうとう死ぬべき時が来たようじゃな」

 

 さて、何が変わったのだろう。ヘイローと肉体年齢の枠も変わったから、本当に分からないぞ?

 一先ずトイレの向こうから叫び声は聞こえないし、監視役の命に別状は無さそうだが……。

 

「……ええい、ままよ!」

 

 まごついていても埒が開かない。俺は意を決して扉を開けて……。

 

「……? どうしたのですか?」

 

 バタン。

 

 そこに居る元監視役の姿を見て一旦扉を閉めた。

 

「……妾を基準に3単位だけ前後する。しかし、それが秒か、日か、月か、年かは分からぬ。年齢の時は年、ヘイローはそもそも有るという事実だけじゃったが……この場合じゃと…月単位じゃよな…」

 

 ふー……いい加減言葉にして受け入れようじゃないか。

 

「"臨月の腹をした監視の金髪ロリが居た"…のじゃよなぁ? 見間違えにしたいのじゃ…」

 

 俺とヤマトの初夜から6ヶ月だろ? そこに3ヶ月足したら9ヶ月だろ?

 子供ができるのは十月十日だろ? 臨月は1月前からの状態だろ?

 

 ふぅん、計算は合うって事か。

 

「まじか……」

 

 まじ? あの一夜で出来てたのも驚いたけど、妊婦状態も対象なのか?

 嘘だろ? 今世界中の全生命体が男女関係無くヤマトの子を孕んでるのか?

 性別の壁はどうした? 中身は全く同じヤマトと俺の子なのか? 異能やべーーーこの世に存在しちゃダメだろこれ。「エラッタ」の知識じゃなくて心で理解したわ。

 

「頭がおかしくなりそうじゃ……」

 

 ヤマトの腹にヤマトの子供が居るって事だろ? ちょっとエグいくらい悍ましいじゃねーか。

 

「というか……ロリじゃったよなぁ? 監視役。肉体年齢は一旦外れた筈じゃが……"容姿"か?」

 

 考えていくと、あの顔は鏡で見た気がする顔だった。

 服装や髪型、中身の差なのか、雰囲気は鏡で見た時とは全然違う。

 しかし、あれは()だった。間違いなく、俺の見た目だった。

 マジかよ俺の発見難易度爆増してるじゃねーか。翼とヘイローが消えた事だけが救いですらあるぜ。

 

 あーもー…混乱しててもしょうがない………いい加減出なければな。

 

 ガチャ。

 

「いやー…遅れてすまぬのー?」

「別にいいですよ。あなたの監視をするだけなんですから」

 

 座ってのんびりしている監視役は、特に慌てたり混乱する様子もない。

 どうやら元からこの姿だった事になっているようだ。安心していいか分からないぞ!

 そして改めて見て確信した。容姿と一緒に性別も変わってるし、声も俺の声だ。

 これお外すっごくカオスだぜぇ? 絶対なぁ…。

 

「あーそのー…お主、その腹は誰の子じゃ?」

「……? なんの話ですか?」

「いやぁ、臨月の腹じゃろ? 赤子がおるのではないか?」

「何言ってるんですか? これはスペアボディですよ。死ねばこの身体に魂が入って新しく産まれるんです。常識じゃないですか」

「そ……そうか。いや、そうで有ったな?」

「何回かそうやって生き続けて、精神が摩耗したら新しい人格に交代する。普通の事ですよ」

「へー……妾にそんな能力…は有ったなそういえば……」

「しっかりしてくださいよ、もう」

 

 あ、意識が遠くなりそう。でも分かったぞ。

 容姿、妊娠に加え、新しい枠の片方は転生体質だ。

 それらが悪魔合体してとんでもない事になっているが、間違いなく俺の特徴だな。

 というか転生し続けたら新しい人格に変わるのは初めて知……あ、サクラか?

 あれも確かに魂を辿れば俺だから…人格……あー…試すか。

 

「すまぬが色々聞くぞ? そなたにとってヤマトとは?」

「"旦那さん"ですよ? 当たり前じゃないですか」

「女王にもう一度なりたいか?」

「一度もなったことなんてないですが?」

「死にたいと思っておるか?」

「いいえ」

「治らぬ病気を持っているか?」

「いいえ……もう良いですか?」

「これで最後じゃよ。フィアとは、妾と其方はどんな関係じゃ?」

「"メル友"、"監視と囚人だけど凄く仲の良い友達"」

「うむ、ありがとうなのじゃ」

「いいですよ、私とあなたは友達じゃないですか」

 

 おっけー分かった。最後は"関係性"だ。

 俺が誰にどう思ってるかが共有されてる。

 よし、一旦トイレに戻って叫ばせてくれ。

 

「………いやとんでないのじゃ! なんじゃあこの異常(バグ)は! げほっげほっ!」

 

 ここまで来ると殆ど俺のコピーだよ!

 俺の主要な部位が全部共有された感じがするし、ヤマトが今頃どう思ってるか想像も付かないし。

 散々過ぎる。これが異能だと言われたらもうそれまでだが、とんでもないと何度言っても足りないくらいに酷い!

 

「とんでもない…とんでもないのじゃぁ…全部白状して殺して貰えるように頼………赤子はどうするのじゃ?」

 

 さっさと死ぬべきだ。

 そう思ってトイレから出ようとしたが、腹の重みが俺の足を止めた。

 

「こほ……」

 

 時間は途方もないが有限だからな……産むかどうかだけは決めておこう。

 

 ついさっきまで一つの命だと思っていなかったもの。気にする程まだ愛着も湧いてない相手。

 思えば数日の付き合いをしただけの奴の子だ。守ってやる義理はない。

 サッサと死んで世界を元に戻すのが最も大事だろう。

 自分のしたいことを優先するべきだ。

 

 そんなくだらないことを言い訳にしたくない。

 

「………4ヶ月…か。異能の成長速度が変わらぬなら、間に合いはするのじゃな…けほ」

 

 6ヶ月で2段階。

 2ヶ月の猶予がある以上、多少異能の成長が早くても問題はない筈だ。

 異能のことを思えば顔は俺にそっくりだろうが……俺が死ねば元に戻るなら問題はない。

 そこは要検証、情報収集が必要だ。

 

「ややこを…か。育ててやる事はできぬが、この世を生きる機会ならくれてやれるのじゃな?」

 

 本来の我が子の顔は見れないだろうし、愛を与える事も無いだろうが……全ての者には平等に挑戦し、やり直し、選択する権利があるべきだ。

 それだけは昔から変わらない、俺の悪癖だ。そのせいで随分と痛い目にあってきた。

 

「‭─‬‭─親なき子を産む‬嫌悪はあれど、それは命を奪う理由にすべきでない。今から、妾は己にそう課そうではないか」

 

 だからって今更やめる理由にもならない。

 何としても産んで、生きる環境を与えてやる。

 前世の俺ですら親から与えられたものだ。それを自分の子へ与えないなんて真似はしたくない。

 

「まぁ、妾なら容易いことじゃ。命を継がせるなぞ己自身で何度もやったわい」

 

 この身体に何度も転生して来た玉だぞ俺は。他人のそれを今更失敗する筈がない。

 やってやるよ、俺が死ぬまでお前のことは守ってやる。

 だからお前は安心してこの世に来いよ。

 誰だろうと歓迎して祝福してやる。

 

「名は……そうじゃな。妾がルシファーなら、其方はミカエルじゃろうな。くくっ男女関係無く付けられるいい名前だと思わんか? 聞き齧りの意訳じゃが、ミカエル(汝に神への愛を捧げよう)、じゃ。親愛を無理でも、フィアくらいの友愛は与えたい。そんな感じじゃよ」

 

 その生に溢れんばかりの幸福と苦難をってな。

 

 






N/EX「[黄金の愚王/現実世界(エラトリア)]ミカエル」
 精霊歴2001年、「不可逆の時代」の夏に生誕予定の赤子。
 ヤマトとルシファーの子供であり、寓話世界と現実世界の存在、両方の血を持つ。
 ルシファーの異能の影響で沢山の兄弟がいるが、異能が無くなっても消えないのはこの子を始めに元から妊娠していた赤子のみ。
 将来どうなるは不明だが、取り敢えず母に認知され名前を貰えた。ここ最近は腹を蹴っていたのに随分と鈍感な母である。
 性能としては自分の母に対し栄養吸収を行う。S2はまだない。期間限定的だが一般的な吸収型。

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